JPS606886B2 - 溶融ガラスの供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶融ガラスを所定量ずつ流出して供給する装置
に関し、特にガラス化した高レベル放射性廃棄物の処理
に好適である。

原子力発電などで生じた高レベル放射性廃棄物はガラス
或いは結晶化ガラスに混合して円筒状容器（通常キャニ
スタと呼ばれる。

寸法は例えば外径３０ｃｍ，高さ２００ｃｍのもの）に
充填し保管される。この充填はガラスが流動し易い高温
の溶融状態で行わなければならない。即ちガラス溶融炉
で溶融した前記ガラスを溶融炉のノズルから容器内に流
し出し容器内に一定量のガラスを供給した後ガラスの流
出を止める。次いで空の容器と交換して再び溶融炉から
ガラスを流し出し、新しい容器に供給するという操作を
くり返す。ところでこの一連の操作を安全かつ迅速に行
うためには、ノズルから流し出す溶融ガラスの流出を迅
速にかつ完全に断続することが必要である。このような
操作に用いる装置には、例えば特関昭５５一４７２２８
号公報に開示の装置がある。即ち内部電極と押し付けフ
ランジとの間に電圧を印加してガラスを通電加熱すると
ともに、管片（ノズル）を誘導加熱器で加熱してガラス
を流し出すものである。前記の加熱を中断すればガラス
の流出も勿論止まるが、管片の加熱は外部からの間接加
熱であるから迅やかな加熱をなし得ない。そこでノズル
に通電して直接加熱する方法が考えられる。

しかしながらノズルの温度を１００ぴ０乃至１２００つ
０に加熱するためには５００乃至１０００Ａの大電流を
通電しなければならないので、ノズルの端子に接続する
給電線は大容量となりその重量を支える手段を必要とす
る。従って給電線をフレームで支え固定するので、ノズ
ルも上下が固定され、ノズルが加熱され、膨張すると変
曲する。

ノズルが変曲すると流出する溶融ガラスの供給点がそれ
て危険である。ガラスの流出を迅速に制御しうろことは
、作業能率の向上のみならず安全面からも重要なことで
ある。

従って高レベル放射性廃棄物のガラス固化処理方法の実
用化にはこの問題を解決しなければならない。本発明は
ノズルを直接加熱しかつ変曲の生じない構成によって安
全かつ迅速な操作を可能とするものである。

以下本発明の実施例を図面によって説明すると次の通り
である。

図においてガラス溶融炉１０の底壁１１に凹部１３と、
凹部１３の略中央から炉内に通じる孔１２とを設け、こ
の凹部１３に内径２伽長さ２０伽の耐熱金属製（商品名
インコネル）のノズル２０を取り付ける。

ノズル２０を取り付ける凹部１３の深さは１３肌にした
。ノズル２０の上端にはフランジ２１が一体に形成して
あり、フランジ２１の上面を凹部１３の天井に密着させ
、ノズル２０の中心線を孔１２の中心線に合せる。フラ
ンジ２１の周辺部下面に水冷室２２を設けてフランジ２
１を冷却する。

冷却室２３はノズル２０を取り巻き、多数の孔からノズ
ル２０１こ向って矢印で示す如く冷却空気を吹き付ける
ようになっている。この冷却室２３をその下面で、底壁
１１にボルト３１で止めた支持板３０で支持してノズル
２０を底壁１１に固定する。前記水冷室２２によってフ
ランジ２１周辺部を常時冷却しているので、凹部１３の
天井とフランジ２１の上面に隙間を生じても、この隙間
から溶融ガラスが洩れるのを完全に防止する。

ノズル２０の下端は２重管構造になっており、ノズル２
０を取り囲む外管２４の外周を給電用のスリップリング
４０が取り巻いている。

このスリップリング４川ま、外管２４とカーボン４１を
介して酒動可能に接触しており、ノズル２０‘こ通電す
るための端子４２を有している。またこのスリップリン
グ４０１こは冷却室４３を設けている。

スリップリング４０の膨張を防ぐためである。ノズル２
０の下端は２重管構造であるからスリップリング４０を
冷却しても流出口の温度は所定の高温に維持できる。ノ
ズル２０に通電するもう一方の端子２５はフランジ２１
と一体形成の冷却室２３に接続してあり、スリップリン
グ４０を介して端子４２と２５との間に回路が形成され
ノズル２０が抵抗体となって発熱する。

尚、２６と４４は給水パイプを示しているが、排水パイ
プの図示は省略した。２７は冷却空気の供給パイプであ
る。

ノズル２０の温度は熱電対４５を取り付けて測定した。

ノズル２０から流出する溶融ガラスの停止は先ずノズル
２０の通電を停止する。次いで供給パイプ２７から冷却
室２３へ高圧空気を送り小孔から噴出させてノズル２０
を冷却する。従ってノズル２０は急に温度が下りガラス
の粘性が増して流出は止まる。操作を速やかにするため
には、ノズル２０が適当な温度にまで下ったときシャー
で溶融ガラスを切断し、更に切口に冷却板を押しつける
などしてガラスを冷却固化するとよい。

溶融ガラスの流出を再び開始するときは、冷却室２３へ
供給する高圧空気を停止し、同時にノズル２川こ通電し
発熱させる。

以上述べたように本発明供給装置によれば、／ズルを直
後加熱し、又冷却室を設けてノズルの通電と冷却とを交
互に操作して溶融ガラスの流出と停止を速やかに行うこ
とができ、更にノズルの下端をスリップリングで摺動自
在としたので熱膨張による伸びを生じても変曲しなく、
安全確実な操作をなし得るという実用的効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示す部分断面図である。 １川ま溶融炉、２０‘まノズル、２１はフランジ、２２
は水冷室、２３は冷却室、４川まスリップリング、２５
，４２は端子である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガラス溶融炉に炉底から突出する耐熱金属製ノズル
   を設け、該ノズルの加熱を断続して溶融ガラスの流出を
   制御する供給装置に於いて、ノズルの上端にフランジを
   一体形成し、このフランジを冷却する環状の水冷室と、
   ノズルの中央部に冷却空気を吹き付ける冷却室とを設け
   、ノズルの下端にスリツプリングを取りつけて、このス
   リツプリングと前記フランジとに通電端子を接続してな
   り、ノズルを通電によって直接加熱することを特徴とす
   る溶融ガラスの供給装置。