JPS606784Y2 - 時計ケ−スの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は平面から見たとき、見切部が異形であり、さら
に該見切部の上部に設けられた段部にガラスを嵌入固着
してなる時計ケースに関する。

見切部が異形であり、この見切部の上部に設けた段部に
ガラスを固着した時計ケースは多数製造販売されている
。

その代表的な従来例は第１図に示されるように、硬質バ
ッキング５を径方向に圧縮してガラス１を胴２に固着す
る構成となっている。

しかしながら、この構造の場合、ガラス１の固定力を確
保するため、該硬質バッキング５の高さを大きくせねば
ならず、その結果、ガラス１の下面から胴の上面までの
高さＨが非常に大きくなり、時計胴の薄型化の妨げとな
っていた。

又、他の従来例は第２図に示すように、ガラス下面から
胴上面の高さＨを小さくするために胴２とガラス１の固
着手段が接着となっている。

しかしながら、接着は他の面に於いて大きな問題がある
。

即ち、接着剤が経時劣化を起こしてしまうことである。

さらに、キズその他の理由でガラスを交換したい時、ガ
ラスを外した後、胴のガラス受面に接着剤のカスが残っ
てしまい、それを除去しなければ、再接着が行らない等
、非常にわずられしさがあった。

さらに時計ケースが細繊になってくると、時計ケースの
主要構成部品である胴が強度的に弱く変形しやすくなる
問題が生じる。

特に、ガラスを胴に接着した場合、胴の変形によりガラ
スと胴との間にズレが生じてガラスが剥離してしまうこ
とになり、十分な品質が得られなかった。

そこで、本考案は上述の点を考慮した結果、案出された
もので、見切部が平面異形の時計胴の段部に、異形ガラ
スを嵌入固着してなる時計ケースにおいて、異形ガラス
の少なくとも対向する二辺間の距離を、前記時計胴の段
部内壁よりわずかに大きく形威し、該ガラスを時計胴の
段部に圧入嵌合したことを特徴とし、これにより、防水
、防汗性を保ち、ガラス交換が容易で、薄形の時計胴を
有する時計ケースができるものである。

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第３図乃至第７図は本考案の実施例である。

第３図は平面図、第４図は第３図のＸ−Ｘ断面図である
。

第３図乃び第４図において、１はガラス、２は胴、３は
弾性バッキングである。

胴２の上方にはガラス受面用の段部２２が形成されてお
り、該段部に弾性バッキング３が該ガラス１と段部２２
によって上下方向に圧縮した状態で固定されている。

Ｘ−Ｘ方向では前記ガラスの二辺間の距離を前記胴の段
部内壁２１よりわずかに大きく形成し、該ガラスを胴２
の段部内壁２１に圧入嵌合腰脚２に固着している。

段部内壁２１の形状は垂直でも良いが、若干のテーパー
を設け、噴材嵌合とするとより固定が確実となる。

ガラス１と胴２の固定は対応する一対方向か、又は直交
する他の一対を含め、二方向で十分である。

全周噴材はガラスと胴、各々の精度を極めて高く要求さ
れ、現在の技術では至難であり、それに比して本考案の
部分噴材はそれほど高い形状精度を必要としない点有利
である。

第５図は、本考案の他の実施例であり、ガラス１と内壁
２１とが圧入保合している状態の断面図である。

胴２の段部２２に見返しリング部材４を設け、ガラス１
の上下方向の位置決めをすると共に、弾性バッキング３
が内方に落ち込み、ノ１ミ出す事を防いでいる。

第６図及び第７図は本考案の他の実施例であり、第６図
は平面図、第７図は第６図のＹ−Ｙ断面図である。

上述したガラス固定方式をさらに堆し進めた実施例であ
る。

ガラス１と胴２はＸ−Ｘ方向には必ず圧入嵌合してあり
、場合によってはＹ−Ｙ方向にも圧入嵌合しである。

６は裏蓋であり、Ｙ−Ｙ方向のみ部分噴材するようにな
っており、その結果、第８図にみられるように胴２の段
部内壁２１の形状が実線から破線のように変化しＸ−Ｘ
方向の段部内壁２１の距離がせばまり、より強くガラス
１を固着できるようになっている。

以上述べた如く、本考案はガラスを部分的に胴に嵌入固
着しさらに裏蓋を利用し、より確実に固着しているので
、防水、防汗性を確実に保ち、又、接着剤を使用してい
ないため、ガラス交換が容易であり、経時劣化もおこら
ず、又、薄形の時計胴を実現出来る等、その効果は極め
て大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の時計ケースの部分断面図、第
３図乃至第８図は本考案の実施例を示し、第３図は平面
図、第４図は第３図のＸ−Ｘ線断面図、第５図は時計ケ
ースの部分断面図、第６図は時計ケースの平面図、第７
図は第６図のＹ−Ｙ線断面図、第８図は説明用の平面図
である。 １・・・・・・ガラス、４・・・・・・見返しリング部
材、１１・・・・・・外周部、５・・・・・・硬質バッ
キング、１２・・・・・・下面、６・・・・・・裏蓋、
２・・・・・・胴、２１・・・・・・段部内壁、２２・
・・・・・段部、３・・・・・・弾性バッキング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面異形の見切部を有する時計胴の上部に段部を設け、
   該段部に前記見切部の平面形状とほぼ相似のガラスを嵌
   入固着してなる時計ケースに於いて、前記段部と前記ガ
   ラスの間で弾性バッキングを上下方向に圧縮した状態で
   固定し、前記ガラスの少なくとも対向する二辺間の距離
   を、前記時計胴の段部内壁よりわずかに大きく形威し、
   前記ガラスを時計胴の段部に圧入嵌合したことを特徴と
   する時計ケースの構造。