JPS6058702B2 - インクジエツトプリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少なくとも１個のほぼ円錐状圧力室を具える
インクジェットプリンタであつて、前記圧力室の円錐エ
ンベロープに開口するインク用の供給導管と、前記円錐
状の頂点に配置し、ジェットノズルに接続する排出導管
とを前記圧力室に設け、前記圧力室の底面をダイヤフラ
ムにより構成し、このダイヤフラムを圧電結晶変換器の
一部として形成し、この圧電結晶変換器によりジェット
ノズルを経るインクの滴下射出のための変化する圧力を
インクに加えることができるよう構成したインクジェッ
トプリンタに関するものである。

この種のインクジェットプリンタの作用はジエツトノ
ズルヘのインクの流れが例えば混入した汚染物または空
気により妨害されなければ問題はない。特に溜つた空気
の泡は作用を著しく乱す。従つて圧力室には常にインク
を完全に充満させるべきてある。即ちこれは空気の泡が
滴下射出を生じノない程度に圧力波を減衰させるためで
ある。滴下射出を生じないことにより記録キャリヤに記
録すべき文字の印刷を不鮮明にする。 しかし既知のイ
ンクジェットプリンタの形状は室にインクを充填すると
き空気の泡が室に著しく生ずるような形状である。

従つてこのようなプリンタにおいてはすべての混入空気
を室からジェットノズルを経て排除する初期段階作業を
行つてから実際の印刷を行なわねばならない。しかしこ
の初期作業によつて必ず排除できるものではない。代案
としてジェットノズルを上方に指向させることにより室
から空気を抜くのを促進するようにすることもできる。
この場合気泡の上昇する性質からいつていかなる気泡も
逃げることができる。しかし一般的にジェットノズルは
側方に、即ち水平方向に指向させなければならないため
混入空気を室から排除するのは困難である。従つてイン
クを充填する前にインクに溶解するガスによつて室を一
掃することがよく行われる。しかしこの方法は時間がか
かり、作業が複雑であり、費用がかかる。本発明の目的
は圧力室およびジェットノズルの領域におけるインクの
流れに混入空気が存在しないようにするとともに、イン
クジェットヘッドの構造が小型であるインクジェットプ
リンタを得るにある。本発明インクジェットプリンタは
この目的を達成するため前記圧力室の円錐エンベロープ
の円錐底面の直径がその高さよりも少なくとも１皓大き
，く、円錐エンベロープとこの円錐底面とが極めて鋭角
の角度をなす形状にし、また前記円錐エンベロープの底
端縁と前記圧力室の底面をなすダイヤフラムとが密着す
る構成とし、前記供給導管を前記円錐エンベロープと前
記底面との間の連結領域こにおいて前記圧力室に開口さ
せることを特徴とする。

この結果圧力室にインクを充填するときインクは先ず毛
管作用により円錐エンベロープと円錐の底面との端縁に
沿つて円を描くよう案内される。

５入口の反対側においてこれらインクの流れが合致して
空気の泡を包囲し、この空気の泡は円錐室内において正
確に対称形をなすよう位置し、また排出導管に連通する
。

更にインクを注入すると空気は排出導管およびジェット
ノズルを経て外部にゆ４つくりと押し出され、室の形状
により頂点の周りの空気の対称分布を確実にする。この
ようにして泡なしで室にインクを充満させることができ
る。室のいたる部分が印刷流体即ちインクで満されるた
め印刷ヘッドをインクジェットプリンタにおいていかな
る位置にも配置することができる。従つて排出導管およ
びジェットノズルを例えば下向きにでも指向させること
ができる。円錐エンベロープは必ずしも狭義の円錐エン
ベロープに限定するものではない。

例えば双曲エンベロープとすることができる。このよう
な形状の室は多重ジェットノズルヘッドに集中させるの
に特に好適である。

ダイヤフラノムは板として構成し、この板をすべての室
を被うようにするとよい。図面につき本発明の実施例を
説明する。第１図に示すインクジェットプリンタの印刷
作用を行うための射出力発生室即ち圧力室を本体１によ
り構成し、この本体１内に実際の室２を形成し、供給導
管５を経て印刷流体（インク）を充填する。

インク供給は入口ノズル６に摺嵌した管により既知の方
法で行うことができる。インクをジェットノズル（第１
図には図示せず）に接続した排出導管３から排出する。
代案として排出ノズル４を排出導管兼用のジェットノズ
ルとすることもできる。室２を金属ダイヤフラム７によ
り閉鎖し、このダイヤフラム７により圧電結晶変換器の
一部を形成し、この変換器には実際の圧電結晶８および
電極９をリード線１０，１１とともに設ける。室２を円
錐状に形成し、底面の直径を高さよりも少なくとも１０
ｆｆＳ大きくする（例えば２皓）。

この結果極めて鋭角の角度αが底面と円錐エンベロープ
（以下１円錐面ョと称する）との間に生ずる。この角度
が小さいため室の端縁領域がインクに対して毛管作用を
与える。供給導管５をこの端縁領域（円錐面と底面との
接触領域）に開口させる。インクの供給量が多すぎるこ
とのないようにするため供給導管５の直径も小さくすべ
きである。実験から円錐の底面の直径が５Ｔ０ｎ、高さ
が２００μｍのとき好適な作用が得られることがわかつ
た。このとき供給導管５の直径は円錐の高さの約１１２
であつた。しかし他の寸法も可能である。一方ではイン
クの円錐室の端縁領域への供給を比較的緩慢に行うとと
もに、他方室２の端縁領域にわたり毛管作用がインクに
加わるようにすることは重要である。室２にインクを充
填する間インクの流れは供給導管５を緩慢に通過し、先
す円錐面および底面の端縁に沿つて円を描くように案内
される。

これら２個の流れが供給導管５の反対側で出合つて混ざ
り合う。この流れが空気の泡を包囲し、この空気の泡は
正確に対称形をななして円錐室内に位置し、排出導管３
に連通する。更にインクを流入させるとき空気の泡は排
出導管３からゆつくりと押出され、このとき室２の円錐
形状が円錐の頂点の周りの空気の泡の対称分布を確実に
する。最終的に空気は室２および排出導管３から完全に
排除される。このようにして空気の泡を含むことなく室
２に印刷流体を充填することができる。第２図において
インクジェットプリンタの印刷ヘッドを示し、このヘッ
ドには合計９個の印刷室を設け、各室にジェットノズル
３２を関連させる。

この種の印刷ヘッドは室２として円錐状の窪みを付けた
り円錐状に押抜くことができる材料を印刷ヘッドハウジ
ング１３に使用するとき比較的容易に製造することがで
きる。このときヘッド本体の供給導管５および接続導管
５１をフライスエ具または押抜工具により同時に形成す
ることができる。接続導管５１をインク供給導管１２に
接続する。室２を排出導管３１により関連のジェットノ
ズル３２に連通する。このように製造した印刷ヘッドハ
ウジング１３を板７１により構成したダイヤフラムによ
り閉鎖する。この板７１を金属により形成し、圧電結晶
変換器の一方の電極とし、室２の各々の領域においてこ
の板７１の上側の面に第２の電極９を有する関連の圧電
結晶８を支持する。各圧電結晶変換器をリード線１０に
より周波数発振器（図示せす）に接続する。電気出力を
共通リード線１１により導出する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明インクジェットプリンタの室の拡大断面
図、第２図は第１図の室を数個具える印刷ヘッドの斜視
図である。 １・・・・・・本体、２・・・・・・室、３，３１・・
・・・・排出導管、４・・・・・・排出ノズル、５・・
・・・・供給導管、６・・・・入口ノズル、７・・・・
・・金属ダイヤフラム、８・・・・・・圧電結晶、９・
・・・・・電極、１０，１１・・・・・・リード線、１
２・・・・・・インク供給導管、１３・・・・印刷ヘツ
ドハａウジング、３２・・・・・・ジェットノズル、５
１・・・・・・接続導管、７１・・・・・板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１個のほぼ円錐状の圧力室を具えるイン
   クジェットプリンタであつて、前記圧力室の円錐エンベ
   ロープに関口するインク用の供給導管と、前記円錐状の
   頂点に配置し、ジェットノズルに接続する排出導管とを
   前記圧力室に設け、前記圧力室の底面をダイヤフラムに
   より構成し、このダイヤフラムを圧電結晶変換器の一部
   として形成し、この圧電結晶変換器によりジェットノズ
   ルを経るインク滴下射出のための変化する圧力をインク
   に加えることができるように構成したインクジェットプ
   リンタにおいて、前記圧力室２の円錐エンベロープの円
   錐底面の直径がその高さよりも少なくとも１０倍大きく
   、円錐エンベロープとこの円錐底面とが極めて鋭角の角
   度αをなす形状にし、また前記円錐エンベロープの底端
   縁と前記圧力室の底面をなすダイヤフラムとが密着する
   構成とし、前記供給導線５を前記円錐エンベロープと前
   記底面との間の連結領域において前記圧力室に開口させ
   ることを特徴とするインクジェットプリンタ。 ２ 前記供給導管５の直径を前記圧力室の高さの約１／
   ２とすることを特徴とする特許請求の範囲１記載のイン
   クジェットプリンタ。