JPS605502Y2 - 走査型ｘ線発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＸ線発生装置に係り、特に細いＸ線ビームで被
写体を走査する形式のＸ線発生装置に関する。

なお、本考案に係る走査型Ｘ線発生装置はＸ線を陽極タ
ーゲットの表面から取り出す形式の装置である。

第１図は従来の走査線Ｘ線発生装置の一列である。

図はＸ線管を断面図で、また被写体及びＸ線受光部を楔
形的に示している。

Ｘ線管は内部を真空に保持した外囲器１１と、この外囲
器の一端に設けられた陽極ターゲット１２と、陽極ター
ゲットに相対向して配設された陰極１３と、陰極から放
出された電子流１４を上下左右に偏向させる静電偏向装
置１５とから戒っている。

このＸ線管は防電撃、Ｘ線遮蔽の容器１６の内部に傾斜
して収納されている。

容器には陽極ターゲットで発生したＸ線を細線状に取り
出すためのＸ線透過用小孔１０を開けたＸ線遮蔽体１７
が一部に設けられており、容器とＸ線管との間は絶縁及
び冷却を行なう絶縁油１８が満たされている。

なおＸ線管を容器に保持する保持具、Ｘ線管に電力を供
給するケーブル等は図では省略しである。

このＸ線管で陰極から放出された電子流は加速され偏向
されて陽極ターゲットに衝突しＸ線を発生する。

発生したＸ線は四方六方に向かうが、このうちＸ線透過
用小孔を通過するものだけが有効に利用される。

Ｘ線透過用小孔を通過したＸ線ビーム１９は被写体２０
を通過しシンチレータ２１に入射するが、陽極ターゲッ
ト上を電子ビームが走査するのに対応して被写体を走査
し、被写体のＸ線透過率に応じてシンチレータを発光さ
せる。

シンチレータの発光は光電増倍管２２で電気信号に変え
られ増幅されてインターフェイス２３を介して計算機２
４にデータとして入れられ分析される。

このような走査型Ｘ線装置は被写体の情報を計算機で処
理できること、被写体の受けるＸ線の量が少ないことが
特徴であるが、従来の走査型Ｘ練製は陽極ターゲットに
対しピンホールの位置が斜めの位置にあるので被写体と
陽極ターゲットとの距離が電子ビームの走査位置に対応
して変化することになり、Ｘ線ビームを均一に取り出す
ことが難かしい。

又装置全体の寸法が大きくなるという欠点があった。

本考案は以上のような不都合をなくし、均一なＸ線ビー
ムを取り出すことが出来かつ全体の寸法を小さくできる
走査型Ｘ線発生装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。

なお、同一部分は同一符号であられす。第２図に示す実
施例のＸ線発生装置は、はぼ円錐状の真空外囲器１１１
と、外囲器の底面をなしている径大部に設けられた陽極
ターゲット１１２と、外囲器の頂点をなしている径小部
内に配設された電子ビーム発生用陰極１１３と、陰極の
横すなわち陰極と陽極ターゲットの各々の中心をむすぶ
線の近傍に配設されているＸ線透過用小孔１１０を持つ
Ｘ線遮蔽体１１４とからなっている。

なお外囲器１１の径大部と径小部とは概して漏斗状に形
成されている。

陽極ターゲットには正の高電圧が、陰極には負の高電圧
が印加されるが、電カケープルは図では省略されている
。

Ｘ線管の陰極近傍には電子ビームを偏向走査させる電磁
石などの偏向走査装置１１５が絶縁筒１１６を介して固
定されており、陽極ターゲットの裏面には陽極ターゲッ
トを冷却する油循還冷却器１１７が取りつけられている
。

Ｘ線管は、鉛張り１１８が施された円筒状容器１１９内
に収納され、容器とＸ線管との間には絶縁性ガスが満た
されている。

容器には小孔１１０に対応する位置に、Ｘ線を取り出す
窓１２０が設けられている。

本考案のＸ線発生装置では陰極とＸ線透過用小孔とが外
囲器内において互いにごく近傍に設置しであるので、陰
極から陽極ターゲット上の電子ビーム衝突位置すなわち
焦点を見込む角度と、Ｘ線透過用小孔から焦点を見込む
角度とはほぼ等しく、従ってＸ線透過用小孔を通過する
Ｘ線ビームの偏向角度は電子ビームの偏向角度とほぼ等
しくなる。

このためＸ線ビームの走査において、ビームの位置及び
方向は、電子ビームの偏向走査角度で近似でき、補正が
少なくてすむので被写体を透過したＸ線ビームの量から
求められる被写体のデータを処理する事が容易である。

さらに、Ｘ線透過用小孔から陽極ターゲットまでの距離
が陽極ターゲットの全面にわたってほぼ一定となるので
、管電流を一定とすることによりＸ線透過用小孔を通過
するＸ線量はほぼ一定となる。

この事はデータの処理の上では極めて有用である。

なお、この特徴をさらに発揮させるため、陽極ターゲツ
ト面をＸ線透過用小孔が中心である球面状にしても良い
。

又、陰極とＸ線透過用小孔がほぼ同位置であり、しかも
、陰極から陽極ターゲットに到達する電子ビームの軌道
と陽極ターゲットから発生し外部にとり出すＸ線ビーム
の軌跡とかはＳ′同一であるため走査型でありながら軸
方向の長さを余分に必要とせず小型・軽量とすることが
できる。

第３図に示す実施例のＸ線発生装置は、陰極が円錐状の
外囲器１１１内の径小部内に外囲器と同軸状をなして配
設されている。

この陰極の構造は軸対称形状を有しており、電子放出部
１２１．加熱用フィラメント１２２、ビームＪ＆形’［
極１２ ａからなっている。

この電子放出部の中心部が丸く削除されており、ここに
Ｘ線透過用小孔１１０が位置するようにＸ線遮蔽体１１
４が配設されている。

本実施例に於いては、陰極中心と、Ｘ線透過用小孔とが
完全に一致するので、Ｘ線ビームの位置ひずみを極めて
小さくできる。

以上述べたように、本考案により位置的にかつ強度的に
均一なＸ線ビームを取り出すことができ、かつ全体の寸
法の小さい走査型Ｘ線発生装置を得ることができる。

なおＸ線透過用小孔は使用目的に応じ細長いスリット状
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の走査型Ｘ線装置の説明図、第２図は本考
案の一実施例の縦断面図、第３図は本考案の他の実施例
の陰極近傍の縦断面図である。 １１１・・・・・・Ｘ線管真空外囲器、１１２・・・・
・・陽極ターゲット、１１３・・・・・・陰極、１１０
・・・・・・Ｘ線透過用小孔、１１４・・・・・・Ｘ線
遮蔽体、１１５・・・・・・偏向走査装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に径大部を有し他端に径小部を有するとともにそれ
   らの間が概して漏斗状に形成された真空外囲器と、この
   真空外囲器の径大部に設けられた陽極ターゲットと、上
   記径小部に配設された陰極と、この陰極の近傍に設けら
   れ一部にＸ線透過用小孔又はスリットを有するＸ線遮蔽
   体とを具備するＸ線管、及び上記Ｘ線管の陰極から発生
   される電子ビームを上記陽極ターゲット上に偏向走査す
   るビーム偏向走査装置を有してなる走査型Ｘ線発生装置
   。