JPS6054102B2 - 復水脱塩装置の樹脂再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、復水脱塩装置の樹脂再生装置に係り、特に原
子力発電所等における復水脱塩装置の再生装置の簡略化
を行ない廃液の減少および樹脂の管理を行ない得るよう
にした樹脂再生装置に関する。

一般に、原子力発電所で使用する炉水は、特に高純度の
水に維持する必要があるため、復水脱塩塔によつて固形
物（クラッド）および不純物イオンを除去する必要があ
る。

ところで、通常復水脱塩塔は複数個並列設置されており
、内１塔は常に待機状態とし、使用中の復水脱塩塔を逆
洗再生成は薬液再生を行なうような場合にはこれらを順
次切換えて使用することにより連続使用ができるように
なつている。また、使用する樹脂は復水脱塩塔の性能を
維持するためおよび樹脂劣化状況を管理するため、各塔
の樹脂は常に同一の脱塩塔で使用され、他塔或は廃棄物
処理系の樹脂と入れ変らないようになつている。また、
従来の復水脱塩塔には、樹脂再生のために陽イオン樹脂
再生塔、陰イオン樹脂再生塔および樹脂貯槽が設置され
ており、薬液再生は硫酸および苛性ソーダで行なわれて
いる。

したがつて、再生作業毎に上記硫酸、苛性ソーダを含ん
だ廃液樹脂移送時の廃液が多量に発生され、この廃液は
液体廃棄物処理系で処理されるが、硫酸ナトリウムを多
量に含むため通常濃縮器で処理される。なお、上記の「
逆洗再生」とは、復水脱塩塔のイオン交換樹脂に固形物
が付着して、出入口間の差圧が規定以上になつた場合、
再生装置により・水、空気によつて逆洗洗浄する工程を
いい、「薬液再生」とは、復水脱塩塔のイオン交換容量
が規定値以上（性能低下）になつた場合に、再生装置で
薬品によつて樹脂の再生を行なう工程をいう。次に、こ
れを第１図に示す従来例に基づいて具・体的に説明する
。図中符号１は復水脱塩塔であつて、その復水脱塩塔１
は数塔の群をなし、そのうち一塔は予備塔とされ、逆洗
再生操作が必要となつた復水脱塩塔１は主系統から切り
離され、その中のイオン交換樹脂は配管２を通つて陽イ
オン樹脂再生塔３に移送される。

そこで水と空気によつてイオン交換樹脂に付着した腐食
生成物が脱離される。逆洗再生には、他に分離逆洗再生
があり、陽イオン樹脂再生塔３で陽イオン交換樹脂と陰
イオン交換樹脂を分離し、陰イオン交換樹脂は配管４を
通して陰イオン樹脂再生塔５に送られそこで逆洗され、
陽イオン交換樹脂は前記陽イオン樹脂再生塔３で逆洗再
生される。

逆洗再生が終了すると、再生された樹脂は配管６或は配
管６と配管７を通つて樹脂貯槽８に移送され、さらに配
管９を経て復水脱塩塔１に戻され、これが予備塔とされ
る。

薬液再生が必要となつた場合も上記と同様に、その復水
脱塩塔１を主系統から切り離し、予備塔を主系統とする
とともに、上記主系統から切り離された復水脱塩塔１内
のイオン交換樹脂は配管２を経て陽イオン樹脂再生塔３
に移送され、そこで陽イオン樹脂と陰イオン交換樹脂と
に分離される。

分離された陰イオン交換樹脂は配管４を通つて陰イオン
樹脂再生塔５に移送される。そして、それぞれ再生塔に
おいて硫酸および苛性ソーダを使つて薬液再生処理を行
ない、その後それぞれの樹脂は配管６，７を通つて樹脂
貯槽８に移送され、そこで洗浄および混合操作後さらに
配管９を経て復水脱塩塔１に戻され、これが予備塔とさ
れる。なお、図中符号１０ａ，１０ｂは復水流路を．示
す。以上のように、従来の再生装置においては、樹脂貯
槽が樹脂の最終洗浄、混合、予備樹脂の保管のために設
けられているが、現実には各脱塩塔の樹脂は再生後樹脂
貯槽に保管されずに脱塩塔に戻、され、樹脂貯槽は空と
なつている。

これは用途の異なる廃棄物処理系の脱塩塔の樹脂も本再
生装置で再生しているため、廃棄物処理系の脱塩塔の樹
脂が復水脱塩塔にて使用されることを防止するとともに
、また各脱塩塔の樹脂の廃棄まての管理が・困難となら
ないようにするためである。一方、沸騰水型原子力発電
プラントでは、復水器は主蒸気を復水とする大めに多数
のチューブに海水を通しこの海水によつて主蒸気を復水
せしめているが、このチューブに穴があき海水中の成分
、特に塩素が復水中に混入すると、プラント構成材料に
悪影響を及ぼすため、復水脱塩装置の脱塩器を順次切り
換え運転をしてこれを除去する必要がある。

また、この海水リーク量が大きい場合は、短時間で脱塩
容量が消耗するので、プラントを停止しなくてはならな
くなる。したがつて、復水脱塩装置の再生操作は信頼性
が高いものでありかつ短時間で再生が実施できるもので
なければな・らない。また、この再生時には、樹脂移送
、薬液再生、混合、洗浄等で多量の水を使用するので、
廃棄物処理系に多大な負荷をかけている。

したがつて、再生操作はより簡単でできるだけ少量の水
の使用で実施できるものでなければならない。さらに、
原子力発電プラントは安全性が重要視され、多数の複雑
な機能設備で構成されており、そのことが逆に故障の原
因となりうる面が多々ある。

同機能を果す場合は、より簡略な設備がより安全である
から、再生装置も簡略な設備でなければならない。とこ
ろが、前記従来の装置は必ずしも上記諸要望を満足する
ものではなかつた。

本発明はこのような点に鑑み、従来の樹脂貯槽を廃止し
陽イオン樹脂再生塔にて樹脂貯槽と同じ機能すなわち最
終洗浄と樹脂混合との機能をもたせることにより再生装
置の簡略化を行ない、廃液の減少、樹脂の管理が行なえ
るようにした樹脂再生装置を提供することを目的とする
。

以下、第２図を参照して本発明の実施例について説明す
る。

なお、第１図と同一部分については同一符号を付す。復
水脱塩塔１の底部には樹脂移送配管２の一端が接続され
、その樹脂移送配管２の他端が陽イオン交換樹脂再生塔
３の頂部に連接されており、さらに上記陽イオン交換樹
脂再生塔３の底部と前記復水脱塩塔１の頂部ともイオン
交換樹脂を復水脱塩塔１に戻すための樹脂移送配管１１
によつて連接されている。

また、上記陽イオン交換樹脂再生塔３には樹脂移送配管
４を介して陰イオン交換樹脂再生塔５が連接され、さら
に上記陰イオン交換樹脂再生塔５の底部と陽イオン交換
樹脂再生塔３の頂部間にも樹脂移送配管１２が連設され
ている。

しかして、逆洗再生操作が必要となつた復水脱塩塔１は
従来装置と同様に、主系統から切り離され、次いでその
復水脱塩塔１内のイオン交換樹脂が配管２を経て陽イオ
ン交換樹脂再生塔３に移送される。

そこで逆洗再生操作が行なわれる点は従来と同じである
が、逆洗再生操作後、樹脂は樹脂移送配管１１を介して
復水脱塩塔１に直接戻される。また、分離逆洗再生の場
合には、陽イオン交換樹脂再生塔３に移送された樹脂は
そこで陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に分離され
、陰イオン交換樹脂は配管４を経て陰イオン交換樹脂再
生塔５へ送られ、両再生塔３，５で各イオン交換樹脂の
逆洗再生が行なわれる。

逆洗再生後、陰イオン交換樹脂は樹脂移送配管１２を介
して陽イオン交換樹脂再生塔３に戻され、そこで陽イオ
ン樹脂と混合され、樹脂移送配管１１を経て復水脱塩塔
１に戻される。また、薬液再生が必要となつた場合には
、復水脱塩塔１を主系統から切り離し、配管２を通して
陽イオン樹脂再生塔３にイオン交換樹脂を移し、そこて
分離した陰イオン交換樹脂を配管４を経て陰イオン交換
樹脂再生塔５に移送する。

そしてそれぞれの再生塔で薬液再生を行なつた後、陰イ
オン交換樹脂は配管１２を介して陽イオン交換樹脂再生
塔３に移送され、ここで樹脂の最終洗浄混合操作も行な
つた後、復水脱塩塔１に配管１１を通して移送される。
以上のように、本発明では、陽イオン交換樹脂再生塔に
樹脂貯槽の機能をもたせ、ここで樹脂の混合および最終
洗浄を行なわせるようにしたため、第１図の従来装置に
おける樹脂貯槽８、それに付属する配管、弁およびそれ
らに対応する計器類を省略することができ、その結果従
来と同じ機能をもちながらコストダウン化を画ることが
できる。

また、機器、配管を一部省略することにより、復水脱塩
装置をコンパクトにでき建屋スペースに余裕ができるこ
とになる。特に原子力発電プラントの場合には、放射能
レベルによりしやへい壁を設けなければならないが、省
略した樹脂貯槽と配管のしやへい壁が不要となり、また
樹脂の移送工程の減少により、移送に必要な水量が減り
、放射性廃棄物系の処理量が減少する。さらに、移送工
程の減少により、制御装置が簡略でき総合的に事故不具
合が減少する。その結果再生の信頼性が向上し、再生時
間も短縮できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の復水脱塩装置の概略系統図、第２図は本
発明の復水脱塩装置の系統図てある。 １・・・・・・復水脱塩装置、３・・・・・・陽イオン
交換樹脂再生塔、５・・・・・・陰イオン交換樹脂再生
塔、２，４，１１，１２・・・・・・樹脂移送配管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の復水脱塩塔を並列設置し、その復水脱塩塔の
   樹脂の逆洗再生あるいは薬液再生を行なう場合、これら
   を順次切換えて再生処理を行なうようにした復水脱塩装
   置における樹脂再生装置において、上記複数の復水脱塩
   塔群に対して陽イオン交換樹脂再生塔および陰イオン交
   換樹脂再生塔とを併設し、上記復水脱塩塔と陽イオン交
   換樹脂再生塔間および陰イオン交換樹脂再生塔と陽イオ
   ン交換樹脂再生塔間をそれぞれ樹脂移送配管によつて連
   接し、陽イオン交換樹脂再生塔で再生された樹脂を直接
   或は両再生塔においてそれぞれ再生された樹脂を陽イオ
   ン交換樹脂再生塔において混合した後、復水脱塩塔に戻
   すようにしたことを特徴とする、復水脱塩装置の樹脂再
   生装置。