JPS6052061B2 - ボビン支持体としての巻管用チヤツク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボビン保持体としての巻管用チャックであ
つて、軸方向に歯状に突出する切断部材を有する糸切断
リング及びこれに続く糸案内リングを備えており、糸案
内リングが糸切断リングに向けて糸を案内するために糸
切断リングの切断部材の内側に向かつて傾斜する案内面
とこれに続き切断部材の内側に位置する延長部を有して
いる。

形Ｊ式のものに関する。 自動的な巻管交換機を有する
エンドレスの糸のための巻取り装置のチャックはスイス
国特許第５５８２９７号明細書より公知であり、この場
合２つの巻管が高い速度で供給される糸を交互に受け取
り、かつボビンが所望の大きさに達した後に糸を空の巻
管に引き渡すと同時に作業位置から待機位置に旋回せし
められる。

糸引き渡しの際チャックが軸方向に移動せしめられ、こ
の場合綾振りされていない糸が糸案内リングによりつか
まれかつ糸切断リングによつて切断され、次いで数回の
捨て巻きで空の巻管に巻き取られる。糸案内リングによ
つてつかまれた糸は糸案内リングと糸切断リングとの間
に締付部材によつて締付けられかつ糸切断リングの歯に
よつてつかまれ切断される。巻き取つた後に満巻のボビ
ンを抜き取る際糸案内リングと糸切断リングとの間に締
付けられた糸端部を確実に解放するために、糸案内リン
グが軸方向に摺動可能である。このような公知のチャッ
クは以下の欠点を有している。

糸が糸案内リングと糸切断リングとの間に常に十分に締
付けられない、したがつてきれいでない糸切断が生じる
。糸案内リングあるいは糸切断リングが軸方向にしゆう
動可能に配置されているので、その結果費用のかかる構
造になる。したがつて本発明の目的は、このような欠点
を取り除き、糸案内リング及び糸切断リングが不動に設
計されていて、かつそれにもかかわらず糸端部が巻き終
つたボビンを抜き取る際に確実に解放され、並びに糸が
切断される際に常に確実に締付けられ、その結果きれい
な糸切断が生じるようなチャックを提供することである
。この目的を達成するために本発明の構成では冒頭に述
べた形式の巻管用チャックにおいて、糸案内リングの延
長部に切欠きが設けられており、この切欠き内に運転回
転中の遠心力を受けて糸切断リングの切断部材と協働す
る締付部材が半径方向運動可能に配置されている。

締付部材がゴムリングから若しくは各切断部材．に所属
する個別の締付片から成つており、切欠きが環状の溝に
よつて若しくは各切断部材の内側に形成されたスリット
溝によつて構成されており、ゴムリングが環状の溝内に
若しくは各締付片が各スリット溝内に配置されていると
有利である。

さ−らに有利には、切断部材がそれぞれ端面に対して鋭
角に延びる側面を有しており、この側面の、締付部材と
向かい合う縁部が端面かて見て糸案内縁部及びこれに続
く糸切断部材として構成されている。以下においては図
面を参照しながら本発明の実施例を具体的に説明する。

第１図に示したチャックシャフト１がチャックスリーブ
２を有するころがり軸受３を保持している。

チャックスリーブ２の機械側（矢印Ａによつて示された
側）の端部に糸切断リング４がボルト５を用いてチャッ
クスリーブ２と不動に結合されている。糸案内リング６
が糸切断リング４とチヤ】ツクスリーブ２に形成された
ストッパ面７との間に不動に配置されており、この糸案
内リング６は円筒状のスリーブ支持面８、巻管１０のた
めのストッパ面９及び糸切断リング４に向かつて円錐状
の糸案内面１１を有している。糸切断リング４（第１図
、１Ａ図及び１Ｂ図）は円錐状の糸案内面１１に向けら
れた端面に、リング状に配置された１列の歯状の切断部
材１２を有していて、この切断部材１２は円錐状の糸案
内面１１を部分的に突出していてかつ糸２２の切断及び
案内のための切断縁部２６及び案内縁部２７を備えた歯
側面１２″を有している。歯側面１２″は歯先面２５に
対し鋭角αで延びていてかつ下方の縁部が糸の案内縁部
２７として糸の切断縁部２６内へ移行するように構成さ
れている。更に糸案内リング６は円錐状の糸案内面１１
に続いて、切断部材１２の内側に位置してゴムリング１
５を受容するための半径方向の溝１４を備えたリング状
の延長部１３を有している。ゴムリング１５は、チャッ
クを停止させた場合溝１４内にはめ込まれたままであり
、チャックを高い運転回転数で運転した場合その遠心力
のために溝１４から外へ動かされかつ切断部材１２の内
面１８に対して極めて強く押き付けられるように、所定
のプレストレスで溝１４内にはめ込まれている。ゴムリ
ングの寸法及びそのプレストレスがチャックの寸法及び
運転回転数にしたがつて実験によつて決められねばなら
ない。前に述べた運転状態におけるゴムリングの位置が
第１Ａ図に一点鎖線で示されている。

第２図、２Ａ図、４図及び５図に示したスリーブチャッ
クは、各切断部材１２の内側に第１図に示したゴムリン
グ１５の代りに締付片から成るそれぞれ個別の締付部材
１６が設けられていることを除いて、第１図に示したス
リーブチャックに相当している。

各締付部材１６は延長部１３″内に形成されたスリット
溝１７（第２Ａ図）内に運動可能に案内されている。締
付部材１６は切断部材１２の内面１８に合わされた円弧
状の締付面１９を有している。第６図には第１図に示し
たチャックの別の変化実施例が示されている。

この変化実施例における相違は、糸案内リングと糸切断
リングとが縦断面図で見て、反対に配置されており、し
たがつて糸切断リング４″が巻管１０を受容するために
スリーブ支持面８″及びストッパ面９″を備えていて、
かつ糸案内リング６″がボルト５を用いてチャックスリ
ーブ２″と結合されている。糸切断リング４″は糸案内
リング６″とストッパ面７″との間に不動に配置されて
いる。この変化実施例の場合ゴムリング１５の代りに締
付部材１６を使用することも可能である。第７図には第
２図に示したチャックの変化実施例が示されており、こ
の場合チャックが２つの巻管、すなわち巻管１０及び１
『を受容するために設計されている。

両方の巻管は略示した巻管締付及ひ長手方向位置固定部
材２０もしくは２１によつてのみ軸方向及び半径方向に
不動に保持されていてかつ取りはずし可能である。糸切
断リング４″及び糸案内リング１６″は個別のセグメン
トに区分きれていて（図示せず）、この場合各セグメン
トはねじボルト（図示せず）によつてチャックスリーブ
２″と不動に結合されている。この変化実施例の場合も
図示した締付部材かあるいはゴムリングかを備えること
が可能である。糸２２（第１Ａ図及び６図に略示されて
いる）がボビン交換の間に、例えばスイス国特許第５１
３７６３号明細書に記載されているように、満管のボビ
ン巻管から空の巻管に引き渡される場合、この糸２２が
糸切断リング４（第１Ａ図）、もしくは糸案内リング６
″（第６図）上の位置から矢印Ｃ方向て円筒状の糸案内
面２３もしくは２３″上を渡つて円錐状の糸案内面１１
に持たらされ、その上において緊張された糸２２の巻き
付きＵ（第３図）のために、糸案内面１１と延長部１３
とによつて形成された切欠き２４内に持たらされかつそ
こから切断部材１２の内面１８の範囲内に持たらされる
。

チャックを矢印Ｄの方向（第３図）に回転させることに
より糸２２が各切断部材１２に形成された案内縁部２７
によつてつかまえられてかつ糸の張力のために、案内縁
部２７上を案内され締付限界Ｋ（第１Ａ図及び１Ｂ図）
を越えて始まる切断縁部２６へ持たらされ切断部材２６
によつて切断される。案内縁部２７は糸２２を損傷なし
に案内するために軽く丸みがつけられている。この場合
締付限界Ｋは歯先面２５の方から見て締付面１９もしく
はゴムリング１５の締付範囲ＫＢ（第１Ａ図）の後ろに
ある。糸２２が切断される前に、糸２２が案内縁部２７
上を移動されることによつて切断部材１９の内面１８と
ゴムリング１５（第１Ａ図及び３図）もしくは相応の締
付部材１６（第４図）の締付面１９との間に締付けられ
る。このことによつて切断した後に新たに巻き取るべき
糸２２の糸端部２８が締付位置によつて保持される。次
いで糸２２がスイス国特許第５１３７６３号明細書に記
載されているように、空の巻管に持たらされて巻き取ら
れる。第３図及び第５図には満管のボビン巻管（図示せ
ず）に属し、前に述べたように切断縁部２６によつて切
断される糸２２の糸区分２９（１点鎖線）及び第１Ａ図
にも略示されている保持された糸端部２８が示されてい
る。

糸端部２８があとに続く巻体を形成する間堅く締付けら
れたままであり、巻き終つたボビンが停止すると同時に
ゴムリング１５が再び溝１４内に入るかもしくは締付部
材１６がスリット溝１７内に入り、これによつてゴムリ
ング１５もしくは締付面１９と内面１８との間における
糸２２の締付が再び解除されて糸２２が再び解放される
。

なぜ”ならこの状態においては遠心力がもはや作用しな
いからである。第３図に関して更に説明すると、運転状
態で示されたゴムリングの断面は理想的状態で示されて
いるが、ゴムリングはチャックの回転数に応じて・切断
リングとの間で半径方向に多かれ少なかれたわむ。

しかしながらこのことは締付作用及び切断作用に不都合
な影響を及ぼさない。糸切断リング及び糸案内リングは
製造技術の理由からのみ個々のリングとして設計されて
いる。

）機能を発揮するため、糸切断リング及び糸案内リング
をただ１つの部材より構成することもできる。本発明の
装置で糸を運転中に確実に締付けかつ停止中に確実に解
放することが達成される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の複数の実施例を示すものであつて、第１
図は巻管を有するチャックを部分的に示した縦断面図、
第１Ａ図は第１図の一部を拡大して示した図、第１Ｂ図
は第１Ａ図の一部を第１図の矢印Ｂの方向に従つて示し
た平面図、第２図は巻管を有するチャックを部分的に示
した縦断面図、第２Ａ図は第２図の一部を分解的に示し
た平面図、第３図は運転状態におけるチャックを第１図
の■線に沿つて示した断面図、第４図は第２図の■線に
沿つて示した断面図、第５図は運転状態におけるチャッ
クの第４図に相応する断面図、第６図は第１図に示した
チャックの変化実施例を示した断面図、第７図は第２図
に示したチャックの変化実施例を示した断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボビン支持体としての巻管用チャックであつて、軸
   方向に歯状に突出する切断部材を有する糸切断リング及
   びこれに続く糸案内リングを備えており、糸案内リング
   が糸切断リングに向けて糸を案内するために糸切断リン
   グの切断部材の内側に向かつて傾斜する案内面とこれに
   続き切断部材の内側に位置する延長部を有している形式
   のものにおいて、糸案内リング６の延長部１３に切欠き
   が設けられており、延長部の切欠き内に運転回転中の遠
   心力を受けて糸切断リング４の切断部材１２と協働する
   締付部材が半径方向運動可能に配置されていることを特
   徴とする、ボビン支持体としての巻管用チャック。 ２ 運転回転中の遠心力を受けて糸切断リングの切断部
   材と協働する締付部材がゴムリング１５から成つており
   、切欠きが環状の溝１４によつて構成されており、ゴム
   リングが環状の溝内に配置されている特許請求の範囲第
   １項記載の巻管用チャック。 ３ 締付部材が各切断部材に所属する個別の締付片から
   成つており、切欠きが各切断部材の内側に形成されたス
   リット溝１７によつて構成されており、各締付片が各ス
   リット溝内に配置されている特許請求の範囲第１項記載
   の巻管用チャック。 ４ 軸線方向に歯状に突出する各切断部材がそれぞれ端
   面に対して鋭角に延びる１つの側面を有しており、この
   側面の、締付部材と向かい合う縁部が端面から見て糸案
   内縁部２７及びこれに続く糸切断縁部２６として構成さ
   れている特許請求の範囲第１項記載の巻管用チャック５
   糸案内リング及び糸切断リングが１つの部材から成つ
   ている特許請求の範囲第１項記載の巻管用チャック。