JPS6051605B2 - 燃焼安全器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はストーブなどのバーナの不完全燃焼を検知す
るセンサ（酸化ジルコニウム等）をバーナに具備した燃
焼安全器に関するものである。

センサはバーナが不完全燃焼を発生した場合、大気と
燃焼排ガスとの間に酸素濃度差が生じ、それに対応して
起電力を発生するもので、この出力変化により不完全燃
焼を検知する。 従来の燃焼安全器は第８図に示すよう
に、燃焼するバーナの本数を切替えコック１により加減
して能力切替えをおこなうストーブなどにおいては、切
替時に消火せず、常に燃焼している側のバーナ５に装着
されていたため、切替時に消火する側のバーナ６が不完
全燃焼を発生しても、これを”検知できないという欠点
をもつたものであつた。

本発明は複数のバーナのいずれかが不完全燃焼を発生
した場合でもこれを検知できる燃焼安全器を提供するも
のである。以下本発明の一実施例をシユバンク式ガスバ
ーナに適用した場合について第１図〜第８図に基づいて
説明する。 複数のバーナ間にセンサを設けた場合の一
実施例を示す第１図〜第３図において、１は燃焼するバ
ーナの本数を加減する切替えコック、２は燃焼を噴出す
るノズル３を設けたノズルホルダ、４はιノズル３に対
向する位置に設けられたバーナ５および６の一次空気口
、７は一次空気と燃料の予混気が噴出するバーナ５、６
の長孔、８はセンサ９およびそれを挿入する収納器１０
をバーナに具備する装着装置、８’は本発明により装着
装置８に設けられた排気ガイドである。

第４図はセンサ９の断面図であり、円筒状焼結体となつ
た酸素イオン伝導性固体電解質１２の相対する円筒内外
表面に多孔質白金電極１３と１４が設けられ、外周には
絶縁用ガイシ１５が装着されている。

第１図〜第４図において、切替えコック１を通過した燃
料はノズルホルダ２に設けられたノズル３から一定の圧
力で噴出され、その噴出工ネルギによる工セクタ効果で
一次空気を誘引する作用をする。

一次空気口４内へ流入した燃料と一次空気はバーナ５，
６内で均一に混合した予混合気となつて炎孔７から噴出
され炎孔面上に火炎１１を形成する。火炎１１により生
成したバーナ５および６の燃焼排気ガスは、図中の矢印
ＡおよびＢのごとく、装着装置８および本発明により設
けられた排気ガイド８″によらてセンサ９の方に導かれ
る。

従つて第２図および第３図に示す如く円筒状電解質１２
の外側電極１４には高温の燃焼排気ガスが接触し、内側
電極１３には図中矢印Ｃのごとくセンサ９の下方より流
入してくる大気が接触するように構成されている。セン
サ９は一種の酸素濃淡電池であり、電極間に酸素濃度差
が存在する場合には起電力を発生す−る。

正常燃焼の場合にはバーナ５，６に供給される予混合気
の空燃比が１以上、すなわち空気過剰状態に設定されて
いるので燃焼排気ガス中にも酸素は数％含まれており、
従つてセンサ９の起電力も。

０．１■以下の値となり不完全燃焼ではないことを検出
するよう設定されている。

次に大気あるいは室内の酸素濃度が低下するかまたはバ
ーナの一次空気口４付近にほこりなどが付着して予混合
気中の酸素濃度が低下して空燃比！が１以下になると、
火炎面近傍の後流域では一酸化炭素が正常燃焼時よりも
多量に生成されていわゆる不完全燃焼が発生する。

この酸素と結合しやすい一酸化炭素がセンサ９の外側電
極１４の表面に到達すると固体電解質１２からの酸素イ
オンをく引き抜き、酸素と結合して二酸化炭素となり拡
散する。このようにして何らかの理由により不完全燃焼
を生じた場合にはセンサ９の内側電極１３と外側電極１
４の間に酸素濃度差が生じ起電力が発生する。以上の特
性を示したものが第５図であり、予混合気の空燃比が１
の点を境にしてステップ状に起電力が変化する。従つて
この起電力変化を検出することによつて不完全燃焼が検
知できる。

いまバーナ５および６が燃焼している場合、そのいずれ
かが不完全燃焼を発生した場合は、排気ガイド８″によ
りバーナ５および６の燃焼排気ガスがセンサ９に導かれ
ているため不完全燃焼を発ノ生した側のバーナで生成さ
れた一酸化炭素は外側電極１４と接触し、直ちに起電力
を発生して不完全燃焼を検出する。

切替コック１によりバーナ５の一方だけが燃焼している
場合も上記と同様に排気ガイド８″により燃焼排ガスを
センサ９に導いて不完全燃焼を検出することができる。

ここで不完全燃焼を生じた時にセンサ９の発生する起電
力とセンサ９の温度の関係の一例を第６図に示す。セン
サ温度が低い場合には発生する起電力が小さくなるため
不完全燃焼検知の感度（Ｓ／Ｎ）を大きくとれない。し
かし装着装置８が被うバーナ５および６の炎孔７の数を
増したり、装着装置８の板厚を小さくするなどして熱容
量を小さくすることによつてセンサ９の温度は、バーナ
５の一方だけが燃焼している場合でも高温に保つことが
でき、不完全燃焼検知の感度（Ｓ／Ｎ）を大きくするこ
とができる。第７図は本発明の他の実施例で切替コック
１により燃焼量を加減する時、常に燃焼している側のバ
ーナ５上にセンサ９を設置したもので排気ガイド８″に
より前述した様に、バーナ５はもちろんバーナ６が不完
全燃焼を発生した場合でも直ちにこれを検出できる。こ
の実施例では常に燃焼する側のバーナ５の不完全燃焼検
知をさらに感度よく検知できる。なお上記２つの実施例
では排気ガイド８″はセンサ９に対して平行平板であつ
たり曲げ平板を設けたものであつたが、センサ９に対し
て垂直方向に平板を設置したり、切欠きや穴あき平板で
もよく、要は複数のバーナからの燃焼排気ガスがセンサ
９の外側電極１４に接触するよう構成されておればよい
。

以上の説明から明らかなように、複数のバーナの間ある
いはそのいずれかに近接、対向して設置する装着装置に
排気ガイドを設けることにより、いずれかのバーナが不
完全燃焼を発生した場合でも、直ちに検出を行うことが
可能となり、しかもセンサおよび装着装置、収納器など
は複数のバーナに対して各１個あればよいので、各々の
バーナに１個ずつ設置するのに比べ燃焼安全器の構造が
簡単になるという効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における燃焼安全器の斜視図
、第２図は同燃焼安全器の断面図、第３図は第１図の詳
細を示す一部破断斜視図、第４図Ａ，ｂはセンサの半載
上面図及び断面図、第５図は予混合気の空燃比に対する
センサ起電力の特性図、第６図はセンサ温度に対するセ
ンサ起電力の特性図、第７図は本発明の他の実施例を示
す一部破断斜視図、第８図は従来例を示す斜視図てある
。 ５，６・・・・・・バーナ、８・・・・・・装着装置、
８″・・排気ガイド、９・・・・・・センサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数のバーナを並置し、それぞれのバーナを切り替
   えて燃焼量を可変させる燃焼装置において、酸素濃度差
   により起電力を発生するセンサと、少なくとも前記セン
   サの検知部と複数のバーナの一部を囲い、かつ前記セン
   サを複数のバーナの任意のいずれかのものか、あるいは
   複数のバーナ間に近接対向して固定する装着装置からな
   り、前記センサの検知部を囲う前記装着装置の空間部に
   、燃焼排気ガスをセンサ検知部に沿つて流れる様に構成
   した排気ガイドを設けたことを特徴とする燃焼安全器。 ２ 複数のバーナを切り替えて燃焼量を可変させる燃焼
   装置において、切り替え時に常に燃焼するバーナにセン
   サを設け、センサの検知部と複数のバーナの一部を囲つ
   てなる装着装置の空間部に、燃焼排ガスをセンサ検知部
   に沿つて流れる様に構成した排気ガイドを設けたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の燃焼安全器。