JPS605138Y2 - 軸継手装置の保護カバー取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軸継手装置の保護カバー取付構造に関するもの
である。

トラクターのように起伏または凹凸の多い地面上あるい
は草木の多い畑等の作業場内を走行する自走作業機にお
いては、原動機から車輪に動力を伝達する軸系の中間に
ある軸継手部が地面上の泥あるいは小石と接触してこれ
らの泥、小石等を撥ねとばして人に危害を与えたり、該
軸継手部自体が泥等の侵入、または草木、縄あるいはロ
ープ等の巻込みにより作動不良となるという問題があっ
た。

本考案は上記の問題を避けるために設けられる軸継手装
置の保護カバーのための好適な取付構造をを提案するこ
とを目的とするものである。

以下、図示の実施例により本考案の軸継手装置の保護カ
バー取付構造を説明する。

図示の軸継手装置は、スプラインヨーク１とスリーブヨ
ーク２とをユニバーサルジヨイント１５によって連結し
て構成した一方の軸継手ユニット１８と、スプラインヨ
ーク２１とスリーブシャフトヨーク２２とをユニバーサ
ルジヨイント３５によって連結して構成した他方の軸継
手ユニット３８とを連結して両者間に動力伝達を行うよ
うになっている。

スリーブヨーク２の内面およびスリーブシャフトヨーク
２２の外面にはそれぞれスプライン７または２７が形成
されており、スリーブヨーク２とスリーブシャフトヨー
ク２２とはこれらのスプライン７および２７によって軸
方向に摺動自在に嵌合されている。

これらの軸継手ユニット１８．３８の外側は軟質合成樹
脂で一体戒型された一対の保護カバー９．２９によって
被覆されている。

各保護カバー９，２９はベアリング８，２８によって支
持されているが、スリーブヨーク２及びスリーブシャフ
トヨーク２２の外周面にはこれらのベアリング８，２８
を位置決めするための環状の浅溝１０又は３０がそれぞ
れ形成されている。

続いて第１図の実施例における保護カバー装着構造につ
いて説明すると、この実施例ではコルゲート状の筒部９
Ａとその端部フランジ９Ｄと末広がり状の傘状部９Ｃを
もつ保護カバー９および該保護カバー９と同形の保護カ
バー２９を一対に使用している。

各保護カバー９，２９は筒部９Ａ、２９Ａの端部フラン
ジ９Ｄ、２９Ｄと傘状部９Ｇ、２９Ｃの中間部にベアリ
ング収容部９Ｂ、２９Ｂを有しており、それぞれの保護
カバー９，２９は該ベアリング収容部９Ｂ、２９Ｂ内に
保持されているベアリング８，２８によってスリーブヨ
ーク２またはスリーブシャフトヨーク２２の周囲で相対
回動自在に保持されている。

また各保護カバー９，２９にはベアリング収容部９Ｂ、
２９Ｂの外周面においてブラケット１３．３３が設けら
れており、該ブラケット１３．３３には鎖あるいはワイ
ヤー等からなる回り止め索１４．３４が取付けられてい
る。

この回り止め索１４．３４の他端はトラクター等の機体
の適所に結びつけられ、保護カバー９．２９が軸系とと
もに回転しないように固定する作用をする。

この実施例では各保護カバー９，２９は軟質ポリエチレ
ンを材料とする一体威型物からなっているため、各ベア
リング８，２８はきわめて軽い負荷しか受けない。

したがってこの実施例においてはポリアセタール等の硬
質合成樹脂からなる断面コ字形のベアリングホルダー８
Ａ、２８Ａ内に鋼球８Ｂ、２８Ｂを充填した簡易型のベ
アリング８．２８を使用している。

又、このように硬質材料からなるベアリングホルダー８
Ａ、２８Ａをもつベアリング８，２８を浅溝１０，３０
によって位置決めし、その外側を軟質合成樹脂からなる
保護カバー９，２９の断面浅溝状の環状のベアリング収
容部９Ｂ、２９Ｂによって弾性的に密着抱持すると、各
保護カバー９．２９がみだりに傾動したり軸方向に移動
したすせず、その装着姿勢を正しく保持することができ
る。

各ベアリング８，２８の外側は環状の蓋板１１．３１に
よって閉塞される。

軸系を組立てるに際してスリーブヨーク２とスリーブシ
ャフトヨーク２２を嵌合するときは、保護カバー９側の
コルゲート状の筒部９Ａのフランジ９Ｄと他方の保護カ
バー２９側のコルゲート状の筒部２９Ａのフランジ２９
Ｄとが互いに対向する状態で軸方向に摺動自在にセット
され、続いて両方の保護カバー９および２９の筒部９Ａ
および２９Ａはその端部フランジ９Ｄおよび２９Ｄを突
き合わせて両者をボルト４０およびナツト４１によって
結合する。

この場合、軸系に多少の伸縮があってもコルゲート状の
筒部９Ａおよび２９Ａが伸縮自在となっているのでスリ
ーブヨーク２とスリーブシャフトヨーク２２の嵌合部は
常に周囲を囲繞されることができる。

続いて本考案の効果を説明すると次の通りである。

即ち、本考案の軸継手装置の保護カバー取付構造は、 （１）外面に凹凸の多い軸継手部がその周囲を、回り止
め索１４．３４によって回転を阻止された保護カバー９
，２９によって囲繞されてるのでこれらの軸継手部がそ
の回転の除泥や小石を撥ねとばすということがなく、作
業時の安全性を向上させることができるばかりでなく、
軸継手部に対する泥や水等の侵入、または草木、縄ある
いはロープ等の巻込みを抑制し、該軸継手部の機能を長
期間に亘って保持させる。

（２）軸継手部の周囲を囲繞する一対の保護カバー９．
２９を相互に伸縮自在としているので、軸系に多少の伸
縮があっても保護カバー９，２９がそれに応じて伸縮し
、常に軸継手部の周囲を保護することができる。

（３）一対の保護カバー９，２９は合成樹脂一体戒型物
としているので軽量で且つこの種の保護カバーとしては
最少の部品点数によって構成されることとなり、材料コ
ストおよび組立コストの両面においてコスト低減に寄与
することができる。

（４）スリーブヨーク２及びスリーブシャフトヨーク２
２の外周面にそれぞれ環状の浅ｉ１０，３０を形威し、
該浅溝１０，３０部分にベアリング８，２８を嵌装して
位置決めし、さらに硬質材料で作ったベアリングホルダ
ー８Ａ、２８Ａの外側を軟質合成樹脂で作られている保
護カバー９．２９の断面浅溝状の環状のベアリング収容
部９Ｂ、２９Ｂによって弾性的に密着抱持しているので
、きわめて簡単な構造でもって各保護カバー９，２９の
傾動や軸方向移動を防止することができる。

（５）一対の保護カバー９，２９が同形であることから
、その一方と他方を軸継手ユニット１８゜３８の一方側
及び他方側の何れに装着しても支障を来たすことはなく
、組立作業が簡易であり、しかも、保護カバー９，２９
及びベアリング８，２８等の部品の種類もそれぞれ半減
し、製造コスト低減に寄与することができるとともに、
保護カバー９，２９又は互いに同径のベアリング８，２
８のうち、一方が破損した場合においても、その補修部
品は他方用のもので代用できることになるため、補修部
品点数も削減できるといった実用的効果がある。

また、図示の各実施例の如くポリアセタール等の硬質合
成樹脂で成型したベアリングホルダーをもつ簡易型のベ
アリング８，２８を使用するときはベアリングに要する
コストを低減させ、保護カバー取付けに要するコストを
さらに一層低減させることができる。

さらに、図示の実施例の如く、ベアリング８゜２８の外
側を環状の蓋板１１，３１によって閉塞すれば内方への
泥、水等の侵入を一層効果的に防止することができ、ベ
アリング８，２８の損耗やスプライン嵌合部の腐蝕等を
抑止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に該る軸継手装置の保護カバー取
付構造の断面図である。 １．２１・・・・・・スプラインヨーク、２・・・・・
・スリーブヨーク、２２・・・・・・スリーブシャフト
ヨーク、８．２８・・・・・・ベアリング、９，２９・
・・・・・保護カバー、９Ａ、２９Ａ・・・・・・筒部
、９Ｃ，２９Ｃ・・・・・・傘状部、１４，３４・・・
・・・回り止め索、１５，３５・・・・・・ユニバーサ
ルジヨイント、１８，３８・・・・・・軸継手ユニット
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプラインヨーク１とスリーブヨーク２とをユニバーサ
   ルジヨイント１５によって連結して構成した一方の軸継
   手ユニット１８の外周に、前記スリーブヨーク２の外周
   部に形成した環状の浅溝１０部分に嵌装された、しかも
   硬質材料からなるベアリングホルダー８Ａを有するベア
   リング８を介して、前記スリーブヨーク２の周囲を囲繞
   するコルゲート状の筒部９Ａとその端部フランジ９Ｄと
   前記ベアリングホルダー８Ａの外周部を抱持して前記ベ
   アリング８に弾性的に嵌合せしめられる断面浅溝状の環
   状のベアリング収容部９Ｂと前記ユニバーサルジヨイン
   ト１５の周囲を囲繞する傘状部９Ｃとをもつ軟質合成樹
   脂製の保護カバー９を相対回転自在に装着し、且つスプ
   ラインヨーク２１とスリーブシャフトヨーク２２とをユ
   ニバーサルジヨイント３５によって連結して構成した他
   方の軸継手ユニット３８の外周に、前記保護カバー９と
   同形の保護カバー２９、即ち前記スリーブシャフトヨー
   ク２２の外周部に形成した環状の浅溝３０部分に嵌装さ
   れた、しかも硬質材料からなるベアリングホルダー２８
   Ａを有し、且つ前記ベアリング８と同径のベアリング２
   ８を介して、前記スリーブシャフトヨーク２２の周囲を
   囲繞するコルゲート状の筒部２９Ａとその端部フランジ
   ２９Ｄと前記ベアリングホルダー２８Ａの外周部を抱持
   して前記ベアリング２８に弾性的に嵌合せしめられる断
   面浅溝状の環状のベアリング収容部２９Ｂと前記ユニバ
   ーサルジヨイント３５の周囲を囲繞する傘状部２９Ｃと
   をもつ軟質合成樹脂製の保護カバー２９を相対回転自在
   に装着するとともに、前記２つの保護カバー９及び２９
   の各コルゲート状の筒部９Ａ及び２９Ａを、そのフラン
   ジ９Ｄ及び２９Ｄを介して相互に軸方向に伸縮自在且つ
   分離可能に結合した軸継手装置の保護カバー取付構造。