JPS6046090B2 - 抗動脈硬化剤の取得方法 - Google Patents
抗動脈硬化剤の取得方法Info
- Publication number
- JPS6046090B2 JPS6046090B2 JP58079158A JP7915883A JPS6046090B2 JP S6046090 B2 JPS6046090 B2 JP S6046090B2 JP 58079158 A JP58079158 A JP 58079158A JP 7915883 A JP7915883 A JP 7915883A JP S6046090 B2 JPS6046090 B2 JP S6046090B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epa
- algae
- extract
- diatoms
- lipids
- Prior art date
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- Expired
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、けい藻の藻体から、ω一エイコサペンタ
エン酸を主構成脂肪酸とする脂質からなる抗動脈硬化剤
を取得する方法に関するものてある。
エン酸を主構成脂肪酸とする脂質からなる抗動脈硬化剤
を取得する方法に関するものてある。
海棲の獣肉を多食するグリーンランドエスキモー人や
、魚食中心の我国の沿岸漁民においては、血小板凝集能
が低く、血栓性疾患あるいは動脈硬化性疾患の発症頻度
が低いことが注目され、その原因は、魚脂中に多く含ま
れるω−3多価不飽和脂肪酸、とくにω−3エイコサペ
ンタン酸(炭素数:20、二重結合数:5、ω−3は脂
肪酸鎖のメチル末端から3番目の炭素に2重結合が存在
する、以下「EPA」と記す)の作用によるものとする
報告がなされている。
、魚食中心の我国の沿岸漁民においては、血小板凝集能
が低く、血栓性疾患あるいは動脈硬化性疾患の発症頻度
が低いことが注目され、その原因は、魚脂中に多く含ま
れるω−3多価不飽和脂肪酸、とくにω−3エイコサペ
ンタン酸(炭素数:20、二重結合数:5、ω−3は脂
肪酸鎖のメチル末端から3番目の炭素に2重結合が存在
する、以下「EPA」と記す)の作用によるものとする
報告がなされている。
したがつて医薬として使用するためにEPAを製造しよ
うとする場合、その原料は魚脂、とくにイワシの魚脂に
依存していた。しかし魚脂中に含まれるEPAは分離の
効率が悪く、また分離されたEPAは酸化に対してきわ
めて不安定であり、これがEPAのコストを高くする主
な原因となつている。 本発明者は、魚肥以外の物質か
らEPAを能率よく取得することを目的として研究を行
つた結果、けい藻(Phaeodactylumtri
comutum)が高い割合でEPAを含有しているこ
とを見出し、このけい藻の藻体からEPAを抽出する方
法を開発した(特願昭57−157276号)。
うとする場合、その原料は魚脂、とくにイワシの魚脂に
依存していた。しかし魚脂中に含まれるEPAは分離の
効率が悪く、また分離されたEPAは酸化に対してきわ
めて不安定であり、これがEPAのコストを高くする主
な原因となつている。 本発明者は、魚肥以外の物質か
らEPAを能率よく取得することを目的として研究を行
つた結果、けい藻(Phaeodactylumtri
comutum)が高い割合でEPAを含有しているこ
とを見出し、このけい藻の藻体からEPAを抽出する方
法を開発した(特願昭57−157276号)。
この方法では、けい藻の藻体を磨砕したのちこれに水と
相溶性のない有機溶剤を接触させて油状物質を抽出し、
この油状物質からカラムクロマトグラフィなどの分離手
段を用いてC。o■。の成分を分離することによつてE
PAを取得している。 しかしながらEPAは、魚脂お
よびけい藻のいずれから分離したものを、その高い活性
のためにきわめて酸化されやすく、不安定であるという
欠点をもつている。
相溶性のない有機溶剤を接触させて油状物質を抽出し、
この油状物質からカラムクロマトグラフィなどの分離手
段を用いてC。o■。の成分を分離することによつてE
PAを取得している。 しかしながらEPAは、魚脂お
よびけい藻のいずれから分離したものを、その高い活性
のためにきわめて酸化されやすく、不安定であるという
欠点をもつている。
この発明は、EPAを安定な状態て取得することを目
的としてなされたもので、けい藻の藻体を特定の条件で
乾燥し、ついて抽出処理および分離処理を行うことを特
徴としている。
的としてなされたもので、けい藻の藻体を特定の条件で
乾燥し、ついて抽出処理および分離処理を行うことを特
徴としている。
この発明方法においては、通常の方法で培養されたけ
い藻の藻体を培養液から分離し、必要に応じて遠心脱水
機を用いて脱水したのち、特定の条件、ななわち400
C〜60℃の温度で少なくとも1時間にわたつて大気中
で乾燥する前処理を受け、ついて前述の方法に準じてE
PAの分離が行われる。
い藻の藻体を培養液から分離し、必要に応じて遠心脱水
機を用いて脱水したのち、特定の条件、ななわち400
C〜60℃の温度で少なくとも1時間にわたつて大気中
で乾燥する前処理を受け、ついて前述の方法に準じてE
PAの分離が行われる。
この乾燥の温度ならびに時間がきわめて重要な要素であ
つて、乾燥温度が40℃未満の場合には、得られたEP
Aが酸化に対して不安定であり、逆に60℃以上ではE
PAの収量が減ることが実験によつて確認された。上記
のような特定の条件で乾燥された藻体は、その内部に含
まれている脂質を取り出すための抽出処理を受ける。
つて、乾燥温度が40℃未満の場合には、得られたEP
Aが酸化に対して不安定であり、逆に60℃以上ではE
PAの収量が減ることが実験によつて確認された。上記
のような特定の条件で乾燥された藻体は、その内部に含
まれている脂質を取り出すための抽出処理を受ける。
この抽出処理は、メタノール、石油エーテル、ヘキサン
、クロロホルムなどのような一般的な有機溶剤を使用し
て、通常の固液抽出と同様にして行うことができる。こ
の抽出を効率よく行うためには、藻体の細胞壁および細
胞膜を機械的な磨砕によつて破壊しておくことが望まし
い。抽出された抽出物質から、EPAを主体とする有効
成分を分離する製精処理は、魚脂からEPAを分離する
従来の技術をそのまま適用できる発明の詳細な説明は省
略するが、抽された油状物質の構成脂肪酸は主としてC
l4〜C2Oの飽和および不飽和脂肪酸であるので、た
とえばカラムクロマトグラフィによつて、目的とするC
2O:5の成分を分離することが可能てある。
、クロロホルムなどのような一般的な有機溶剤を使用し
て、通常の固液抽出と同様にして行うことができる。こ
の抽出を効率よく行うためには、藻体の細胞壁および細
胞膜を機械的な磨砕によつて破壊しておくことが望まし
い。抽出された抽出物質から、EPAを主体とする有効
成分を分離する製精処理は、魚脂からEPAを分離する
従来の技術をそのまま適用できる発明の詳細な説明は省
略するが、抽された油状物質の構成脂肪酸は主としてC
l4〜C2Oの飽和および不飽和脂肪酸であるので、た
とえばカラムクロマトグラフィによつて、目的とするC
2O:5の成分を分離することが可能てある。
けい藻は、乾燥藻体100m9から抽出される脂肪酸総
量として、一般に6〜15m9の脂質を含有しており、
全脂肪酸中のC2O:5の割合は、魚脂の場合と比較し
て著るしく高い。
量として、一般に6〜15m9の脂質を含有しており、
全脂肪酸中のC2O:5の割合は、魚脂の場合と比較し
て著るしく高い。
乾燥藻体100m9当りの各脂肪酸の含有量を、ガスク
ロマトグラフ上のピーク面積から計算し、その結果をつ
ぎの第1表に示す。 aは脂肪酸の炭素数、b
は二重 結合の数を表わす。
ロマトグラフ上のピーク面積から計算し、その結果をつ
ぎの第1表に示す。 aは脂肪酸の炭素数、b
は二重 結合の数を表わす。
上記のようなこの発明方法で分離された脂質の主体をな
すEPAは、抽出前における特定条件での乾燥処理を行
わずに得られた脂質中のEPAと比較して、酸化に対す
る安定性がきわめて高いことが判明した。
すEPAは、抽出前における特定条件での乾燥処理を行
わずに得られた脂質中のEPAと比較して、酸化に対す
る安定性がきわめて高いことが判明した。
たとえばこの発明方法で得られた脂質中のEPAは、常
温のデシケータ中に60日間放置したのちも、EPAの
酸化はほとんど認められなかつた。このような安定性を
示す理由は明らノかではないが、けい藻の藻体中にはE
PAの酸化を防止する安定剤もしくは抗酸化物質が含ま
れており、特定条件下で行われる乾燥処理によつて、こ
れらの抗酸化物質が抽出されやすい形態に変化すること
によるものと推測される。このことは、・特定条件下で
の乾燥を行わずに抽出、精製した脂質中のEPAが空気
中で短時間のうちに酸化されてしまうことからも明らか
である。〒?の組成を有する培養液中でけい藻 (PhaeOd−ACtylllrTltricOrn
utum)を常法にしたがつて10日間培養し、ついで
沈殿によつて藻体を濃縮したのち遠心脱水機で脱水した
。
温のデシケータ中に60日間放置したのちも、EPAの
酸化はほとんど認められなかつた。このような安定性を
示す理由は明らノかではないが、けい藻の藻体中にはE
PAの酸化を防止する安定剤もしくは抗酸化物質が含ま
れており、特定条件下で行われる乾燥処理によつて、こ
れらの抗酸化物質が抽出されやすい形態に変化すること
によるものと推測される。このことは、・特定条件下で
の乾燥を行わずに抽出、精製した脂質中のEPAが空気
中で短時間のうちに酸化されてしまうことからも明らか
である。〒?の組成を有する培養液中でけい藻 (PhaeOd−ACtylllrTltricOrn
utum)を常法にしたがつて10日間培養し、ついで
沈殿によつて藻体を濃縮したのち遠心脱水機で脱水した
。
つぎにこの藻体を乾燥器に入れ、約50℃て2鞘間にわ
たつて乾燥させた。この乾燥藻体2yを100m1(7
)CHCl3中に入れ、30〜40℃で1時間超音波処
理したのちガラスフィルタで淵過した。
たつて乾燥させた。この乾燥藻体2yを100m1(7
)CHCl3中に入れ、30〜40℃で1時間超音波処
理したのちガラスフィルタで淵過した。
フィルタを通過したp液を105゜Cに1詩間加熱して
液体を蒸発させることによつて136mgの油状物質を
得た。一方、残渣には100mLのメタノールを添加し
、30〜40℃で1時間にわたつて超音波処理したのち
、ガラスフィルタで固形物を除去し、枦液を105゜C
に12満間加熱して液体を蒸発させることによつて35
6m9の油状物質を得た。このCHCl3可溶部とメタ
ノール可溶部との合計重量は、乾燥藻体の重量の24.
6%に相当する。得られた抽出物のガスクロマトグラム
は図のとおりであつた。そのガスクロマトグラムから求
めた脂肪酸組成を第2表に示す。上記の組成物をガラス
クロマトグラフにかけ、通常の方法にしたがつてC2O
:5成分を分離し、EPAを主体とする精製脂質120
m9を得た。
液体を蒸発させることによつて136mgの油状物質を
得た。一方、残渣には100mLのメタノールを添加し
、30〜40℃で1時間にわたつて超音波処理したのち
、ガラスフィルタで固形物を除去し、枦液を105゜C
に12満間加熱して液体を蒸発させることによつて35
6m9の油状物質を得た。このCHCl3可溶部とメタ
ノール可溶部との合計重量は、乾燥藻体の重量の24.
6%に相当する。得られた抽出物のガスクロマトグラム
は図のとおりであつた。そのガスクロマトグラムから求
めた脂肪酸組成を第2表に示す。上記の組成物をガラス
クロマトグラフにかけ、通常の方法にしたがつてC2O
:5成分を分離し、EPAを主体とする精製脂質120
m9を得た。
また比較のために、抽出前の乾燥を30℃で行つた場合
囚および70℃で行つた場合(B)以外は上記と同じ操
作を行つて110m9および60m9の油状物質をそれ
ぞれ得た。実施例で得た油状物質および比較例(A),
(B)で得た油状物質の安定性を測定し、その結果を下
記の第3表にEPAの減少率で示す。
囚および70℃で行つた場合(B)以外は上記と同じ操
作を行つて110m9および60m9の油状物質をそれ
ぞれ得た。実施例で得た油状物質および比較例(A),
(B)で得た油状物質の安定性を測定し、その結果を下
記の第3表にEPAの減少率で示す。
以上に説明したようにこの発明方法につて得れたEPA
を主体とする脂質は、高いEPA収率を保持したまま、
EPAの酸化に対して高い安定性を有する。
を主体とする脂質は、高いEPA収率を保持したまま、
EPAの酸化に対して高い安定性を有する。
したがつて医薬として利用する場合の処理や保存がきわ
めて容易になる。
めて容易になる。
図はこの発明の実施例における抽出物のガスクロマトグ
ラムである。
ラムである。
Claims (1)
- 1 けい藻の藻体を50℃〜60℃で10時間以上乾燥
し、ついでこの乾燥藻体に有機溶剤を接触させて藻体中
の油状物質を抽出し、この油状成分からω−3エイコサ
ペンタエン酸を主構成脂肪酸とする脂質を分離すること
を特徴とする抗動脈硬化剤の取得方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58079158A JPS6046090B2 (ja) | 1983-05-04 | 1983-05-04 | 抗動脈硬化剤の取得方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58079158A JPS6046090B2 (ja) | 1983-05-04 | 1983-05-04 | 抗動脈硬化剤の取得方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59204128A JPS59204128A (ja) | 1984-11-19 |
JPS6046090B2 true JPS6046090B2 (ja) | 1985-10-14 |
Family
ID=13682145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58079158A Expired JPS6046090B2 (ja) | 1983-05-04 | 1983-05-04 | 抗動脈硬化剤の取得方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6046090B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4678808A (en) * | 1985-10-15 | 1987-07-07 | Baxter Travenol Laboratories, Inc. | Rapid acting intravenous emulsions of omega-3 fatty acid esters |
JPS63185390A (ja) * | 1987-01-27 | 1988-07-30 | Suntory Ltd | 藻類によるエイコサペンタエン酸の製造方法 |
FR2822701B1 (fr) | 2001-04-03 | 2005-03-18 | Lvmh Rech | Utilisation d'un extrait d'algue phaeodactylum comme agent cosmetique favorisant l'activite du proteasome des cellules de la peau et composition cosmetique le contenant |
JP5491697B2 (ja) * | 2004-10-15 | 2014-05-14 | フォトンズ コーポレイション リミテッド | 高レベルオメガ−3および低レベル飽和脂肪酸を含む組成物 |
-
1983
- 1983-05-04 JP JP58079158A patent/JPS6046090B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59204128A (ja) | 1984-11-19 |
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