JPS60450B2 - 複合紡績糸の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ソフトで充分な実用性能をもったステープル
とマルチフィラメント糸とからなる複合紡績糸を高能率
で低い撚係数でも紡績性良く製造する方法に関する。

従来よりステープルとマルチフィラメント糸とを複合し
て複合紡績糸を製造する方法はいるいると開発され、実
用化されてきた。

このうち、リング糟級機を用いた方法が、装置的にも簡
単なため、多用されてきた。この方法によると、得られ
る複合紡績糸は、実撚によって糸としての所定の性能を
備えるように集東されていなければならない。

したがって、繊維長にも関係するが、比較的高い漆数の
付与が必要である。

このため捲取りパッケージの１回転で１個の撚が与えら
れる加撚方法が採用されている。この加漆方法は、きわ
めて非能率である。紡出時の操業性、糸の後加工性等を
考慮すると、撚数を低くすることも、自ずと限界があり
、その生産性の低さは覆うべくもない。従って、リング
精紡機を用いて低い撚係数にもかかわらず充分な実用性
能をもったソフトでバルクな複合紡績糸の製造法は、業
界の永年の願望であった。他方、近年、空気精織機によ
る紡績法が開発され、その新しい発想によってリング紡
績法に比して精紡工程の大中な高速化が実現された。

しかし、この紡績法もその加燃機構のため比較的大番手
の範囲に限定され、それ以上の細番手の範囲は依然とし
て低速度のりング糟紙機に依存している。この空気糟紡
機を利用してマルチフィラメント糸を用いた複合紡績糸
の製造法が種々試みられているが、得られた複合紡績糸
は、糸強力「フィラメントとステープルとの抱合性及び
耐摩耗性などの実用性能に問題があって、実用に供せら
れていない。ましてや、低撚数でのソフトな糸は、空気
糟紙機の構造に起因して袷んど得られない。

さらにまた、流体仮撚ノズルを応用した結束紡績法は、
飛躍的な増速を可能とするが、この方法には、現実の問
題として実用に耐えうる糸を得るには合成繊維等の極め
て長いカット長のステープルを用いなければならないと
云った原料面の制約がある。

同様にしてマルチフィラメント糸とステ−プルとの複合
紡績糸を製造する方法も試みられているが、この方法に
よっても抱合力が不充分であるなどの種々の問題のため
実用に供せられる複合紡績糸は得られていない。本発明
者は、かかる事情に鑑み、従来方法による複合紡績糸の
もつ問題点を解消すべく努力を重ね、特に綿、羊毛など
繊維長の比較的短い天然繊維にも適用可能な方法を鋭意
開発した結果、本発明に到達した。

かかる目的のために本発明は、次のような構成を有する
。

すなわち、本発明は、繊維東をドラフトし「 これを開
綾された連続マルチフィラメント糸と重ね、ついで旋回
流体流によって加撚、解撚の仮撚を施し、さらに加撚指
数１４斗下の実撚を加えることを特徴とする複合紡績糸
の製造法に関するものである。ここに、加撚指数とは、
ノ繊維東の平均繊維長（側ｘ撚係数（英式）を云う。

以下に、図面にしたがって本発明を説明する。

勿論、図面は説明のためのもので本発明の精神を失なわ
ない限り多少の変更は許容される。第１図は、本発明を
実施するのに好適な製造装置の略側面図である。図にお
いて、適当な形状のパッケージ１から鮫静された繊維東
２は、バックローラ３、エプロン装置４、フロントロー
ラ５からなる通常の３線式ドラフト装置によって所定の
太さにドラフトされる。

他方、バーン６から解野された実質的に無撚の連続マル
チフィラメント糸７は、ガイド１５，１６をへて高電圧
電極８に供給された後、開綾され、前記ドラフトされた
繊維東と、前記フロントローラ５において重ね合わされ
、ついで流体ノズル９によって吸引旋回されて一旦加撚
形態をとった後「解撚されて結束状糸１０が得られる。

この結束状糸１川ま、デリベリローラ１１をへて実撚を
加えられつつスネールワイヤ１２をとおって複合紡績糸
としてボビン１４に巻きあげられる。ところで、繊維東
とは、粗糸又はスラィバーなどを意味するが「 この繊
維東を構成するステープル原料としては「天然繊維、合
成繊維「半合成繊維若しくは再生繊維などの単独又はこ
れらの混合されたもので衣料用に用いられている繊維素
材の有限長さのものが利用される。また、連続マルチフ
ィラメント糸の原料としても、実質無撚であればポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維などの衣料用に用いられてい
るものが一般に使用される。

ドラフト装置は、供給素材の種類、カット長、供給時の
太さなどの諸種の要因に応じて適切なものを選ぶべきで
ある。

また、前記ドラフト装置において前記ドラフトされた繊
維東の流れを若干横方向に屈曲させる如き適切なガイド
コレクタ−などを設けてフロントローラニッブ線におけ
るドラフトされた繊維束すなわちフリースの中方向の厚
さ分布を第２図の如く中心軸に対して非対称としたり、
又はマルチフィラメント糸の開綾中をフリースの中より
も小さくしたりすることによって該フロントローラ５直
後の流体ノズル９に供給することは「旋回流体流による
仮撚作用をとおして外周繊維の結束効果を増大して特に
好ましい操業性及び糸品質をもたらすものである。

Ａは流体ノズルの中心軸である。流体ノズル９としては
、第３図及び第４図に示すようなフロントロ−ラ側すな
わち糸入口部分がフィラメントとフリースとの重なり合
ったものを集合するための扇形状の拡がりを持ちそれに
続いた適切な太さの糸通路１７に対して流体噴射孔１９
が偏心的に開孔し、且つその排出が複合繊維東の進行と
同じ向きに主として行われるものでよい。勿論、糸通路
１７の流体噴射孔１９に近接した上流部に糸通路を絞る
ための紬径の絞り部１８を設け且つその絞り部１８を流
体噴射孔１９が糸通路１７に開孔する対向面側へ偏心し
ているものが、特に旋回力の強さ、安定性の点ですぐれ
、好ましいものである。デリベリローラ１１は「フロン
トローラ５に対し若干遅い周速度で回転し、流体ノズル
９によって仮撚作用を受ける複合繊維東を加燃されやす
い弛緩状態に保つとともにリング撚糸機によって加えら
れる撚がフロントローラ５にまで遡及して流体ノズル９
の仮撚作用を妨げないように撚止めの機能をもつ。

従って糸の走行回転をコントロールしうべき構造のもの
が必要であり、通常のニップローラ形式のもののほか、
第１図に示した如き１個のローラが使用される。

但し、この場合には撚止め機能を損なわないように設け
ることが必要になる。

また、リング撚糸機による加撚は、結束状糸１０‘こさ
らに実撚を加えることにより、長短両繊維相互の集東、
絡合を強化せしめて糸としての実用性能を与えることに
ある。なお、リング撚糸機で与える撚の方向は流体ノズ
ルの旋回流体流の方向と無関係に任意に選べばよい。

これは、マルチフィラメント糸を開繊しているがために
繊維相互間の集束、絡合がきわめて密であるからである
。

勿論付与する実撚は、通常リング糸の約半分すなわち加
撚指数１２以下である。

ここに加撚指数とは、ゾ繊維東の平均繊維長（柳）×撚
係数（英式）を云う。加撚指数を１沙〆下にすることは
、充分に糸としての実用性能特に糸擦過時の耐しごき性
を向上せしめて捲き返し、緑織工程など後工程での操業
効率を飛躍的に高める効果を有する。また、第１図では
デリベリローラ１１を通過後の結束状糸を連続的に加撚
する態様を示したが、勿論デリベリローラ１１を通過後
に一日パッケージに巻き取り、その後リング藤糸機で加
燃することもできる。しかし、結束状糸１０は若干の方
向性を有し、そのために巻き取った後に該結束状糸１０
を解錆する際に引出し方向にしごかれる場合もあって結
束が弱められるので、好ましくは連続して加撚する方が
好ましい。このように本発明方法によれば、ソフトでバ
ルキーな超甘撚糸が容易にしかも高速度で製造される。

また、本発明に係る複合紡績糸は、糸強力も高く、耐し
ごき性、抗ピル性にすぐれ、後工程での取り扱い及び着
用に対しても充分な実用性能をそなえたものである。し
たがって、この糸で布岳を製造した場合にこの布畠はソ
フトでバルキーであった。

実施例 １ 第１図の如き装置を用い、下記条件で紋出した複合紡績
糸の単糸強力を第５図に示す。

単糸強力は通常のウースタシングルャーンテスタで測定
した。同図でＡは本発明に係る複合紡績糸、Ｂは結束紡
績糸の迫撚糸、Ｃはリング糸を示す。紡出条件 ステープル…・・・ポリエステル繊維（１．４×３８肋
）マルチフィラメント糸・・・・・・ポリエステル繊維
（３の×１８）紙出番手・・・・・・５０ｓ 流体ノズルの空気圧力・…・・２ｋ９／榊Ｇスピンドル
回転数・・・・・・１３００仇／肌図から明らかなよう
に本発明に係る複合紡績糸は、加撚指数１２以下で（０
の場合を除く。

）使用にたえる単糸強力を示し、また絡合性の良いもの
であった。すなわち複合紡績糸Ａは、結束紡績糸の造燃
糸Ｂよりも単糸強力が高く、しかもリング糸Ｃよりも加
撚指数がかなり低いので高能率で生産された。特に加撚
指数を５〜１２の範囲にすることは、単糸強力も高く充
分な実用性能を複合紡績糸に付与する意味で好ましい。
なお、図で×印は糸切れを示す。実施例 ２ 第１図に示す装置を用いて、フロントローラにおいて開
綾マルチフィラメント糸とステープルとを重ね合わせた
後、流体ノズルを通過させて一旦巻き取り、別工程でリ
ング燃糸機で造燃して複合紡績糸を得た。

続出条件 ステープル・…・・綿（平均繊維長３仇奴）マルチフィ
ラメント糸・・・・・・ポリエステル５の／２４ｆ流体
ノズルの空気圧力・…・・４ｋ９′の○紙出速度・・・
…１５０ｍ′ｍｉｎリング撚糸機のスピンドル回転数…
・・・８５０仇／肌紡出番手…・・・４０′ｓ得られた
複合紡績糸の単糸強力、絡合性能を夫夫第６，７図に示
す。

単糸強力は実施例１と同じ方法で測定し、抱合性能は下
記の要領で行った。抱合力試験器（前田製作所製）を用
いてステープル群とフィラメント糸とが互いに分離する
までのしごき回数を絡合性能とする。試料１本当りの荷
重は３０夕、しごき長さは３弧である。図においてＣは
従来のリング糸（加撚指数２２）である。

複合紡績糸は、加撚指数１０で充分な単糸強力及び抱合
性能を有している。この糸を使用して製総した布岳はバ
ルキー性に富んだものであった。この意味から加撚指数
を５〜１２にすることが好ましかった。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係るもので、第１図は本発明に使用した装
置の略側面図、第２図はフリースの中とその厚さとの関
係を示すグラフ、第３図は流体ノズルの縦断面図、第４
図は第３図のＷ−Ｗ線に沿つた横断面図「第５図ト第６
図は単糸強力と迫撚との関係を示すグラフ、第７図は抱
合性能と造撚との関係を示すグラフである。 ４．．．．・・エプロン装置、５・…・・フロントロー
フ・９……流体ノズル、１０…・・・結束状糸。 第１図第２図第３図 第４図 第５図 第６図 第７図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維束をドラフトし、これを開繊された連続マルチ
   フイラメント糸と重ね、ついで旋回流体流によって加撚
   、解撚の仮撚を施し、さらに加撚指数１２以下の実撚を
   加えることを特徴とする複合紡績糸の製造法。 但し、加撚指数とは√（繊維束の平均繊維長（ｍｍ））
   ×撚係数（英式）を云う。