JPS604374Y2 - 注水式電池 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は注水式電池の改良に関するものであり、その目
的とするところは注水から起電までに要する時間を短縮
ならしめて、この種電池の有する特徴、即ち非常用電源
としての効果を充分発揮せしめることにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

第１図及び第２図は負荷として照明灯を付設した場合を
示し、１は注水式空気−亜鉛電池であって、電槽２と電
槽蓋体３とよりなり、前記電槽２の両側面には空気極４
が配設されていると共に中央仕切壁５により２室に区別
されている。

そして各室には袋状セパレータ６にて被覆された亜鉛極
７が夫々介挿されていると共に各亜鉛極の空気極に対向
しない側に第１の固型アルカリ電解質８が夫々配置され
ている。

而して亜鉛陰極７と空気極４との間には例えばポリプロ
ピレン不織布よりなる袋状の吸水性部材９で包まれた薄
層の第２の固型アルカリ電解質１０が密着配置されてい
る。

又、電槽蓋体３にはネジ溝を刻設せる注水孔１１が形成
されていると共に前記注水孔１１に臨む切刃１２が固着
されている。

１３は規定量の水１４を収納せる貯水槽であり、その下
面には前記注水孔１１に螺合する給水筒１５が突設され
ていると共に給水筒１５の下端開口部は易破壊性の薄膜
１６にて閉塞されている。

１７は電槽２の一側壁に設けられた負荷（白球）である
。

このような構成において、使用に際しては貯水槽１３を
所定方向に回転すると貯水槽１３の下面に突設せる給水
筒１５が注水孔１１にねじ込まれて給水筒１５の下面開
口部を閉塞する薄膜１６が切刃１２により破壊され、貯
水槽１３と電槽２とが連通し電槽内に注水される。

その結果第１の固型アルカリ電解質８及び第２の固型ア
ルカリ電解質１０が溶解して所定濃度のアルカリ電解液
が形成されて起電し白球１７が点灯するものである。

さて、上述したようにこの種電池は注水しない限り放電
することがないため保存性に優れ非常用電源として有効
であるが訳述せる問題点がある。

即ち、注水した際、この水により固型電解質が溶解され
るわけであるがその溶解は固型電解質の裏面より除々に
進むため注水から所定濃度のアルカリ電解液が生皮され
るまでに時間を要し、斯る点が非常用電源として最大の
問題であった。

一方、固型アルカリ電解質を空気極と亜鉛極との間に介
在させた場合、固型アルカリ電解質は最終的に液状とな
って電槽内に拡散していくものであるため両極間の距離
が長くなり電池性能上、好ましくない。

これに対して本考案電池によれば陰極７の両側面に空気
極４と第１の固型電解質８を配置すると共に陰極と空気
極との間に少くとも空気極とは吸水性部材９を介して当
接する薄層の第２の固型電解質１０を密着配設したので
、注水操作により第１の固型電解質８が溶解すると同時
に吸水性部材９を介して薄層の第２の固型電解質１０が
溶解して空気極４と陰極７との間に部分的に先ず所定濃
度の電解液が生成されるので起電することになり注水か
ら起電までの時間を短縮でき、非常用電源として極めて
有益である。

又、空気極と陰極との間に密着配設する第２の固型電解
質は薄層であるため両極間の距離を長くすることがない
ため液抵抗による電池性能の低下を招くこともない。

更に空気極は高濃度のアルカリ電解液によって電極性能
が低下することが知られているが、本考案電池構造にお
いては空気極と薄層の第２の固型アルカリ電解質との間
に吸水性部材が存在するため、水で希釈されたアルカリ
電解液が空気極に接することになり空気極の電極性能を
低下させることがないと共に放電中において空気極と陰
極との間に存在する吸水性部材が電解液の保持部材とし
て作用し電池性能の向上が期待できる。

以上のように本考案注水式電池は種々の実用的効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のブ実施例における注水式電池の側面図
、第２図は第１図のＡ −Ａ’拡大断面図を夫々示す。 ２・・・電槽、３・・・電槽蓋体、４・・・空気極、７
・・・セパレータ、８・・・第１の固型電解質、９・・
・吸水性部材、１０・・・薄層の第２の固型電解質、１
３・・・貯水槽。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陰極の空気極とは対向しない面に第１の固型電解質を配
   置すると共に前記陰極と空気極との間に少くとも空気極
   とは吸収部材を介して当接する薄層の第２の固型電解質
   を密着配設せしめてなる注水式電池。