JPS6042692B2 - カツプロ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は小型直流モータに用いられる空心の力ップロー
タに関する。

この種のカップロータは、ロータに鉄心がないためロー
タの慣性モーメントが非常に小さくコギングがなく、さ
らに高効率で小型大出力である等の特徴を有し、種々の
型式のものが提案されている。

本発明は従来装置に比べて、巻線密度が高く、端子取出
しが容易且バネカム巻の如く複雑な巻線技術が要しなく
製造容易なりツプロータを提供せんとするものである。

以下本発明の一実施例を図面に基いて説明する。まず第
１図に示すようにコイル線１第１の円筒治具２の周面に
、該治具の長さ方向に密に巻回する。その後隣接コイル
線１、１を固着して筒状リングコイル体３を形成する。
この場合にコイル線１として自己融着性導線を用い、前
記巻回部に工業用アルコールを滴下したり、あるいは通
電により自己融着する。次にリングコイル体３を第１の
円筒治具２から外し、第２図に示すように、リングコイ
ル体３の４箇所に、斜めに折曲した２等辺三角形重合部
４、５を有する菱形の板状単位コイル枠６を形成する。

即ち、リングコイル体３の表面Ａを直線状に展関して第
１部イとなしその両端口、ハで、この各端部が垂直又は
水平になるように、隣接する裏面Ｂが露出するように内
側に折曲して第２、第３部分二、ホを形成する。この場
合に第１部分イと第２部分二とで２等辺三角形重合部５
が、又第１部分イと第３部分ホとで２等辺三角形重合部
４が夫々形成される。続いて第２、第３部分二、ホの各
他端へ、卜間の表面Ａを露出するように外側に折り返し
、第４部分チを形成する。この場合にも第２、第４部分
二、チで２等辺三角形重合部４が、又第３、第４部分ホ
、チで２等辺三角形重合部５が夫々形成される。また対
抗する一対の重合部４と４及び５と５の各底辺部は互に
平行にされる。従つて板状単位コイル枠６は、菱形の上
下左右の角部を夫々２等辺三角形重合部にしたものとな
り、また側面から見るとき、第１部分イが第１の層、第
２第３部分二、ホが第２の層、第４部分チが第３の層と
なる３層に形成される。而して菱形の板状単位コイル枠
６は第３図に示すように、一本のコイル線１を同図ａか
ら、ｂを通してｃに至る如く整列して巻装したものと同
じであり、巻線機により巻装したものでもよい。また第
３図はコイル線１の１巻回分の巻始めから巻終りの状態
を示し、筒状リングコイル体３はコイル線１を均一に整
列巻回したものであるから、板状単位コイル枠６のコイ
ル線１を結合すると、全コイル線を同図ｂの菱形に集約
したものと等価である。即ち、コイル線１に流れる電流
がＩアンペアであり、板状単位コイル枠６はコイル線が
Ｎ回巻回されているとすると、Ｎ−１アンペアターンの
電流が同図ｂの菱形ループに流れるのと等価である。次
に複数の板状単位コイル枠６を、第４図に示すように、
コイル端７の引出し位置が整列し、また各重合部４，５
は互いに重ならず、非重合部である傾斜片部８が２重に
なる如く組合せ、隣接する単位コイル枠６，６を固着し
て帯状枠９を形成する。

続いてこの帯状枠９を、第５図に示すように、第２の円
筒治具１０に巻付け、帯状枠９を円筒状に固着したコイ
ル円筒１１を形成する。この場合に第４図中コイル線１
が位置しない空間部１２には、重合部１３が、空間部１
４には重合部１５が、空間部１６にはコイル線１７が、
又空間部１８には重合部１９が位置することになる。尚
帯状枠９を形成することなく、各単位コイル枠６を順次
治具１０に巻回し、隣接する単位コイル枠６，６を順次
固着してコイル円筒１１を形成してもよい。このコイル
円筒１１を治具１０から取り外し、第６図に示すように
、整流子２０を設けた端板２１を、、コイル円筒１１の
コイル端７側の開口に装着固定し、各コイル端７を各整
流子セグメントに固着する。

２２は回転子軸である。

以上の構成において、コイル円筒１１の半径及び長さを
ｒ及び１１帯状枠９を形成する単位コイル枠数をａ１単
位コイル枠６の上下に位置する重合部４の折曲角を０と
すると、リングコイル体３の筒状帯巾即ち単位コイル枠
６の傾斜片部８の巾Ｗはで示され、またリングコイル体
３の半径Ｒはで示される。

さらにＯは （但しｎは自然数） である。

実施例はａ＝５，ｎ＝２の場合であり、ａを一定にして
ｎを変えると、折曲角θが変化し帯状枠９は第７図の如
くなる。また実施例においてａ＝１０とすると、コイル
円筒１１の各部においてコイル線１は４重になる。以上
の如く本発明の構成によれば、菱形の上下左右の角部を
夫々２等辺三角形重合部にした板状単位コイル枠を設け
、該単位コイル枠の形状を菱形にしたから、各単位コイ
ル枠をずらすことにより、各単位コイルの枠の重合部は
重合せず、各単位コイルの非重合部である傾斜片部のみ
が互いに゛２層になる。

従つてカップロータの軸方向端部である菱形の上下の重
合部が重合しないものとなり、カップロータの厚みを略
均一にすることができると共に前記傾斜片部のみが互い
に２層になるため巻線密度を高くすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明によるカップロータの一実施例を示し、第
１図はリングコイル体の斜面図、第２図は板状単位コイ
ル枠の正面図、第３図は板状単位コイル枠の説明図、第
４図は帯状枠の正面図、第Ｊ５図はコイル円筒の斜面図
、第６図はカップロータの斜面図、第７図は折曲角を変
えた帯状枠の変形例の正面図である。 １・・・リングコイル体、４，５・・・重合部、６・・
・板状単位コイル枠、８・・・傾斜片部、１１・・・コ
イル円笥。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 菱形の上下左右の角部を夫々２等辺三角形重合部に
   した板状単位コイル枠を複数設け、各単位コイル枠を互
   いにずらして、各単位コイル枠の前記重合部は重合せず
   、各単位コイル枠の非重合部である傾斜片部のみが互い
   に２層になるように組合せてコイル円筒を形成したこと
   を特徴とするカップロータ。 ２ 前記傾斜片部の巾Ｗを、前記コイル円筒の半径及び
   長さをｒ及びｌ、前記単位コイル枠数をａ、前記単位コ
   イル枠の上下に位置する重合部の折曲部をθとするとき
   、Ｗ＝２πｒ／ａｓｉｎθ θ＝ｔａｎ＾−＾１ａｌ／２πｒ（ｎ＋１）（但しｎは
   自然数）に定めてなる特許請求の範囲第１項記載のカッ
   プロータ。 ３ 前記単位コイル枠を筒状リングコイル体の折曲によ
   り形成してなる特許請求の範囲第１項記載のカップロー
   タ。 ４ 前記リングコイル体の半径Ｒを、 Ｒ＝ｌ／πｓｉｎθ にしてなる特許請求の範囲第３項記載のカップロータ。