JPS6042246Y2 - 放射管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は管内に熱ガスを流動させ、管外表面からの放射
伝熱によって例えは鋼板等の被熱物を間接加熱する場合
に用いる放射管（ラジアントチューブ）に関するもので
ある。

従来、放射管は鉄鋼業に於ては鋼板処理プロセスの加熱
セクションで鋼板を無酸化雰囲気のもとて間接加熱する
ために多用されており、一般に円形断面で管軸方向の形
状からストレートタイプ、０字タイプ、Ｗ字タイプ、ト
ライプントタイプ等に分類され、その一端に設けられた
管内に熱ガスを供給するためのバーナーと他端に設けら
れた熱ガス顕熱の一部を燃焼用空気の予熱のために回収
する熱交換器から構成されている。

すなわちバーナーで主伐した高温の熱ガスは管内を流動
する間に対流熱伝達子ガス放射伝熱によって管に熱を与
え、管軸方向にその温度を漸次下げながら管端部に至り
、熱交換器で燃焼用空気と熱交換を行った後管外に排出
される。

この従来形放射管から排出されるガス温度は一般に７０
０〜８００’Ｃの高温度レベルにあって、バーナーでの
燃料燃焼熱に対する排ガス損失熱の割合が大きく、放射
管の有効加熱という面からみた場合に燃料の利用率が低
い。

また排出ガス温度が高いために熱交換器の材料として耐
熱性に優れた高価な材料の使用が要求される。

この排出ガス温度を下げる方策として、熱交換器での燃
焼用空気への交換熱量を増やすため放射管内への熱交換
器の挿入長さを深くし、その伝熱面積を大きくとる方法
があるが、この方法は上述の如く熱交換器の材質、価格
面から制約を受けると同時に放射管内に深く挿入された
熱交換器によって逆に放射管が冷却される結果となって
放射管の本来目的である被熱物への伝熱効率が低下する
。

以上の如く、従来の放射管は熱ガスの排出温度が高いた
め熱効率（燃料利用率）が低いこと及び熱交換器に高級
材料を用いる必要があること、さらには放射管温度を高
め被熱物への伝熱効率の向上を図ることが難かしい等の
欠点を有している。

本考案はこのような放射管の欠点を改善し、熱効率（燃
料利用率）及び被熱物への伝熱効率の向上を図った放射
管を提供するものである。

本考案は従来の放射管の熱効率（燃料利用率）及び被熱
物への伝熱効率改善のため放射管と熱交換器との中間位
置において、熱交換器の外周をカバーするように通気性
固体壁を配設したことを特徴とする放射管に関するもの
である。

なお、ここでいう通気性固体壁とは例えば通気性と適度
の圧損を有した多孔質材のことで、金属系では発泡金属
、焼結金属等があげられ、耐火物系ではセラミック多孔
体、セラミック・ファイバー・マット等がある。

この種の通気性固体は多孔質であるため通気性固体と通
過ガス間の熱移動現象は粉粒体の充填層伝熱に略近似し
ており通気性固体の相当直径が１〜０．０１ｍｍ程度で
あればＩＣＰ〜１０１Ｋｃａ］ ／ｒｒｌ ｈ °Ｏと
いった大きな対流熱伝達率が得られるため、通過ガス量
が適量であればガス入口側の通気性固体壁表面温度は略
瞬間的にガス温度近くまで変化するという特徴を持つも
のである。

以下、第１図及び第２図に従って本考案の一実施例を説
明する。

図において、１は放射管本体、２はその一端に設けられ
たバーナー、３はバーナーへの燃料供給管、４は燃焼用
空気供給管、５は放射管本体の他端から管内に挿入され
た熱交換器、６は放射管本体１と熱交換器５の中間位置
において、その両者からは離して熱交換器の外周をカバ
ーするように配設された通気性と耐熱性を有する通気性
固体壁、７は燃焼用空気の流入口、８はバーナー燃焼に
より生皮した熱ガス、９は燃焼用空気、１０は熱ガス流
出口である。

通気性固体壁６は第２図に示す如く、熱交換器５と放射
管本体１との間でこれらに対しほぼ同心円的な位置関係
をもって配置される。

次に本考案の作動機能について説明する。

バーナー２での燃焼により主伐した熱ガス８は対流熱伝
達子ガス放射伝達によって放射管本体１を加熱しながら
管内を流動腰次いで放射管本体１の他端より管内に挿入
された熱交換器５の外周に配設された通気性固体壁６が
適度の圧損を有するため通気性固体壁６の上流側に充填
したあと通気性固体壁６を通過し、さらに熱交換器５に
おいて燃焼用空気の流入ロアより供給された空気９との
間で熱交換を行ったのち管外へ排出される。

ここで通気性固体壁６は大きな対流熱伝達率を有するた
め熱ガス８が通気性固体壁６を通過する際に熱ガス８か
ら通気性固体壁６へ瞬間的な熱移動が起こり通気性固体
壁６の上流側表面温度は略瞬間的に熱ガス温度近くまで
加熱される。

その結果、熱ガス８は通気性固体壁６を介しての固体放
射伝熱による放射管本体１の加熱のためにその顕熱を消
費するので通気性固体壁６の前後で大きな温度降下を生
じる。

このため熱ガス８から放射管本体１への熱移動は従来の
対流熱伝達＋ガス放射伝熱に加えて熱ガス温度近くまで
加熱された通気性固体壁６からの固体放射伝熱により熱
移動が行われるため、放射管本体１の特にバーナー近傍
以外の従来では比較的温度の低い後端部の領域の管温度
を高めることが可能となり、放射管本体１の本来目的で
ある被熱物への伝熱効率を向上することができる。

また通気性固体壁６を通過した後の熱ガス温度は従来よ
り大巾に下がるため排ガス損失熱の燃料燃焼熱に対する
割合は減少し、熱効率（燃料利用率）が向上すると共に
、熱交換器５は通気性固体壁６によってその外周をカバ
ーされているため放射管本体１を冷却することなく管内
に深く挿入することが可能となり、これによって熱交換
器５の伝熱面積を大きくできるので燃焼用空気９へ伝熱
量が増加し、その予熱温度を高くできるため放射管とし
ての総合的な熱効率が向上し省エネルギーが達成される
。

さらに熱交換器５の材料として耐熱性に対する要求度が
緩和され高価な材料を使用する必要がなくなり、低コス
トの放射管を構成することが可能である。

本考案は以上の通り、従来の対流熱伝達を主体とした排
出ガス温度の高い放射管の熱効率（燃料利用率）と被熱
物への伝熱効率の改善を図るため、放射管と熱交換器と
の中間位置において、その両者からは離して熱交換器の
外周をカバーするように通気性固体壁を配設することに
より、放射管への熱伝達方法を従来の対流熱伝達＋ガス
放射伝熱タイプから固体放射伝熱十対流熱伝達＋ガス放
射伝熱タイプへ改善を図ると同時に排ガス温度の低下を
達成するものであり、熱交換器の外周に通気性固体壁を
配設するという極めて簡単な方法によって熱効率（燃焼
利用率）と被熱物への伝熱効率の向上が可能な放射管で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面において第１図は本考案の放射管の縦断面図、第２
図は第１図のＩ−Ｉ線における横断面の拡大図である。 １・・・・・・放射管、２・・・・・・バーナ、３・・
・・・・燃料供給管、４・・・・・・燃焼用空気供給管
、５・・・・・・熱交換器、６・・・・・・通気性固体
壁、７・・・・・・燃焼用空気流入口、８・・・・・・
熱ガス、９・・・・・・燃焼用空気、１０・・・・・・
熱ガス流出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 放射管本体及び該放射管本体の両端に設けられたバーナ
   ーと熱交換器から構成された放射管において、放射管本
   体内にあって上記熱交換器の外周をカバーするように通
   気性固体壁を配設したことを特徴とする放射管。