JPS6042019Y2 - シヤ−リングマシンにおける板押え装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シャーリングマシンにおける板材の板押え
装置に関するものである。

一般に、シャーリングマシンの板押え装置においては、
板材を押圧する位置は、板材の切断位置にできる限り近
い方が、切断幅の短かい板材を切断する場合等にも、板
材を確実に押圧して切断できるため有利であり、板材の
切断部にそりや曲がりが生じにくくなるものであった。

しかしながら従来の板押え装置の板押えパットはその全
面で板材を押圧するようになってたため、板材の切断位
置に最も近い位置、すなわちテーブルの上面と下刃のの
上面とにまたがる位置で板材を押圧すると、テーブルの
上面と下刃の上面との境界に生じている微少な段差によ
に、板材（特に、ステンレス、アルミニウム、銅等の軟
らかい材質の板材）に傷がついてしまうものであった。

従って、従来では下刃にかかる手前のテーブル面上にお
いて板材を押圧せざると得ない状態にあった。

そのため、板材を確実に保持できず、板材の切断部にそ
りや曲がりが生じる可能性があった。

この考案は、上記の問題点に鑑みて創案されたもので、
その目的とするところは、板材の切断位置に最も近い位
置で板材を押圧して板材を確実に保持し、しかも板材に
傷をつけないシャーリングマシンにおける板押え装置を
提供するものである。

上記目的を遠戚するために、この考案は、板押え装置１
のシリンダ９に内包されたピストン１１の下端部１７に
、板材を押圧固定する板押えパット１３を設け、前記板
押えパット１３の下面に、板材を載置するテーブル５と
前記テーブル５に設けられた下刃７との境界をまたぐよ
うに形成された逃げ部３１を設けたことを要旨とする。

以下、図面を用いてこの考案のｌ実施例について説明す
る。

第１図は、この考案を実施した板押え装置の側断面図を
示すものであり、第２図は、この考案を実施した板押え
装置の概略平面図を示すものである。

なお、以後の説明において、１前後１とは、第１図にお
いて右側に相当する方向を１前、左側に相当する方向を
１後ヨと定義し、′左右１とは、第１図において図面の
表面側に相当する方向を１左、裏面側に相当する方向を
１右ヨと定義し、′上下１とは第１図において上方側に
相当する方向を１上、下方側に相当する方向を１下ヨと
定義する。

まず構成を説明すると、板押え装置１はシャーリングマ
シンの上部フレーム３の下部前方、すなわち仮押え装置
がシャーリングマシンのテーブル５と下刃７の境界にな
るように設けられており、主にシリンダ９、ピストン１
１、仮押えパット１３から構成されている。

前記上部フレーム３の下面には、リング状の基台１５が
ボルト等の固定具（図示省略）により一体に取り付けら
れており、上記リング状の基台１５の中心が前記上部フ
レーム３の中に配設された油路１６の中心と一直線をな
すようになっている。

また、前記上部フレーム３の油路１６は、前記リング状
の基台１５の内径より小さな径を有している。

前記基台１５の下面には、円筒形状のシリンダ９が、ボ
ルトの如き固定具（図示省略）により一体に取り付けら
れており、前記シリンダ９の上半分は、前記基台１５の
内径と同じ内径を有しており、前記シリンダ９の下半分
は、上記上半分の内径より適宜中さい内径を有している
。

前記シリンダ９は、前記シリンダ９の下半分の内径と嵌
合する外径を持つ前記ピストン１１を内包しており、前
記ピストン１１の下端部１７は、前記シリンダ９の外径
より大きい外径を持つように形成されている。

また、前記ピストン１１の上端には、スプリングを押え
るためのスプリング突起１９を有する前記ピストン１１
と同径のスプリング押え２１がボルトの如き固定具２３
により取り付けられており、上記スプリング突起１９と
前記シリンダ９の内径の相違によって生じる段２５との
間にはスプリング２７が設けられている。

次に、前記ピストン１１の下端部１７の下端は嵌合部２
９を形成しており、その嵌合部２９には、仮押えパット
１３が、固着して設けられており、上記仮押えパット１
３の下面には前記テーブル５と前記下刃７との境界をま
たぐように猛威された逃げ部３１が設けられている。

また、前記基台１５の後側には、細長いプレート３３の
端部が、ねじの如き固定具３５によって取り付けられ、
上記細長いプレート３３の他端は下方に向っており、上
記他端部３７には、前記ピストン１１の仮押え部１７に
嵌合固着されたピン３９が、案内自在に係合している。

次に、上記構成における実施例の作用について説明する
。

前記仮押え装置１を駆動するには、先ず前記上部フレー
ム３に設けられた油路１６より作動油の如き流体が、前
記基台１５を介して前記シリンダ９へ送り込まれる。

上述の如く流体が送り込まれると、その流体の圧力によ
り前記ピストン１１は下方へ押し下げられ、前記ピスト
ン１１に設けられた仮押えパット１３は、切断のため前
記テーブル５に載置された板材に当接し、板材を押圧保
持する。

上述の如く板材を押圧保持した時、前記仮押えパット１
３の仮押え装置は、第２図に示す如く切断位置に最も近
い位置すなわち前記テーブル５と前記下刃７と境界にま
たがる位置であるが、前記仮押えパット１３には前述の
如き逃げ部３１が形成されているため、上記境界に生じ
ている段差に板材が強く押しつけられることはなく、板
材に傷が生じることがないものである。

また、仮押え位置が切断位置に最も近い位置であるため
、板材を確実に保持し、板材の切断部にそりや曲がりが
生じることなく板材を切断することができる。

なお、この実施例では、前記ピストン１１の下端部１７
および仮押えパット１３の形状は、平面から見て円形状
になっているが、必らずしもこれに限定されず他のどの
ような形状、例えば正方形状の如きものでも実施するこ
とが可能である。

また、前記仮押えパット１３の逃げ部３１の形状も、こ
の実施例に限定されず他の形状、例えば側面から見て半
円形状の如きものでも実施可能である。

この考案は、実用新案登録請求の範囲に記載のとうりの
構成としたので、板材を確実に保持し、しかも板材に傷
をつけないで板材を押圧することができる。

なお、この考案は、前述の実施例に限定されるものでは
なく、前述の実施例以外の態様でもこの考案を実施しう
るものである。

また、実用新案登録請求の範囲中に便宜上付した符号は
、この考案の技術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案を実施した仮押え装置の側断面図、
第２図は、この考案を実施した仮押え装置の概略平面図
である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、１・・・・・・
仮押え装置、５・・・・・・テーブル、７・・・・・・
下刃、９・・・・・・シリンダ、１１・・・・・ゼスト
ン、１３・・・・・・仮押えバット、 １７・・・・・・下端部、 ３１・・・・・・逃げ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板押え装置１のシリンダ９に内包されたピストン１１の
   下端部１７に、板材を押圧固定する板押えパット１３を
   設け、前記板押えパット１３の下面に、板材を載置する
   テーブル５と前記テーブル５に設けられた下刃７との境
   界をまたぐように形成された逃げ部３１を設けたことを
   特徴とするシャーリングマシンにおける板押え装置。