JPS6041681B2 - 高炉ガス乾式除塵システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、既設の高炉ガスラインに乾式除塵器および
炉頂圧動力回収タービンを設ける場合の既設ガスライン
の保護を目的とした高炉ガス乾式除塵システムを提供す
るものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

高炉１の炉頂から排出されるＢガスはガス排出配管２中
に設けた粗粒除塵器（ダストキヤツチヤなど）３を通つ
て乾式除塵器（乾式電気集塵器、バグフイルタなど）４
に入る。そして炉頂圧を調整するバイパス調圧弁５を有
するバイパス配管６から端未配管７を通過した後、ガス
ホルダやボイラや熱風炉または加熱炉に導びかれる。８
は前記バイパス調圧弁５に並列して設けられた炉頂動力
回収タービンで、所内電力網に常時供人されて負荷がか
かつており、バイパス配管６の入口部から分岐された導
入管９を通してＢガスが供給され、バイパス配管６の出
口部に合流する排出管１０を通してＢガスを戻す。

前記導入管９には、入口しや断弁１１と、危急しや断弁
１２と、ガバナ弁１３とが設けられ、また排出管１０に
は出口しや断弁１４が設けられている。前記タービン出
口配管７中には冷媒制御弁１５を有する冷媒噴射装置１
６が設けられており、タービン停止時にバイパス配管を
含む以降のガス配管６、７中に冷媒を噴射すべく構成し
てある。前記冷媒噴射装置１６の下手にガス温度検知用
センサ１７が設けられ、これからの温度信号により前記
冷媒制御弁１５を制御すべく構成してある。なお、ガス
温度検知用センサ１７によつて高炉ガス温度を検知して
から冷媒噴射装置１６を調整していたのではどうしても
応答に遅れが生じるため、実際にはバイパス調圧弁５の
開信号又は危急しや断弁１２の閉信号のいずれかを不図
示の制御機構を介して冷媒制御弁１５にインプットする
ことにより、冷媒制御弁１５を開となし、冷媒を排ガス
中に噴霧することにより、応答遅れをなくしているもの
である。高炉１の操作状態が正常である場合、高炉ガス
の炉頂排出温度は１１０で〜１５０℃で、乾式除塵器４
までの熱放熱を考えると、該乾式除塵器４の出口温度は
１０００〜１４０℃となる。炉頂動力回収タービン８が
稼動している場合は、バイパス調圧弁５は普通は全閉さ
れ、高炉１の炉頂圧力はタービン８前のガバナ１３また
はタービン８内の可動静翼によつて一定に制御されてい
る。タービン８の出口温度Ｔ２はタービン８の入口温度
をＴ１とすると次の式で表わされる（タービン内で水の
凝縮がないものとする）。Ｐ１；タービン入口圧 Ｐ２；タービン出口圧 ηＡｄ；断熱効率 ｋ；断熱指数 ここで、 とすると となる。

したがつて１４０℃でタービン８に入つた５Ｂガスは、
タービン入口圧が１．５ｋｇ／ＣｒｌＧのとき６９℃で
排出されることになる。このようにタービン８に入つた
Ｂガスは、タービン入口温度、入口圧力によつて差異が
あるが、Ｐ１が１．０〜２．５ｋ９／ＣｆｌＧならば該
タービン８内で温度低下をして約１０〜く８０℃の範囲
内の温度で排出される。従来の製鉄所では高炉ガスの配
管系統は湿式スクラバで冷却されて３００〜７０℃にな
つた高炉ガスを対象に設計されている。

図に示すように湿式スクラバを乾式除塵器４で置換え、
セプタム弁などのバイパス調圧弁５を閉じて高炉ガスの
全量または殆んどタービン８に通す場合は、上述のよう
にタービン出口温度が従来の配管温度と同程度になるた
め特に問題ないが、タービン８が何らかの理由によつて
停止する場合は、高炉ガスを高温のまま既設配管系に流
すことになり、配管、ガスホルダの熱膨張およびパッキ
ン、シールリンクの耐熱性で問題が生じる。そこで本発
明では前述したようにバイパス配管を含む以降の配管６
，７中に冷媒噴射装置１６を設け、さらにこの後流の配
管６，７中にガス温度検知用センサ１７を設けて、冷媒
制御弁１５を操作してガス温度を配管系の設計温度以下
に保つようにしてある。

タービン運転中からタービン危急停止、タービン起動ま
での過程は次のとおりである。

ａ タービン運転中→タービン危険停止→タービン停止
状態。

バイパス調圧弁５を緊急開とし、同時に危急しや断弁１
２を閉じ、発電機の負荷をしや断する（ガバナ弁も閉）
と同時にこれらの弁の作動信号のいずれかにより冷媒制
御弁１５を作動させることにより端未配管７中に冷媒が
噴射される。

次いでガス温度検知用センサ１７からの温度指示信号１
８によつて冷媒制御弁１５の開度が制御されることによ
り冷媒噴出量が調節され、ガス温度が配管の設計温度以
下に保たれる。ｂ タービン起動 入口しや断弁１１、出口しや断弁１４および危急しや断
弁１２を開にしておき、バイパス調圧弁５を絞りながら
ガバナ弁１３を開にして行くことによりタービン８を起
動させる。

タービン８の回転数が所定の、値になつたところで負荷
を投入する。この操作に伴い、端未配管７ではタービン
８を通過した低温ガスが高温ガスに混じり、最終的には
端未配管７は低温ガスで満たされる。この間、ガス温度
検知用センサ１７からの温度指示信号１８により冷媒制
御弁１５が制御され、冷媒噴射装置１６からの冷媒噴射
量が減少し、最終的には噴射が停止される。なおタービ
ン８の静翼を可変にしてこれにガバナ弁の機能を持たせ
る場合はガバナ弁１３はターピン８の可変静翼で置きか
えられる。図においては冷媒噴射装置１６を端未配管７
に設けているが、バイパス配管６中に設けてもよい。

特にバイパス調圧弁５の前に設けると、該バイパス調圧
弁５の洗浄装置を兼ねることができるというメリットが
ある。以上述べたように本発明によると、タービン危急
停止時のバイパス調圧弁の開信号又は危急しや断弁の閉
信号とガス温度検知用センサからの温度指示信号によつ
て冷媒噴射装置を作動させてバイパス配管を含む以降の
ガス配管中に冷媒を供給でき、ガス温度の配管の設計温
度以下に保つことができる。

これにより配管、ガスホルダの耐熱性に対する保護を可
能にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す系統図である。 １・・・・・・高炉、３・・・・・・粗粒除塵器、４・
・・・・・乾式除塵器、５−Ｉ−１●バイパス調圧弁、
６・Ｉ・◆・バイパス配管、７・・・・・・端未配管、
８・・・・・・炉頂圧動力回収タービン、１２・・・・
・・危急しや断弁、１５・・・・・冷媒制御弁、１６・
・・・・冷媒噴射装置、１７・・・・・・ガス温度検知
用センサ、１８・・・・・温度指示信号。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高炉、粗粒除塵器、乾式除塵器、炉頂圧動力回収タ
   ービンの順に配列されたシステムであつて、前記タービ
   ンと並列に配設されたバイパス配管途中にバイパス調圧
   弁を設け、バイパス管から分岐されてタービンに排ガス
   を導入する導入管途中に危急しや断弁を設け、前記冷媒
   制御弁を有するバイパス配管を含む以降のガス配管中に
   冷媒制御弁を有する冷媒噴射装置を設け、該冷媒噴射装
   置下流の配管中に冷媒噴射装置と連動する温度検知用セ
   ンサを設け、且つ前記タービン危急停止時のバイパス調
   圧弁の開信号又は危急しや断弁の閉信号により前記冷媒
   噴射装置の冷媒制御弁を開にしてガス中に冷媒を噴出さ
   せると共に前記温度検知用センサからの温度指示信号に
   より冷媒噴射量を制御するようにしたことを特徴とする
   高炉ガス乾式除塵システム。