JPS6041518Y2 - 流動炉の気体分散ノズルの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流動炉、例えば流動式焼却炉の流動層生成のた
めの高圧気体、すなわち圧縮気体を送入する気体分散ノ
ズルの取付構造に関する。

従来、気体分散ノズルの炉床面への取付は、構造が簡単
なこと、気密性が良いこと等の理由からねじ込み式が一
般的である。

ところがねじ部は高温流動層部からの熱伝導を受けしば
しば焼付きを生じ、ノズルの交換に困難を生じることが
あった。

この対策として炉床部にキャスタブル層を設はノズルね
じ込み部をこのキャスタブルにて保護する方法が一般に
とられている。

しかしながらこの様な方法によっても周囲キャスタブル
層からのノズルねじ込み部への伝熱を大きく受けること
に変になく、断熱効果を上げるためにはキャスタブル層
を相当厚くしてノズルねじ込み部を深くする必要がある
。

このため炉床重量が増し、またノズルが長くなってノズ
ル重量が増し、さらにはノズルねじ込み部が深いためノ
ズル交換がしにくい等の欠点があった。

本考案は、従来の気体分散ノズルの取付構造の前記欠点
を解消するためになされたもので、本考案によれば、炉
底板とその上に設けられた耐火物からなる炉床の炉底板
に適当なピッチでノズル取付座を固着し、そのノズル取
付座に気体分散ノズルを脱着可能に固定してなる流動炉
の気体分散ノズルの取付構造において、ノズル取付座を
炉底板より下方の風箱内に突き出して炉底板に固着し、
そのノズル取付座に流動気体分散ノズルを風箱内におい
て脱着可能に固定してなる流動炉の気体分散ノズルの取
付構造が提供される。

これによって炉床部の耐火物厚さを最低限に薄くするこ
とが可能となって炉床重量の軽減をはかることができ、
またこれに伴い、ノズルも従来よりも短くそして軽量化
でき、さらにノズル交換も容易にできるという利点をも
たらすものである。

まず本考案が実施される流動炉の概要を第１図を参照し
説明する。

フリーボード１を形成する耐火物からなる炉本体２の最
下部には同様に耐火物からなる炉床３が設けられており
、その炉床３には適当ピッチで流動気体分散ノズル４が
配置されている。

炉床３の下方には通常、ウィンドボックスと称せられて
いる風箱５が設けられていて、その風箱５は流動気体の
入口６を備えている。

炉本体２の中程には都市ゴミ、下水汚泥、産業廃棄物等
を投入する投入ロアが、また下部には排出口８が、さら
に頂部には排ガス出口９がそれぞれ設けられている。

その他１０は流動層、１１は流動媒体であり、また１２
は流動気体、１３は排ガスを示す。

したがって、投入ロアから都市ゴミ、下水汚泥、産業廃
棄物等を投入し、図示されていない送風機からの流動化
気体１２を入口６から風箱５を経て流動気体分散ノズル
４から噴出させることにより、都市ゴミ下水汚泥、産業
廃棄物等は炉本体２内で流動化し効率よく焼却すること
ができる。

排ガス１３は出口９から流出し、廃棄灰は排出口８から
排出させる。

第２図に流動気体分散ノズルを設けた従来の炉床部分を
詳細を示し、炉底板２１の上には耐火物２２が設けられ
ており、ノズル取付座２３は炉底板２１に溶接により取
付けられていて炉床板２１より上方の耐火物２２内に突
き出している。

流動気体分散ノズル２４はノズル取付座２３にねじ込み
部２５により脱着可能に固定されている。

したがって、ねじ込み部２５は耐火物２２内に埋設させ
た状態となっている。

ところで、都市ゴミ、下水汚泥、産業廃棄物等の流動炉
では、風箱５に送入される流動化用気体温度は常温から
４５０℃の範囲であり、また流動層部１０の温度は７０
０〜８００℃程度で運転されることが多い。

かかる条件下において、従来の流動気体分散ノズル２４
は前述のようにその取付ねじ部２５が炉底板２１の上方
の耐火物２２内に埋設されているため、流動層１０およ
び周囲耐火物２２からの高温伝熱作用を受けねじ込み部
２５が焼付きを起こしやすく、これを防ぐべく伝熱量を
減らすためには耐火物２２を厚くせざるを得なかった。

それでも運転中はノズル２４内部を通る流動気体による
冷却効果が期待できるが、炉停止時にはねじ込み部２５
周囲が耐火物２２に完全に覆われている構造上周囲耐火
物２２からの伝熱をまともに受けることとなり、運転中
よりもさらに焼付きを起こしやすい条件となっていた。

本考案は、第２図に示す様な従来の気体分散ノズルの取
付構造の前記欠点を解消すべくなされたもので、第３図
に本考案の実施例を示す。

梁等に支承された炉底板２１に適当ピッチでノズル取付
座２３が炉底板２１の下方の風箱５内に突き出して溶接
で取付けられており、各ノズル取付座２３の内面にはね
じ切りが施されていて、各気体分散ノズル２４がねじ込
み部２５により脱着可能に取付けられている。

炉底板２１の上には各気体分散ノズル２４の通路部分を
囲んで適当な厚さで耐火物２２が充填されていて、気体
分散ノズル２４の保護ならびに周囲空間への断熱目的を
担っている。

各気体分散ノズル２４の頂部は耐火物２２の上方の流動
層１０内に突き出していて、ノズル頭部の周囲に穿たれ
た細孔から流動層１０中へ流動用高圧気体が噴出される
ことは第２図に示す従来例のものと同様である。

この様に本考案では、ノズル取付座２３と流動気体分散
ノズル２４との脱着可能な固定部、すなわちねじ込み部
２５が風箱５内に位置しているので、ねじ込み部２５は
運転中は常時風箱５内の流動気体により冷却作用を受け
るとともに、炉停止時においても周囲空間へ熱放散を行
うことによってねじ込み部２５が高温になるのを防ぎ、
これによりねじ込み部２５に焼付きを防止することがで
きる。

また耐火物２２の厚さを最低限に薄くすることが可能と
なり炉床重量の軽減をはかることができ、かつこれに伴
いノズルも従来より短く、そして軽量化することができ
る。

さらにノズル交換も容易になる等優れた利点をもたらす
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が実施される流動層式焼却炉の一例を示
す縦断面図、第２図は流動気体分散ノズルを設けた従来
の炉床部分の縦断面図、第３図は本考案の実施例に係る
流動気体分散ノズルを設けた炉床部分の縦断面図である
。 ２１・・・・・・炉底板、２２・・・・・・耐火物、２
３・・・・・・ノズル取付座、２４・・・・・・気体分
散ノズル、２５・・・・・・ねじ込み部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）炉底板とその上に設けられた耐火物からなる炉床
   の炉底板に適当なピッチでノズル取付底を固着し、その
   ノズル取付底に気体分散ノズルを脱着可能に固定してな
   る流動炉の気体分散ノズルの取付構造において、ノズル
   取付座を炉底板より下方の風箱内に突き出して炉底板に
   固着し、そのノズル取付座に流動気体分散ノズルを風箱
   内において脱着可能に固定してなることを特徴とする流
   動炉の気体分散ノズルの取付構造。
2. （２）ノズル取付座と流動気体分散ノズルの脱着可能な
   固定手段がねじ込み式によるものであることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の流動炉の気体分
   散ノズルの取付構造。