JPS6041092Y2 - 道路植栽用剪定機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、道路の側帯又は中央分離帯等の植物を切り揃
えるための往復刃と、この往復刃によって切り取られた
植物の切断片を細断するフレール刃を備えた剪定機にか
かり、枝葉の切断と細断の両作業を単一の剪定機でかつ
合理的に行うようにしたものである。

従来、路側や分離帯等の植栽の剪定には刈り払い機が使
われている。

然しなから、これは単に枝葉を刈るだけであるため、刈
り取った枝葉が付近に散乱し、これを取り除くのに別に
掻き集める作業も必要となる。

殊に樹木の幹等で多少長さの大きいものを切り取った場
合は高張るので、これが道路に落下したりすると車両走
行の障害となる。

従って刈り取りと掻き集めの両作業をほぼ並行して実施
しなくてはならず、人手を要する上、走行車両による危
険性も伴うため、道路沿いに短い区間でかつ短時間なら
ともかく、長距離にわたり長い時間にかけて作業を行う
ような場合には不適である。

本案は往復刃により植物の枝葉を揃えると共に、この切
り取った枝葉をフレール刃により細断して後の処理をし
易くしたもので、フレール刃を匣体内に回転自在に軸架
し、この匣体の前面下部に上部をひさし部で閉塞された
開口部をまた後面に吸引側接続口をそれぞれ設け、この
開口部の下端部に関連してこのフレール刃回転面より下
方でかつこれと同じか又は前方位置にフレール刃回転軸
線との平行面上にフレール刃駆動機構とは別個の駆動機
構により往復動する往復刃を配設し、フレール刃を匣体
開口部から見て下向きに回転するようにしたことを特徴
とする。

これにより、植物剪定に際し先ず往復刃により切り揃え
て切り口の割れの発生を防ぎ、切断された片を有効に作
用する吸引力乃至は後続する枝葉の抵抗力により匣体の
底面を案内として直ちにフレール刃方向へ送って外部飛
散を防止し、これをフレール刃により細断して後処理を
容易にし、枝葉の大きさに応じてフレール刃の回転速度
と往復刃の移動速度を各別に調整し、切断片の収集の必
要のない場合はフレール刃の駆動のみを停止し、しかも
構造を簡略化しようとするもので、その具体側を図面に
つき詳述すれば次の通りである。

１はフレーム列で回転筒の周りに放射方向に刃体が枢支
されたもので、この刃１は匣体２内に架設され、油圧モ
ーター３により定位置でかつ剪定速度や剪定抵抗に応じ
適当に定められた速度で回転自在となっている。

匣体２は前面下部に上部をひさし部４ａで閉塞された枝
葉を喰える開口部４を有し、後面には吸引側接続口５が
開いている。

６は往復刃でバリカン刃状のもので、この匣体に開口部
４の下端部に関連して配設され、フレール刃駆動用油圧
モーダー３と別個の油圧モーター７により適当な速度で
駆動されて枝葉を切断する。

１つの原動機により回転及び往復運動という二種類の駆
動を行うことは、駆動馬力の大きなこともあり、複雑な
構造となるので、別駆動としたものである。

この刃６の位置はフレーム列１の回転面より下方でかつ
これと同じか又は前方位置とし、この往復刃６で切断し
た枝葉を匣体２の底面で案内し、続くフレーム列１で細
断できるようにする。

匣体２の底部の形状は第４図に示した通りで、吸引ブロ
ワ−によって発生した空気の流れが、抵抗なく円滑に通
過可能なように、滑らかな面によって構成されている。

而してこのフレーム列１の回転方向は匣体２の開口部４
から見て下向きとする。

従って開口部４の上側のひさし部４ａがフレーム列回転
によって生じる気流を切断片吸込作用に協力させる作用
を果たすと共に、開口部４の狭小化作用も果たしている
。

即ち、吸引ブロワ−による空気の流れは、第４図に示す
ように、開口部４より吸引側接続口５に向かって流れて
いる。

しかし、第１図及び第２図よりわかるように、ひさし部
４ａが無いと、空気の出口に続く吸引側接続口５より吸
込み口である開口部４の方が大きくなる。

そこで、ひさし部４ａを取り付けることにより、開口部
４の面積を小さくし、吸込み風速を速くして、往復刃６
により切断された枝葉及びフレーム列１により吸込み易
く細断された波条の吸引を確実にすると共に、波条がフ
レーム列１の回転により、開口部４より外へ出ることも
防止している。

この剪定機は適当なアームに支持され、接続口５に吸込
用ダクトを接続して使用するものである。

剪定機を開口部４を前方へ向けかつフレーム列１及び往
復刃６を駆動して剪定するべき植物上を移動させると、
枝葉は先ず往復刃６によって刈り取られ、ブロワ−の吸
引力により、乃至は続く植物の抵抗力によって匣体２の
底面上をフレーム列１方向へ移動し、この刃１によって
細断され、吸引力によりダクト内を排出側へ強制的に送
り出される。

本考案によれば前面下部に上部をひさし部で閉塞された
開口部をまた後面に吸引側接続口を有する匣体内にフレ
ーム列を軸架しまたその開口部の下端部に関連してこの
フレーム列回転面より下方でかつこれと同じか又は前方
位置にフレーム列回転軸線との平行面上にフレーム列駆
動機構とは別個の駆動機構により往復動する往復刃を配
設し、フレーム列の回転方向を匣体開口部から見て下向
きとしたので、剪定するべき植物は先ず往復刃で刈り取
られ、ひさし部で狭められた開口面積により有効に作用
する吸引力乃至は後続する枝葉の抵抗力により匣体内に
入り、内部を円滑に進んで、続くフレーム列により細断
されることになり、従って刈り取った枝葉が匣体外に飛
散することがなく、直接フレーム列が植物を破断するも
ののように切り口に割れを生ずることがなく、従って植
物を枯損することもなく、フレーム列の回転速度や往復
刃の移動速度を剪定速度や剪定抵抗に応じて各別に最適
に調整でき、原動機が複雑な構造となるのを防げ、切断
片のフレーム列による細断により大賽量のブロワ−を用
いないでも容易に吸引排出することができ、従って経済
的である等、種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる剪定機の具体例を示す側面図、
第２図は同平面図、第３図は側端面図、第４図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第５図は第４図における樹木剪定状
況の図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレール刃を匣体内に回転自在に軸架し、この匣体の前
   面下部に上部をひさし部で閉塞された開口部をまた後面
   に吸引側接続口をそれぞれ設け、この開口部の下端部に
   関連してこのフレール刃回転面より下方でかつこれと同
   じか又は前方位置にフレール刃回転軸線との平行面上に
   フレール刃駆動機構とは別個の駆動機構により往復動す
   る往復刃を配設し、フレール刃を匣体開口部から見て下
   向きに回転するようにした道路植栽用剪定機。