JPS604029Y2 - 風呂湯沸装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は風呂湯を強制循環によって早期に沸かすことが
できると共に浴槽外へのシャワー湯の供給や洗濯機への
残り湯の供給を行なうことのできる装置に関するもので
ある。

従来のガス風呂の釜は自然循環式であるが、浴槽内にお
いてはほとんど循環は行われず、浴槽の上部は手をつけ
られない程熱くても、下部は冷たいままであるというの
は日常経験しているところである。

また、夏期と冬期とでは水温が相当異なるためガスの燃
焼時間で湯の温度を調節することも困難である。

従って、湯をかきまぜた時に、まだ熱ければ水を注いで
温度を下げなければならず、必要以上の水を使用し、浴
槽から溢れるまで水を注げなければならなくなることも
度々ある。

このような事態は節水の要請に反する。

これとは逆に、湯をかきまぜた時にまだぬるい場合には
ガスに火を着けて裸で待っている間に風邪をひいたりす
るし、浴槽に入って待っていると上部給湯口から熱い湯
が噴き出して火傷を起しそうになるので、あわててかき
まぜるという問題が生じ、また上部給湯口から体をよけ
て浴槽に入っていなければならないという問題があった
。

このような問題を解消するものとして本考案者は先に第
１図に示すような構成の装置について出願を行なった（
実開昭５３−９２１９１号）。

その装置は、浴槽１と風呂釜２を接続する吸水本管３と
給湯管４のうち吸水本管３にバイパス管５を並設し、バ
イパス管５の出口と吸水本管３の合流部に、常時はばね
によりバイパス管５の出口が閉塞するように可動弁６を
設け、バイパス管５の途中にはポンプ７を設置した構成
のものである。

この装置は、ポンプ７を作動させないときは従来の自然
循環式の湯沸装置として作用するが、ポンプ７を作動さ
せるとバイパス管５におけるポンプ７の吸入側が負圧に
、吐出側が正圧となって可動弁６が開き、浴槽１内の水
を吸水口８から吸い込み、風呂釜２に強制給水し、給湯
管４を経由して湯を給湯口９から浴槽１内に還流させる
ことになる。

風呂釜２内の熱交換部では高温になった湯が滞留するこ
となく絶えず循環するため浴槽１内の湯の温度差が少な
くなって湯温か一様となり、また熱交換率も向上すると
いう効果がある。

本考案は、このような構成の湯沸装置を用い、この装置
に付加することによって、残り湯をシャワーや洗濯用に
用いることができると共に給水しながら水を沸かしてシ
ャワー等に使用することのできる装置を提供することを
目的とするものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明する。

第２図は通常状態における湯沸装置の構成を示すもので
、縦管１０の上部及び中途には前述した給湯口９及び吸
水口８に接続するための上部連接管１１及び下部連接管
１２がそれぞれ連設されている。

また、縦管１０の下部開口部には開閉可能に下部弁１３
が設けられている。

前記の上部連接管１１と下部連接管１２の中位には強制
給湯口１４が設けられ、また上部連接管１１と常時は連
通している自然給湯口１５には給湯管４からの湯の吐出
圧が高くなると自然給湯口１５を閉塞する上部弁１６が
設けられ、この上部弁１６は弁の非動作状態において上
部連接管１１と強制給湯口１４との間を閉塞しないよう
にストッパー１７で係止されている。

縦管１０の中途であって強制給湯口１４の下位には下部
連接管１２に連通ずる中部開口１８が設けられており、
通常は中部開口１８と下部連接管１２との間を遮断する
ようにフロート弁１９が縦管１０内に浮沈自在に収容さ
れている。

このフロート弁１９が上昇〔た場合、中部開口１８と下
部連接管１２の間が連通ずると共に強制給湯口１４が閉
塞されるように構威されている。

また、縦管１０の下部弁１３の上位には外部給水管を接
続できる接続管２０が設けられている。

なお、図中２１は安全弁である。上述した縦管１０は縦
方向に伸縮できるようにして浴槽１の吸水口８と給湯口
９との間隔が異なる浴槽にも上部及び下部連接管１１及
び１２が連結できるように構威し、また縦管１０の下端
開口の高さを調節できるようにすることができる。

第３図はポンプ７を作動させない通常の自然循環による
湯沸状態を示すものであり、浴槽１内に基準水位以上（
自然給湯口１５より高い水位）の水を注げばフロート弁
１９が縦管１０内を上昇し、中部開口１８と下部連接管
１２との間を連通させる。

従って、風呂釜２に対して中部開口１８と自然給湯口１
５とが開かれているので従来と同じ自然循環式の湯沸し
ができる。

この時の給湯管４からの湯の吐出圧は高くないので上部
弁１６は動作しない。

この自然循環状態は、停電時などでポンプ７が作動でき
ない時も従来と同じように湯沸しができることを示して
いる。

第４図はポンプ７を作動させた状態を示すものである。

〔強制循環式湯沸し〕

この場合は、ポンプ７を作動させ、風呂釜２を焚くこと
により浴槽１内の水は下部弁１３及び可動弁６を開いて
ポンプ７により風呂釜２にて昇温せられ、給湯管４を経
て吐出される。

この吐出圧により上部弁１６は自然給湯口１５を閉じ、
フロート弁１９を押し下げて強制給湯口１４より浴槽１
内に吐出され、これを繰り返すことにより湯温を一様に
しながら湯沸しを行う。

〔残り湯の使用〕

浴槽１内の残り湯をシャワーや洗濯に用いる場合には強
制給湯口１４にホースを継ぎ、ポンプ７を作動させる。

風呂釜２はこの場合焚く必要がない。

このようにすれば浴槽１内の湯は、残量が縦管１０の下
端開口のレベル下になるまで有効に使用することができ
る。

なお、残り湯の温度が低いときや、水を浴槽に注ぎ足し
ながらシャワー等を使用したい場合には風呂釜２を焚き
ながらポンプ７を作動させることもできる。

〔少量の湯沸しと使用〕

頭を洗ったりする場合など、きれいなお湯を得たい場合
あるいは浴槽１に水が入っていない時にシャワー等を使
いたい場合は、浴槽１に必要な量の氷を注いで給水する
。

そうすれば、下部弁１３が閉じて接続管２０からバイパ
ス管５に水が流入し、ポンプ７の呼び水となる。

次いでポンプ７を作動させれば水は縦管１０の下端開口
から吸入され、風呂釜２により昇温せられ、上記したよ
うに湯は強制給湯口１４から浴槽１内に戻り、これを繰
り返すことにより水は必要な量だけ昇温される。

湯温か適当な温度になったら強制給湯口１４に給湯ホー
スをつないでシャワーなどに使用することができる。

なお、強制給湯口１４に浴槽給湯用シャワー用の切替装
置を取り付けることによりこの操作が簡単に行える。

従って、必要な最小限の水を浴槽１に供給するだけでそ
の水を昇温でき、大幅な節水を行うことができる。

上述したように本考案の装置は、浴槽と風呂釜との間の
熱交換用流水路の途中に風呂湯強制循環装置を設け、浴
槽の吸水口に接続する下部連接管と給湯管に接続する上
部連接管とをそれぞれ連接した縦管を下端開口が浴槽の
底部に近接する状態に付設し、この縦管の上部連接管と
下部連接管の中位には強制給湯口を設け、上部連接管と
常時は連通した状態に縦管に設けられている自然給湯口
と強制給湯口の間には給湯管からの湯の吐出圧によって
自然給湯口を閉塞する上部弁を設け、縦管の中途であっ
て強制給湯口の下位には下部連接管に連通ずる中部開口
を設けるとともに縦管内には通常は中部開口と下部連接
管との間を遮断する状態にフロート弁を浮沈自在に設け
たことを特徴とする風呂湯沸装置であるので、強制循環
式湯沸腰残り湯の使用、少量の湯沸しなど多用途に使用
でき、燃料の節減を図ることができ、シャワー設備など
の付設の必要がないので狭い住宅設備にも有効に活用で
き、また使用する最小限の水を供給すればよいので節水
に大いに寄与するなど多くの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を応用すべき風呂設備の例を示す一部切
欠断面図、第２図〜第４図は本考案の実施例の動作を示
す説明図である。 １・・・・・・浴槽、２・・・・・・風呂釜、３・・・
・・・吐出木管、４・・・・・・給湯管、５・・・・・
・バイパス管、６・・・・・・可動弁、７・・・・・・
ポンプ、８・・・・・・吸水口、９・・・・・・給湯口
、１０・・・・・・縦管、１１・・・・・・上部連接管
、１２・・・・・・下部連接管、１３・・・・・・下部
弁、１４・・・・・・強制給湯口、１５・・・・・・自
然給湯口、１６・・・・・・上部弁、１７・・・・・・
ストッパー １８・・・・・・中部開口、１９・・・・
・・フロート弁、２０・・・・・・接続管、２１・・・
・・・安全弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽と風呂釜との間の熱交換用流水路の途中に風呂湯強
   制循環装置を設け、浴槽の吸水口に接続する下部連接管
   と給湯管に接続する上部連接管とをそれぞれ連接した縦
   管を下端開口が浴槽の底部に近接する状態に付設し、こ
   の縦管の上部連接管と下部連接管の中位には強制給湯口
   を設け、上部連接管と常時は連通した状態に縦管に設け
   られている自然給湯口と強制給湯口の間には給湯管から
   の湯の吐出圧によって自然給湯口を閉塞する上部弁を設
   け、縦管の中途であって強制給湯口の下位には下部連接
   管に連通ずる中部開口を設けるとともに縦管内には通常
   は中部開口と下部連接管との間を遮断する状態にフロー
   ト弁を浮沈自在に設けたことを特徴とする風呂湯沸装置
   。