JPS6040297Y2 - レンズ端面加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は眼鏡レンズの側端面に溝を研削するレンズ加
工機の改良に関するものである。

ナイロール等の名称で呼ばれる眼鏡フレームにレンズを
取付けるためには、レンズの側端面に溝を掘り、その溝
にナイロンテグスの輪をはめなければならない。

このレンズの溝掘りは眼鏡店ルンズ加工機により行われ
る。

作業者は、加工機のプレートのスリットから突出したダ
イヤモンドホイールの回転刃にレンズの側端面を当てて
研削する。

研削中レンズはガイドの間に入れられ、指又はホルダで
保持される。

従来の加工機のプレートは前下りでその表面は作業者の
視線とはＳ゛直角対面し、ガイドのすべての部分がプレ
ートの上面にあるため、作業者がレンズの研削状態、特
に回転刃の先端の位置を観察しながら加工を行うことは
できなかった。

したがって、所定の溝をレンズの側端面に形成すること
はかなり難しい作業であった。

このため、回転刃とレンズの上下位置を逆にしてレンズ
を機械的に保持して操作する溝掘り機が提案されている
が、レンズを機械的に操作することによる装置の複雑化
と高価格化はさけられない。

この考案の目的は、作業者がレンズを手又はホルダーで
保持し、回転刃の先端の位置を見ながら、レンズの側端
面に溝を握ることができる構造の簡単なレンズ加工機を
提供することにある。

前記目的を達成するため、この考案の要旨とするところ
は、レンズ加工機のプレートを作業者の視線に沿わせて
前上がりに傾斜させ、レンズをはさむ部分以外のガイド
機構のすべての部分をプレートの裏面に設けたことにあ
る。

この考案の加工機を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、台盤１の片側にモータケース２を
反対側にホルダ支持台３を取付け、その中間にプレート
４を配設する。

プレート４の中央にダイヤモンドホイールの回転刃５を
突出させるスリット６を設ける。

プレート４の両側の切込み７，７′からアーム８，８′
を表面に引出し、そのアームの先端に回転刃５に押付け
るレンズをはさむガイド９，９′を回転自在に軸止めす
る。

回転刃５はモータケース２からプレート４の下方のモー
タ回転軸（図示せず）に着脱自在に固定される。

ホルダ支持台３の底面にホルダを立てる穴１０をあけ、
側板１１にホルダをかける溝１２を設ける。

第２図に示すように、プレート４は前玉がりに傾斜腰そ
の下端部は台盤１に固定した支柱１３に回動自在に軸止
めされる。

回転刃５を囲む受箱１４をモータケース２の突出部に取
付け、その受箱に調整ねじ１５の台座１６を固定し、そ
の調整ねじでプレート４の傾斜角度を調整する。

アーム８．８′はプレート４の上端部からその裏面に沿
って下り、ついで、切欠き７，７′を通ってプレート４
の表面に出る。

ホルダ支持台３の側板１１の上面はプレート４とは逆方
向に傾斜し、その上面に複数個のホルダをかける溝１２
が刻まれる。

第３図に示すように、プレート４の表面に現われるもの
は、中央のスリット６からのぞく回転刃５と、左右の切
欠き７，７′から延びるアーム８．８′の先端部と、そ
の先端部に取付けたガイド９，９′のみである。

アーム８，８′を開くレバー２０と、片方のアーム８の
位置を決めるノブ２１はプレート４の裏面にあるが、側
方に突出するため表面からも見える。

第４図に示すように、アーム８，８′はそれぞれピン１
９．１９’を介してプレート４に回動自在に軸止めされ
、アーム８′の上端は斜めに突出して操作レバー２０を
形成する。

ばね１８を介してアーム８′の先端のガイド９′を常に
閉力に弾圧する。

左右のアーム８゜８′を中央において遊合的に結合する
連結ピン２２を取付ける。

ノブ２１から延びる位置決めねじ２３をプレート４の裏
面に固定したナツト部２４にねじばめし、その先端をア
ーム８の当たり部２５に当てることができる。

次に、この考案の装置によるレンズ端面の加工について
説明する。

まず、調整ねじ１５を調整してプレート４の傾斜を、第
２図の矢印Ａで示す作業者の視線に合わせる。

次に、レバー２０を押して左右のアーム８，８′とガイ
ド９，９′を開き、その間に直接手で又はホルダ（図示
せず）を介して保持したレンズを入れる。

レバー２０を放してレンズを左右のガイド９，９′では
さむ。

連結ピン２２を通した時、左右のガイド９，９′は左右
に平等に開くので、レンズ端面の中央が回転刃５に当た
り、そこに溝が形成される。

一方、連結ピン２２を外し、ノブ２１を調整してアーム
８の開き位置を決めると、アーム８の開きは一定となり
、そのアームの先端のガイド９の中央からのずれも一定
となる。

その結果、レンズ端面の片面から等距離の位置が回転刃
５に当たり、そこに溝が掘られる。

レンズを高速回転する回転刃５に押し当て、レンズを回
して端面を一周する溝を研削する。

このように、連結ピン２２の着脱とノブ２１の調整によ
り、溝は端面の中心位置だけでなく片面から等距離の位
置にも形成することができる。

プレート４の表面には作業者の視線をさえぎるものは何
もないので、加工中、作業者は、第５図に示すように、
プレート４の表面に突出する回転刃５の先端の輪郭と、
その研削を受けるレンズ２５の端面の輪郭を正確に見な
がら加工作業を行うことができる。

その結果、レンズの端面に溝を形成する作業は容易にな
り、加工された溝の精度も向上する。

上記の通り、この考案の加工機はレンズを手又はホルダ
で保持する方式であるため、その機構は至極簡単である
が、作業者は研削状態を観察しながら加工を行うので、
レンズの端面に所定の溝を簡単に掘ることができる。

実施例の加工機はプレートの切欠きを通してアームを表
面から裏面に回したが、切欠きの代りに長大を使用して
もよい。

又、切欠き等を設けることなく、アームをプレートの側
辺から表裏に回すことも可能である。

実施例のホルダ支持台はホルダを階段状の溝にかける方
式にしたので、従来の穴に入れる方式に比べ、ホルダの
位置を容易に変えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の加工機の平面図、第２図
は第１図の加工機の側面を拡大して示す図、第３図及び
第４図はプレートの表面及び裏面を示す図、第５図は加
工時に作業者が観察するレンズと回転刃の拡大輪郭図で
ある。 １・・・・・・台盤、４・・・・・・プレート、５・・
・・・・回転刃、６・・・・・・スリット、 ７・・・・・・切欠き、 ８・・・・・・アーム ９・・・・・・ガイド、 １８・・・・・・ばね、 ２２・・・・・・連結ピ ン、２３・・・・・・位置決めねじ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）プレートの表面のスリットからのぞく回転刃の直
   上においてレンズをはさむ左右のガイドと、前記ガイド
   を先端において支持する左右のアームを備えたレンズ端
   面加工機において、台盤に前記プレートを前上りに傾斜
   角度調整自在に設け、前記両アームの先端部以外の部分
   を前記プレートの表面から裏面に回してその裏面に回動
   自在に軸着腰前記両アームの中間を遊合結合させる着脱
   自在な連結ピンと、前記両アームの一方をレンズをはさ
   む方向に弾圧するばねと、他方のアームの開きを調整自
   在に限定する位置決めねじをそれぞれ前記プレートの裏
   側に配設したことを特徴としてなるレンズ端面加工機。
2. （２）プレートの両側部に切欠きを設け、前記切欠きを
   通して左右のアームの先端部を前記プレートの裏面から
   表面に延ばしたことを特徴としてなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のレンズ端面加工機。
3. （３）台盤にホルダ支持台を取付け、前記ホルダ支持台
   の側板の傾斜上面にホルダをかける複数個の溝を階段状
   に設けたことを特徴としてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項記載のレンズ端面加工機。