JPS6039807Y2 - ガス検知器における電解液量の監視装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電解液を用いたガス検知器内の電解液が蒸
発して減少したことによって生ずる電解液濃度の変化を
電解液抵抗値の変化として検知するようにしたガス検知
器における電解液量の監視装置に関するものである。

電解液を使用したガス検知器は長時間使用すると電解液
の溶媒の蒸発により液面が下がって濃度か変化するので
、被検知ガスの正確なガス濃度測定値が得られない欠点
があった。

これをさらに図面によって説明する。

第１図は従来の二電極式のガス検知器を示すもので、１
はガス検知器の容器、２は被検知ガスの反応により作用
する反応電極、３は対向電極、４はＨ２ＳＯ４，ＫＣＩ
等の水容液からなる電解液、５は前記電解液４の液面で
ある。

このように、ガス検知器の使用開始時において、電解液
４は反応電極２、対向電極３を浸しているが、長時間使
用すると溶媒の水分が蒸発しても溶質であるＨ２Ｓ０ｏ
ＫＣ１等の量はほとんど変化しないので、そのまま電解
液４の中に残り、電解液４の濃度が濃くなって出力に影
響を与える。

さらに、溶媒の蒸発により液面５が図中二点鎖線の位置
まで下降すると、反応電極２が容器１内において電解液
４と接触している面積、すなわち、反応電極２の実効面
積が減少するためガス検知の感度が劣化する。

第２図は従来の三電極式のガス検知器を示すもので、第
１図と同一符号は同一部分を示し、６は０２等の基準ガ
スにより作用する参照電極である。

この三電極式のガス検知器においても前述と同様に液面
５が下降して反応電極２の上端以下、例えば二点鎖線の
位置まで下がると、反応電極２で反応せずにそのまま透
過した被検知ガスが図中矢印の如く参照電極６に触れる
ことにより応答速度、感度等に重大な悪影響を及ぼす。

また、この三電極式の場合にも電解液４の濃度の変化に
よる出力値の変化がある。

以上のように、この種のガス検知器において、電解液４
の液面５の位置を監視することは保守上重要な問題点と
なっているため、常時容器１の内部をみて液面５の位置
を点検していなければならない欠点があった。

この考案は上記の点にかんがみなされたものである。

以下この考案について説明する。第３図はこの考案の一
実施例を示すもので、第１図と同一符号は同一部分を示
し、１１は前記電解液４の抵抗値を測定する一対の液抵
抗測定用電極で、容器１の電解液４内に、かつ液抵抗測
定用電極１１の上端部は、センサが必要とする電解液４
のレベルの最低ライン、すなわち図中の一点鎖線の位置
以下となるように設けたものである。

そしてこの液抵抗測定用電極１１．１１間に交流電源１
２と検流計１３とを直列に接続して構成している。

このように電解液４の溶媒が蒸発して溶質が残り、電解
液４の濃度が変化する（一般的には抵抗値は減少するが
、りん酸水溶液のようにある値以上では逆に増加する場
合もある。

）と、液抵抗測定用電極１１．１１間の電解液４の抵抗
値も変化するので、検流計１３の指示値が変わる。

従って、検流計１３の指示値があれば直ちに液面５が下
降したことを知ることができるので、容器１の外部から
連続して監視することが可能である。

第３図の実施例は電解液４の減少が濃度変化となり、こ
れが電極間の抵抗値変化となることに基づいているが、
電極間の実効面積が電解液４の減少につれて減少し、そ
のために電極間の抵抗値変化があられれるということに
基づいても全く同様に電解液量変化を検知することがで
きる。

このような実施例を第４図について説明する。

第４図において、電解液４が減少してくると、液抵抗測
定用電極１１．１１の実効面積Ｓが減少してくる。

液抵抗測定用電極１１．１１間の抵抗は距離１に比例し
、実効面積Ｓに反比例するから、電解液４の減少が少な
くて濃度変化を無視できるようなときには有効である。

なお、上記の実施例は二電極式ガス検知器について説明
したが、この考案は三電極式ガス検知器についても同様
に適用できる。

また、２個の液抵抗測定用電極１１を設けたが、これら
のうち、一方または両方は反応電極２または／および対
向電極３を兼用させてもよい。

ただし、この場合には抵抗測定により反応系が乱れて被
検ガスの反応に影響を与えないことと、抵抗測定用に流
す電流がガス濃度信号に影響を与えないことが必要であ
る。

また、液抵抗測定用電極１１．１１間の抵抗の測定は上
記に限らず、ブリッジ回路やその他のものを採用でき、
また、ある値に抵抗値が達したとき、警報を発生させた
りすることも有用である。

以上説明したようにこの考案は、電解液内に一対の液抵
抗測定用電極を設け、この電極間に接続される抵抗値測
定手段とを設けて、液抵抗測定用電極間の抵抗値を測定
することにより、電解液の濃度変化または液面レベル変
化を電解液の抵抗値の変化として検知するようにしたの
で、電解液量の変化を容器の外部から直ちに知ることが
でき、かつ連続的に監視することができる等の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来の二電極式および三電極
式ガス検知器を示す構成略図、第３図はこの考案の一実
施例を示す構成略図、第４図はこの考案の他の実施例を
示す構成略図である。 図中、１は容器、２は反応電極、３は対向電極、４は電
解液、５は液面、６は参照電極、１１は液抵抗測定用電
極、１２は交流電源、１３は検流計である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 反応電極と対向電極間に電解液を介在せしめたガス検出
   器において、前記電解液内に一対の液抵抗測定用電極を
   設け、この液抵抗測定用電極間の抵抗値を測定し、この
   抵抗値の所要の変化から前記電解液の液量変化を知る抵
   抗値測定手段を設けたことを特徴とするガス検知器にお
   ける電解液量の監視装置。