JPS6039795Y2 - 温度検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気等の伝搬媒体の温度による音波の伝搬速度
変化を利用してその媒体の温度に応じた出力信号を得る
温度検出装置に関するものである。

この種のものとしては樹脂ハウジングおよび金網からな
る２つのケースに送波器本体および受波器本体をそれぞ
れ別個に備えたものを対向配置し、送波器から受波器へ
の音波の伝搬速度を検出するようにしたものが考えられ
ている。

しかしながら、樹脂ハウジングおよび金網等が音波のか
く乱に作用するため、媒体の温度変化と検出される伝搬
速度を示す信号との間に直線的な関係が得られない欠点
を生じている。

本考案は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、
送波器、受波器の各本体部すなわち振動子、共振子等を
共通の平面板上に対向配置腰かつそれぞれの固定は送受
波器の電極端子を延長した導体棒により共通の基板に固
定する構造とすることにより、種々の障害物等による音
波のかく乱がなく、従って正確な温度が検出できる温度
検出装置を提供することを目的とするものである。

次に本考案を図に示す実施例について説明する。

第１図は本考案装置の構造を示し、円錐形アルミ共振子
１０１、振動子１０２．１０３、この振動子１０２．１
０３をシリコンダンパ１０４を介して固定する絶縁体ス
テイ１０５、このステ１に固定された電極端子１０６．
１０７、およびこの端子と接続されるリード線１０８，
１０９とから構成された送波器１０（０）、およびこれ
と同様構成（符号省略）になる受波器１０（Ｒ）は、平
面板３０上に数センチメートル（例えば３．８ｃｍ）の
間隔をもって対向配置され、金網４０により保護されて
いる。

この金網は前記平面板３０を固定支持した樹脂ハウジン
グ５０にねじ固定されており、かつ金網内外の温度差が
なく、また送波器１０（０）から発せられる超音波が反
射されない程度の網目を構成している。

樹脂ハウジング５０内には、前記送受波器１０（０）、
１０ （Ｒ）間の媒体温度をパルス幅にて検出する
ように構成された電気回路２０が実装されたプリント基
板６０が配設されている。

この基板６０にはまた垂直方向に伸びる２組の一対の導
体棒７１．７２および７３．７４が実装されており、こ
れらの導体棒７１〜７４は前記平面板３０を挿通して、
その先端部において前記送受波器１０ （０）、 １
０ （Ｒ）の電極端子１０６，１０７と半田付固定され
、これによって送受波器１０（０）、 １０ （Ｒ）
を支持し、また電気的に接続しである。

電気回路２０の出力信号線と電源線とを外部に接続する
リード線束８０は保護ブッシング８１を介して引出され
ている。

第２図ないし第４図に電気回路２０の詳細が図示してあ
り、次にこれについて説明する。

インバータゲート２０１，２０２，２０３、抵抗２０４
．２０５、コンデンサ２０６からなる公知の発振回路２
１の出力信号第３図１は、数十キロヘルツ（例えば４０
ｋＨｚであり、インバータゲート２０７．２０８，２０
９を並列接続した電力増幅器２２を介して送波器１０（
０）を励振し、送波器１０（０）は超音波を発射する。

この超音波は前記送波器１０（０）と対向配置された受
波器１０（Ｒ）で受信され、受波器端子には第３図３に
示す信号が現われる。

この信号はコンデンサ２１０を介して比較回路２３に入
力され、比較器２１１の出力には第３図４に示される如
く搬送波第３図（１）とは位相のずれた受信波形が現わ
れる。

次に前記搬送波及び受信波形は、アップカウンタ２１３
．２１４のクロック端子ＣＬに到来する。

このアップカウンタ２１３．２１４のリセット端子Ｒに
は、アップカウンタ２１２により作られる前記搬送波の
２分周信号第３図２が到来しているため、アップカウン
タ２１３のＱ１出力には第３図６に示す信号が、またア
ップカウンタ２１４のＱ１出力には第３図５の信号が現
われ、各々の信号はＮＡＮＤゲート２１５の入力に到来
する。

よってＮＡＮＤゲート２１５の出力には第３図７に示す
如く位相差Ｔ１なる信号が現われ、トランジスタ２１６
を介して出力される。

この位相差Ｔ１を第４図を用いて説明する。

第４図において１０（０）の送波器と１０（Ｒ）の受波
器の間隔がでである時、Ａｏの時点で送波器１０（０）
により送られた搬送波第４図１がＡ１時点で受信された
（同図２）とすると、時点Ａ。

からＡ１までの伝搬に要する時間ｔはｔ＝／／ｖ（Ｖは
音速）となる。

この時間ｔの間に送波器１０（０）からはｎ個（ｎ＝（
Ｌ １？ ２−）のパルス信号が発せられているため、
受波器１０（Ｒ）と送波器１０（０）とでのパルス信号
とりわけパルス信号列の位相差ＴはＴ＝／／Ｖ−ｎＴｂ
（ただしＤはパルス信号の周期）となる。

この式から音速■すなわち媒体温度により位相差Ｔの幅
が変化することがわかる。

上記構成においてその作動を説明する。

電気回路２０て作られる励振信号は導体棒７１．７２を
経て送波器１０（０）に到達し送波器１０（０）を励振
する。

送波器１０（０）からは一定周波数の超音波が発せられ
、送受波器１０（０）、１Ｇ（Ｒ）間媒体温度に応じた
音速で受波器１０（Ｒ）に到達する。

受波器１０（Ｒ）で受信された超音波は電気信号に変換
され導体棒７３．７４を介して電気回路２０の比較回路
２３へと入力される。

しかして電気回路部２０は前述のごとく温度に応じた出
力信号を生じる。

この本考案装置により位相差一温度特性を測定した結果
、第５図に示す如く直線性のある特性が得られた。

なお、上述した実施例では平面板３０およびプリント基
板６０を別体に設けたが、さらに簡単化を図るため平面
板３０をプリント基板としその裏面に電気回路２０を実
装するとともに、導体棒７１〜７２をも半田付またはね
じ固定等によって支持するようにしてもよい。

以上述べたように本考案によれば、形状小型化を図ると
ともに、音波のかく乱を抑えて反射音波の干渉を防止し
、正確な温度検出が可能になるという優れた効果がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図図示の電気回路２０の詳細を示す電気結線図、第３
図および第４図は電気回路２０の作動説明用タイミング
チャート、第５図は本考案装置の特性例を示す位相差一
温度図である。 １０（０）・・・・・・送波器、１０（Ｒ）・・・・・
・受波器、３０・・・・・・平面板、６０・・・・・・
プリント基板、７１、７２． ７３．７４・・・・・・
導体棒、１０１・・・・・・共振子、１０２．１０３・
・・・・・振動子、１０６．１０７・・・・・・電極端
子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 振動子および共振子とこれらを支持しかつ付勢電源
   を供給する電極とを備えた送波器と、振動子および共振
   子とこれらを支持しかつ受信出力を取出す電極とを備え
   た受波器とを共通の平面板上に対向配置し、かつ前記送
   波器および受波器をそれぞれ前記電極から延長した棒状
   導体によって共通の基板に支持してなることを特徴とす
   る温度検出装置。 ２ 前記平面板および前記基板を一体に構成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の温度
   検出装置。