JPS6039602Y2 - 蒸気発生装置の屋根構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内外ケーシングで屋根を構成するトップサポー
ト型蒸気発生装置、特に外部ケーシングが熱膨張及び収
縮により生ずる内部ケーシングの動きから影響を受けな
いように構成された蒸気発生装置の屋根構造に関するも
のである。

蒸気発生装置は、炉室、対流ガス通路、出口ガス通路、
これらに関連する包被壁、及びガス通路包囲体の上部に
位置しかつ実質的に気密である分離壁により分離されて
いる通称ベントハウスと呼ばれる室を有するガス通路包
囲体を含むものである。

ガス通路包囲体は、管端部が分離壁を貫通してのび、ベ
ントハウス内のヘッダに流体流れの接続をする例えば蒸
気過熱器、再熱器、節炭器といった対流伝熱面を含むも
のである。

蒸気発生装置に関連する支持構造は、前記ヘッダに取付
けられかつベントハウスの屋根として作用する蒸気発生
装置の屋根を通して伸びる支持棒を含む。

屋根は相互に垂直方向に離れて位置し、間に耐火材を有
する内部ケーシングと外部ケーシングとより戒に立って
いる。

屋根を貫通する直立支持部材または支持棒は内部ケーシ
ングと頑丈に接続されており、装置が運転に入ったり停
止される度ごとに熱膨張又は収縮を受け、内部ケーシン
グと共に動くものである。

しかし外部ケーシングは、環境温度にさらされかつベン
トハウスの熱から絶縁されるため実質的に熱膨張又は収
縮しないことから、外部ケーシングに対する支持棒の動
きについては問題が生ずる。

この問題の処理に関するこれまでの先行技術はすべて満
足すべきものではなかった。

一つの解決手段としては、外部ケーシングを薄鉄板で作
ったり、内部ケーシングの熱膨張及び収縮による支持棒
の前後左右の動きに適応させるためすべり接合部と箱形
伸縮折曲げ部を設けたりした。

支持棒のシールは接合部をコーキングしたケーシングに
ねじ取付された小箱によってなされている。

この配置は屋外装置において特に接合部又は継手部に水
が滲み込むという問題がある。

この水分は内部ケーシングを急冷させ、結果として強度
の金属材料のバックリングを生ぜしめ、結果として破損
するに至るものである。

本考案が中央火力発電所用として計画されたトップサポ
ート形の強制質流蒸気発生装置において実施された場合
を図面により示す。

この装置は第１図に示すように、本体１０はガス通路を
有し、火炉室１２の上方端部は水平ガス通路１４に通じ
、ついで下降する接触伝熱ガス通路１６となる。

本体１０は火炉室１２及びガス通路１４．１６の上方に
上方室すなわちベントハウス１８を有し、実質的に気密
である分離壁２０によりベントハウス１８をガス通路１
４．１６から隔離している。

ベントハウス１８は分離壁２０から上方にのび、横方向
については火炉室１２とガス通路１４．１６の境界壁土
に位置し、蒸気発生装置に関係するヘッダ、管、配管を
格納する隔離された室を構成する。

本体１０とともにベントハウス１８についても共通する
屋根２２には、クロスビーム２６へ蒸気発生装置を支持
連結する複数本の直立支持部材または支持棒２４を通す
貫通部を設け、前記クロスビーム２６は地面Ｇに蒸気発
生装置の荷重を伝える直立柱２８の鋼製構造部材の一部
をなす。

火炉室１２の傾斜底部には、複数本の支柱３４て地面か
ら支持される灰ホッパ３２に関連する排出開口３０を設
ける。

火炉室１２の下部の前後壁にはそれぞれのバーナ開口の
中心線３６に沿ってのびる独立に操作可能な複数本の燃
料バーナ（図示せず）により構威される燃焼装置が設け
られる。

ガス通路１４にはガスの流れについて直列に二次過熱器
３８と再熱器４０を設ける。

ガス通路１６にはまた直列に二つの管束よりなる一次過
熱器４２を設ける。

ベントハウス１８は、前壁上部ヘッダ４４、二次過熱器
入口及び出口ヘッダ４６と４８、再熱器出口及び入口ヘ
ッダ５０と５２、一次過熱器出口ヘッダ５４、接触伝熱
後部壁ヘッダ５６を格納するものとして示される。

ベントハウス１８はこのほか管の組や配管に伴う無数の
ヘッダを格納するが、第１図においては説明をやっかい
なものにしないように省略したものと理解されたい。

第２図には、通常厚い金属板（最低１２ゲージ２．８Ｍ
ｎ厚）を使用した屋根２２の平面図を示す。

この屋根は基板６０を含み、矩形平板を突き合せて構威
し、シーム６２でシール溶接する方が良い。

外部ケーシング５８は一連のストップパー６４を介して
屋根の前後方向Ｘ−Ｘに沿って膨張がないように、かつ
一連のタイバー６６を介して屋根の左右方向Ｙ−Ｙに沿
って膨張がないように固定される。

基板６０にはほぼ矩形の複数本の長孔すなわち長手間口
６８を設け、これらを直立支持部材２４の貫通しうる通
路とする。

それぞれの長手方向６８を定める基板側面は上方折曲げ
フランジ７０で形成される。

間隔を置いて設けられた複数個のおおい部材７２は開口
６８の各々上方に位置し、それらに関連したフランジ７
０に支持される。

開口６８の寸法、フランジ７０の間隔、おおい部材７２
の寸法はすべて直立支持部材２４の通路として適当なよ
うにしかつ第３図、第４図に示す内部ケーシング７６の
伸縮による直立支持部材２４の動きに必要な空隙をもつ
ように予め定められる。

直立支持部材２４の各々はおおい部材７２の間隔を覆う
役目をする平らな矩形板７４に固定される。

屋根２２は、基板６０上の隣接する開口６８のフランジ
７０間にある通路７５により排水を促進するため、望ま
しくは装置の後方に傾斜した斜面とする。

開口６８は蒸発装置について通常左右または前後の何れ
かの方向の配置とするが、開口６８についても傾斜をも
たせたものとしてもよい。

第３，４図は、本考案の実施例の詳細を示すもので、外
部ケーシング５８は、長手開口６８を形成する基板６０
及びフランジ７０に嵌まる間隔をもって位置するおおい
部材７２より構成されている。

直立支持部材２４は内部ケーシング７６及びフランジ７
０間の開口６８を突き抜けかつおおい部材７２の間を突
き抜ける。

直立支持部材２４は内部ケーシング７６にシール溶接す
ることが望ましい。

内部ケーシング７６と外部ケーシング５８の基板６０と
の間の空間は固形断熱材７８例えばブロック型ケイ酸カ
ルシウム断熱材で満たし、その場合においてフランジ７
０とおおい部材７２との間の空間は圧縮できる断熱材８
０例えはブランケット型断熱材で満たされる。

各おおい部材７２は長方形のものが望ましく、その細長
い側面は隣接するフランジ７０に重合しかつ垂れ下った
フランジ８２が形成され、このフランジ８２はフランジ
７０の高さの中間位置で終端する。

おおい部材７２の残りの側面には上方折曲げフランジ８
４が形成される。

各直立支持部材２４は、それに溶接された板７４をもち
、隣接するフランジ７０とおおい部材７２とに重り合す
る寸法となっている。

板７４の重合端部は下方に折れ曲ったフランジ８６が形
成され、これらは隣接するフランジ８２゜８４と共に実
質的に水密かつ滑動可能な継手を形成する。

外部ケーシング５８上で集められた雨水は通路７５に沿
い排水される。

第５図は外部ケーシング５８の一部分の斜視図で、開口
６８を形成する基板６０とおおい部材７２と板７４とが
組合されて開口６８を覆っている状況を示す。

おおい部材７２は直立支持部材２４のための通路を形成
するように間隔を置いて配置しである。

フランジ８２，８４．８６は互いに協働して外部ケーシ
ング５８の基板６０、おおい部材７２及び板７４が内部
ケーシング７６の熱膨張及び収縮から生ずる直立支持部
材２４の動きに適応できる水密カバーを形成することを
可能にする。

第６図は、直立支持部材２４にまたがりかつ開口６８を
横切って基板６０を接合している１対のタイバー６６を
含んでいる膨張のない屋根の左右方向Ｙ−Ｙにおける代
表的な外側ケーシングの接続部を示している。

タイバー６６は基板６０の水準でフランジ７０の相対向
した面に溶接されている。

第７図は直立支持部材２４に衝合するｌ対のストップパ
ー６４を含んだ膨張のない屋根の前後方向Ｘ−Ｘにおけ
る代表的な外側ケーシングの止部を示している。

ストップパー６４はフランジ７０の対向面に溶接されか
つ基板６０の水平位置で開口６８を横切り相互に対向し
突出して位置するものである。

蒸気発生装置の運転中は内部ケーシング７６は５００な
いし８００°Ｆ （２７０°Ｃ〜４５２°Ｃ）になるの
に対し、外部ケーシングの温度は環境温度またはその附
近にとどまるものである。

装置が正常運転状態になったとき又は運転停止になると
きには、内部ケーシング金属部は、その状況に応じ通常
装置の前後及び左右の中心線と合致する軸線Ｘ−Ｘ、Ｙ
−Ｙにそって位置する基準点について、熱膨張あるいは
収縮をする。

直立支持部材２４は内部ケーシング７６の膨張及び収縮
に応じて動くが、この動きは外部ケーシング５８の開口
６８内でかつおおい部材７２間において行なわれ、これ
らのおおい部材７２は互いに間隔を置いて配置されかつ
基礎フランジ７０にそって自由に滑動するようにされて
いる。

おおい部材間の空間は、直立支持部材２４と共に動く板
７４によって覆われる。

本考案の実施例を以上説明したが、当業者が容易になし
うる変更は本考案の実用新案登録請求の範囲内にあり、
同一考案思想の他の形態における実施についてもまた同
様である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したトップサポート型の強制貫流
蒸気発生装置の断面側面図、第２図は第１図の屋根の部
分平面図、第３図は第２図の部分断面拡大図、第４図は
第３図における４−４線に沿った断面図、第５図は屋根
の外部ケーシングに沿って形成される基板とおおい部材
の斜視図、第６図はゼロ膨張の屋根左右軸に沿った代表
的なタイバーの詳細拡大図、第７図はゼロ膨張の屋根前
後軸線に沿った代表的なストップバー拡大詳細図である
。 １０は蒸気発生装置本体、１２は火炉室、１４．１６は
ガス通路、１８はベントハウス、２２は屋根、２４は支
持棒又は直立支持部材、５８は外部ケーシング、６０は
基板、６８は開口、７２はおおい部材、７４は板、７６
は内部ケーシング、８２，８４，８６はフランジである
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼ガスの通るガス通路上にベントハウスを有する蒸気
   発生装置の屋根を間隔をおいた内部ケーシングと外部ケ
   ーシングにより形威し、内部ケーシングは外部ケーシン
   グの下方に隣接して配置され、それらの間は少くとも部
   分的に断熱材で充満され、少くとも１本の直立支持部材
   が前記屋根を貫通し、直立支持部材が前記内部ケーシン
   グに堅固に固定され、内部ケーシングと直立支持部材の
   熱膨張収縮を外部ケーシングと無関係に可能にした装置
   を具え、この装置は大体矩形の少くとも１個の細長開口
   を有する基板よりなる外部ケーシングを有し、この基板
   が前記開口を限界する各側部から上方の突出するフラン
   ジを具え、少くとも２個の同一平面にあるおおい部材が
   前記フランジ上に配置され、前記直立支持部材はフラン
   ジとそれに間隔をおいて設けられたおおい部材との間に
   延長しており、板装置がおおい部材の上方に配置されか
   つ直立支持部材の貫通する通路に適応する開孔を具え、
   前記の板装置は直立支持部材に強固に固定されており前
   記細長開口を覆うように直立支持部材及びおおい部材と
   共働することを特徴とする蒸気発生装置の屋根構造。