JPS6037891B2 - 超音波探傷器における自動条件設定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は超音波探優における条件設定を自動化する方法
に関するものである。

一般に小口蚤管及び薄肉細管の被検材を超音波により水
浸斜角探優る場合、被検材と同一材質、同一寸法の材料
に標準人工欠陥振をつけたものを用いて、以下の如き条
件設定の為の操作を行なう。

即ち、ィ 感度の徴鋼を行ないながら探舷子を被検査材
の中心線上に垂直に設定し、ロ つぎに超音波の横波成
分が被検材内部をジグザグ状に伝麺播するように探触子
を中心位贋より偏心させ、ハ 内外面同一欠陥が同じレ
ベルで検出できるように探触子の徴認移動を行ない、ニ
内外面の欠陥波がゲート内に入るようにゲート位燈を
設定する。このような条件設定後、蓬続探優に入るので
あるが、一定数探傷したあとには、再び標準試験片で深
傷条件、感度の狂いをチェックしてから、次の深傷に移
る必要がある。従来は上記した手順を踏んで特定の技術
者のみによって行なわれていたが、深傷条件の設定、探
傷中の条件の狂いなど監視するためにも、その自動化、
無人化の必要性が強く要望される所である。水浸斜角探
傷法では送信波Ｔと欠陥波Ｆとの間に管体表面から反射
してくる表面反射波Ｓが存在し、しかも欠陥波Ｆの直前
に現われるため、欠陥波Ｆか表面反射波Ｓかの識別が甚
だ困難である。

この故、両者を適確に識別し、表面反射波Ｓの影響（ス
ソのひろがり）や管体回転時の芯振等によってゲート内
に擬似欠陥信号として入ってこないようにしなければ良
好な深傷はできない。かような困難を克服し、しかも設
定時間の大中短縮、設定条件精度の向上を図ることがで
きたならば、その及ぼす便益は甚だ大ということができ
る。そこで本発明は、探触子の設定位置を制御して内外
面の同一欠陥からの欠陥信号振中を等しく設定すること
、また蓮続探傷に入った後はｎ本毎に標準試験片を探傷
してその時の感度のずれ分、ゲート位置のずれ分だけ修
正することを、共に自動的に可能ならしめる方法を提供
することにある。本発明の理解を容易ならしめるため、
添付図面に示す実施例により詳述すると、つぎのとおり
である。第１図のブロックダイヤグラムにおいて、１は
探触子であり、中央処理装置ＣＰＵからのパルス信号に
より探触子の駆動部のパルスモータが働くと、探鮫子１
は垂直方向、水平方向の移動および回転が適宜可能とな
っている。

この種の超音波探傷器では、必要以上に感度をあげると
、不必要の雑音的エコーを生じ、重要な傷エコーを見に
くくする。そこで、必要にして充分な感度に設定すると
共に、超音波ビームを被検材である鋼管に直角に当てる
ための探触子１の設定に当り、本発明では第２図および
第３図のフローシートに示す如く行なう。

即ち、始めに、欠陥振中の最大飽和値×、任意設定値ｘ
を初期設定入力としてＣＰＵ‘こ入れておく。ついで実
際の欠陥振中入力Ｙを計数して初期設定Ｘと比較し、×
≦Ｙの場合には増中度調整駆動部にパルス信号を送って
増中度を下げてから、探触子駆動部にパルス信号を送っ
て探触子１を垂直方向（上下）に移動させ、また×＞Ｙ
の場合にはそのまま探触子１を垂直方向に移動させ、表
面反射波が最大になるピーク位置を見つけて其処に設定
する。ついで垂直方向の高さは一定として、同様な操作
を水平方向（前後）について、表面反射波が最大になる
所を見つけ、其処に探触子１を設定する。最後に垂直方
向と水平方向の位置を一定として同様な操作を回転方向
に行って、表面反射波が最大になる所を見つければ、そ
の位置が超音波ビームを鋼管に直角に当てる探触子１位
置である。ところで鋼管を水浸斜角深傷する場合、鋼管
中心に対して探触子を偏心させて斜めに音波を鋼管に当
て横波を発生させる方法がとられるが、この偏心量ｄは
下記の理論計算式から求められる。

Ｓｉｎ＠Ｗ ＣＷＳｉｎ■Ｓ ＣＳ Ｓｉｎ■Ｗ＝舎 此処でＣＷ：水中音速 ＣＳ：物体中音選◎Ｗ：入射
角 ６ｓ：横波屈折角ｄ偏心量 Ｄ：管の直
径 そこで本発明では上式から得た演算値のｄの初期設定入
力としてＣＰＵに入れておき、上記した探触子１の設定
位置かれ更にｄだけ移動して偏′０ごせる。

この偏心量ｄは実際には水温による音波の変化もあり、
若干誤差を含んでいる。

本発明では内外面の欠陥波がゲート内に入るようにゲー
ト位置を設定する際に偏心量ｄの補正を行うものであり
、そのフローシートは第３図の右側に示すとおりである
。即ち感度標準試験片（ＳＴＢ）を使用して同一深さの
内面欠陥および外面欠陥によるそれぞれの欠陥振中を求
め、両者を比較し、若し内面欠陥振中≧外面欠陥振中の
場合には、パルス信号を探磯子駆動部に送って探鮫子１
を前方若しくは後方に水平移動させると共に、パルス信
号をゲート調整駆動部にも送って、ゲート位置を欠陥波
形の移動量だけ前後に移動させる。このような操作を繰
り返すことにより内面欠陥振中とが等しくなり、探触子
１は両欠陥振中の軌跡の交点まで移動したことになる。
以上で条件設定の全ての工程は終了する。要すれば両欠
陥振中の軌跡を記録計に出力する。最後に、連続または
自動探傷以後のゲート位贋の変動修正は、本発明では第
４図に示すフローシートの如く行う。

即ち、始めに送信波Ｔから表面反射波Ｓまでの時間Ｔ，
と、送信波Ｔから欠陥波Ｆまでの時間ｔとを初期設定値
としてＣＰＵに入れておく。ついで送信波から表面反射
波Ｓまでの実際の時間（Ｔ，士△Ｔ，）を計数して初期
設定値Ｔ，と比較し、Ｔ，多Ｔ，士△Ｔ．の場合には探
触子駆動部にパルス信号を送って探触子１を水平方向に
移動させ、△Ｔ，＝０ならしめるようにする。△Ｔ，＝
０としたのち、今度は送信波から欠陥波までの実際の時
間（ｔ±△ｔ）を計数して初期設定値ｔと比較し、ｔ≧
（ｔ±△ｔ）ならゲート調整駆動部にパルス信号を送っ
てゲートを移動させ、Ａｔ＝０ならしめるようにする。
△ｔ＝０となった所で終了する。以上によにして、本発
明の方法によるときには、作業者は特定の技術者のみに
限らずに誰でもが取扱えるようになり、しかも自動化、
無人化の要請に答えられる点で甚だ優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施する場合のブロックダイヤ
グラム、第２図〜第４図はその作動を示すフローシート
である。 １・・・探触子、ＣＰＵ・・・中央処理装瞳。 第１図第４図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記の（１）〜（３）の工程から成る管体の超音波
   探傷器における自動条件設定方法。 （１）探傷器における欠陥振巾の最大飽和値Ｘと実際の
   欠陥振巾入力Ｙとを比較し、Ｘ＞Ｙを満足するようにＹ
   の増巾度を調整し、次に探触子を垂直方向、水平方向お
   よび回転方向に移動させて表面反射波が最大となるよう
   な場所を見つけて該探触子を被検材である管体に対して
   直角に設定する。 （２）上記のように設定した探触子を予め求めておいて
   理論偏心量ｄだけ管体の中心から偏心量ｄだけ管体の中
   心から偏心させた後、試験片を用いて同一深さの内面欠
   陥振及び外面欠陥振による欠陥振巾を求め、両者を比較
   しつつ探触子を水平方向に移動させると共にゲート位置
   を欠陥波形の移動量だけ前後に移動させることによつて
   両欠陥振巾を等しくなし、それによつて探触子を両欠陥
   振巾の軌跡の交点まで移動して前記偏心量ｄの補正を行
   う。 （３）探傷すべき管体を実際に超音波探傷した後、送信
   波Ｔから表面反射波Ｓまでの時間Ｔ｜に対する変動分△
   Ｔ｜を検出し、これを零ならしめるよう探触子を水平移
   動し、また送信波Ｔから欠陥振波Ｆまでの時間ｔに対す
   る変動分△ｔを検出し、これを零ならしめるようにゲー
   ト位置を修正し、次の管体の超音波探傷にそなえる。