JPS6037767Y2 - 架空送電線 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は導体断面積を小さく抑えることが可能で、且つ
電線外径を大きくし得たコロナ防止型の架空送電線に関
するものである。

架空送電線は、その外径が大きくなる程コロナ発生が少
くなる。

しかし、単に電線外径を大きくするために、電線を構威
した金属素線の本数を多くしたり、金属素線径を大きく
したりしたのでは、不必要に導体断面積が大きくなり、
不経済であるばかりか、その重量増大により取扱いが面
倒となる。

このような問題を解決した電線としては、電線を構威し
た金属素線の一部又は全部を中空状のものとしたものが
知られている。

しかしながら、金属素線としては長尺なものが要求され
る処から、これを中空状のものとすることは非常に困難
な作業となり、勢い製造原価の高騰を惹起する恐れがあ
った。

また、この他に知られるものとしては、複数の撚線層を
有する架空送電線の中間層に、断面■型の型材を放射状
に配設したものがあるが、これは異型材を使用するもの
であるから、その撚合せ作業が複雑となる欠点があった
。

本考案は上述のような欠点を改良したものである。

これを第１図及び第２図に示した一実施例に基づ゛き説
明する。

図において１は本考案になる架空送電線を示す。

この架空送電線１は、金属素線を撚合せた撚線層を複数
層、例えば鋼撚線層２の上に、アルミ撚線層３，３′を
形成してなり、その最外層のアルミ撚線層３′を除く内
側のアルミ撚線層３は、その全部を、螺旋溝付き素線４
で撚合せ構威しである。

この螺旋溝付き素線４はアルミニウムからなり、その構
成は第２図イ及び口に図示するような構成としである。

即ち、図イに示す如く断面形状が円形のものに３条の溝
５を形成した形状をなし、これを間口に示すように長手
方向に捻回成形してなる。

従って３条の溝５は螺旋状に形成されると共に、該素線
４はその長手方向に沿った投影形は図イに符号６で示す
如く円形をなす。

この素線４の外径は他の金属素線径とほぼ同径としであ
る。

第３図イ〜ハは、前記螺旋溝付き素線４の他の例を示す
もので、この螺旋溝付き素線４は、前述のものと同様に
アルミニウムからなり、その構成は、断面形状が図イ及
び口に示すように略平角状をなし、これを長手方向に捻
回成形し、その長手方向に沿った投影形を略円形としで
ある。

また第３図において５は螺旋溝を示す。

尚、上記実施例においては、螺旋溝付き素線を撚合せた
部分は、最外層の撚線層の内側撚線層の全部としたが、
これは複数層の撚線層の全部を螺旋溝付き素線で構成し
ても、又は１つの撚線層の１部のみをこれで構成しても
よい。

また螺旋溝付き素線の製造方法は、捻回成形に限らず切
削等他の方法を任意に採用できる。

更にその材質は金属に限らずプラスチックス等他の材質
のものも使用し得る。

しかして本考案架空送電線によれば、金属素線を撚合せ
た撚線層を複数層具備した架空送電線における少くとも
最外層を除く撚線層の一部又は全部に、長手方向に沿っ
た投影形が略円形を有した螺旋溝付き素線を撚合せたの
で、電線外径は同一の導体断面積を有する電線に対し、
溝の分だけ増大し、且つ同一の電線外径を有する電線に
対し、溝の分だけ軽量化する。

また螺旋溝付き素線は、その製造が従来の中空状素線の
製造に比し格段と容易となるので、経済性を具備する。

更に螺旋溝付き素線はその長手方向に沿った投影形が略
円形となっているので、通常の撚線作業で撚合せ作業が
できるので、その製造作業は簡単となる等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案架空送電線の一実施例を示す一部切欠き
正面図、第２図イは本考案架空送電線に使用する螺旋溝
付き素線の一例を示す断面図、間口正面図、第３図イ〜
ハは螺旋溝付き素線の他の例を説明する説明図である。 １・・・・・・本考案架空送電線、２・・・・・・鋼撚
線層、３．３′・・・・・・アルミ撚線層、４・・・・
・・螺旋溝付き素線、５・・・・・・溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属素線を撚合せた撚線層を、複数層具備した架空送電
   線において、少くとも最外層を除く撚線層の一部又は全
   部には、長手方向に沿った投影形が略円形を有した螺旋
   溝付き素線を撚合せたことを特徴とする架空送電線。