JPS6037192Y2 - 摺動銅当金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエレクトロガスアーク溶接用摺動銅当金に関す
るものである。

摺動式銅当金を用いるエレクトロガスアーク溶接法は、
溶接能率のよいこと溶接欠陥の少ないこと等によって、
近年立向溶接として数多く用いられるようになってきた
。

常用されるエレクトロガスアーク溶接法の一例を第１図
に示す。

図において、トーチ１からワイヤが供給されて溶着金属
７をうるものであるが、この場合開先を挾んで摺動銅当
金２と固定銅板３が用いられる。

なお４はガラステープである。

この摺動銅当金２にはＣＯ２ガス供給口６と冷却水給排
口５が設けられている。

しかしながらエレクトロガスアーク溶接法は溶接入熱が
大きいことによってその適用鋼種は限られている。

その欠点を解消するために凸型銅当金を用いる多層盛エ
レクトロガスアーク溶接方法が開発されている。

多層盛エレクトロガスアーク溶接法に用いられる従来の
摺動銅当金を第２図に示す。

この多層盛エレクトロガスアーク溶接は保護ガス供給ノ
ズル１２及び保護ガス放出口１３を具備した銅当金２の
凸部１１を第３図のように被溶接材２０−１．２０−２
によって形成された開先内に挿入して溶接する方法であ
るが、従来の銅当金は第２図に示すように凸部１１の幅
が上から下まで一定のため、溶接中横方向への移動性能
が劣り、開先中心部に合せすらいという欠点があった。

本考案は上述の問題を解決して横方向への移動性能の良
い摺動銅当金を提供するもので、その要旨は断面が略凸
形状よりなるエレクトロガス溶接用摺動銅当金において
、溶鋼に接する凸部の幅が下方になるに従い狭い点にあ
る。

以下本考案を図面について説明する。

本考案の銅当金は第４図及び第５図に示すごとく、溶鋼
又はそれを覆うスラグに接する凸部１１の幅が上から下
方に向うに従い細くなることを特徴とする。

この銅当金２では第５図ａ、ｂに示すように、溶鋼はこ
れを覆っているスラグ８の凝固する点のすぐ下では、必
ず凸部１１と凝固したスラグ８又は溶着金属７との間に
すきまΔｄができることになる。

よってそのすきまΔｄ分だけ銅当金１１が横方向へ移動
可能になる。

１５は溶融池面、１６は溶融池を示す。

凸型銅当金を使う場合において銅当金を横方向に移動さ
せ、常に開先の中心線に銅当金を位置づけるメリットは
大きい。

その１つは開先のギャップ許容範囲を広くとれることで
ある。

例えば銅当金凸部と母材開先面との間隙が４ｒＩｒ！ｎ
以上になれば、溶鋼が流れだし溶接不能となるが、常に
銅当金を開先の中心線にもってくるようにすれば、両側
に３ｒｒＢずつの間隙があっても溶接可能なので、最大
６ｒＩｒＩｎのギャップ許容範囲がとれることになる。

他の１つのメリットは、銅当金を開先の中心線に持って
くることによって両サイドの溶は込みを均一にすること
ができる。

なお、第６図に示す本考案の別の態様のものとして、ア
ークが発生する近辺αまで、凸部１１の幅が上から変わ
らず、その下からは細くなっているものでもよい。

以上述べたように、凸型銅当金を用いる溶接においては
、銅当金を開先の中心線上にもってくるメリットは大き
く、本考案の銅当金を用いればそのための操作が容易で
あり、従来の多層盛エレクトロガス溶接の溶接作業性を
一段と高めるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はエレクトロガスアーク溶接法の説明図、第２図
は従来の銅当金で、ａは平面図、ｂは側面図、Ｃは正面
図、第３図はエレクトロガスアーク溶接の平面図、第４
図は本考案の銅当金で、ａは正面図、ｂは平面図、第５
図は本考案の説明図、第６図は本考案の他の例の正面図
ａ１平面図すである。 １・・・・・・トーチ、２・・・・・・銅当金、３・・
・・・・固定銅板、４・・・・・・ガラステープ、５・
・・・・・冷却水給排水口、６・・・・・・ＣＯ２ガス
供給口、７・・・・・・溶着金属、８・・・・・・スラ
グ、１１・・・・・・銅当金凸部、１２・・・・・・保
護ガス供給ノズル、１３・・・・・・保護ガス放出口、
１５・・・・・・溶融池面、１６・・・・・・溶融池、
２０−１．２０−２・・・・・・被溶接材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が略凸形状よりなるエレクトロガス溶接用摺動銅当
   金において、溶鋼に接する凸部の幅が下方になるに従い
   狭いことを特徴とする摺動銅当金。