JPS6036568Y2 - 堆肥切返し移送機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電蓄（牛、豚、鶏等）ふん尿、下水汚泥、都市
ごみ等の発酵堆肥化装置において、発酵槽上を走行しな
がら堆肥の切返しと移送とを行うための、自走式堆肥切
返し移送機に関するものである。

上記のような各種材料の発酵堆肥化においては、仕込材
料の均一な発酵を得るため、一般的に発酵槽内堆積物（
仕込原料から製品堆肥に至る様々な発酵段階のものを含
む；以降堆肥と称す。

）の切返しを行なっている。また、発酵堆肥化操作を連
続化するために、堆肥は発酵槽入口から同出口へ向って
順送りして移送され、発酵槽より排出される堆肥量に見
合う量の仕込み原料が発酵槽入口に供給されるように、
発酵堆肥化装置を構成することが一般的に行なわれてい
る。

以上の堆肥切返しと移送とを行なうための装置として、
第１図で示すような堆肥切返し移送機が従来一般的に用
いられている。

すなわち、該第１図の堆肥切返し移送機は、１つのフレ
ーム１の周辺をチェーン駆動のフライト２が周回するよ
うに構成された掻上げ装置３を、走行台車４に傾斜させ
て取付けた構造としたもので、台車４の前進と同時に駆
動されるフライト２によって発酵槽内の堆肥は掻上げら
れ、掻上げ装置３の水平方向長さだけ後方に移送される
ようになっている。

このような従来の構造の利点は、装置構造的に簡単なこ
とであるが、そのために次のような短所をも合わせ持っ
ている。

すなわち、第１図の堆肥切返し移送機では、切返し走行
１回当りの堆肥移送距離を任意に大きくすることは困難
であり、したがって、発酵堆肥化設備を計画する場合に
、発酵槽を任意に配置することができにくいことの他に
、移送距離をある程度以上長くしようとすれば、それに
伴って問題が発生してくる。

これをさらに詳しく説明すれば、該切返し移送機の仕返
し走行１回当りの堆肥移送距離は、掻上げ装置３のフレ
ーム１の長さをＬとし、また切返し走行時の該フレーム
１と水平方向とのなす角をθとすると、はぼＬｃｏｓθ
となり、走行１回当りの移送距離を大きくするためには
、掻上げ装置３のフレーム１の長さを長くする必要があ
る。

この掻上げ装置３のフレーム１の長さを長くした場合に
問題となることは、発酵槽上屋の天井高さを高くする必
要があること、ならびに移送される堆肥が高い位置から
落下するようになるため、堆肥の落下の衝撃によって発
酵槽内の堆肥層が圧密され、通気性が低下すること等で
ある。

そこで、上記問題点を解消するために、本願出願人は、
先に特願昭５６−３６０７６を提案した。

すなわち、これは、第２図に示すように、相互に屈折可
能に連結された４辺のフレーム５〜８を持つ掻上げ装置
９を備えた堆肥切返し移送機である。

この堆肥切返し移送機における切返し走行１回当りの堆
肥移送距離は、前部フレーム５の長さをＬ１上部フレー
ム６の長さを稲とし、また、切返し走行時の前部フレー
ム５と水平方向とのなす角を０１ とすると、はぼＬＩ
ＣＯ８θ□十Ｌ２となり、上部フレーム６の長さＬ２は
任意に設定できるので掻上げ装置９の高さを特に高くす
ることなく、任意の堆肥移送距離を確保することが可能
とな。

また、該堆肥切返し移送機は、平行四辺形をなして連結
されたフレーム５〜８を、第３図に示すようにパンタグ
ラフ式に折り畳むことによって、堆肥切返し移送機の戻
り走行時に掻上げ装置９が堆肥層の上の空間部を移動で
きるようになっている。

ここで、前部フレーム５の折り畳み角度を０２とし、ま
た各フライト取付基底部からフライト先端までの距離を
Ｈとすると、フレーム折り畳み時の掻上げ装置９の厚み
はＬ１ｓｉｎθ２＋水となる。

したがって、発酵堆肥化設備の容積効率や建設費等に関
連して問題となる掻上げ装置の折り畳み時に、その厚み
をいかに小さくできるかは、フレーム折り畳み角度をど
れだけ小さくできるかにかかつている。

ところで、各フレーム５〜８は堆肥掻上げ幅方向の左右
両端に位置する各桁を、フレーム連結部に比較的近い位
置で幅方向につなぐ粱１０が必要であるが、この粱１０
の存在は、第４図に見られるように、フレームの折り畳
み角度θ２にかなり大きな制約をもたらしている。

本考案の目的は、上述した不具合に鑑みなされたもので
、前記第１図に示す従来の堆肥切返し移送機の問題点を
解消すると共に、さらに掻上げ装置をパンタグラフ式に
折り畳み可能に構成した堆肥切返し移送機において、掻
上げ装置の折り畳み時における厚みを大幅に削減するよ
うにした堆肥切返し移送機を提供することにある。

このような目的を達成するために、本考案は、掻上げ装
置の上部フレームと後部フレームとの連結部、および下
部フレームと前部フレームとの連結部を、それぞれ上部
フレームと下部フレームの主たる長さ方向線上以外に設
けた構成としたものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を説明する
。

第５図は本考案に係る堆肥切返し移送機の一実施例を示
す概略側面図である。

本実施例は、相互に屈折可能に連結された４辺のフレー
ム１１〜１４を持ち、該フレーム１１〜１４の外周に沿
って周回するフライト１７を有する掻上げ装置１５と、
該掻上げ装置１５を懸垂して走行する台車１６とからな
る堆肥切返し移送機において、前記掻上げ装置１５の上
部フレーム１１および下部フレーム１２を、第５図に示
す如く逆り字状に形成すると共に、前部フレーム１３お
よび後部フレーム１４を直線上に形成し、かつ前記上部
フレーム１１と下部フレーム１２の各基端部と、前部フ
レーム１３および後部フレーム１４の各一端部とを連結
し、また前記上部フレーム１１と下部フレーム１２の各
屈曲端部と、後部フレーム１４および前部フレーム１３
の各他端部とを連結した構造としたものである。

したがって、上部フレーム１１の屈曲端部と後部フレー
ム１４の他端部との連結部１８、および下部フレーム１
２の屈曲端部と前部フレーム１３の他端部との連結部１
９は、上部フレーム１１、下部フレーム１２の主たる長
さ方向線ａ−ａ線、ｂ−ｂ線上以外に位置することにな
る。

よって、このような構造においては、フレーム折り畳み
時における掻上げ装置１５の厚みは、第６図に示すよう
に、上部フレーム１１および下部フレーム１２の各屈曲
部１１ａ、１２ａの長さ寸法Ｌ３となり、第２図に示す
掻上げ装置を第３図に示す如く折り畳んだときの該掻上
げ装置の厚みＬ１ｓｉｎθ２＋水と較べて大幅に低減さ
れることになる。

なお、上述した実施例においては、上部フレーム１１お
よび下部フレーム１２の屈曲部１１ａ。

１２ａをフレーム本体１１ｂ、１２ｂに対して直角に折
曲げ形成した構造となっているが、該屈曲部１１ａ、１
２ａは別に直角に折曲げる必要はなく、例えば第７図に
示すようにフレーム本体１１ｂ、１２ｂに対して９０度
以下に折曲げた構成としてもよいし、また図示はしない
が９０度以上に折曲げてもよい。

さらに、第８図に示すように、基本的には直線的形状を
持つ上部フレーム１１および下部フレーム１２の各一端
の近傍にそれぞれ後部フレーム１４および前部フレーム
１３との連結用突片１１Ｃ？１２Ｃを突出させた構成と
してもよい。

さらに以上の第８図の説明における上部フレーム１１お
よび下部フレーム１２を前部フレーム１３および後部フ
レーム１４にそれぞれ置き換えた構造としてもよい。

以上のような構成としても上述した第一実施例と同様な
効果を期待できることは明らかである。

以上説明したように本考案の堆肥切返し移送機は次のよ
うな効果を持つものである。

（１）フライトを平行四辺形フレームの外周に沿い周回
するようにしたため、掻上げ装置のフレーム長さを長く
することなく、移送距離を長くすることができる。

（２）従来品は槽上の高さにより堆肥を落とすため落下
距離が大きく堆肥は飛散し易いが、本堆肥切返し移送機
では堆肥のやや上で落とすため、堆肥の飛散が少なく、
かつ堆肥の圧密か少ないのでその通気性が低下しない。

（３）掻上げ装置の両端より掻上げた堆肥がフライトの
両端よりこぼれるが、本堆肥切返し装置では下部フレー
ムは槽底に対して平行し、この間に数列のフライトが槽
底に接触して働くので前述のような落ちこぼれの掻上げ
が効率的にできる。

（４）掻上げ装置の上部フレームと後部フレームとの連
結部、および下部フレームと前部フレームとの連結部を
、それぞれ上部フレームと下部フレームの主たる長さ方
向線上以外に設けた構成としたので、掻上げ装置の折り
畳み時における厚みを、第２図に示す堆肥切返し移送機
の掻上げ装置に較べて大幅に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の堆肥切返し移送機の概略側面図、第２図
は堆肥切返し移送機の他の例を示す概略側面図、第３図
は第２図の堆肥切返し移送機の掻上げ装置折り畳み状態
を示す概略側面図、第４図は第２図の堆肥切返し移送機
の欠点を示す図、第５図は本考案に係る堆肥切返し移送
機の一実施例を示す概略側面図、第６図は第５図の堆肥
切返し移送機の掻上げ装置折り畳み状態を示す概略側面
図、第７図および第８図は本考案に係る堆肥切返し移送
機の掻上げ装置の各実施例を示す概略側面図である。 １１・・・・・・上部フレーム、１２・・・・・・下部
フレーム、１３・・・・・・前部フレーム、１４・・・
・・・後部フレーム、１５・・・・・・掻上げ装置、１
６・・・・・・台車、１７・・・・・・フライト、１８
．１９・・・・・・連結部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相互に屈折可能に連結された４辺のフレームを有するこ
   とによって、パンタグラフ式に折り畳み可能に構成され
   た掻上げ装置を備えた堆肥切返し移送機において、該掻
   上げ装置の上部フレームと後部フレームとの連結部、お
   よび下部フレームと前部フレームとの連結部を、それぞ
   れ上部フレームと下部フレームの主たる長さ方向線上以
   外に設けたことを特徴とする堆肥切返し移送機。