JPS603639B2 - 放射性廃液濃縮器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射性廃液を蒸発濃縮する放射性廃液濃縮器に
係り、特に濃縮器容器と管台との接続構造の改良に関す
る。

第１図及び第２図は従釆の放射性廃液濃縮器の容器の円
筒胴と管台との接続構造の断面図を示すものである。

単独金属で作られた円筒鋼１と一端にフランジ４を有す
る同じく単独金属で作られた管台２を円筒胴１の接線方
向に取り付け又補強のための管台補強板３を取り付け部
に設けた構造をとっていた。そして円筒胴の１、管台２
の材質としては、ＳＵＢ３１紅が使用されているために
ともに同種金属の溶接固定が可能であり、従って円筒胴
１と管台２の取り付けは溶接によって行われていた。し
かしＳＵＢ３１４材では、塩素を含む廃液中では腐食が
生じるために容器の取り替えという欠陥が起り、又容器
が放射能汚染容器であるために取り替えた多量の被爆を
生じ、多くの取り替え作業を必要とするなどの問題があ
った。

本発明の目的は上述の問題を解決するために、円筒胴及
び管台の材料としてチタン材を母材にクラツドしたチタ
ンクラッド鋼を用いることによって耐食性の優れた信頼
性の高い放射性廃液濃縮器を提供するにある。

本発明の他の目的は円筒腕及び管台の母村の鉄分が溶接
中にチタン溶接部に混入することを防ぎチタンの縦化を
なくすると共に、チタンクラツド鋼の円筒胴の接線方向
にチタンクラッド鋼の管台を取り付けて容器内の廃液の
流れを容器の円周方向に回転させ廃液の表面面積を多く
して蒸発効果を高めるようにした構造の放射性廃液濃縮
器を提供するにある。

一般にチタンを溶接する時に、チタン溶接部に鉄分が含
まれると極端にチタンが劣化し、腕化する。

又溶接時に含まれた鉄は、異種金属接触腐食のために廃
液中で急速に腐食し、この時、水素を発生する。そして
、チタンはこの水素を吸収するために水素吸収腕化を生
ずる。しかるに、円筒腕と管台の接続部は管台内の流体
が高速で噴出しているためにヱロージョンが生じ易く、
チタン材が縦化していると益々材料が破損し易くなって
くる。

又円筒胴と管台の溶接部は応力が集中しているために、
クラツド鋼のチタン合せ材が、腕化割れ損失すると、強
度部材としている母材に廃液が直接接触することになり
母材は急速に腐食し割れを生じ放射性廃液の流出汚染を
発生するなどの問題がある。このために、円筒耳同及び
管台にチタンタラッド鋼を使用する場合には母材の鉄分
が溶接時にチタン溶接部に混入しないような構造をとる
必要がある。本発明は上記目的を達成するために円筒胴
と該円筒且同の接線方向に接続された管台とからなる容
器を有する放射性廃液濃縮器において、前記円筒月同及
び前記管台は、母材にチタン合せ板をクラツドしたチタ
ンクラッド鋼よりなる前記容器内に面する前記チタン合
せ板に少なくとも１枚のチタン当板を前記母材の露出部
分又は母材成分の混入した溶接部分を履うように設け、
該チタン当板の全周を前記チタン合せ板にシール溶接し
たことを特徴としている。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第３図及び第４図は本発明に係る実施例であって、第３
図は放射性廃液濃縮器の円筒胴と管台の断面図であり、
第４図は第３図の接続部の要部拡大断面図である。炭素
鋼よりなる母材５と、母材５にクラッドされたチタン合
せ板６とからなるチタンクラツド鋼で作られた放射性廃
液濃縮器容器の円筒月同１に管台７とチタン合せ板８と
からなるチタンクラッド鋼で作られた管台２円筒胴１の
接線方向に接続され、この接続は円筒胴１の母材５と管
台２の母材３とを溶接固定することによってなされてい
る。この母村岡志を溶接する際にはチタン合せ板６の一
部は削り取り、溶接時にチタンが母村５に溶け込むのを
防止し、強度部材である母材の材料劣化を防いでいる。
次に溶接した後の肉盛している落着金属部Ａをチタン合
せ板６の円弧に沿って滑かに削り、その上にチタン材の
胴当板９を取り付け、チタン合せ板８と交わる部分Ｂを
シール溶接する。又胴当板９の外周は全周にわたって隅
肉溶接する。この時、胴当板９の外周の溶接場所は溶着
金属Ａ及び前述したチタン合せ板６を削り取った部分の
母材から充分に離すことが出来るが、胴当板９の円周側
のチタン合せ板８と交わる部分Ｂの熔接は溶着金属Ａ及
び管台母村７に対し充分に離すことが出釆ないため溶接
時、管台母材７及び落着金属部Ａの成分が含まれること
になる。

即ちこのシ−ル溶接部Ｂが最も鉄成分が混入し易い訳で
ある。従ってこのシール溶接部Ｂは廃液に接すると腐食
し易く脆化している。そこでシール溶接部Ｂをチタン合
せ板８に沿って平滑に削り取り、その上に管台当板１０
をチタン合せ板８の内周面に挿入し一端をチタン合せ板
８と他端を胴当板９と熔接する。この結果シール溶接部
Ｂは管台当板１０で密藤されてしまい、又チタン溶接部
に管台母材７及び溶着金属Ａから鉄成分などが混入する
のを防止することが出来る。

第５図は本発明による他の実施例である管台母材７をチ
タン合せ板６の内側円弧に沿って削り取り中間当板１１
を設け中間当板１１の内周部Ｂ部分は管台のチタン合せ
板８と又外周は円筒胴のチタン合せ板６とシール溶接さ
れている。

さらに中間当板１１の上に当板１２をＢ部分を覆うよう
にして設け、内周及び外周をシール溶接したものである
。この実施例の構造ではノズル内に当板がないためノズ
ル内の廃液を抵抗なく流すことができる。

以上述べたように本発明によれば放射性廃液濃縮器容器
の円筒８同及び管台にチタンクラッド鋼を用い、又廃液
と接するチタン溶接部に母材の鉄分が含まれない様な構
造としたことにより耐食性信頼性に優れ、又チタンクラ
ッド鋼の円筒胴の接線方向にチタンクラッド鋼の管台を
接続することができるので良好な放射性廃液の蒸発濃縮
を行ない得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の放射性廃液濃縮器の円筒耳同と管台の断
面図、第２図は第１図の接続部の要部拡大断面図、第３
図は本発明による放射性廃液濃縮器の円筒鋼と管台の断
面図、第４図は第３図の接続部の要部拡大断面図、第５
図は本発明による他の実施例の後続部の要部拡大断面図
である。 １・・・・・・円筒胴、２・・・・・・管台、５・・・
…円筒胴母材、６，８・・・・・・チタン合せ板、９，
１２・・・・・・円筒８同当板、１０・・・・・・管台
当板、１１・…・・中間当板。 努ｌ図第２図 第５図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒胴と該円筒胴の接線方向に溶接により接続され
   た管台からなる容器を有する放射性廃液濃縮器において
   、前記円筒胴及び前記管台は母材にチタン合せ板をクラ
   ツドしたチタンクラツド鋼よりなり、前記円筒胴と管台
   とは母材どうしが溶接接合され、前記チタン合せ板は前
   記溶接部に接触しないように一部削り取られており、前
   記溶接部の容器内側と、円筒胴と管台との接続部におけ
   る円筒胴と管台の母材が容器内側に露出している部分と
   を完全に履うようにチタン当板を設け、このチタン当板
   の全周囲を円筒胴のチタン合せ板および管台のチタン合
   せ板にシール溶接した構造を有する放射性廃液濃縮器。