JPS6035855Y2 - 振動検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガス絶縁電気装置の内部放電の検知などに使
用される振動検出装置に関するものである。

通電部が複数の容器を貫通して配置されているガス絶縁
電気装置において、放電や閃絡事故などの異常が発生し
た時に容器が放電や閃絡特有の振動をすることを利用し
て、各容器に振動検出装置を取り付けて、異常が発生し
た容器を検知することが提案されている。

第１図はガス絶縁電気装置の容器に取り付けられた従来
の振動検出装置を示している。

このような装置において、容器４内で放電が発生して容
器４が振動すると、本体１の底面１ｂが可動子９の端部
９ａに衝突して可動子９を上方に押し上げ、マイクロス
イッチ８へ向って摺動させる。

また、この振動は本体１および弾性体５を介して可動子
９に伝達され、可動子９が振動する。

この場合可動子９は、マイクロスイッチ８へ近接する方
へ振れる時は支持部５ｃのたわみが大きくなって弾性体
５と可動子９との摩擦抵抗が小さくなるので、マイクロ
スイッチ８に向って摺動し、マイクロスイッチ８から遠
ざかる方向へ振れる時は支持部５ｃのたわみが小さくな
って、弾性体５が可動子９にくい込んで摩擦抵抗が大き
くなるので、マイクロスイッチ８から遠ざかる方向へは
摺動しない。

この結果可動子９は、本体１の底面１ｂからの衝撃力に
よる摺動とその後の間欠的な摺動によって、マイクロス
イッチ８に接近し、押ボタン８ａを押圧してマイクロス
イッチ８を作動させる。

ところで、従来の振動検出装置は本体１の外部から中空
部２内を目視できないので、組立完了後に可動子９が底
面１ｂに当接して可動子９の位置決めが行なわれている
か、あるいは各支持部５ｃの先端が正常に可動子９に当
接しているかなどを確認することが困難であった。

この考案はこのような点に鑑みてなされたもので、上記
欠点のない振動検出装置を提供することを目的としてな
されたものである。

第２図〜第４図はこの考案の一実施例の振動検出装置を
示している。

図において、１は中空部２を有する断面円形の本体で、
ボルト３によってガス絶縁電気装置を構成する容器４に
固定されている。

５は第４図に示すように円板状に猛威された弾性体で、
中央部に直径ｄ１の穴５ａが設けられると共に、穴５ａ
から放射状に設けられた複数の溝５ｂによって支持部５
ｃが猛威されている。

６は弾性体５相互間の間隔を保持するスペーサで、円筒
状に猛威されている。

７は本体１に設けられたねじ１ａに螺合して取り付けら
れたふたで、弾性体５を本体１に締付固定している。

８はふた７に設けられたマイクロスイッチで、押ボタン
８ａおよび信号を外部に取り出すための端子８ｂが設け
られている。

９は弾性体５の穴５ａに嵌合されると共に弾性体５の支
持部５ｃによって中空部２内に支持された可動子で、穴
５ａの直径ｄ１より少し大きめの直径ｄ２を有する円柱
状のおもりによって猛威されている。

１ｃは本体１の側壁の底面１ｂ近傍に側壁を貫通して設
けられた切欠部で、この切欠部１ｃを通して本体１の外
部から可動子９の端部９ａの位置を確認できるように構
成されている。

次に振動検出装置を組立作業を説明する。

組立にあたっては、まず可動子９を中空部２に挿入し、
その端部９ａを本体１の底面１ｂに当接させる。

そして下方に位置する弾性体５をその穴５ａを可動子９
に嵌合させて中空部２内に押し込み、さらにスペーサ６
を中空部２に挿入して弾性体５を中空部２の下方に押し
込む。

次に上方に位置する弾性体５を可動子９に嵌合させて中
空部２内に押し込む。

次にふた７をねじ１ａに螺合させて弾性体５を締付け、
本体１に固定する。

弾性体５を中空部２に押し込む過程において、弾性体５
の支持部５ｃは可動子９との接触圧により上方に曲げら
れる。

弾性体５が固定された状態では、第２図に示すように、
可動子９の端部９ａが本体１の底面１ｂに当接して可動
子９の位置決めが行なわれる。

ところで組立完了後、放電以外の原因による衝撃力が発
生した場合、この衝撃力により可動子９が底面１ｂから
浮き上ったり、可動子９が傾斜して支持部９ｃとの接触
圧が不均一になり、放電により振動が発生した場合のマ
イクロスイッチ８の動作時点が変化する恐れがあるが、
切欠部１ｃから中空部２内をのぞくことにより、このよ
うな不都合が生じていることをみつけることができる。

このような不都合が生じた場合には一度装置を分解して
組立なおす。

なお、上記この考案の一実施例は、可動子９によってマ
イクロスイッチ８を動作させるよう構成したものについ
て説明したが、この考案はこれに限らず、可動子９の上
端部が振動によって本体の外部に突出するよう構成し、
可動子の摺動状態を目で見て放電による振動が発生した
ことを検知できるように構成したものであっても同様の
効果を奏する。

また、本体の少なくとも一部を透明体によって形成する
ことによって、本体の外部から可動子の状態を確認でき
るよう構成したものであっても同様の効果を奏する。

以上のように、この考案の振動検出装置は、本体の外部
から可動子の状態を目視可能であるので、可動子の端部
が本体から浮き上ったり、可動子が傾斜した場合にはこ
れをみつけて正常な状態に修正することができると云う
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の振動検出装置の縦断面図、第２図〜第４
図はこの考案の一実施例の振動検出装置を示し、第２図
はその縦断面図、第３図は第２図のＩＩＩ−Ｉ線におけ
る断面図、第４図はその弾性体の平面図である。 図中、１は本体、２は中空部、５は弾性体、７はふた、
８はマイクロスイッチ、９は可動子、１ｃは切欠部であ
る。 図中、同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）容器に取付けられた筒状の振動検出装置本体と、
   この本体の内周に支持され中心に穴を有する円板状の弾
   性体と、この弾性体の中心部が上記容器の反対側にわん
   曲した状態で、該弾性体により摺動可能に支持され、か
   つ上記容器の振動時に上記弾性体を介して伝達される振
   動によって容器と反対側の方向にのみ摺動する可動子を
   備え、上記本体の側壁の底面近傍に、該本体の外側から
   上記可動子の下端部の位置を目視できる観視部を形成し
   たことを特徴とする振動検出装置。
2. （２）上記観視部は容器の一部を切欠いて形成したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の振動
   検出装置。
3. （３）上記観視部は容器の少なくとも一部を透明体とす
   ることによって形成したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の振動検出装置。