JPS6035065Y2 - 写真フイルム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、先端に係止孔を有する写真フィルムの改良に
関するものである。

現在のカメラにおいては、カメラのフィルム収容室に、
生のフィルムを収容したフィルムパトローネを装填し、
１駒の撮影ごとにフィルムをカメラの巻取スプールに巻
き取っている。

この方式においては、フィルムのすべての駒の撮影が終
了した後、フィルムを前記巻取スプールから前記フィル
ムパトローネに巻き戻さなければならず、この手間が面
倒である。

また、従来の巻取スプールに撮影済フィルムを巻き取る
方式にあっては、不用意にカメラの裏蓋を開いてしまっ
たときに、巻取スプールに巻かれている撮影済のフィル
ムがすべて露光してしまうという欠点があった。

そこで、これらの欠点を解消するため、先端に係止孔を
有する撮影済フィルムをカメラ内で巻き取る巻取軸の外
周に前記係止孔に嵌入する係止爪を設けるとともに、こ
の巻取軸を、前記フィルムを導入するスリット状のフィ
ルム進入口を有する光密の円筒ケースに収容し、前記巻
取軸と円筒ケースとを一体的にカメラに装填あるいは離
脱できるようにしたフィルム巻取装置を用いることが考
えられるが、このフィルム巻取装置にあっては、前記巻
取軸に巻き取られるフィルムが巻取軸の外周に設けられ
た係止爪上に巻かれるので、この爪によって傷付けられ
るおそれがあった。

そこでこの欠点を解消するため、前記巻取軸の軸方向の
ほぼ中央部分が縮径部となっており、前記係止爪の先端
が前記巻取軸の外周面より引込んでいるようにして該係
止爪を前記縮径部に設けることが考えられる。

しかしながら、巻取軸をこのような構造にするときは、
従来の単に先端に係止孔を有する写真フィルムでは、こ
の巻取軸の係止爪に係止孔が嵌合することができないと
いう問題が生じて来た。

本考案は、上記したように係止爪を、先端が前記巻取軸
の外周面より引込んでいるようにして縮径された中央部
に設けた巻取軸にも容易に巻き取られるようにした写真
フィルムを提供することを目的とする。

本考案による写真フィルムは、該フィルムの先端の幅方
向の中央部に、写真フィルムの幅よりも小さい均一な幅
を有する矩形状のタブ状部分を設け、このタブ状部分の
先端に前記係止孔を形成し、前記係止孔が前記巻取軸の
前記係止爪に容易に係合するように、前記タブ状部分に
曲がりぐせが付けられていることを特徴とするものであ
る。

なおここでフィルムの先端とは、フィルムパトローネに
収容された未使用のフィルムがその使用時にフィルムパ
トローネから引き出される際の先端を意味するものであ
る。

以下、添付図面を参照して本考案による写真フィルムの
実施例について説明する。

本考案による写真フィルムＦを巻き取るフィルム巻取装
置１は、円筒ケース２と巻取軸３からなっている（第１
図および第２図参照）。

この巻取軸３は、フィルムＦの幅よりわずかに大きい巻
取部４を有しており、この巻取部４はその軸方向のほぼ
中央部分が縮径部５となっている。

この縮径部５には、先端が巻取部４の径の大きい両端部
６の外周面より引込んだ状態で係止爪７が設けられてい
る。

円筒ケース２は、フィルムＦを導入するスリット状のフ
ィルム進入口８を備えており、このフィルム進入口８は
、通常のパトローネのフィルム引出口と同様テレンプに
よって光密にされている。

また、この円筒ケース２は、両端部を蓋９，１０によっ
て光密に閉じられる。

フィルム巻取軸３は、蓋９から外向きに延びる延長部１
１を回転させると巻取部４も回転するようになっている
。

次に本考案の第１の実施例による写真フィルムＦについ
て説明する。

写真フィルムＦの先端１２には、この先端の幅方向の中
央部に、幅が巻取軸３の縮径された中央部５の幅よりも
狭い所定長のタブ状部分１３が設けられている。

このタブ状部分１３の先端には、巻取軸３の係止爪７に
係合する係止孔１４が設けられている。

次に本考案による写真フィルムＦをフィルム巻取装置１
によって巻き取る工程を説明する。

まず、フィルム巻取装置１をカメラのフィルム巻取室（
図示せず）に収納する。

このとき、フィルム巻取軸３の延長部１１に設けた溝１
５等によって、このフィルム巻取軸と、カメラ本体に設
けられているフィルム巻上機構（図示せず）とを作動的
に連結する。

これによって、例えば、カメラ本体の外部に設けられた
フィルム巻上レバーでフィルム巻取装置１のフィルム巻
取軸３を回転させることができる。

次にカメラ本体のパトローネ収容室（図示せず）内に収
容されたパトローネから所定の長さだけフィルムＦを引
き出し、このフィルムＦの先端をフィルム進入口８から
円筒ケース２内に進入させる。

このフィルムＦの先端すなわちタブ状部分１３が円筒ケ
ース２内に進入したとき、このタブ状部分の一部が円筒
ケース２内部の巻取軸３に自動的に巻き付くように、こ
のタブ状部分は曲がりぐせが付けられている。

この曲がりぐせによって、タブ状部分１３の先端に設け
られた係止孔１４は、巻取軸３の係止爪７に容易に係合
する。

この係止孔１４と係止爪７の係合の後、１駒の撮影ごと
に巻上レバーを操作すれば、フィルムＦは１駒ずつ巻取
軸３に巻き取られてゆく。

第３図は、本考案の第２の実施例による写真フィルムＦ
の平面図である。

この実施例による写真フィルムＦは、従来の写真フィル
ムの先端に所定長の切込み２０を設けて、タブ状部分２
１が形成されている。

このタブ状部分２１の先端に係止孔２２が形成されてい
る。

このタブ状部分２１も、第１図に示されたフィルムＦの
タブ状部分と同様に曲がりぐせが付けられている。

以上説明した本考案の写真フィルムによれば、フィルム
の幅より小さい幅を有する矩形状のタブ状部分が設けら
れたことにより、このタブ状部分を巻取軸の縮径された
部分に巻きつかせることが可能となり、フィルムは巻取
軸の径の大きい部分に巻かれるので、この巻き取られる
フィルムに係止爪によって傷を付けることがなく、また
タブ状部分に曲がりぐせが付けられているので、円筒ケ
ース内に進入したフィルムのタブ状部分に設けられた係
止孔が巻取軸の係止爪に係合しやすい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１の実施例による写真フィルムと
フィルム巻取装置とを示した斜視図、第２図は、第１図
に示したフィルム巻取装置の組み立てた状態を示す斜視
図、第３図は、本考案の第２の実施例による写真フィル
ムの平面図である。 Ｆ・・・・・・写真フィルム、１・・・・・・フィルム
巻取装置、１３・・・・・・タブ状部分、１４・・・・
・・係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に係止孔を有し、該係止孔が、巻取軸に設けられた
   係止爪に係合して該巻取軸に巻き取られる写真フィルム
   において、該写真フィルムの先端の幅方向の中央部に、
   この写真フィルムの幅よりも小さい均一な幅を有する矩
   形状のタブ状部分が設けられ、このタブ状部分の先端に
   前記係止孔が形成され、かつこのタブ状部分が前記巻取
   軸の係止爪に容易に係合するように曲りぐせがつけられ
   ていることを特徴とする写真フィルム。