JPS6032690B2 - ロ−ラ−クエンチのノズルの保護方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ローラークェンチのスプレーノルズの保護方
法とその装置に関するものである。

製鉄所の厚板工場内では、厚板熱処理炉の後方に焼入れ
装置としてローラークェンチが設置されている。そして
、そのローラークェンチには、赤熱鋼板のバスラィンよ
りも上位に位置して昇降可能なように設けられた上部ス
プレーノルズと、該バスラィンよりも下位に位置した下
部スプレーノルズとを有し、焼入れ時には、上部スプレ
ーノルズを適当な位置まで下降させ、焼入れすべき赤熱
鋼板の通過中に、上部スプレーノルズから冷却水を該鋼
板の上面に向けて噴出させるとともに、下部スプレーノ
ルズからも冷却水を該鋼板の下面に向けて噴出させて焼
入れを行なうが、このローフークェンチは、熱処理炉と
の設置位置の関係からして、焼入れ以外のときでも、す
なわち、水冷を必要としない屍準操業や暁戻操業などの
ときでも、赤熱溝函板がローラークェンチの下部ロール
上を通るようになっているので、その赤熱鋼板は前記上
下雨ノズルの間を通過するようになる。したがって、そ
のような操業時には、赤熱鋼板に冷却水による悪影響が
ないように、両ノズル内の冷却水を抜いて給水を断にし
て赤熱鋼板に冷却水がかからないようにしなければなら
ないので、逆に、その赤熱鋼板の鏡射熱により、両ノズ
ルは悪影響を受けることになる。幸い、上部スプレーノ
ルズは、昇降可能になっているので、上述のような焼準
操業や凝房操業のときは、上昇させてその赤熱鋼板の通
過時の韓射熱による悪影響を避けることができるが、下
部スプレーノルズは下降可能な溝造になっていないため
、その赤熱鋼板の通過時の韓射熱による影響を受けて、
スリットの幅および形状などに変化を生じ、再び焼入れ
をする際には、冷却が不均一になり、鋼板の品質が低下
し、平たんな鋼板が得られなくなる。そこで、下部スプ
レーノルズを引下げる方法を試みたが、作動が複雑にな
り、取付けが困難であり、またカバーによる保護を試み
てはみたが、焼入れ時の高圧水の落下により使用に耐え
られなかつた。

このように、従来は、下部スプレーノルズについては、
すなわち、焼準操業や屍房操業のときの下部スプレーノ
ルズについては、赤熱鋼板の通過に対する配慮が殆んど
なされていなかったため、下部スプレーノルズに変形が
生じ、かつ、スリット幅が不均一になり、結果として、
焼入れ時の鋼板の冷却が不均一となり、鋼板の品質低下
が避けられなくなり、また下部スプレーノルズの交換頻
度が高くなって保修費が嵩むうえ、生産性が落ち、経済
損失が大であった。

本発明は、焼入れ以外のときの赤熱鋼板の通過時には、
上部スプレーノルズを上方に引上げて退避させておくと
ともに、下部スプレーノルズ内に冷却水を溜めておき、
かつ、適当な時期に前記下部スプレーノルズ内の消失水
量を補給することによって、従来の前述の問題を巧みに
解決したもので、その実施態様について、図面を参照し
ながら説明する。

第１図において、１は鋼板、２はそのバスラィンである
。

３は上部ローラーフレームで、上部ローラー４および上
部スプレーノルズ５ならびに上部へッダー６を支持して
おり、図示されていないコラムに取付けられた昇降用ジ
ャッキなどによって昇降可能に設けられている。

７は下部ローフ−、８は下部スプレーノルズ、９は下部
へッダーである。

１０は主ポンプで、水槽１２から冷却水を吸引管１１で
吸引し、吐出管１３から給水管１４と１５を経て前記へ
ツダー６と９にそれぞれ高圧水として送水する。

１１６は集水ビット、１７は戻り管であり、以上の構成
は従来のローラークェンチと異らない。

そして、１８は前記下部のスプレーノルズ８への給水管
１５の途中に設けられた主逆止弁、２０は該下部スプレ
ーノルズ８と下部へッダー９の間の水路１９に吹込み口
を有する小給水管、２１は該小給水管２０の途中に設け
られた小逆止弁、２２は前記集水ビット１６から水を吸
引して小給水管２川こ送り込む小型ポンプ、２３はその
タイミングスイッチである。

第１図のように構成されたローラークェンチにおいては
、図の左方に位置する鋼板加熱炉（図示せず）で９３０
ｑｏ程度に赤熱された鋼板１が図の左方から右方の上部
ローラー４と下部ローラー７の間をバスラィン２に沿っ
て搬送される。

そして水冷却する必要のない齢準および暁房の場合は主
ポンプ１０は停止していて、かつ、上部ローラー４およ
び上部スプレーノルズ５ならびに上部へツダー６を上限
まで上げし、おいて前記操業を行なう。また、水冷却を
必要とする焼入れ作業の場合は、主ポンプ１０を運転し
、水槽１２から水を汲み上げ、給水管１４を通って上部
へッダー６と給水管１５を通って下部へッダー９を介し
て上部スプレーノルズ５と下部スプレーノルズ８から高
圧水を吹き出させる。一方、上部ローラー４は、この実
施例では鋼板１の上面より極く僅かに予め昇降ジャッキ
によって設定されている。なお小型ポンプ２２は停止し
ており、該高圧水は小給水管２０に入って小逆止弁２１
のところで停止している。いま、赤熱鋼板１が第１図の
左から右へ上部ローラー４と下部ローラー７により搬送
されつつ、上下両方から高圧水をあびせられて急速冷却
されて焼入れがなされる。そして赤熱鋼板１を冷却しお
わった水は下方の集水ビット１６に集められ、戻り管１
７を自然流下して水槽１２によどろ。したがって、焼入
れ作業の場合は、上部スプレーノルズ５および下部スプ
レーノルズ８自身も、水冷却されることになるので、赤
熱鋼板１の鰭射熱を受けて変形することはない。つぎに
、赤熱鋼板１が通過する競準操業および競戻操業の場合
は、前述のごとく、まず、上部ローラー４と上部スプレ
ーノルズ５と上部へッダー６を３５０ミリメートル程上
方に引き上げておく。

そして主ポンプ１０は停止させ、給水管１４と１５内に
は、溜り水のみが残っており、下部へツダー９および下
部スプレーノルズ８内の水も、上から下、さらに第１図
の左から右に自然に流れる。下部へッダー９の右端の主
逆止弁１８で、一応は、せき止めるが、一般に逆止弁の
シール性は完全でないため、時間がたっとともに上記水
は該逆止弁１８を通って右方向に流れてしまい、下部へ
ツダー９の上方の下部スプレーノルズ８内の残水は比較
的短時間に消失する。そこで、鋼板１の通過前または通
過後に断続的に小型ポンプ２２で集水ビット１６内の水
を汲み上げ、小給水管２０を介して下部スプレーノルズ
８内に給水し、かつ、該ノズル８の先端から溢流させて
該ノズル８の外面をも冷却したのち、タイミングスイッ
チ２３のタイマーで停止させて、次の赤熱途図板の通過
にそなえる。なおこの実施例では、厚さ２５ミリメート
ル、幅３０００ミメートル、長さ１２メートルの鋼板１
がＩＱ分ごとに抽出される。搬送速度を１分間に３０メ
ートルとして、赤熱鋼板がローラークェンチを通ってい
る時間は１分弱であり、残りの９分は休止、つまり、次
の板まちである。したがって、この９分間の休止期間中
適当な時に、１回以上、小型ポンプ２２を使って、下部
スプレーノルズ８に水を補給するものであり、主逆止弁
１８のもれによる補給と、自然蒸発によるレベル低下を
桶なう補給と、かつ、部分的ではあるが、該ノズル８の
外表面を冷却する水量を補給する。このようにすること
により、焼準操業や焼戻操業時に、赤熱鱗板１の通過時
に頚射熱を受けても、該ノズル８はその内部から冷却さ
れるため、該ノズル８のスリット幅ａを維持することが
できる。前記第１図に示した実施例では、下部スプレー
ノルズ８への補給水装置として、集水ビット１６から水
を小給水管２０へ送る小型ポンプ２２と、小給水管２０
の途中に設けられた小逆止弁２１とからなるものを示し
たが、第２図に示す実施例は、小型ポンプ２２の代りに
水圧を有する水道水２４を用い、小給水管２０の途中に
電磁弁２５を付設したものである。

この第２図のものは、主逆止弁１８と小逆止弁２１で前
記下部スプレーノルズ８内の水の逆流をできるだけ阻止
し、タイマー内蔵のタイミングスイッチ２３により電磁
弁２５を開閉させ、下部スプレーノルズ８内に水を確保
するものである。第３図に示す実施例は、水頭圧を得る
タンク２６を設けたもので、該タンク２６内の水面レベ
ルが常に該スプレーノルズ８からの水が流出しない位置
に定めて水位を調節する。

やはり、この場合も、主逆止弁１８と小逆止弁２１で下
部スプレーノルズ８内の水の逆流をできるだけ阻止し、
該タンク２６により該ノズル８内に常に水を充満させて
おくことができるので、内部から下部スプレーノルズ８
も冷却することができる。なお前記各実施例とも、下部
スプレーノルズ８への消失水量の補給は、赤熱強鋼板の
通過時以外の時期に行なう場合を示したが、下部スプレ
ーノルズ８の先端と通過時の赤熱鋼板１の下面との間が
比較的大きく、該鋼板に水の悪影響を及ぼさないようで
あれば、該鋼板の通過時に消失水量の補給を行なっても
よい。

したがって、本発明のローラークェンチのノズルの保護
方法は、焼入れ以外のときの赤熱蝉鋼板の通過時には、
上部スプレーノルズの上方に引上げて退避させておくと
ともに、下部スプレーノルズ内に冷却水を収容させてお
き「かつ、適当な時期に前記下部スプレーノルズ内の消
失水草を補給する方法であるから、上下両スプレーノル
ズの熱変形を防ぐことができ、ノズルのスリット幅が常
に均一を維持し、冷却が均一となり、鋼板の高品質化が
保証され、しかも、スプレーノルズの交換頻度が著しく
低減され、保惨費も低減され、生産性が向上し、経済的
にもすぐれた効果を奏することになる。

また本発明のローラークェンチのノズル保護装置は、赤
熱鋼板のバスラィンよりも上位に位置して昇降可能に設
けられた上部スプレーノルズと、該バスラィンよりも下
位に位置した下部スプレー／ルズとを有するローラーク
ヱンチにおいて、該下部スプレーノルズに接続されてい
る給水管の途中に設けられた主逆止弁を備え、かつ、こ
の主逆止弁と該下部スプレーノルズとの間の水路中の吹
込み口を有して小逆止弁を内蔵している補給水装置を備
え、しかも、前記両逆止弁は該下部スプレーノルズから
の冷却水の逆流を阻止する向きに取付けられているから
、焼入れ以外のときの赤熱鋼板の通過時には、上部スプ
レーノルズを上方に引上げて退避させておくとともに、
下部スプレーノルズ内に冷却水を充満させておくことが
きるので、焼入れ以外のときの赤熱鋼板の通過時による
両ノズルの熱変化がなく、かつ、焼入れ本来の目的には
何んら支障もなく使用することができ、しかも、装置と
しての構成も著しく簡単である。

とくに、補給水装置を備えているので、下部スプレーノ
ルズ内の消失水量およびその消失水量を上まわる水量を
補給して下部スプレーノルズの内外を確実に冷却して保
護することができる。図面の簡単な説明第１図は本発明
の第１実施例の側面図、第２図は第１図に対応せしめて
示した本発明の第２実施例の部分側面図、第３図は同じ
く本発明の第３実施例の部分側面図である。

１・・・・・・鋼板、２・・・・・・バスライン、３・
・・・・・上部ローラーフレーム、４・・・・・・上部
ローフー、５・…・・上部スプレーノルズ、６・・・・
・・上部へッダー、７・・・・・・下部ローフー、８・
・・・・・下部スプレーノルズ、９・・・・・・下部へ
ッダー、１０・・・・・・主ポンプ、１１・・・・・・
吸入管、１２・・・・・・水槽、１３・・・…吐出管、
１４，１５…・・・給水管、１６・・・・・・集水ビッ
ト、１７・・・・・・戻り管、１８・・・…主逆止弁、
１９…・・・水路、２０・・・・・・小給水管、２１・
・・・・・小逆止弁、２２・・・・・・小型ポンプ、２
３……タイミングスイッチ、２４……水道水、２５…・
・・電磁弁、２６・・・・・・タンク、ａ．・・．・・
スリット幅。

多１図 多２図 多３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 焼入れ以外のときの赤熱鋼板の通過時には、上部ス
   プレーノルズを上方に引上げて退避させておくとともに
   、下部スプレーノルズ内に冷却水を収容させておき、か
   つ、適当な時期に前記下部スプレーノルズ内の消失水量
   を補給することを特徴とする、ローラークエンチのノズ
   ルの保護方法。 ２ 赤熱鋼板のパスラインよりも上位に位置して昇降可
   能に設けられた上部スプレーノルズと、該パスラインよ
   りも下部に位置した下部スプレーノルズとを有するロー
   ラークエンチにおいて、該下部スプレーノルズに接続さ
   れている給水管の途中に設けられた主逆止弁を備え、か
   つ、この主逆止弁と該下部スプレーノルズとの間の水路
   中に吹込み口を有して小逆止弁を内蔵している補給水装
   置を備え、しかも、前記両逆止弁は該下部ノルズからの
   冷却水の逆流を阻止する向きに取付けられていることを
   特徴とする、ローラークエンチのノズルの保護装置。