JPS6032264Y2 - 屋根上設置機器の引張り支持具固定用索条 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、寄棟、切妻などの勾配屋根の頂部に
起立設置されるテレビアンテナ、或いは、勾配屋根面上
に設置される太陽熱集熱器などの屋根上設置機器を、そ
れが振動や風などの影響で倒れたり、或いは不測にずれ
動かないように引張り支持する、例えば数本の針金等の
引張り支持具の一端を軒先下の垂木など建物固定部に釘
打ちをもって止め付ける場合における工事の安全確保な
らびに能率向上に非常に有効な屋根上設置機器の引張り
支持具固定用索条を提供せんとする点に目的を有する。

上記のような工事を行なうにあたって、従来では、屋根
上に登った作業者が大きく身を乗り出して金槌等で釘を
打付ける、或いは、地面やベランダ等に据置いた脚立や
簡易足場、又は壁面に凭れ掛けた梯子に乗って釘打ちし
、かつ、その打付けた釘に前記引張り支持具の一端を連
結していたが、何れの場合も片手で釘を持ち、他方の手
で金槌を使うといった具合に不安定な体勢での工事であ
るから、転落等の危険がつきまとうのはもとより、正確
な釘打ちが難かしくで工事能率の面でも非常に不利であ
った。

殊に、屋根上からの工事においては、垂木など釘打ちす
べき建物固定部が屋根の端面よりやや内側に入り込んで
いるため、そこまで手を回し込まねばならず、一層危険
度の高いものであった。

かかる実情に鑑みて開発した本考案による屋根上設置機
器の引張り支持具固定用索条は、屈曲変形自在で任意の
屈曲形状を保持可能な耐蝕防錆材料製索条部材の一端に
、屋根上設置機器に対する引張り支持具の端部に係脱自
在な係止部を設け、前記索条部材の他端に、軒先下の建
物固定部に打止めされる釘の頭部付近をその釘軸部が索
条部材に対して直角又はそれに近い姿勢にある状態で固
定保持させるとともに、釘頭部よりも大径でその少なく
とも上面が円弧状又はほぼ円弧状の彎曲面に形成された
座金部材と、この座金部材よりもやや小径のバッキング
とを、座金部材は釘の頭部に向って突曲する姿勢で釘の
頭部側に、バッキングは座金部材よりも釘の先端側に夫
々位置させた状態で前記釘軸部に挿通保持させ、かつ、
前記索条部材の前記釘に対する固定支持部近くから前記
係止部側に向っての適当長さ範囲部分の外面を軟質部材
にて被覆させであることを特徴とする。

即ち、施工後においては、引張り支持具の一部となると
ころの、索条部材の一端側に、打止め用の釘、ならびに
、その釘打性は相当箇所への雨水侵入等を防ぐための座
金部材及びバッキングを予め保持させておくことにより
、釘打ちに際してそれを直接片手で持つ要がなく、比較
的長い前記索条部材を持って釘を所定の打付は箇所に容
易に導くことができるから、屋根上からの作業形態を採
る場合であっても、作業者が屋根から大きく身を乗り出
すといった不安定でかつ、無理な体勢を採る必要がなく
て安全に釘打ちすることができるとともに、釘打ち後は
、前記索条部材を屋根勾配等に沿った又はほぼ沿った状
態に自由に屈曲させることができるから、その索条部材
とそれよりも上方側の引張り支持具との連絡を、屋根上
での係合操作をもって非常に容易、安全、かつ迅速に行
なえ、もって、全体として工事能率も著しく改善できる
。

その上、前記座金部材の少なくとも上面を円弧状又はほ
ぼ円弧状の彎曲面に形成することとにより、水切りを良
くできると同時に、前記索条部材が釘との固定支持部付
近で鋭角的に折れ曲って、その部分が局部的に強度低下
する不都合を抑制できる。

加えて、前記索条部材の、前記釘に対する固定支持部近
くから適当長さ範囲部分の外面を軟質部材で被覆させる
ことにより、この索条部材を屋根下から屋根上に屈曲さ
せたときにその屈曲部が瓦の縁部や野地板等木製部材の
角部に接当するものの、その接当によってそれらを傷付
けたり、破損することを極力回避できる。

以上要するに、施工面での安全性確保と能率向上とを図
れ、しかも、施工後における本来機能である引張り支持
作用を効果的に行なえるものを提供し得るに至ったもの
である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述すると、第１
図で示すように、二本のステンレス製線材１ａ、ｌａを
長さ方向に６回程度、撚り合わせて、屈曲変形自在でか
つ任意の屈曲形状を保持可能になした、全長が約６０ｃ
ｍ位の索条部材１の一端に、例えば、第２図で示した如
き勾配屋根上に設置したテレビアンテナ等の機器Ａから
導出させたターンバックルＤ付き引張り支持具Ｂ、具体
的にはステンレス製針金部材の下端部に係脱自在なルー
プ状の係止部２を折曲げ加工にて形成するとともに、前
記索条部材１の他端に、例えば、垂木など建物固定部Ｃ
に打止めされる、ステンレス酸でかつその軸部３ｂに抜
止用のスパイラル加工が施された釘３の頭部３ａ付近を
、その釘軸部３ｂが前記索条部材１に対して直角又はそ
れに近い姿勢にある状態に固縛手段等をもって固定保持
させ、この釘３の１．前記索条部材１への固定支持部相
当箇所の釘軸部３ｂには、第４図で明示したように、釘
頭部３ａよりも十分に大径でその上面４ａが釘頭部３ａ
側に突曲するように円弧状又はほぼ円弧状に彎曲形成さ
れたステンレス酸の座金部材４と、この座金部材４より
もやや小径のゴムバッキング５とを、座金部材４は釘頭
部３ａ側に突曲する姿勢で座金部材４とバッキング５と
の順に釘３の先端側から同芯状に挿通保持させ、かつ、
前記索条部材１の、前記釘３に対する固定支持部側の適
当長さ範囲部分に、ゴム又は軟質塩化ビニール製チュー
ブを套嵌させる、或いは、軟質樹脂コーティングを施し
て、その部分外面を軟質部材６にて被覆させて、屋根上
設置機器の引張り支持具固定用索条を構成する。

このように構成された屋根上設置機器の引張り支持具固
定用索条は、第２図で示したように、既述テレビアンテ
ナなど屋根上設置機器Ａと垂木など建物固定部Ｃとの間
に亘って、ターンバックルＤによって弛みのない緊張状
態にして張設することにより、前記機器Ａを振らつきや
倒れ、位置ずれ等を招かないような位置固定状態に引張
り支持する場合の、屋根下方部の引張り支持部材として
用いられるのである。

そして、施工にあたっては、索条部材１を片手で持って
その先端の釘３を建物固定部Ｃの所要箇所に当てかった
上で金槌等で打込み、その後、索条部材１を、第３図の
如く屋根の出っ張り部Ｅを迂回させて屋根上に導くべく
屈曲させて、その上端係止部２と前記引張り支持具Ｂの
下端とを係合連結し、かつ、ターンバックルＤを操作し
て全体を緊張させるのである。

尚、前記釘３の軸部３ｂにスパイラル加工を施した理由
は、これが防錆効果に勝れたステンレス酸であるから、
錆によるフリクション増加つまり、抜止めが期待できな
いから、これに代わる抜止め手段としてスパイラル加工
を施したことにある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る屋根上設置機器の引張り支持具固定
用索条の実施例を示し、第１図は斜視図、第２図は使用
状態の概略図、第３図は第２図の要部拡大図、第４図は
要部の拡大断面図である。 １・・・・・・索条部材、２・・・・・・係止部、３・
・・・・・釘、４・・・・・・座金部材、５・・・・・
・バッキング、６・・・・・・軟質部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 屈曲変形自在で任意の屈曲形状を保持可能な耐蝕防
   錆材料製索条部材１の一端に、屋根上設置機器Ａに対す
   る引張り支持具Ｂの端部に係脱自在な係止部２を設け、
   前記索条部材１の他端に、軒先下の建物固定部Ｃに打止
   めされる釘３の頭部３ａ付近をその釘軸部３ｂが索条部
   材１に対して直角又はそれに近い姿勢にある状態で固定
   保持させるとともに、釘頭部３ａよりも大径でその少な
   くとも上面４ａが円弧状又はほぼ円弧状の彎曲面に形成
   された座金部材４と、この座金部材４よりもやや小径の
   バッキング５とを、座金部材４は釘３の頭部３ａに向っ
   て突曲する姿勢で釘３の頭部３ａ側に、バッキング５は
   座金部材４よりも釘３の先端側に夫々位置させた状態で
   前記釘軸部３ｂに挿通保持させ、かつ、前記索条部材１
   の前記釘３に対する固定支持部近くから前記係止部２側
   に向っての適当長さ範囲部分の外面を軟質部材６にて被
   覆させである事を特徴とする屋根上設置機器の引張り支
   持具固定用索条。 ■ 前記索条部材１、釘３、及び、座金部材４が全てス
   テンレス製である実用新案登録請求の範囲第■項に記載
   の屋根上設置機器の引張り支持具固定用索条。 ■ 前記軟質部材６がゴム又は塩化ビニール製チューブ
   である実用新案登録請求の範囲第■項に記載の屋根上設
   置機器の引張り支持具固定用索条 ■ 前記索条部材１が撚り線から構成されている実用新
   案登録請求の範囲第■項又は第■項に記載の屋根上設置
   機器の引張り支持具固定用索条。 ■ 前記釘３はそれの軸部３ｂにスパイラル加工が施さ
   れたものである実用新案登録請求の範囲第■項又は第■
   項に記載の屋根上設置機器の引張り支持具固定用索条。