JPS6031153Y2 - ベリリユウム窓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、Ｘ線を発生する装置の器壁の内方の高真空
雰囲気から前記器壁の外方の大気圧雰囲気に、前記Ｘ線
を取出すために前記器壁に設けられた、前記高真空雰囲
気と前記大気圧雰囲気の境界を、前記器壁と共に形成す
る、ベリリュウム窓に関する。

かかるベリリュウム窓は、ベリリュウム酸の窓板を、そ
の主要構成要素とする。

ベリリュウムは、Ｘ線を実質上減衰なしに透過させるこ
とができるから、Ｘ線を発生する装置（例えば高真空雰
囲気内で飛行する物質粒子を、ターゲットに衝突させて
、これからＸ線を発生させるような高速粒子加速器）の
器壁に開口部を設けて、これをおおうように、ベリリュ
ウム酸の窓板を気密接着させて置けば、Ｘ線発生装置内
に維持させる高真空雰囲気を損うことなしに、Ｘ線が、
Ｘ線発生装置の外部の大気圧雰囲気に取出しできる。

このような構成のものが、一般にベリリュウム窓と称せ
られる。

従来のベリリュウム窓の実際上構成によれば、加速器な
どの器壁に、これから外方へ突出する銅製のＸ線取出し
管が取付けられ、この取出し管に、軸線方向外向きの周
突縁を有するフランジが設けられている。

周突縁で囲まれたフランジの環状外面に、置きローがな
され、板状のベリリュウム窓板が、周突縁で囲まれるよ
うにかつ前記環状外面に接触するように配置させて、こ
の環状外面のところで、フランジにローは接着される。

加速器内からのＸ線は、取出し管の中を進行し、ベリリ
ュウム窓板を透過して、加速器の外部に出る。

しかるに、板状のベリリュウム窓板は、一般にその表面
が粗いので、ローのぬれが悪く、従ってロー付けによっ
ては気密接着が遠戚されない場合が多い、これを防止す
るために、ベリリュウム窓板の表面全体を研磨またはラ
ップ仕上げで平坦にすることが考えられるが、これは、
実際上極♂で困難である。

従来の板状のベリリュウム窓板苓使用したベリリュウム
窓は、その気密性の点で、歩留りが高高５０％であるに
過ぎない。

この考案は、このような従来のベリリュウム窓の欠点を
除去することを、目的とする。

この目的の遠戚のため、この考案のベリリュウム窓は、
このベリリュウム窓が、前記器壁に固定されかつこれか
ら外方へ突出するＸ線取出し管と、このＸ線取出し管に
取付けられるベリリュウム酸の窓板とからなり、前記Ｘ
線取出し管が、これの外端に設けられた銅製のフランジ
を有し、このフランジの外面に周溝が形成され、前記窓
板が、内向きにわん曲した周縁部を備え、この周縁部の
平坦に形成された端面、および前記周縁部の外側面の少
くとも前端部分、前記周溝の底面および外周面に、それ
ぞれロー付けで気密接着されていること、を特徴とする
。

以下、図面を参照しながら、この考案の実施例について
説明する。

図面において、１は、Ｘ線を発生できる高速粒子加速器
などの器壁を示し、この器壁１は、その内方の高真空雰
囲気１２と、そ外方の大気圧雰囲気１３との、境界を形
成する。

器壁１に設けられた開口２の周面には、器壁１から外方
へ突出する銅製のＸ線取出し管３の内端が、適当な手段
で気密固着される。

取出し管３の外端には、フランジが設けられ、このフラ
ンジ４は、その外面に形成された周溝５と、この周溝５
の外側に隣接して軸線方向外向きに延長する端縁６とを
、備える。

周溝５の外周面７′は、同じく符号７′で示される端縁
６の内周面に一致する。

フランジ４に取付けるべきベリリュウム酸の窓板７は、
板状のベリリュウム板の周縁部８を内向きにわん曲させ
たものからなり、周縁部８の端部は、周溝５の中にしっ
くりと嵌まる形状寸法を有する。

周縁部８の端面９は、研磨またはラップ仕上げで平坦に
形成される。

このように形成された窓板７は、例えば１３ｍｍの直径
および０．２〜０．３団の板厚を有する。

ベリリュウム窓を形成するには、窓板７の周縁部８の端
部がフランジ４の周溝５にはまり込むようにして、周縁
部８の端面９と周溝５の底面１０、および周縁部８の外
側面の少くとも前端部分とこれに対向する周溝の外周面
７′が、それぞれ、ロー付け１１によって気密接着され
る。

かくして形成された、Ｘ線取出し管３およびベリリュウ
ム酸の窓板７からなるベリリュウム窓は、器壁１と共に
、高真空雰囲気１２と大気圧雰囲気１３の境界を形成す
る。

以上の説明について、ベリリュウム酸の窓板７の形状に
ついては、言及しなかったが、これは、円形、楕円形、
かどを丸めた長方形などの、種種な形状でよい。

周溝５はもちろん、この形状に対応した形状を有する。

この考案のベリリュウム窓は、上述のように構成されて
いるので、ローのぬれを良くするための研磨またはラッ
プ仕上げによる平坦加工は、比較的幅のせまい周縁部８
の端面９だけに施されるだけであるから、難なく達成さ
れる。

従って、確実な気密接着が容易に得られる。

この気密接着はさらに、周縁部８の外周面の少くとも前
端部分と、これに対向する周溝５の外周面７′との間の
、ロー付けによ気密接着によって、援助される。

しかも、このロー付けによる気密接着は、端面９と底面
１０との間ロー付けによる気密接着と、一緒に遠戚でき
る。

さらに、この考案によるわん曲したベリリュウム製窓板
は、平板のものより大気・真空間の差圧に対して強く、
従って同一面積の場合に平板より薄くできる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案によるベリリュウム窓の１実施例の長
手断面図である。 図面において、１は器壁、３はＸ線取出し管、４はフラ
ンジ、５は周溝、７は窓板、７′は周溝の外周面、８は
窓板の周縁部、９は周縁部の端面、１０は周溝の底面、
１１はロー付け、１２は高真空雰囲気、１３は大気圧雰
囲気を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｘ線を発生する装置の器壁の内方の高真空雰囲気から、
   前記器壁の外方の大気圧雰囲気に、前記Ｘ線を取出すた
   めに、前記器壁に設けられた、前記高真空雰囲気と前記
   大気圧雰囲気の境界を前記器壁と共に形成する、ベリリ
   ュウム窓において、前記べＩＪ ＩＪニウム窓が、前記
   器壁に固定されかつこれから外方へ突出するＸ線取出し
   管と、このＸ線取出し管に取付けられるベリリュウム酸
   の窓板とからなり、前記Ｘ線取出し管が、これの外端に
   設けられた銅製のフランジを有し、このフランジの外面
   に周溝が形成され、前記窓板が、内向きにわん曲した周
   縁部を備え、この周縁部の平坦に形成された端面、およ
   び前記周縁部の外側面の少くとも前端部分が、前記周溝
   の底面および外周面に、それぞれロー付けで気密接着さ
   れていること、を特徴とするベリリュウム窓。