JPS6030102Y2 - 移動シ−トを有する座席 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車両の後部座席に特に有効に用いら
れる移動シートを有する座席に関する。

従来より座席のスペースを拡大する方法としては座席の
背もたれを後方に倒して背もたれと座部との高さを略々
同一高さに保持して座席をベット替りに使用する等の方
法が用いられている。

然し乍ら自動車等の後部座席においては背もたれを後方
に倒すスペースが存在せず従来の如き方法により座席の
スペースを拡大する事が出来ない欠点を有していた。

本考案の目的は座席の背もたれを後方に倒さずに座席の
スペースを拡大する事が出来る移動シートを有する座席
を提供するもので、以下図面を参照して詳述する所より
明らかとなるであろう。

第１図及び第２図には本考案に係る移動シートを有する
座席の第１実施例が示されており、この座席１０は固定
シート１２と移動シート１３とを有スるクッション１１
と、該クッション１１の後方に設けられる適宜の形状の
シートバック１４とから戊り、前記固定シート１２は上
面にし状溝１６が形成されて固定シート１２の両側部に
夫々段部１７が形成されており、この段部１７の内側に
は夫々クッション１１の前後方向に延びるガイド溝１８
が形成され、更にこのガイド溝１８はクッション１１の
前方において後述する移動シート１３の厚さ分だけ下方
に下がった段部１８ａを有し、この前方に形成された段
部１８ａとガイド溝１８の中央部１８ｃとは傾斜部１８
ｂを介して連続している。

また固定シート１２のし状溝１６の前方部分には切欠部
２０が形成されている。

前記移動シート１３は固定シート１２のし状溝１６に収
納される大きさを有し、この移動シート１３の両側部の
後方には外力に突出するガイド部材２１が取付けられて
おり、このガイド部材２１が前記固定シート１２の両側
部に形成されたガイド溝１８に挿入されて移動シート１
３が前後動自在に取付けられているものであり、更に移
動シート１３の前面側下部には前記固定シート１２の前
面側に形成された切欠部２０に収納される突出部２３が
形成されている。

尚本実施例においては固定シート１２の段部１７の内側
に夫々ガイド溝１８を形成し、移動シート１３の両側部
にガイド部材２１を突出形成した場合につき説明したが
、ガイド溝１８及びガイド部材２１とを夫々前述のもの
とは逆に移動シート１３及び固定シート１２に夫々形成
する事も出来、この場合ガイド溝１８の段部１８ａは移
動シート１３の後方側で上方に形成し、またガイド部材
２１は固定シート１２の内側前方に形成すればよいもの
である。

以上が本考案に係る移動シートを有する座席の第１実施
例の構成であるが、斯る構成によれば、移動シート１３
の前方の突出部２３が切欠部２０に収納されて、移動シ
ート１３が固定シート１２上面に載置されている状態に
おいては通常の座席として使用する事が出来、また移動
シート１３を前方に移動させた場合には、ガイド溝１８
の段部１８ａにより移動シート１３の上面位置が固定シ
ートの上面位位置と略々同一高さに保持され、然も固定
シート１２の前面側下部の切欠部２０が形成されている
ので移動シート１３の後方が固定シート１２の前面側の
切欠部２０に収納されて移動シート１３が降下するのを
防害される虞れがなく移動シート１３をスムーズに移動
させる事が出来、更に移動シート１３を後方に戻す場合
にもガイド溝１８の中央部１８ｃと段部１８ａとは滑ら
かな傾斜部１８ｂを介して連続しているので極めて容易
に移動させる事が出来るものである。

尚移動シート１３を前方に移動させた場合に強度的に不
安がある場合には移動シート１３の前面側の突出部２３
に収納されるような折畳式の脚部を取付ける事も出来る
。

第３図乃至第５図には本考案に係る移動シートを有する
座席の第２実施例の概略が示されており、この第２実施
例のクッション３１は固定シート３２と移動シート３３
とを有し、前記固定シート３２の前方には下方に向う傾
斜部３４を介して切欠部３５が形成されており、また固
定シート３２の後方には上方に向う傾斜部３６が形成さ
れている。

更に前記固定シート３２の両側部に近接する上面には第
５図に示すようにクッション３１の前後方向に延びるガ
イド溝３７が形成されている。

尚前記固定シート３２の前方向に切欠部３５が形成され
ているのでこのガイド溝３７も固定シート３２の上面に
沿って傾斜部３７ｂを介して段部３７ａが形成されてい
るものである。

移動シート３３は前記固定シート３２の上面形状に沿う
下面形状を有するもので、即ち前記固定シート３２の前
方の切欠部３５に当接する移動シート３３の前方には肉
厚に形成された突出部３９が形成されており、また前記
固定シート３２のガイド溝３７と対向する移動シート３
３の下面の最後部にはガイド部材４１が取付けられてお
り、このガイド部材４１は例えば断面り字状に形成して
前記ガイド溝３７より脱落しないように構成されている
。

第２実施例の構成によれば、クッション３１の上面全体
が移動シート３３となされており、第１実施例の如くク
ッション３１の両側部に固定シート３２の段部が突出し
ていないのでクッション３１のスペースを更に拡大して
使用する事が出来、然も第１実施例と同様に固定シート
３２の前方の切欠部３５に移動シート３３の前方の肉厚
に形成された突出部３９が載置されて通常のクッション
３１として使用出来、スペースを拡大する場合には固定
シート３２の前方の切欠部３５に移動シート３３の後方
が受けられて固定シート３２及び移動シート３３の上面
位置を略々同一高さに保持する事が出来、更に傾斜部３
４及び３７ｂの存在により移動シート３３の前後動を極
めて容易に行える。

本考案に係る移動シートを有する座席によれば、座席の
背もたれを後方に倒す事が出来ない自動車等の後部座席
においても座席のスペースを拡大する事が出来、然も、
移動シートの上面位置と固定シートの上面位置とを略々
同一高さに保持する事が出来、移動シートを簡易迅速に
前後動させる事が出来る等種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動シートを有する座席の第１実
施例を示す概略的斜視図、第２図は第１図の側面説明図
、第３図及び第４図は第２実施例を示す斜視図、第５図
は第４図のＡ−Ａ断面図である。 図中、１０・・・・・・移動シートを有する座席、１１
．３１・・・・・・クッション、１２．３２・・・・・
・固定シト、１３，３３・・・・・・移動シート、１６
・・・・・・し状溝、“ １８゜ ３７・・・・・・ガイド溝、 １８ａ。 ３７ａ・・・ ・・・段部、２０，３５・・・・・・切欠部、２１，４
１・・・・・・ガイド部材、２３，３９・・・・・・突
出部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）前面上部に切欠部が形成された固定シートと、該
   固定シートの上面に載置され、且つ前記切欠部に通常時
   収納される突出部が形成された移動シートとを有し、前
   記固定シートと移動シートの当接面の何れか一方の両側
   部に前後方向に延び且つ上下方向に段部を有し、該段部
   が傾斜部を介して中央部と連続するガイド溝が形成され
   、他方に前記ガイド溝によりガイドされるガイド部材が
   形成され、前記移動シートを前方に移動させた場合に前
   記固定シートの上面位置と移動シートの上面位置とを略
   々同一高さに保持して座席スペースを拡大する事が出来
   る事を特徴とする移動シートを有する座席。
2. （２）前記固定シートが上面にＵ状溝を有し、前記移動
   シートが前記固定シートのＵ状溝に収納さている事を特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の移動シー
   トを有する座席。