JPS6028030Y2 - カラ−受像管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラー受像管に関し、特にシャドウマスクを保
持するマスクフレームとインナーシールド及ヒ又はエレ
クトロンシールドとを係止する構造を改善して特性の向
上をはかることを目的とするものである。

一般にシャドウマスク型カラー受像管（以下カラー受像
管という）は、パネル内面に赤、緑、青の３色発光けい
光体がドツト状又はストライプ状に規則正しく塗布され
、これら３色けい光体にそれぞれの電子銃から電子ビー
ムをシャドウマスクの透孔を通して射突し、カラー画像
を再現している。

このようなカラー受像管では、電子ビームのオーバース
キャン等による不所望の電子ビームが前記けい光体に射
突しないように、シャドウマスクを取着したマスクフレ
ーム上面にバルブ側壁部との間と管内方向とに延伸した
エレクトロンシールドが設けられ、過偏向された電子ビ
ームをしや蔽して色純度の低下を防ぎ、又、地磁気によ
る電子ビームのミスランディングを防止するために有効
なインナーシールドをシャドウマスクの取着されたマス
クフレームの上面に、ファンネルの内壁にそってほぼ平
行にネック部に向けて配設している。

このようにエレクトロンシールドやインナーシールドが
取りつけられる場合型として電気溶接を用いていたが、
この方法では溶接待発生するスパークなどによって異物
質がカラー受像管内部に飛散し、シャドウマスクの目づ
まりを起しゃすぐ問題となっていた。

この異物質を除去するために種々の構造が考えられてい
るが、良好な方法として異物質を飛散させない機械的係
止方法が使用されている。

その１例を第１図によって説明する。パネル１の内面に
形成されたけい光面２に規則正しく電子ビーム通過孔の
穿設されたシャドウマスク３が所定の間隔をもって対設
され、このシャドウマスク３の端縁部４は断面形状はぼ
Ｌ字形のマスクフレーム５の一辺に取りつけられている
。

さらにこのマスクフレーム５の上面には、たとえばイン
ナーシールド６がバルブのファンネル７内壁にそってネ
ック部８に向って延伸して取着されている。

前記ネック部８内には電子銃９が封止されている。

前記インナーシールドのほかにエレクトロンシールド１
０が前記マスクフレーム５上面にバルブ側壁方向や管内
方向に延伸して配設されているものもある。

このようにマスクフレームにインナーシールド及び又は
エレクトロンシールドを配設するには、それぞれに設け
た通孔に係止ピンを挿入して係止されている。

その状態を第２図、第３図に示す。

第２図に示すように、パネルのけい光面２に対向してシ
ャドウマスク３が配設され、このマスク３の端縁部がマ
スクフレーム５の一辺に取りつけられて、マスクフレー
ム５の上面にはインナーシールド６がファンネル７内壁
にそってネック部方向に延伸して取着されている。

前記マスクフレーム５とインナーシールド６にはそれぞ
れ係止ピン用通孔１１．１１’が設けられていて、所定
通りインナーシールド６をマスクフレーム５上面にそれ
ぞれの通孔を合わせて配置し、係止ピン１２を通孔に挿
入して係止する。

このときインナーシールドの管内への延伸部分６Ａはエ
レクトロンシールドの役目をするものである。

又、第３図に示すものは、インナーシールドとエレクト
ロンシールドとが配設されたものであって、図中第２図
と同一部分は同じ記号にて示す。

パネルのけい光面２に対向してシャドウマスク３が配設
され、このシャドウマスクの端縁部がマスクフレーム５
の一辺に取りつけられ、マスクフレームの上面にはイン
ナーシールド６がファンネル７内壁にそってネック部方
向に延伸して取着され、さらにエレクトロンシールド１
４がバルブ１５側壁方向と管内方向に延伸してマスクフ
レームの上面に取着されている。

これらマスクフレームとエレクトロンシールドとインナ
ーシールドとが所定の位置で係止できるようにそれぞれ
係止用通孔１６．１６’、１６″が設けられ、重ね合わ
された通孔に係止ピン１７を挿入してインナーシールド
とエレクトロンシールドをマスクフレームに係止する。

しかしながらこのように取着されるインナーシールドや
エレクトロンシールドやマスクフレームはそれぞれが接
触する底面を一様に接触することが出来るように製作す
ることは製作精度上きわめてむづかしく、前記のように
取りつけたときにはそれぞれの間には微細な空隙が生ず
るものである。

さらにカラーテレビ装置にカラー受像管が組みこまれて
使用されるとき、スピーカの音声がある周波数領域に達
した場合にインナーシールドやエレクトロンシールド又
はマスクフレーム等がバルブを介して共振をおこすこと
があり、雑音を発生する。

特に前記したようにマスクフレームとインナーシールド
及び又はエレクトロンシールドとの不安定な接触状態、
すなわち接触圧が弱い場合やきわめて僅かの間隔がおい
ている状態のときには、これらが当って振動を起こし異
常音を生じて、視聴者に不快感を与えるものである。

さらに異常音の発生だけでなく、けい光面とシャドウマ
スクと間隔が振動によって可変するときは重大な映像の
障害を生ずる。

更にカラーテレビ装置には、地磁気の影響でカラー受像
管内のマスクフレーム、シャドウマスク、インナーシー
ルド等が着磁した場合に、これを脱磁して色むらを除く
ため消磁コイルが取りつけられていて、この消磁コイル
が作動したときにも、磁性体が共振してインナーシール
ド等が振動してマスクフレームとの間で雑音を発生した
り、前記したような不具合を生ずる。

本考案はこれらの点にかんがみなされたもので、マスク
フレームとインナーシールド及び又はエレクトロンシー
ルドとの安定な接触状態の保持されたカラー受像管を提
供するものである。

すなわちマスクフレームか、インナーシールド及び又は
エレクトロンシールドの何れか一方のマスクフレームか
インナーシールド及び又はエレクトロンシールドとの係
止部又は係止部の両側に凸部を設け、これら凸部でのみ
マスクフレームとインナーシールド及び又はエレクトロ
ンシールドとが接触し弾接係止されるようにしたことを
特徴とする。

以下図面を参照して本考案の実施例について説明する。

第４図は本考案の１実施例を示す要部断面図にして、第
２図と共通の部分は同じ番号で示し、カラー受像管とし
ての全体の構成については説明を省略する。

第４図にシャドウマスク３の取りつけられたマスクフレ
ーム５の上面にインナーシールド６が取着されたものに
ついて説明する。

マスクフレーム５には図示のように係止ピン用通孔２１
が設けられ、インナーシールド６が所定通りマスクフレ
ーム５に重ねあわせて配置されたとき前記通孔２１に対
向するようにインナーシールドに係止ピン用通孔２２が
設けられ、この通孔２２の両側にそれぞれ凸部２３が形
成されている４゜このようなインナーシールド６をマス
クフレーム５に取着するには、それぞれの通孔２１，２
２を合わせて配置し、係止ピン２４を通孔に挿入して係
止する。

このときは、たとえ前記したようにマスクフレームとイ
ンナーシールドのそれぞれの対向面が精密な平担度を有
する平面に製作されていなくても、両者は係止部の通孔
に挿入されるばね材で製作されている係止ピンにて圧力
を加えて弾接係止され、通孔の両側の凸部のみで両者は
完全に接触し、その他の部分では振動が誘起されるよう
なときも振動して接触することのない間隔を保持し、従
来のように両者が接触して雑音を発することはない。

前記凸部は０．５〜３Ｗ７１程度の高さに普通形成され
ていて、マスクフレームとインナーシールドが振動した
場合にはこの凸部以外の相対する部分では両者が接触し
ない程度の間隔とすべきであり、０．５訓以上が好まし
い。

以上はインナーシールドに凸部を設けたものについて述
べたが、第５図に示すようにマスクフレーム５側の係止
ピン用通孔３１の両側近傍に凸部３２を設け、インナー
シールドの係止ピン用通孔３３と前記通孔３１とを合わ
せ、係止ピン３４を挿入して係止しても同じような効果
を示すものである。

又、第６図や第７図に示すように、インナーシールド６
又はマスクフレーム５の係止ピン用通孔４１．５１をそ
れぞれインナーシールド又はマスクフレームに形成した
凸部４２．５２に設けて、マスクフレーム５又はインナ
ーシールド６に設けた通孔４３，５３とあわせて、それ
ぞれ係止ピン４４．５４をこれら通孔に挿入して係止し
たものでも同じような効果を示すものである。

以上のように本考案のものは、カラー受像管のインナー
シールドとマスクフレームの係止部又はその近傍におい
て、インナーシールド又はマスクフレームのどちらかに
複数個の凸部を設けたので、マスクフレームとインナー
シールドとを安定に接触係止することができ振動を防止
することが可能となった。

また過偏向された電子ビームはインナーシールドにもあ
たりインナーシールドの温度上昇をもたらし、ピユリテ
ィドリフ１〜を阻害し色純度劣化等の原因になるが、マ
スクフレームとインナーシールドの接触点が少ないため
、インナーシールドからマスクフレームへの熱伝導率が
悪くなり、マスクフレームの温度上昇を小さくする効果
を有している。

又、シャドウマスクも所定の間隔を保つことができ映像
に障害をあたえることもない。

さらにインナーシールドとマスクフレームの接触点が少
ないため製作時に両者間でこすり合って生ずるごみなど
の異物が減少し、シャドウマスクの目づまりによる耐電
圧特性劣化が改善されるなどの利点を有し、工業的価値
の大きいカラー受像管を提供することができる。

以上はマスクフレームにインナーシールドが取着される
カラー受像管について説明したが、これに限るものでな
く、マスクフレームにインナーシールドとエレクトロン
シールドが取着されたものやエレクトロンシールドが取
着されたものにおいても、前記したと同じようにそれぞ
れ凸部を形成して係止ピンにて係止したカラー受像管も
前記のカラー受像管と同じような効果を奏し、工業的に
有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラー受像管の概略断面図、第２図は従来のカ
ラー受像管を示す要部断面図、第３図は同じ〈従来のカ
ラー受像管を示す要部断面図、第４図は本考案の実施例
を示す要部断面図、第５図、第６図及び第７図は本考案
の他の実施例の要部を示す図である。 １・・・・・・パネル、２・・・・・・けい光面、３・
・・・・・シャドウマスク、５・・・・・・マスクフレ
ーム、６・・・・・・インナーシールド、７・・・・・
・ファンネル、８・・・・・・ネック部、２１・・・・
・・マスクフレームに設けられた通孔、２３・・・・・
・インナーシールドに設けられた凸部、２２・・・・・
・インナーシールドの通孔、２４・・・・・・係止ピン
、３２，５２・・・・・・マスクフレームに設けられた
凸部、４２・・・・・・インナーシールドに設けられた
凸部、３４，４４．５４・・・・・・係止ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル内面に形成されたけい光面に対向して所定間隔を
   保って配設されたシャドウマスクと、このシャドウマス
   クの端縁部を保持するマスクフレームと、このマスクフ
   レームに複数個所にて係止ピンで係止されたインナーシ
   ールド及び又はエレクトロンシールドを具備し、前記マ
   スクフレームか、インナーシールド及び又はエレクトロ
   ンシールドの何れか一方の前記係止部又は係止部の両側
   に凸部を設け、これらの凸部にてマスクフレームとイン
   ナーシールド及び又はエレクトロンシールドとを接触さ
   せ係止ピンにて弾接係止したことを特徴とするカラー受
   像管。