JPS6027736B2 - 連続式コイル熱処理炉における金属ストリツプコイルの加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、連続式コイル熱処理炉における金属ストリ
ップコイルの加熱装置に関し、とくにコイルの下面にも
加熱を施して、コイル全体の均一かつ迅速な加熱により
効果的な熱処理を実現しようとするものである。

冷間加工を施された金属ストリップはそのままでは非常
に硬く、折り曲げ、深絞りなどの加工性が極めて悪い。

従って一般に機械的性質を改善して加工性を付与させる
べく用途に応じた適当な競なましを施している。この焼
なまいこは種々の方法があるが、良好な材質が得られる
のに加えて設備増強のしやすさ、操業の応用性からコイ
ル暁鎚、中でも連続して移動する台車上にコイルを積載
してマッフルで覆い、その外側から適当な加熱手段を用
いてコイルの熱処理を行なういわゆる蓮続式コイル熱処
理炉を用いたコイル暁錨が広く利用されている。しかし
ながらこの連続式コイル熱処理炉は頚射炉であり、コイ
ルを覆ったマッフルの上面および側面からだけの加熱で
あるため、とくにコイル下部の温度があがりにくいとこ
ろに問題を残していた。

すなわち第１図に従釆の連続式トンネル型熱処理炉の概
略を示したように、台車１上に置かれたコイル３は、上
面および側面からのみ熱を受ける形式であるためどうし
てもコイル下面の温度は上がりにくし、。

しかも積層したコイルでは、その内外周面からの熱伝導
率は巻き取られたストリップ各層間の空隙などにより低
く、端面からのそれの１／１の星度であるため、側面か
らの加熱は不利であり、熱効率も低かったのである。そ
こで炉床に循環ファンを設け、マツフル内の雰囲気を蝿
拝、循環させることにより、コイルを均一に加熱しよう
とする方法が試みられたが、この方法はコイルの加熱温
度が９０び０以下の場合はまだしも、９００００を超え
る場合たとえばけし、素鋼の熱処理時においては循環フ
ァンの羽根車の遠心力による応力が高温クＩＪープ強度
限界を越えるためやはり適用することができなかった。

また頚射、対流、伝導という３つの形態の熱伝導は、高
温になるほど韓射が支配的になってくるため、上述の連
続式コイル熱処理炉におけるコイルの均一加熱は一層困
難となっていたのである。

この発明は、上記の問題を解決するもので、連続式コイ
ル熱処理炉におけるコイル焼錨に際し、該コイルをその
下面から有利に加熱して、該コイル全体を均一かつ効率
よく加熱できる金属ストリップコイルの加熱装置を提案
するものである。すなわちこの発明は、炉床が間けつ歩
進する金属ストリップの連続式コイル熱処理炉において
、該金属ストリップのコイルにかぶせたマツフルの内部
で、内部をすのこ状にくり抜いたコイル台上に載層した
該コイルの下端面に対向して電熱ヒータを炉床上に同じ
円形状に配設し、該電熱ヒータに温度制御装置を設ける
と共に、炉床の各停止位置で該電熱ヒータを接続する電
源を配して成る連続式コイル熱処理炉における金属スト
リップコイルの加熱装置である。さて第２図に、この発
明を連続式トンネル型熱処理炉に適用した場合の具体例
について示し、図中番号１は炉床を構成し間けつ歩進す
る台車、２はれんが、カオウールなどでラィニングされ
た炉横、そして３がコイルである。

また４ａはコイル台、４ｂはコイル台受であり、コイル
３はコイル台４ａ上に積載された、全体をマッフル５で
覆われている。マッフル５の下端は、それに沿って台車
１上に刻まれた構内のシール材６でシールされていて、
マッフル５内の雰囲気を外気から完全にしや断している
。さて従釆コイル３を加熱するには、炉構２の天井部、
側壁部に取付けた加熱装置たとえば加熱用ヒータ７ａ，
７ｂにより上面および側面のみから加熱していたのであ
るが、この発明では該コイル３の端面に向って電熱ヒー
タ７ｃを、図示のように台車１の上面とコイル台４ａの
下面におよびコイル台受４ｂの外周で囲われた空隙に設
置してコイル３をその下端面から加熱、するのである。

このときコイル台４ａは、その内部をすのこ状にくり抜
き、また炉床の電熱ヒータ７ｃは第３図に示すように、
コイル台４ａ上のコイル下端面と相対するような同心円
形状の配置とすることによって熱効率のより一層の向上
を図る。またコイル台４ａは、９００午○以上の高温に
おいてコイル重量を支えるため、高温クリープ温度が高
く耐酸化性に優れた材料を用いることが肝要であり、た
とえば外径１７０物ゆで１５トンのコイルを支持する場
合には、コイル台の厚み１５０〜２５比めでＳＵＳ３１
０、ＳＵＳ３０９ ＳＣＨ２２、ＳＣＨ１３などが有利
に適合した。

なお第２図中８は炉外の電源（図示省略）から電熱ヒー
タ７ｃに電力を供給するためのセクショントロリーであ
り、集電子９を介して電力を供給する。

この集電子９はセクショントロリー８に接して自由に滑
り移動することができ、台車１の移動の際に支障がない
ようになっている。１０は電源引込み用のターミナルで
ある。

次に連続式トンネル型熱処理炉の縦断面を示した第４図
により実際の熱処理工程における電力の供給要領につい
て説明する。

同図は交流電源を用いて炉床ヒータ７ｃへの電力を供給
する場合である。セクショントロリー８は一本で、導軍
部８ａは絶縁部８ｂで分割され、各コイル３の停止位置
で各炉床ヒータ７ｃはそれぞれ独立した電源と接続する
ようになっている。１１はサイリスタを使用した電圧調
整器であり、図示ま省略した温度制御系により各コイル
毎に制御可能なように台車１毎にそれぞれ設置してある
。

１２は電気回路のしや断器である。

さて、台車１の停止中は電気回路は閉ざされ電流が流れ
ているが、移動時には、移動指令によりまず炉床の電熱
ヒータ７ｃの電気回路をしや断器１２により一斉にしや
断する。

次いで台車１の移動を開始し、１ピッチ移動して所定の
位道に到達停止したら、しや断器１２に復帰指令を発し
て再び電力を供給するのである。この動作を繰返すこと
によりコイル３をその下面から有利に加熱することがで
き、また各コイル毎に所望の熱処理を施すことも可能に
なる。ただし電力の供給は同時ではなく各台車毎に順次
行うことが肝要である。

これは電力の同時投入による電源トランスの電圧降下を
防ぎ、電源トランスに電磁石などの負荷が後続されてい
ることのために生じる落下事故発生の危険性を回避する
ためである。０ 以上この発明を直線型の連続式トンネ
ル型熱処理炉に適用した場合について主に説明したが、
この発明は直線型に限られるものではなく回転炉床式の
連続炉に対しても同様に適用できるのは勿論である。

かくしてこの発明により次の効果が実現できる。

１ 金属ストリップコイルを上面および側面からのみな
らず下面からも有利に加熱できるため、均一な温度分布
が得られ、また熱効率が大幅に向上する。

２ 炉床の電熱ヒータは該炉床の各停止位置でそれぞれ
独立して電源と接続できるため、電熱ヒータに対し電源
の順次投入が可能となり、電源の同時投入による電源ト
ランスの電圧降下に基因する事故を有利に回避できる。

図面の簡単な説明第１図は従来の連続式コイル熱処理炉
の横断面図、第２図はこの発明を適用した連続式コイル
熱処理炉の横断面図、第３図は炉床上電熱ヒータの一配
置例を示した平面図、第４図は炉床電熱ヒータへの電力
供給要領の説明図である。

１・・・・・・台車、２・・・・・・炉構、３・・・・
・・コイル、４ａ・・・・・・コイル台、４ｂ・・・・
・・コイル台受、５・・・・・・マッフル、６・・・・
・・シ、‐ル材、７ａ，７ｂ，７ｃ・・・・・・電熱ヒ
ータ、８……セクショントロリー、９……集電子、１０
・・・・・・電線引込み用ターミナル、１１ーー電圧調
整器、１２・・・・・・しや断器。

第１図第２図 第４図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉床が間けつ歩進する金属ストリツプの連続式コイ
   ル熱処理炉において、該金属ストリツプのコイルにかぶ
   せたマツフルの内部で、内部をすのこ状にくり抜いたコ
   イル台上に載置した該コイルの下端面に対向して電熱ヒ
   ータを炉床上に同心円形状に配設し、該電熱ヒータに温
   度制御装置を設けると共に、炉床の各停止位置で該電熱
   ヒータと接続する電源を配して成る連続式コイル熱処理
   炉における金属ストリツプコイルの加熱装置。