JPS6026124Y2 - 管体熱処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鋳鉄管等の管体の熱処理装置に関する。

鋳鉄管の熱処理として、管体を一定温度まで上昇させた
後所定の冷却速度で除冷することによって所望のフェラ
イト組織を得るものがある。

この熱処理にあたり、従来は管体を搬送しながら加熱及
び除冷する連続炉が多用されているが、管体の徐冷のた
めにかなり長い距離を必要とし、大きなスペースを必要
とする。

またスペースが大きいため熱損失も大きかった。

一方、バッチ式炉も利用されているが非能率であった。

本考案は上記の問題点を解消し、小さなスペースで効率
良く処理でき、さらに管体が熱処理中にその高温のため
に楕円化するのを防止できる熱処理装置を提供するもの
である。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において１は水平な軸心０まわりに回転自在なド
ラムであって、その外周に周方向等間隔おきに複数の突
起２が設けられ、該突起２により管体Ｐを係合支持する
管体支持部３が構成されている。

前記ドラム１はその軸心０がはＳ゛管体Ｐの搬入搬出面
４及び５と同じ高さになる様に配置されている。

ドラム１の外周上半分に沿って前記搬入面４を搬出面５
を接続する管体案内レール６が配設されており、ドラム
１の下半分は床面に設けたピット７内に位置している。

８は床面上に設けられた搬入輪台で、その上面の搬入面
４はドラム１側に向かって僅かに下方に傾斜している。

９は床面上に設けられた搬出輪台で、その上面の搬出面
５はドラム１から遠去かる方向に僅かに下方に傾斜して
いる。

１０は前記ドラム１０の上半分の外周を覆う炉体であっ
て、その内面とドラム１外周面との間に管体Ｐの通過を
十分に許す間隔かあけられている。

該炉体１０のドラム周方向の一端、すなわち炉体１０の
搬入輪台８側の端部は搬入面４とはＳ゛平面延出されて
管体入口１１が形成され、また他端、すなわち搬入輪台
９側の端部は短く延出されて管体出口１２が形成され、
それらの開口端には上端を揺動自在に支持された開閉扉
１３．１４が設けられている。

入口の開閉扉１３は炉体１内側に向かって開かれ、管体
Ｐ搬入時に炉体１内が外気に完全に連通してしまわない
様にしである。

出口の開閉扉１４は炉体１の外側に向かって開かれる。

１５は炉体１の入口近傍に配設された管体加熱用バーナ
である。

第１図では、ドラム１回転時に管体Ｐが管体案内レール
６上を転がって回転しながら移送されるが、この手段に
替えてドラム１外周に管体Ｐを積極的にその軸心まわり
に回転する適当な手段を設けることもできる。

その回転手段の一例としては、第２図に示す様にドラム
１の外周の突起２゜２間に一対の管体支持ローラ１６ａ
、１６ｂを設けると共にこのローラ１６ａ、１６ｂに回
転駆動用ピニオン１７を取付け、ドラム１の上半分の適
当な領域にわたって前記ピニオン１７が噛合する円弧状
のラック１８を配設し、ドラム１の回転に伴なってロー
ラ１６ａ１６ｂが回転する様にしたものがある。

また、第３図に示す様に、ドラム１の軸心０に対して上
方に偏心した軸心Ｑまわりにドラム１よりも高速で回転
する管体回転用ドラム１９を設けたものもある。

この管体回転用ドラム１９の上部はドラム１の上部より
若干上方に突出しており、ドラム１外周上の管体Ｐは突
起２とこの管体回転用ドラム１９とにより保持されると
共に管体回転用ドラム１９の回転に伴なって自転する。

次に動作を説明すると、図外遠心鋳造機から引抜かれた
管体Ｐが赤熱状態のま）搬入面４上を転動してくると開
閉扉１３が開かれ、管体Ｐは管体入口１１から炉体１内
に入り、ドラム１外周に至る。

ドラム１の回転によって管体Ｐは突起２で支持されて上
方に向かって移動する。

ドラム１の回転に伴なって管体Ｐはまずその上昇途中で
バーナ１５によって所定温度まで加熱され、頂部に達す
るまで保持された後下降過程で徐冷され、ドラム１の軸
心０とほぼ同じ高さ位置まで下降すると管体Ｐは突起２
上から搬出面５上に転出腰管体出口１２から炉体１外に
搬出される。

この間に管体Ｐはその軸心まわりに回転しながらドラム
外周に沿って移送され加熱、保持、徐冷工程を通過する
ので、高温によって楕円化することなく所期の熱処理が
完了する。

また管体Ｐは円弧状経路を通過するのでスペースが小さ
く済み、さらに高温域が上部に位置するので、熱気流を
有効に利用てき熱管理が容易である。

また、ドラム１の回転速度を変えることにより熱処理時
間のコントロールを行なえる。

なお、上記実施例では、突起２は固定式のものを示した
が、出退可能に構成することもでき、その場合さらに多
数の突起２を設けて熱処理すべき管体Ｐの径に応じて突
出している突起２のピッチを変更できる様にすることも
できる。

さらに管体支持部３として単なる突起２のかわりに適当
な管体保持装置を用いることも可能である。

本考案の管体熱処理装置によると、以上の説明から明ら
かな様に、管体をドラム外周に沿って円弧状に移送する
ので、設置スペースが小さくて済み、かつ高温域が上部
に位置するので熱管理が容易である。

また、管体の回転手段が設けられているので、高温での
熱処理にかかわらず楕円化することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断正面図、第２図及び第
３図は回転手段の変形例を示す概略正面図である。 １・・・・・・ドラム、２・・・・・・突起、３・・・
・・・管体支持部、４・・・・・・搬入面、５・・・・
・・搬出明、６・・・・・・管体案内レール、１０・・
・・・・炉体、１１・・・・・・管体入口、１２・・・
・・・管体出口、１３，１４・・・・・・開閉扉、１５
・・・・・・バーナ、１６ａ、１６ｂ・・・・・・管体
支持ローラ、１７・・・・・・ピニオン、１８・・・・
・・円弧状ラック、１９・・・・・・管体回転用ドラム
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周に複数の管体支持部を形成したドラムを水平軸心ま
   わりに回転可能に設けると共に、管体支持部上の管体を
   回転する手段を設け、該ドラムの上半分の外周を管体の
   通過を許す間隔をあけて覆いかつドラム周方向の一端に
   管体入口を他端に骨休出口を有する炉体を設けたことを
   特徴とする管体熱処理装置。