JPS6024909Y2 - 横型エンジン

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【考案の詳細な説明】この考案は、ラジェータを装備した横型エンジンの改良
に関する。

従来の横型エンジンにおいては、一般にクランクケース
の上部に燃料タンク、シリンダの上部相当位置にラジェ
ータを直接搭載する形態がとられており、エンジン本体
の上部に燃料タンクとラジェータが並置されていた。

このためタンク容量を増すためにタンク高さを大きくす
るとラジェータと段差が生じて外形上好ましくなく、む
やみにタンク容量を増大できないものとなっていた。

又、タンクが高くなるとエンジン振動による悪影響を受
けやすくなり、タンク支持構造に無理が働いて変形や破
損を招くとともに、エンジン全体としての重心が高くな
って安定性も低下するものであった。

この考案は、このような問題を解消するとともに、ラジ
ェータの組付けの容易化をも図ろうとしたものであり、
その特徴とするところは、クランクケースカバーにラジ
ェータを取付けるとともに、クランクケースの上部とラ
ジェータの上部に亘って燃料タンクを設置するようにし
た点にある。

以下この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図は横型ディーゼルエンジンを示し、横向きのシリンダ
を装備したクランクケース１の横−側端に、内装部品の
組込み用の開口部が形成され、この開口を閉塞するクラ
ンクケースカバー２がボルト止めされている。

そして、更にこのクランクケースカバー２の外側にはラ
ジェータ３がボルト止め連結されている。

又、クランクケース１とラジェータ３の上部に亘る燃料
タンク４が支持脚５゜５を介して配設されている。

ラジェータ３の前面にはエンジン出力にて駆動される冷
却ファン６が配備され、又、ラジェータ３のアッパータ
ンク７及びロアータンク８が夫々エンジンの冷却水ジャ
ケットにパイプ９，１０にて連通接続されている。

そして、ロアータンク８からの低温水を戻すパイプ１０
は第３図に示すようにクランクケース１下部のオイル溜
り部を通過するよう配備され、ラジェータ冷却水でエン
ジンオイルの冷却をも行うよう構成されている。

尚、このパイプ８は第４図に示すようにクランクケース
１の下部に形成した溝１１に通すもよく、もしくは第３
図中仮想線で示すようクランクケース１の外部を通すも
よい。

又、ラジェータ３自体をクランクケースカバー２と共線
めでクランクケース１に取付けるもよい。

又、燃料タンク４をクランクケース１の上部だけに設け
ても従来形態に比して大型に形成できるものである。

以上説明したようにこの考案によれば、ラジェータをク
ランクケースカバーの外側に取付けるので、クランクケ
ースの上部を広く使用することができ、平面積の大きい
燃料タンクをクランクケースの上部に設けることが可能
となり、タンク高さを大きくすることなく大容量のタン
クを構成することも容易となった。

又、タンクが低いとエンジン振動によってタンク支持構
造に無理が働くこともなく、且つエンジン全体の重心も
低くなって安定性が向上した。

特に実施例のように燃料タンクをラジェータの上方にま
で延出すれば、一層のタンク容量の増大、もしくはタン
ク高さの減少を図るのに有効となるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は全体正面図、
第２図は概略平面図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ線
断面図、第４図は第３図に相当する別の実施例を示す断
面図である。１・・・・・・クランクケース、２・・・・・・クラン
クケースカバー３・・・・・・ラジェータ、４・・・
・・・燃料タンク。