JPS6023352Y2 - 液面調整装置を具備した繊維製品処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液面調整装置を具備した繊維製品処理装置に関
するもので、その目的とするところは液流染色機のよう
な装置で処理液の温度上昇あるいは助剤の注入による発
泡現象等に基づく処理液面の上昇を制御し、常時一定に
保持できる繊維製品処理装置を提供しようとするもので
ある。

処理液温度が上昇すると処理液が膨張し、又助剤の注入
による発泡現象による液面上昇が生じると、ループ状に
結合され循環処理されている布帛等の繊維製品は走行が
不安定となり、布帛の追越しや布からみが生じて円滑な
運転が不能となり、染むらやしわの原因となる。

本考案は上記難点を解消したもので、以下実施例として
示した図面に従い構成を説明する。

１は滞溜槽で、両端に入口部２と出口部３を有する。

４は布帛等を直線上に移送する移送部で、滞溜槽１の一
端入口部２に接続された接続部４ａと他端に処理液噴射
部５を設けである。

滞溜槽１と移送部４とで環状処理通路を構威し、噴射部
５からの液流により布帛６を移送部４と滞溜槽１との間
で循環移送させ、その間に染色等の処理を行なう。

７は滞溜槽１の出口部３に近接して設けたガイドローラ
である。

８，９は滞溜槽１の底部に接続した引抜管、１０はポン
プ、１１は熱交換器、１２は送込管で、この送込管１２
は処理液噴出部５に接続され、処理液循環路１３を形成
している。

１４は処理液で、滞溜槽１に一定水位で滞溜され、底部
から引抜管８，９を介してポンプ１０で引抜かれ、熱交
換器１１を通り送込管１２から噴射部５に至り、移送部
４を経て滞溜槽１に送られる。

この液流により、布帛６は滞溜槽１と移送部４とからな
る環状処理通路中を移送され処理を受けるようになって
いる。

本考案の特徴とするところは、前記処理液循環路１３の
ポンプ吸込側、例えば引抜管８，９又はポンプの吸込部
に近接した部分、及びポンプ吐出側、例えば送込管１２
、のそれぞれに分分岐管１５．１６を設けてクッション
タンク１７を接続すると共に分岐管１５．１６の少なく
とも一方に調整弁１８又は１９を設け、この調整弁の開
度を滞溜槽１内の処理液面変化に基づく信号により制御
して液面調整を行なうようにした点である。

２０は滞溜槽１内に設けた液面レベル、２１はパネル、
２２は処理液温度を感知する感温器、２３はクッション
タンク１７に接続されたエアー導入管、２４は排液弁、
２５圧力調整管を示す。

尚クッションタンク１７は密閉型、開放型のいずれでも
よく、一般に高圧処理機では密閉型を用い、常圧処理機
では開放型を用いる。

本考案は上記のような構成を採ったので、滞溜槽１内の
処理液面が処理液の温度上昇若しくは助剤注入による発
泡現象等により上昇した場合、クッションタンク１７へ
分岐管１５を介して処理液が流入し流量調整が可能とな
っている。

クッションタンク１７からは分岐管１６を介して適宜処
理液を処理液循環路１３へ戻すことができ、前記滞溜槽
１内の液面調整が行なわれる。

クッションタンク１７を利用して滞溜槽１内の液面を制
御するには、分岐管１５．１６に設けた調整弁１８，１
９を用いるのが一般的である。

この場合、分岐管１５．１６の双方共にそれぞれ調整弁
１８．１９を設ける場合、一方の分岐管だけに設ける場
合、ポンプ吐出側の分岐管１５に調整弁１８を設け、ポ
ンプ吸込側の分岐管１６を前記分岐管１５と比較して径
を小さくする場合等現場の事情により自由に選択するこ
とができる。

尚調整弁１８，１９の開度調節により処理液の流出入量
を変化させるには、手動により行なうことができるのは
勿論であるが、滞溜槽１内の液面変化を感知して、電磁
弁等を用いて自動制御することもできる。

滞溜槽１内の液面を直接に感知する液面レベル２ｏと調
整弁１８又は１９若しくはその双方１８．１９を接続し
て自動制御する手段が用いられる他、処理液の温度変化
を感知して、制御信号を発するため感温器２２を設置す
る場合もある。

さらに、クッションタンク１７内における空気圧を調整
することにより、流入する処理液量を制御すれば、滞溜
槽１内の液面調整をすることもできる。

この際、クッションタンク１７にはエアー導入管２３を
付設すればよい。

本考案は上記のように滞溜槽内の液面変化を感知してク
ッションタンクを利用して処理液循環量を制御すること
により、常時滞溜槽内の液面を一定に保持することを可
能にした。

従って、液面上昇に伴う布からみや染むら或いはしわ発
生等の不都合が解消され処理能力及び品質向上が期待で
きるようになった。

尚滞溜槽内の液面が下がり過ぎる場合、サージング現象
が生じるが、本考案のようにクッションタンクが存在す
れば、この危険モ同時に解消できる等その実用上の効果
は大きいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部断面の正面図である。 １・・・・・・滞溜槽、４・・・・・・移送管、５・・
・・・・噴射部、６・・・・・・布帛、８，９，１０，
１１，１２．１３・・・・・・処理液循環路、１４・・
・・・・処理液、１５．１６・・・・・・分岐管、１７
・曲・クッションタンク、１８，１９・・・・・・調整
弁、２０・・・・・・液面レベル、２２・・・・・・感
温器、２３・・・・・・エアー導入管。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ループ状に結合した布帛その他の長尺繊維製品を
   滞溜槽と移送部とから成る環状処理通路中を液流により
   循環移送して処理し、前記滞溜槽の底部から処理液を引
   抜き、ポンプ、熱交換器を経て前記移送部の処理液噴射
   部に至る処理液循環路を有する繊維製品処理装置におい
   て、前記処理液循環路のポンプ吸込側及びポンプ吐出側
   にそれぞれ分岐管を設けて密閉型又は開放型のクッショ
   ンタンクに接続し、前記分岐管の少なくとも一方に調整
   弁を備え前記滞溜槽の液面変化による信号で手動又は自
   動で前記調整弁の開度を調整若しくはクッションタンク
   内のエアー圧調整により前記液面を制御するようにした
   ことを特徴とする液面調整量を具備した繊維製品処理装
   置↓
2. （２） 調整弁として、処理液循環路のポンプ吸込側
   及びポンプ吐出側の双方の分岐管にそれぞれ調整弁を備
   えた実用新案登録請求の範囲第１項記載の液面調整装置
   を具備した繊維製品処理装置。
3. （３）調整弁として、処理液循環路のポンプ吐出側の分
   岐管にだけ調整弁を備え、ポンプ吸込側の分岐管を吐出
   側の分岐管と比較して細く構威した実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の液面調整装置を具備した繊維製品処理
   装置。
4. （４）滞溜槽の液面変化による信号として、滞溜槽内に
   設置した液面レベルを用いた実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の液面調整装置を具備した繊維製品処理装置。
5. （５）滞溜槽の液面変化による信号として、処理液循環
   路の一部に設けた感温器を用いた実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の液面調整装置を具備した繊維製品処理装
   置。