JPS6023289B2 - 自動分光分析方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動分光分析方法に関するものである。

分光分析装置において、出口スリットの外側に光電管を
設けて特定の波長の光強度を測定する場合、その波長の
光を正確にスリットの真中を通す必要がある。

この場合に、光学結晶にトランスジューサを取りつけて
電気的に超音波を伝搬させ、その波長数駆動によって周
波数に対応した単色光を取り出すことにより波長を走査
できる様にした音響光学フィルターを使用し、さらに必
要に応じて特定の波長に対応した周波数を発振できるよ
うにトランスジューサの電源への指示メモリーを備えた
コンピュータを併用することにより、必要な波長だけの
光を順次出口スリット上に取り出すことができる。本考
案はかかる方式を採用して機械的駆動ないこ波長選定の
正確度の高い分光分析方法を提供するものである。従釆
の分光分析装置では、プリズムあるいは回折格子を用い
て分光しスペクトルを作るがｔ必要な波長のスペクトル
線の電気的に測定する方法として、例えば発光分光分析
装置では、ィ）スペクトルの焦点面上の必要な波長位置
に数多〈の出ロスリットをもうけ、その後に光電管を設
置してスペクトル線強度を測定する、ロ）一つの出口ス
リットを使用して必要な数のスペクトル線強度を順次測
定する場合には、機械的にプリズムあるいは回析格子を
回転させて波長走査を行なう等の方法が採用されている
。

ィ）の方法では必要な元素の特性波長位置に設置した光
電管の数だけの元素を定量分析することができる。しか
し、出口スリットの位置は温度によって変動するため調
整が面倒であり、最初の位置決めを行なうことも難かし
い。また、定性分析を行なうためには、多くの元素を検
出する必要があるが、光鰭管の大きさと波長の分散能の
点から考えて焦点面に定性分析に必要な数の光電管を並
べることは不可能であり、この方法で自動的に定性分析
を行なうことができない。またロ）の方法では時間軸を
波長として全スペクトルを測定できるが、記録されたス
ペクトル線ピークと波長とを対応させることが困難であ
り、記録に時間を要すること、したがって光源が長時間
にわたって安定であることが要求されることなどから定
性定量分析を自動的に行なうことは不可能である。これ
ら従釆方法の問題点を解消する本発明方法の−実施例を
、以下図面に基づいて説明する。

本発明方法を実施するにつれての一構成例を示す第１図
においては、１は光源、２は光源１から音響光学フィル
夕への入射光を示す。３は光学結晶、４はトランスジュ
ーサ、５は音波、６は音波吸収体であり、３，４，６に
より音響光学フィル夕が構成されている。

７はフィルタ駆動電源であり、必要な波長に対応した周
波数を発生させるものである。

８は非回折光を、９はフィル夕による回折光を示し、回
折光９は出口スリット１０を通って、検出器１ １でそ
のスペクトル線強度が測定される。

１２はコンピュータ、１３はインターフェイス、１４は
オペレータボックスであり、前記コンピュータ１２はデ
ータ処理のために次の様な機能を果す。

すなわち、ａ）．必要な波長のスペクトル線を順次取り
出すために波長に対応した周波数を順次発生できるよう
にフィルタ駆動電源７に出力信号を送る機能、ｂ）．必
要な元素のスペクトル線波長を選定できるプログラム機
能、ｃ）．各元素に対する特性スペクトル線の波長と強
度のパターン認識機能、ｄ）．検出器１ １からの光弦
流を適当な電気量で測定データとして収集し、各波長の
スペクトル線の強度および強度比を算出できる演算機能
を備えたものである。具体的に発光分光分析装置への応
用例を述べる。

一般に、元素はいくつかの波長に異なった強度のスペク
トル線を有するが、その中から分析に適した教本のスペ
クトル線を特性スペクトル線として選定すると、その波
長と強度とのパターンは発光励起源の条件が安定してお
れば再現性のある同一のものとして得られる。そのパタ
ーンの一例を第２図に示しておく。そして本発明方法は
この様なパターンを用いて物質の定性・定量分析を自動
的に行なおうとするものである。つぎに、コンピュータ
１２の前述の諸機能によるデータ自動処理の一例を、第
３図に示すフローチャートによって説明すると、まず、
走査波長範囲の設定を行ない、標準元素のスペクトル線
の中から標準波長＾ｓｔｄ．を設定してその波長のみを
分光させるに必要な超音波を発生させる様に、音響光学
フィルター駆動電源への出力信号Ｖｓｔｄと＾ｓ幻との
合致性を確認する。

そのスペクトル線の光電流の積分値から得られる一定の
露光量Ｅ。を決める。以後、予め設定した波長に対応す
る音響光学フィルター走査用信号Ｖｉを順次発生させ、
その波長入，の光強度（光電流）１，を測定し、その波
長ごとに強度を積算記録する。測定波長の最大値＾ｎぬ
ｘに達するまで操作をくり返す。また入ｅ幻の積算強度
Ｅｓｔｄが露光革Ｅ。に達するまで入，〜入ｍａｘの測
定を繰り返す。これまでの測定が終了すれば、各スペク
トル線の波長ごとにＥの相対値を求め、予め各元素の濃
度既知の標準資料から求めた検量線（Ｅの相対値と濃度
の関係曲線）と照合させることにより、各元素の含有量
を算出してタイプアウトすることによって定量分析を終
了する。定性分析については、元素の特性スペクトル線
に妨害がない場合にはその１波長のスペクトル線から、
特性スペクトル線に近接織の妨害が考えられる場合には
、教本の特性スペクトル線を選定しその強度比をパター
ンとしてコンピュータにメモリごせておき、第３図のフ
ローチャートの最終段階で求められる測定波長ごとのＥ
相対値のデータと照合することから元素の元素の同定を
行なう。

以上の実施装置の場合には、装置の試料室に試料を固定
してスタート電源を操作するだけで、スパークあるいけ
アーク放電により発光させ、放電中に予めコンピュータ
にメモリーされた波長のスペクトル線強度を順次一定時
間測定し、波長走査を繰り返すことにより積分した正確
なデータ収集を行なうことができ、しかる後にデータ解
析を行ない標準物質のデータとの照合により元素の同定
と含有量を算出し、全く自動的に可能なすべての元素の
定性・定量分析を行なうことができる。以上説明したよ
うに本発明によれば、分光器としての音響光学フィル夕
の波長走査を電算器により行なうので、音響光学フィル
夕の特徴を完全に活かして、高速のスペクトル走査を行
なえる。また任意数の必要なスペクトル線強度を繰り返
し測定してそれを積算するので、正確な光量測定が行な
え、正確な分析ができる。またこれらのことから、元素
の自動性分析を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の一実施例装置の概略構成図、第２
図は元素の特性スペクトル線の強度パターンの一例を示
すグラフ、第３図はコンピュータによるデータ自動処理
の一例を示すフローチャートである。 １・・…・光源、２…・・・入射光、３…・・・光学結
晶、４・・・・・・トランスジューサ、５・…・・音波
、６・・・・・・音波吸収体、７・・・・・・フィルタ
ー駆動電源、８・・・・・・非回折光、９・・・・・・
回折光、１０・・・・・・出口スリット、１１……検出
器、１２……コンピュータ、１３……インターフエイス
、１４……オペレータボックス。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 音響光学フイルタと電算機とを併用して、予め電算
   機にプログラムされたフイルタ走査用信号にもとづき任
   意数の必要な波長に対応する超音波の周波数を順次音響
   光学フイルタの光学結晶に伝搬させることにより、その
   波長のみを分光してそのスペクトル強度を検出器を通し
   て繰り返し電算器に入力し、電算機により、各波長毎の
   スペクトル強度を積算すると共に、予じめ記憶している
   スペクトルの標準強度やパターンとの照合などデータを
   解析することによつて物質の定性・定量分析を行なうこ
   とを特徴とする自動分光分析方法。