JPS6023224Y2 - 車両用シ−トにおける物品塔載機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車などの車両用シート、特にリヤシートバ
ック（後部座席の背凭部）に装設する物品搭載機構に関
する。

従来ビール、ジュースなどの物品の搭載具（例えばコツ
プ受、テーブルなど）はフロントシートバック（前部座
席の背凭部）の背裏に取付けてリヤシートの乗員がそれ
を使用し得るようにしていた。

従って車両の急停車などの際、リヤシートの乗員がこの
搭載具に突き当り損傷する虞れがあり極めて危険であっ
た。

そこで断る欠陥を除去せんと、テーブル自体を空気袋で
形成したものが提案されたが、これは前席との相関から
位置合せが困難であるし、コスト高になるなどの点から
実際には採用されていない。

また、シートバックの一部をシートクッション上に前倒
腰この前倒した部分を物品収納部としたものが開示され
ているが（例えば実開昭５０−９０３２７号公報）、こ
れは物品収納部をシートバックとして使用する際、クッ
ション性が損なわれるし、また、斯る部分をアームレス
トとして使用できない不具合がある。

本考案は斯様な事情に鑑みて考案されたものであり、そ
の基本的構成はシートバックの左右方向の中央上縁より
下方に凹設した前方解放状の格納部と、この格納部に臨
む車体にシートバック前方に出没自在に取付けたテーブ
ル板と、前記格納部に上下方向に摺動自在且つ取外し可
能に嵌合して前記シートバック前方に突出状態のテーブ
ル板に載置されるブロック体とから構成したものである
。

従って、ブロック体をシートバックの格納部上方に移動
させると、車体に取付けたテーブル板がシートバック前
方に突出して、テーブルとして使用でき、また、このテ
ーブル板上にブロック体を載置するとアームレストとし
て使用できる。

またテーブル板を格納部内に収納してブロック体で覆う
ことによりブロック体がシートバックの一部分として使
用可能となる。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。

図中ａはリヤシートバック、ｂはリヤシートバックａを
固定する車体、１，１はリャシートバツり左右の上縁部
に設けたヘッドレスト、２はリヤシートクッション（後
部座席の座部）を夫々示腰前記リヤシートバックａのヘ
ッドレスト１と１との間の上端より下方に略Ｕ字状に切
欠して格納部イを設ける。

この格納部イの左右両側面を構成するシートバックａに
は上下方向に凹座状のガイドＲａ１を開穿する。

そしてこのガイド溝ａ１に係合する凸条１１，１１を左
右に設けたブロック体１０を前記格納部イに、上下方向
に摺動自在且つ着脱自在に嵌合せしめる。

ブロック体１０は支承板に発泡材などのクッション部材
を添着して表皮で被せて、所定の保形性、クッション性
を有し、シートバックａの一部を構成すると共にアーム
レストとしても利用できるようにする。

図中２０はテーブル板を示す、このテーブル板２０は金
属板、硬質合成樹脂・・・などの硬質部材を逆り字状に
折曲げて、物品載置部２１と、先端縁に係止部２２ａを
有する被部２２とを設け、前記物品載置部２１には物品
の脱落防止を図るために、その前後をフランジアップせ
しめると共に物品（缶など）の底部が嵌合する凹座２１
ａ１挿込口・・・などを設ける。

またその先端縁には係止突縁２１ｂを設けて、テーブル
板２０上にブロック体１０を載置した場ブロック体１０
内に挿入し、ブロック体１０の前後動を防止してアーム
レストとして利用できるようにする（第７図）。

なおこの物品載置部２１上には第９図、第１０図に示す
如く缶、コツプ類の支持補助具２３を針金を折曲成形し
て設けるも任意であり、また物品載置部２１は二分割せ
しめて蝶番２４でそれを連結し折畳み自在にしてもよい
（第８図）。

以上のテーブル板２０はその被部２２の外側を蝶番及び
トーションばね２５を以って車体ａの壁板に回動自在に
固定する。

そて車体ａの壁板にはテーブル板２０の物品載置部２１
が車体ａの壁板内側に格納されるように開口部すを設け
る。

従ってこの開口部ｂ′によって車内とトランクルームロ
とが連通し、ブロック体１０を格納部イより取り外して
アームレストとして使用した場合（第７図）において、
トランクルームロ内が車内より視覚でき美観を損うため
、開口部ｂ′の内側に覆板３を垂設する（第３図乃至第
５図、第７図、第９図）。

しかし乍ら物品載置部２１が折り畳み自在で、折り畳ん
だ状態において被部２０と同形のものに形成した場合に
は、開口部ｂ′は被部２ｏを格納できる大きさでよくな
り前記覆板３を取付ける必要がないし、（第８図）、ま
たブロック体１０の押し上げ畳を減少でき、テーブル２
の取り出しが至便である。

斯して本考案はテーブル板２０を車体ａ壁板内に格納し
てブロック体１０を格納部イ内に嵌合せしめると、ブロ
ック体１０がシートバックａの背当になる（第１図乃至
第３図）。

そしてテーブル板２０を使用したに時にはブロック体１
０を上方に押し上げると（第４図）、テーブル板２ｏは
トーションばね２５の弾力によって回動してシートバッ
クａより前方に水平状に突出して使用状態になる（第５
図、第６図）。

この場合においてブロック体１０は下降してテーブル板
２０の係止部２２ａにより係止されるため、このブロッ
ク体１０とテーブル板２０の被部２２とにより、車体ａ
の開口部ｂ’、 ｂ“は塞がれ外部からトランクルぶム
ロが視界されることがない。

そしてテーブル板２０上にブロック体１０を載置すると
、アームレストになり得る（第７図）。

なお前記実施例における覆板３は必ずしも必要でなく、
覆板３を取付けず、トランクルームロと車内とを連通状
に形成すると、トランクスルー機能が得られ、長尺物の
格納も可能になる。

本考案は成上の如ひ構成であるから、以下の利点を有す
る。

（１）テーブル板は使用状態において使用者の横方向に
配設されるため、使用者の前方に設けた従来品の如き車
両の急停車などの際における危険性を回避でき、安全性
を向上し得る。

しかもテーブル板を低い位置に取付けることができるた
め、一層安全性に優れたものを提供できる。

更に、従来品の如き前屈みになることなく、テーブル板
より物品を取り出せるため、シートベルト着用状態で飲
食でき至便である。

（２） テーブル板の上にブロック体を載置すること
によりアームレストとして利用でき居住性の向上をも図
り得る。

（３）テーブル板を格納部内に没設することにより、ブ
ロック体がシートバックの一部として利用できシートバ
ックの使用範囲を狭小化することがない。

（４） テーブル板はシートバックの格納部に臨む車
体に取付けられ、また、ブロック体はシートバックと別
体に形成されているため、テーブル板の取付、ブロック
体、シートバックの組付、製造が簡単で低原価で提供で
きる。

（５）ブロック体に物品収納部を設ける必要がないため
、ブロック体はシートバックと同一のクッション性を有
するように形成でき、ブロック体をシートバックの一部
として使用する際にクッション性が損なわれない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は斜視図、第２図
は平面図、第３図は一部を切欠して示す側面図、第４図
はブロック体を押し上げた状態を示す側面図、第５図は
テーブル板の使用状態を一部切欠して示す側面図、第６
図はその斜視図、第７図はブロック体をアームレストし
て使用する状態を一部切欠して示す側面図、第８図はは
折り畳み自在なテーブル板の使用状態を一部切欠して示
す側面図、第９図は支持補助具を設けたテーブル板の使
用状態を一部切欠して示す側面図、第１０図はそのテー
ブル板の拡大斜視図である。 図中ａはシートバック、イは格納部、１０はブロック体
、２０はテーブル板を夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （ａ） シートバックの左右方向の中央上縁より下方
   に凹設した前方解放状の格納部と、 （ｂ） この格納部に臨む車体に、シートバック前方
   に出没自在に取付けたテーブル板と、 （Ｃ） 前記格納部に上下方向に摺動自在且つ取外し
   可能に嵌合し、前記シートバック前方に突出状態のテー
   ブル板に載置されるブロック体 ｆｄ） とから構成される車両用シートにおける物品
   搭載機構。