JPS6023120Y2 - 粉粒体の圧密装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は粉粒体の圧密装置に関する。

粉粒体を所定の容器内に投入して所要のブロック形状に
圧密する際、単に加圧シリンダ等にて一方向から押圧力
を加えるのみでは粉粒体の内部まで均一に圧密すること
が困難であると共に、特に圧密する厚さ寸法が大きい場
合には非常に大きな押圧力を必要とし、装置が大型化し
て高価となる問題がある。

このため、圧密容器内に上部から粉粒体を投入しながら
複数のつき固め部材を上部から連続的に落下させること
により粉粒体のつき固めを行うようにした方式が考えら
れている。

この方式によれば、つき固め部材を徐々に上方へ移動さ
せることにより厚さ寸法が大きい場合にも均一な圧密を
行うことができる。

しかしこの方式においては、つき固め部材の往復運動に
より粉粒体をつき固めて成形するようにしているために
衝撃的な振動、騒音を発する問題があり、更に粉粒体を
つき固めながらつき固め部材を徐々に上方へ移動させて
つき固め作業を行うために作業に時間がかかつて生産性
が悪いと共に、粉塵が飛散して作業環境が悪化する問題
を有していた。

本考案は上記従来方式のもつ問題点を解決すべくなした
もので、内側に空間を形威してなる型枠と、該型枠の空
間の一側に嵌合させた水平ラムと、前記空間の他側に嵌
合させた移動可能なエンドプレートと、前記型枠に形威
した開口と、前記水平ラムと直交方向に移動して前記開
口に嵌合し、且つ前記水平ラムの圧密作動時に前記開口
を閉塞して型枠の一部を形威し得るようにした上下ラム
とよりなることを特徴とする粉粒体の圧密装置、に係る
ものである。

以下図面について本考案の実施例を説明する。

第１図はコークス炉に装入する原料石炭をコークス炉容
積に対応させてブロック状に形成するような大きなブロ
ックを底形する場合を示したもので、上下側板１，２と
左右側板３，４により前後が開放された矩形の空間を形
成する型枠５を設け、該型枠５の前側に前記矩形空間に
嵌合する水平ラム６を設けると共に、後側に前記矩形空
間に嵌合するエンドプレート７を設ける。

更に、前記型枠５の上側板１における前側（水平ラム６
側）位置に前記矩形空間に連通ずる開口８を形成し、且
つ前記水平ラム６と直交するように上下方向に移動して
前記開口８に嵌合し、且つ前記水平ラム６と直交するよ
うに上下方向に移動して前記開口８に嵌合し、前記水平
ラム６の圧密作動時に前記開口８を閉塞して型枠５の一
部を形成し得るようにした上下ラム９を前記型枠５の上
部に別個に設ける。

図中１０は開口８部に設けた原料シュートである。

圧密に当っては、第２図に示す如く、水平ラム６の前端
面が開口８から外れるように水平ラム６を後退させた状
態において、原料シュート１０を介して矩形空間に所定
量の石炭Ａを投入する。

このとき、所定の圧密力を得るために所要量の石炭Ａが
開口８部に盛り上るようにする。

次に、第３図に示す如く、水平ラム６とエンドプレート
７を固定した状態において、上下ラム９を下降させ該上
下ラム９の下面が上側板１の内面に一致するまで加圧し
て第一の圧密を行う。

続いて前記エンドプレート７と上下ラム９を固定した状
態において水平ラム６により所定の加圧を行い第二の圧
密を行う。

このとき、開口８を閉塵している上下ラム９は型枠５の
一部を構成することになる。

次に、第４図に示す如く、前記圧密分だけエンドプレー
ト７を後退させながら水平ラム６を前進させることによ
り圧密した石炭Ａ′を送り、前記エンドプレート７を固
定した後、前記水平ラム６を最初の位置まで後退させ、
前記操作を繰返して所定の大きさのブロック炭を形成す
る。

圧密形成したブロック炭は、エンドプレート７を後退さ
せると共に水平ラム６を前進させることにより型枠より
取り出し、図示しないコークス炉に原料として装入する
。

上記本考案においては、垂直方向に比較的均一に押圧力
に加える上下ラム９の作用と、これと直交する方向に押
圧力を加える水平ラム６の作用の相互作用により、比較
的小さな押圧力にて均一な圧密状態のブロック炭を形成
することができる。

即ち、垂直方向からの押圧のみで成形を完了しようとす
れば莫大な押圧力が必要となり、又原料石炭に対し水平
方向への加圧力が充分に与えられないため圧密された既
成形成との接合力が弱くなるという欠点がある。

また水平ラムの押圧力のみにて成形を完了しようとする
場合においても、型枠と石炭との摩擦力や石炭粒子間の
摩擦力によって水平ラムに近い部分と遠い部分とでは圧
密状態に大きな差が生じ（ラムに近い部分の方が圧密力
が大きい）、やはり既成形成との接合力が弱くなる欠点
があり、更に既成形成との接合力が大きくなるような圧
密状態を得ようとすると水平ラムの押圧力を非常に大き
なものとしなければならない。

本考案によれば、これらの欠点を解決して均一な圧密と
装置の小型化を可能にすることができる。

尚、本考案は前記実施例にのみ限定されるものではなく
、型枠内の空間は矩形以外の形状を有していても良いこ
と、エンドプレートを固定として型枠と上下ラムをエン
ドプレートに沿う方向に移動させる構成としてもよいこ
と、石炭以外の種々の粉粒体の圧密に適用し得ること、
その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変
更を加え得ること、等は勿論である。

上述した本考案の粉粒体の圧密装置によれば、次によう
な優れた効果を奏し得る。

（ｉ） 垂直方向に押圧力を加える上下ラムと、これ
と直交して押圧力を加える水平ラムの相互作用により、
小さな押圧力で均一な圧密か可能となる。

（ｉｉ） ラム等の押圧のための装置の小型化と駆動
力の低減を図り得る。

（ｉｉｉ） 大きな圧密成形ブロックを、容易且つ短
時間に、均一な圧密状態で圧密成形することができる。

（ｉｖ） 振動、騒音の発生がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例を示す説明用斜視図、
第２図乃至第４図は夫々第１図の装置の作動状態を示す
説明用切断側面図である。 １は上側板、５は形枠、６は水平ラム、７はエンドプレ
ート、８は開口、９は上下ラムを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内側に空間を形威してなる型枠と、該型枠の空間の一側
   に嵌合させた水平ラムと、前記空間の他側に嵌合させた
   移動可能なエンドプレートと、前記型枠に形威した開口
   と、前記水平ラムと直交方向に移動して前記開口に嵌合
   し、且つ前記水平ラムの圧密作動時に前記開口を閉塞し
   て型枠の一部を形成し得るようにした上下ラムとよりな
   ることを特徴とする粉粒体の圧密装置。