JPS6022995Y2 - 粉砕機用回転刃 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は粉砕機用回転刃に関する。

通常、剪断粉砕機はケーシングで囲まれた粉砕室内の相
対向する部分に一対の固定刃を設け、この固定刃と相対
して外周に刃先を有する回転刃を上記粉砕室内に回転自
在に軸架させ、粉砕室の材料投入口からランナ、フィル
ム、パイプ、成形不良品等のプラスチックスクラップ及
び産業廃棄材料を投入し、固定刃と回転刃との間に作用
する剪断力を利用してその材料を粉砕している。

この様な粉砕機における回転刃には、固定刃に一度も負
荷が作用しないよう、回転軸心に対して所望のねじり角
を有するヘリカル状刃とされたものがある。

しかし回転刃をヘリカル状に加工することは困難であり
、従って消耗品であるにもかかわらず高価なものとなっ
ている。

そこで、本考案は、上記問題点に鑑みて案出されたもの
であり、極めて簡単にかつ安価に製作することのできる
ヘリカル状の粉砕機用回転刃を提供することも目的とす
る。

従って、その特徴とする処は、回転自在なブレード取付
部材に回転方向に面しかつ回転軸心に平行な取付面が設
けられ、該取付面にカッタブレードが着脱自在に取着さ
れ、該カッターブレードは基台とチップとから戒り、基
台は長方体に成形され、その上面の一側端部が長手方向
にそって漸次厚みを薄くするように傾斜状に切り取られ
、該切り取り部に扁平長方体のチップが固定され、前記
基台を取付面に取着したときチップの切刃は、回転軸心
と同軸心の仮想真円柱外周面の軸心に対して傾斜した線
上に位置している点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。

第１図及び第２図は粉砕機の全体構成を示すもので、同
図において、１は架台で、該架台１内に原動機２、減速
機３等が内蔵されている。

この架台１上に粉砕機本体４が載置されている。

該本体４は上下に二分割されたケーシング５，６を有し
、下部ケーシング５が上記架台１にボルト等で固定され
、上部ケーシング６には材料投入用ホッパー７が設けら
れている。

第３図及び第４図に示すように、上下のケーシング５，
６はボルト８等で分割自在に固定されて円筒状の粉砕室
９を形成している。

上下ケーシング５，６の接合面は円筒状粉砕室９の水平
直係線上にほぼ位置している。

この接合部に左右一対の対向する固定刃１０．１０が粉
砕室９の軸心方向全長にわたりかつ軸心に平行に設けら
れている。

固定刃１０の刃先は粉砕室９内に突出している。

図例では、一方の固定刃１０はそのすくい面が上方に面
し、他方の固定刃１０は下方に面するよう共に下部ケー
シング５にボルト１１で固定され、その背面に接当する
調整ボルト１２の出し入れにより刃先の粉砕室９内への
突出量が調整自在となるよう構成されている。

上部ケーシング６の粉砕室９上部には、ホッパー７に連
通ずる開口部１３が設けられている。

下部ケーシング５の粉砕室９下部にも下方に開口する排
出口１４が設けられ、該排出口１４を所定メツシュのス
クリーン１５が着脱自在に施蓋している。

該スクリーン１５は円弧状に屈曲成形されており、該ス
クリーン１５は粉砕室９の軸心方向全長にわたって設け
られている。

上記粉砕室９の軸心部に主軸１６が貫通して設けられて
いる。

該主軸１６の両端部は粉砕室９から突出してケーシング
５，６の両端に設けられたフランジ１７．１７にテーパ
ーローラーベアリング１８を介して回転自在に支持され
ている。

主軸１６の一端はフランジ１７より更に突出して前記減
速機３にカップリング１９をを介して連結されており、
原動機２により回転駆動される。

粉砕室９内の主軸１６には、第５図に示すようなブレー
ド取付部材２０が套嵌され、該部材２０は主軸１６にキ
ー２１により結合されて主軸１６と一体回転する。

上記ブレード取付部材２０は粉砕室９の軸心方向全長に
わたるように複数個設けられている。

各々の取付部材２０は互に密着接当し、主軸１６の両端
部に設けられた円板２２，２３によって軸心方向に挾持
されている。

一方の円板２２は軸心方向に移動不能な固定円板であり
、他方の円板２３は軸心方向に移動自在であり、該移動
円板２３をナツト２４で締めつけることにより、両円板
２２．２３間に介在された取付部材２０が軸心方向移動
不能に挾持されている。

上記ブレード取付部材２０は、断面ヒトデ状に成形され
、図例で周方向に等間隔をおいて３個所い径方向に突出
する突部２５を有している。

該突部２５には、取付部材２０の回転方向に面しかつ軸
心に平行な取付面２６が設けられている。

該取付面２６にはブレード取着用のタップ孔２７が２個
所設けられている。

この取付面２６と、該取付面２６前方の突部２５背面間
は、突部２５先端の回転軌跡より内方に入り込むポケッ
ト２９に形成されている。

取付面２６前方に隣接する突部２５の背面２８基部に調
整ボルト用タップ孔３０が２個所設けられている。

このブレード取付部材２０の取付面２６にカッタブレー
ド３１が着脱自在に取着されている。

該ブレード３１はブレード取着用タップ孔２７に螺着さ
れた締付ボルト３２の取付面２６に固定され、調整ボル
ト用タップ孔３１に螺着された調整ボルト３３がブレー
ド３１の背面に接当することによりその突出量が調整さ
れている。

第６図及び第７図に示す如く、上記カッタブレード３１
は、基台３４とツブ３５とから成る。

基台３４は長方体に成形され、その上面の一側端部が長
手方向にそって漸次厚みを薄くするように傾斜状に切り
取られ、該切り取り部に超硬合金製等の扁平長方体のチ
ップ３５がロウ付されている。

基台３４の上部には上下に貫通する長孔３６が２ケ所設
けられ、該長孔３６の周縁には座グリ３７が設けられて
いる。

この長孔３６に前記締付ホルト３２が挿通されてカッタ
ブレード３１は取付面２６に取付けられている。

該ボルト３２の頭は座グリ３７に沈み込んでいるので基
台３４上面から突出しない。

上記カッタブレード３１はブレード取付部材２０の取付
面２６に取着されて、回転軸心Ｏを中心に回転させなが
らその刃先が研磨成形される。

しかしてカッタブレード３１の切刃３８は、回転軸心Ｏ
と同軸心の仮想真円柱外周面３９の軸心に対して傾斜し
た線上に位置することとなる。

即ち第６図における切刃３８の任意の点Ｐは仮想真円柱
外周面３９上に位置しているのである。

そして、上記カッタブレード３１を取着したブレード取
付部材２０は、カッタブレード３１のすくい面が回転方
向に対して固定刃１０のすくい面に対面する方向となる
よう主軸１６に組込まれ、かつ固定刃１０とカッタブレ
ード３１の切刃３８とは所定クリアランスをもつよう調
整されている。

しかして主軸１６上に回転刃４０が構成され、該回転刃
４０は粉砕室９内で回転自在となる。

第３図に示すように粉砕室９内の回転刃４０の切刃３８
の傾斜は、一端から他端まで連続した傾斜となるように
は設けられておらず、千鳥形となるよう配置されている
。

勿論、連続した傾斜となるよう設けてもよいが、その場
合、両端部のカッタブレード３１の厚みに大きな差がで
き、強度的にアンバランスとなるおそれがあるので、図
例のような配置が望ましい。

上記本考案の実施例によれば、回転刃４０はヘリカル状
刃とあるにかかわらず、その製作が極めて容易となる。

即ち、取付部材２０に傾斜部がないので全体形状を溶断
により成形することができ、その後取付面２６のみ平担
面とする機械加工をすればよいのである。

しかし従来のヘリカル刃は、ブレード取付部材の取付面
に傾斜を設けていたので、斜め溶断は困難であることか
ら外形全体を機械加工により成形していたのである。

またカッタブレード３１の傾斜は通常の加工により極め
て容易に加工できるものである。

なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、
上記実施例はブロック状回転刃の複数個を主軸上に並列
軸架する所謂マンモス型刃において本考案を採用したも
のであるが、主軸上にその軸心方向所定間隔をおいてブ
レード取付部材を設け、この取付部材間にカッタブレー
ドを掛架せしめてボルト締結する所謂オープンフラット
刃においても採用することができるものである。

本考案は、カッタブレードに傾斜を設け、ブレード取付
部材には軸心方向に平行な取付面を設けてヘリカル状刃
をなしたので、取付部材及びブレードの加工が極めて容
易となり、安価に製作することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す、第１図は全体構成を示す
側面図、第２図は同正面図、第３図は粉砕機本体の縦断
面図、第４図は同横断面図、第５図はブレード取付部材
の一部断面側面図、第６図はカッタブレードの各側面図
、第７図はカッタブレードの斜視図である。 ２０・・・・・・ブレード取付部材、２６・・・・・・
取付面、３１・・・・・・カッタブレード、３８・・・
・・・切刃、３９・・・・・・仮想真円柱外周面、Ｏ・
・・・・・軸心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在なブレード取付部材に回転方向に面しかつ回転
   軸心に平行な取付面が設けられ、該取付面にカッタブレ
   ードが着脱自在に取着され、該カッタブレードは基台と
   チップとから戊り、基台は長方体に成形され、その上面
   の一側端部が長手方向にそって漸次厚みを薄くするよう
   に傾斜状に切り取られ、該切り取り部に扁平長方体のチ
   ップが固定され、前記基台を取付面に取着したときチッ
   プの切刃は、回転軸心と同軸心の仮想真円柱外周面の軸
   心に対して傾斜した線上に位置していることを特徴とす
   る粉砕機用回転刃。