JPS602287Y2 - 掘削刃 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパケット、リンパ等の土工作業機に使われる掘
削刃に関するものである。

従来、土工作業機の掘削部に装着される掘削刃は、第１
図に示すようにパケット１の切刃部２に固着して取付け
られた複数個のアダプター３゜３、・・に熊手型の掘削
刃４，４．・・を保持ピン５などの固着具で着脱自在に
取付けていた。

しかし、このように構成された掘削刃４は平面および底
面が扁平で、パケット１の切刃部２に対して横型、すな
わち、パケット１に固着したアダプター３に熊手状に取
付けられるため次に列挙するような欠侭があった。

（１）硬岩を削岩するとき、被削岩物の中心部に掘削刃
のポイント部が突当るようにパケットを落下しなければ
、ポイント部は被削岩物と摩擦をくりかえすだけとなる
。

（２）そのため、削岩の際に掘削刃のポイント部と被削
岩物とを同一軸線上にいちいち気をつかって合わせなけ
ればならないので、掘削機の操作に手数を要す。

（３）ポイント部を全面的に使用する結果となるので摩
耗率が著しく、非常に不経済である。

（４）アダプターの掘削刃を支持または保持する部位に
該掘削刃の自重が加わると、パケットの切刃部の中心軸
線方向と多少ずれるような弾性作用が働き、該掘削刃を
使用するにつれて一層被削岩物との摩擦が著しくなる。

（５） 硬岩などの削岩に摩擦を生じるため極力用途
範囲は軟岩の掘削などに限定される。

（６）軟岩を対象に掘削している間に堅固な岩に突当る
と、該硬岩の削岩のためにその都度パケットごと、すな
わち軟岩用の掘削刃が取付けられたパケットに交換しな
ければならない。

（７） この交換作業はオペレータ自身が施すもので
あるが、いずれの削岩機も重量があり過ぎるため、該交
換作業に無駄な時間と労力を貸す結果となる。

（８） そこで、オペレータは無駄な時間と労力を省
くためにパケットごとあるいは掘削刃を硬岩にたたきつ
けて作用するのが一般的にみて現実の姿であるが、その
結果、掘削刃のポイント部が著しく摩耗するのみではな
く、ブームやパケットに亀裂を生じさせたり、また各シ
リンダの油圧漏れ、パワショベルの各ブツシュ部分にも
修理を必要とさせる悪影響を与える。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、硬岩、軟岩の
掘削、祈り、片付、積込、床付そして仕上まで一挙にて
きるようにし、オペレータのパケットごと交換する無駄
な作業時間と労力を省くとともに、硬岩の削岩の際に必
ずしも厳密にポイント部の中心軸と被削岩物の中心部と
を合致させなくても削岩可能にし、さらに、ポイント部
の上・下端部を相互に使用することができるように工夫
するなど構造が簡単で、安価に製作でき、強靭性、耐久
性がある掘削刃を得るにある。

以下、図面に示す実施例により本考案を詳細に説明する
。

なお、前記第１図の実施例と同一部分には同一符号を付
して重複する説明を省略する。

第２図乃至第５図の実施例において、４Ａはパケット１
の切刃部２に固着して取付けられた複数個のアダプター
３，３．・・に着脱自在に固着される略鍼型の掘削刃で
、該掘削刃４Ａはアダプター３に連結される取付部６と
、該取付部に一体に連設して形成されたポイント部７と
からなる。

前記取付部６には第４図示のように該端部側からポイン
ト側へのアダプター３の被嵌合部３ａに嵌合する角柱状
の嵌合孔８が形成され、また取付部６の上・下壁６ａ、
６ｂには前記嵌合孔８の中心軸と交差して連通状態にな
るピン孔９ａ、９ｂが設けられている。

前記取付部６の上・下壁６ａ、６ｂの縁部５ａ’、
５ｂ’は掘削刃４Ａをアダプターの被嵌合部３ａに取付
けた場合に該被嵌合部３ａと多少間隙が生じるように上
向きに外側へ折曲形成されている。

１０はアダプターの被嵌合部３ａに穿設されたピン貫通
孔３ｂに装着される弾性体で、該弾性体１０の一側面は
液部１０ａが形成され、ピン５の液部５ａと密着しては
まり合うように金属の先玉１０ｂが混入されている。

上記構成にあっては、あらかじめ弾性体１０をアダプタ
ーのピン貫通孔３ｂに装着させておいて、掘削刃４Ａを
アダプターの被嵌合部３ａに嵌合する。

次いで、ピン１１を取付部のビン孔９ａからアダプター
のピン貫通孔３ｂへと挿通し、アダプター３と掘削刃４
Ａとを固着する。

なお、本考案の掘削刃４Ａは削岩機専用のリッパ一式に
取付けても良い。

以上の説明から明らかなように本考案にあっては、次に
列挙するような効果を有する。

（１）従来の掘削刃４のように掘削刃４Ａのポイント部
７と被削岩物の中心部とを削岩の都度同一中心軸線上に
合わせる必要がない。

（２）作業中にオペレーター自身が軟岩用の掘削刃が取
付けられたパケット全体を、硬岩用の掘削刃が取付けら
れた他のパケットに交換する必要プ がない。

したがって、本考案の掘削刃４Ａが取付けられたパケッ
トだけで一挙に硬岩、軟岩の掘削、折り、片付、積込、
床付、仕上げまでできる。

それ故に、前記（１）の効果と相俟って作業能率の向上
を図ることができる。

（３）掘削刃４Ａのポイント部７の下端部のみが摩耗し
たときは、該掘削刃４Ａを逆に引つ繰り返して上端部を
今度は下端部として使用することができる。

（４） 掘削刃４Ａをアダプター３に嵌合したとき、
取付部６の上・下壁６ａ、６ｂとアダプター３の被嵌合
部３ａに間隙が生じるので、大きな力が前記取付部６に
加わっても該取付部が容易に折れない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一実施をパケットに取付けた状態を示す
斜視図、第２図は本考案の一実施をパケットに取付けた
状態を示す斜視図、第３図は本考案の平面図、第４図は
第３図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は本考案の左側面
図、第６図はビン孔に装着する弾性体とピンの説明図で
ある。 １・・・・・・パケット、２・・・・・・パケットの切
刃部、３・・・・・・アダプター、４．４Ａ・・・・・
・掘削刃、５・・・・・ピン、６・・・・・・取付部、
７・・・・・・ポイント部、６ａ、６ｂ・・・・・・取
付部の上・下壁、８・・・・・・嵌合孔、９ａ。 ９ｂ・・・・・ピン孔、１０・・・・・・弾性体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 掘削機のパケット１に固着されているアダプター３
   に着脱自在に取付けられる掘削刃において、前記掘削刃
   はアダプター３の被嵌合部３ａに該掘削刃４Ａを取付け
   た場合に被嵌合部３ａと多少間隙が生ずるように折曲形
   成された上・下壁６ａ、６ｂを有する取付部６と、該取
   付部に一体に連設して形成された賊型のポイント部７と
   から威り、該掘削刃は前記パケットの切刃部２に対して
   縦型になるように形成されていることを特徴とする掘削
   刃。 ２ 取付部にはアダプターの被嵌合部に嵌合する嵌合孔
   と、該嵌合孔の中心軸と交差して連通状態になるピン孔
   とが設けられていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の掘削刃。 ３ ピン孔は嵌合孔の上・下壁に各々設けられているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第２項記載の掘
   削刃。