JPS6021623Y2 - 流動床式焼却炉の不燃物抜出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炉体内に砂など固体粒子の流動媒体により流動
層を形成して廃棄物を焼却する流動床式焼却炉において
、焼却時の不燃物を装置外へ排出させる不燃物抜出し装
置に関するものである。

近年、市民の日常生活の過程において排出される廃棄物
、いわゆる都市ごみの量は、大量消費様式、使い捨て習
慣の普及、都市の過密化による住居の狭小化などを反映
して増加の一途をたどっており、その効率的な処理が要
求されている。

そして、この都市ごみの産業廃棄物を処理する焼却装置
としては、焼却効率が高く、焼却残渣が少ない等多くの
特長を有するところから、流動床式焼却装置が注目され
て広く普及されつつある。

そして、この流動床式焼却装置は、焼却炉内へ川砂や珪
砂などの固体粒子の流動媒体（以下砂という）を充填し
てこれに空気を吹き付けることによって流動層を形成さ
せ、これをバーナーで７００〜８００℃に加熱したとこ
ろへ破砕ごみを投入して瞬時に乾燥、焼却を行なうもの
である。

そして、この種の焼却装置は、破砕ごみ中に含まれるガ
ラス、陶器片、土砂、金属等を主体とする不燃物を砂と
ともに排出させる不燃物抜出し装置を備えており、その
排出物は篩分機によって不燃物と砂とに選別されて不撚
物は機外へ排出され、砂は焼却炉へ還元きれて循環再使
用されるように構成されている。

そして、上記不燃物抜出し装置は、不燃物と砂とを詰ま
ることなく円滑に排出させるとともに、砂の炉外時間を
短縮してエネルギーロスを少なくすることが望ましいが
、従来のスクリュ一式抜出し装置においては、スクリュ
ーとケーシングとの間に不燃物が挾まって滞留すること
により負荷が増大したりスクリューが摩耗したりするば
かりでなく、これによって炉床部へ不燃物が堆積して出
口を塞いだり、炉床部の砂が均一に抜けず未燃物が排出
されたりするという欠点があった。

そこで、不燃物と砂とを炉底部から自然落下させ弁の開
閉によって落下量を規制するようにして排出を円滑にす
ることが考えられるが、水平方向へ開閉する弁の場合、
弁の摺動支持部や弁の先端閉切り部に砂が喰込んで弁の
開閉が円滑に行なわれず、満足した効果を期待すること
ができないという問題点が残されていた。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、不燃物
と砂との落下径路内に、上下に接合されて接合開口部を
開閉するゲート弁を備えた上下の弁箱を設け、ゲート弁
を開いて下部弁箱内にいったん貯留した不燃物と砂とを
下部弁箱の下端開口部に設けたフラップ弁を開いて排出
するように構成するとともに、ゲート弁を摺動支持部が
上方に位置するように傾斜させてその開閉動作中、下部
弁箱内側に突設した複数個のガイドて両端部を支承させ
、かつゲート弁の閉切り先端部周辺に空間部を設けて摺
動支持部と閉切り部への砂の喰い込みを防止するように
構成することにより、弁の開閉ならびに不燃物と砂との
排出を円滑にして負荷の低減と篩分機の容量節減ならび
に炉床部からの排出の促進を計るとともに、砂の炉外時
間を短縮してエネルギーロスの減少を計った流動床式焼
却炉の不燃物抜出し装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図ないし第６図は本考案に係る不燃物抜出し装置を
示し、第１図はこれを実施した流動床式焼却炉の一部破
断正面図、第２図は不燃物抜出し装置の正面図、第３図
は同じく平面図、第４図は同じく側面図、第５図はゲー
ト弁周辺の拡大断面図および平面図、第６図は第５図す
のＡＡ断面図である。

これらの図において、流動床式焼却炉１の炉２は、粘土
質耐火レンガ３と耐火断熱レンガ４および断熱材とで三
重に築炉されており、その外部は鋼板５によって覆われ
ている。

そして、炉２内部の燃焼室は、上半部のフリーボード部
６と下半部の流動層部７とからなり、流動層部７には砂
８が充填されている。

そして、フリーボード部６の下部には、コンベア９で選
ばれた破砕ごみを炉外へ供給する給塵機１０の排出口が
開口されており、また、フリーボード部６の上部には、
冷却水噴射用のノズル１１と、二次空気吹付は用の／ダ
ル１２、および燃焼ガス排出口１３が設けられている。

さらに、流動層部７の下部には、汚泥供給管１５と助燃
油または水の噴射管１６とが挿入されている。

このように構成された炉２の下端開口部には、一次空気
の供給口１７と複数個の散気ノズル１８とを備えた流動
化空気分散装置１９が取付けられててり、散気ノズル１
８から空気を噴射させることにより砂８の流動層が形成
されるように構成されている。

そして、この分散装置１９の下方には、散気ノズル１８
用配管の間の開口部によって流動層部７と連通ずる漏斗
状の抜出し口２０が取付けられている。

また、その内部には、円錐状の分散板２１が設けられて
おり、上方から排出される不燃物と砂とが抜出し口２０
の中心部へ集中して壁面近傍にデットスパートが発生し
たり下方へ抜は過ぎたりするのを防止し、かつ、排出口
２２への圧力を低減するように構成されている。

そして、この抜出し口２０下端の排出口２２には、第２
図ないし第５図に詳細を示して後述する不燃物抜出し装
置３１が装着されており、その下方には、鉄屑等の磁性
物を分別する回転ドラム型の磁選機２３と、これに連結
され不燃物と砂とを選別する振動篩式の不燃物篩分機２
４とがフレキシブル２５を介して装着されている。

そして、磁選機２３には鉄屑排出口２６、不燃物篩分機
２４には不燃物排出口２７がそれぞれ開口されていると
ともに、不燃物篩分機２４の下端部に開口する砂排出口
２８からは、砂循環コンベア２９が上方へ向って延設さ
れており、その上端部から斜め下方へ向う環元管３０は
炉２のフリーボード部６に開口されている。

そこで、前記不燃物抜出し装置３１の詳細を第２図ない
し第５図に基いて説明する。

図において、不燃物抜出し装置３１は、コ形鋼で長方形
状に枠組形成されてほぼ４５°傾斜して図示しない吊金
具で炉体の架台に支持されたフレーム３２を備えており
、その下端部には、くの字状に折曲され下方へ開口する
角筒状の下部弁箱３３が取付けられているとともに、そ
の周囲は同じくくの字状に折曲された角筒状のダンパカ
バー３４で囲まれている。

そして、このダンパカバー３４は、下部弁箱３３と一体
形成されてフレーム３２に支持されており、下端開口部
を前記フレキシフル２５に接合されている。

さらに、下部弁箱３３の上端開口部には、（の字状に形
成され遮蔽板３５ａを備えた角筒状の上部弁箱３５の下
端開口部が、溶着によって接合されており、その上端開
口フランジ部３６は、前記抜出し口２０の下端開口部に
接合されているともに、下端開口部はフレーム３２の上
面と平行するようにほぼ４５°傾斜して形成されている
。

そして、フレーム３２の上面に固定されたシリンダブラ
ケット３７．３８には、エアシリンダ３９が取付けられ
ており、そのピストンロッド４０の作用端には、平板状
に形成されたゲート弁４１が、ヒンジピンによって装着
されている。

一方、下部弁箱３３の両側面内には、複数個ずつのガイ
ド４２が上部弁箱３５の下端開口部に近接させ基板を介
して並列突設されている。

そして、ゲート弁４１は下部弁箱３５の開口端とガイド
４２との間へ開口端を開閉するように進退自在に係入さ
れており、これを摺動自在に支持するグランドパツキン
４３は、下部弁箱３３の上端部に取付けられたスタッフ
ィングボックス４４内に、パツキン押え４５によって抜
けを阻止されて設けられている。

そして、ゲート弁４１は、ピストンロッド４０の伸縮に
よって上部弁箱３５の開口端を開閉するとともに、フレ
ーム３２に固定されたブラケット４６には一対のリミッ
トスイッチ４７が装着されていて、ピストンロッド４０
の進退すなわちゲート弁４１の開閉動を全開位置と全閉
位置とで停止させるように構成されている。

さらに、上下両弁箱３５，３３の接合部は、下部弁箱３
３の方が大径に形成されており、その上下両端部、すな
わちゲート弁４１の全開時と全開時にその先端部が位置
する箇所の周辺には、ゲート弁４１の開閉によって選ば
れる砂を受入れて拡散させる空間部４８が設けられてい
る。

一方、前記ダンパカバー３４の両側板に固定された軸受
４９には、弁軸５０が、ダンパカバー３４を貫通して回
動自在に軸支されている。

そして、ダンパカバー３４の内部において弁軸５０に軸
着されたアーム５１には、下部弁箱３３の排出口５２を
閉塞し弁軸５０の回動によって開閉可能なフラップ弁５
３が装着されている。

そして、フレーム３２と一体のブラケット５４に取付け
られたシリンダブラケット５５には、エアシリンダ５６
とハイドロシリンダ５７とを備えたエアハイドロシリン
ダ５８が装着されており、そのピストンロッド５９の作
用端に枢着されたリンク６０の他端は、弁軸５０に軸着
されたレバー６１に枢着されている。

こうすることによってフラップ弁５３は、エアハイドロ
シリンダ５８に駆動されリンク６０、レバー６１を介し
て開閉するとともに、ダンパカバー３４には一対のリミ
ットスイッチ６２．６３が装着されていて、弁軸５０に
軸着されたドッグ６４がこれに対向することにより、フ
ラップ弁５３の開閉動が全開位置と全閉位置とでそれぞ
れ停止するように構成されている。

以上のように構成された流動床式焼却炉１の動作を説明
する。

流動層部７に砂８を充填し、供給口１７から空気を送入
して散気ノズル１８から噴射させると、流動層がＩｔさ
れるので、これをバーナ１４によって７００〜８００°
Ｃに加熱し炉内で攪拌する。

この加熱流動層内へは、コンベア９で送られてきた破砕
ごみが、給塵機１０で分散投入されて瞬時に乾燥、焼却
が行なわれ、さらに高温のフリーボード部６で完全焼却
される。

なお、低カロリーのごみを焼却する場合は、噴射管１６
から取燃油を添加して燃焼を維持し、また流動層部７の
温度が上った場合は、この噴射管１６から冷却水を噴射
する。

さらに、フリーボード部６の温度が上ったときには、ノ
ズル１１から冷却水を噴射する。

そして、完全焼却された灰を含んだ高温排ガスは、排出
口１３から排出され、冷却と熱交換ならびに灰の除去が
行なわれたのち、煙突から排出される。

そして、破砕ごみの中には、前述したようにガラス、陶
器片、土砂、金属類を主体とする不燃物が含されており
、これらの不燃物は砂８とともに散気ノズル１８用配管
の間の開口部から漏斗状の抜出し口２０内へ排出され、
分散板２１で均一に分散されたのち、下端排出口２２か
ら不燃物抜出し装置３１へ供給される。

この場合、エアシリンダ３９のピストンロッド４０が伸
長しており、ゲート弁４１が上部弁箱３５の下端開口部
を閉塞しているので、不燃物と砂とは上部弁箱３５内に
蓄えられる。

そして、上部弁箱３５内に不燃物と砂とが充満されると
、タイマの指令によりエアシリンダ３９のピストンロッ
ド４０が収縮してゲート弁４１が開かれ、不燃物と砂と
は、下部弁箱３３の内部、いわゆる貯留部へ落下するが
、この場合、フラップ弁５３が閉じられているので、不
燃物と砂とは貯留部へいったん貯留される。

そして、貯留部が満杯となり、タイマの指令によってゲ
ート弁４１が閉じると、これと同時にエアハイドロシリ
ンダ５８のピストンロッド５９が伸長し、リンク６０、
レバー６１を介してフラップ弁５３が緩やかに開放され
る。

そして、フラップ弁５３の開閉速度はハイドロシリンダ
５７によって調整される。

フラップ弁の開放により、不燃物と砂とは、フレキシベ
ル２５を経て磁選機２３内に落下し、これに含まれる鉄
屑等の磁性物が分別されて鉄屑排出口２６から排出され
る。

そして、磁性物が除かれた不燃物と砂とは、不燃物篩分
機２４へ供給され、その振動によって不燃物と砂とに選
別されたのち、不燃物は不燃物排出口２７から排出され
る。

また、砂は、砂排出口２８から排出され、砂循環コンベ
ア２９によって揚上搬送されたのち、還元管３０から炉
２内へ還元されて再使用される。

以上のようにして行なわれる破砕ごみの焼却動作のうち
、不燃物の抜出し動作においては、ゲート弁４１をグラ
ンドパツキン４３が上方に位置するように傾斜させて設
けたことにより、釘、鉄片等の不燃物がグランドパツキ
ン４３にかみ込むことがなく、ゲート弁４１の動作停止
事故が発生することがない。

また、ゲート弁４１の全開時と全開時にその先端部が位
置する箇所の周辺に空間部４８を設けたことにより、ゲ
ート弁４１が、その開閉時に砂を移動させてグランドパ
ツキン４３の近傍やゲート弁４１の閉切り部近傍へ持ち
込んでも、この砂が空間部４８に受入れられて拡散され
るので砂の喰込みがなく、またゲート弁４１は、開閉方
向に並列する複数個のガイド４２により両端部を支承さ
れ開閉動作の始めから終りまでこれに沿って摺動するの
で、開閉がきわめて円滑に行なわれるとともに、上方か
らゲート弁４１にか）る荷重がグランドパツキン４３に
及ぶことがない。

また、ゲート弁４１の開放時にはガイド４２上に砂が堆
積するが、ゲート弁４１の次回の閉鎖時にゲート弁４１
がこれを掻き落しながら移動するので開閉動作を阻害す
ることがない。

なお、遮蔽板３５ａを長くすれば砂のグランドパツキン
４３方向への移動をさらに少なくすることができる。

そして、空間部４８内の砂は、次の開閉時までに空間部
４８から排出される。

このように、不燃物と砂との通路にはスクリューなどが
設けられておらず、またゲート弁４１の開閉が円滑に行
なわれるとともに、上下の弁４１．５３の開閉タイミン
グと停止とをタイマとリミットスイッチとですべて調整
自在に自動化することができるので、不燃物と砂とは滞
留することなく排出され、砂の炉外時間を最小限におさ
えることができる。

なお、磁選機２３は、これを不燃物抜出し装置３１の下
方に設けることなく、不燃物篩分機２４の下流側にパケ
ットコンベアを介して高位に設けてもよい。

こうすることにより、装置全体の高さを短縮することが
できる。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば流動
床式焼却炉の不燃物抜出し装置において、不燃物と砂と
の落下径路内に、上下に接合されて接合開口部を開閉す
るゲート弁を備えた上下の弁箱を設け、ゲート弁を開い
て下部弁箱内にいったん貯留した不燃物と砂とを下部弁
箱の下端開口部に設けたフラップ弁を開いて排出するよ
うに構成するとともに、ゲート弁を摺動支持部が上方に
位置するように傾斜させてその開閉動作中、下部弁箱内
側に突設した複数個のガイドで両端部を支承させ、かつ
ゲート弁の閉切り終端部周辺に空間部を設けて弁の摺動
支持部と閉切り部への砂の喰込みを防止するように構成
することにより、不燃物と砂とが傾斜状のゲート弁士を
低位へ向って流れ、また、ゲート弁の閉鎖時に閉切り部
へ向う砂が空間部内へ拡散されるので、砂が摺動支持部
や弁と弁箱壁の間などに喰込むことがなく、弁の開閉が
きわめて円滑に行なわれるとともに、不燃物と砂とが滞
留することなくきわめて円滑に通過する。

したがって、負荷の低減と弁の摩耗防止を計ることがで
き、また炉床部からの不燃物や砂の排出が促進され、未
燃物の排出を防止することができるとともに、砂の炉外
時間の短縮が可能となってエネルギーロスの減少を計る
ことができる。

さらに、不燃物と砂とが適量ずつ緩やかに篩分機に供給
されるので、これらが過負荷となることがなく、その容
量を小さくすることができ、設備費が節減される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係る流動床式焼却炉の不
燃物抜出し装置を示し、第１図はこれを実施した流動床
式焼却炉の一部破断正面図、第２図は不燃物抜出し装置
の正面図、第３図は同じく平面図、第４図は同じく側面
図、第５図はゲート弁周辺の拡大断面図および平面図、
第６図は第５図すの触断面図である。 １・・・・・・流動床式焼却炉、２・・・・・・炉、２
２・・・・・・下端排出口、３１・・・・・・不燃物抜
出し装置、３３・・・・・・下部弁箱、３５・・・・・
・上部弁箱、４１・・・・・・ゲート弁、４２・・・・
・・ガイド、４３・・・・・・グランドパツキン、４８
・・・・・・空間部、５２・・・・・・排出口、５３・
・・・・・フラップ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体の下端開口部に接合された筒状の上部弁箱と、下方
   へ開口し前記上部弁箱の下端に接合された下部弁箱と、
   前記上部弁箱の開口部に近接し前記下部弁箱の両側内面
   に並列して突設された各複数個のガイドと、これらのガ
   イドに両端部を順次支承されて進退し前記上部弁箱の開
   口部を開閉するゲート弁と、前記下部弁箱の下端排出口
   を開閉するフラップ弁とを備えてなり、前記ゲート弁を
   摺動支持部が上方に位置するように傾斜させ、このゲー
   ト弁の閉鎖時における先端部の周辺に砂の喰込み防止用
   空間部を設けたことを特徴とする流動床式焼却炉の不燃
   物抜出し装置。