JPS6021521Y2 - 空圧作動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空圧作動装置の改良特にその空圧力を生ずるた
めに区分される２気室間の隔膜をなすダイヤフラムの組
付は構造に関するものである。

この種の空圧作動装置は、例えば車両においてのブレー
キカ倍力装置、あるいはアンチスキッド制御のためのブ
レーキ液圧減圧装置として使用されており、その基本的
構成は、２つの気室から空圧力を受けるピストンが、他
の作用力としての機械的外力を受け、又は外部に力を与
えることによってその反力を受けることにより、これら
の作用力のバランスに従って所定の摺動をなすものであ
る。

従ってピストンと共に前記２気室間の気密状態を保つた
めのダイヤプラム（隔膜）の組付構造は、その良好な気
密性確保の上から重要な問題であり、本考案はこのよう
な観点から、前記２気室を形成するためのシェル構造と
関連した望ましいダイヤプラムの組付は構造を持った空
圧作動装置を提供せんとするものである。

而してかかる目的のためになされた本考案よりなる空圧
作動装置の要旨は、一端開放筒状のりヤシエルと、該リ
ヤシェルの開放端内周面が嵌挿固定される段付外局面を
有するフロントシェルと、これら両シェルにより形成さ
れた中空室内に収容されたピストンと、内周縁部が前記
ピストンに固着されかつ外周縁部が前記両シェルの嵌合
部の間に挿入されて挟持固着されたダイヤフラムとを備
え、ダイヤフラムにより２気室に区分された前記中空室
の雨風室圧力差及びピストンへの付加外力のバランスに
より該ピストンが摺動する方式の空圧作動装置において
、前記両シェル嵌合部によるダイヤフラム外周縁部の固
着構造は、フロントシェルの前記段付外周面に周溝を設
けると共に、ダイヤフラム外周縁部に該周溝に嵌合する
膨大部を形成させ、更に、この膨大部には径方向に二重
のリップを形成させて、前記両シェルの嵌合によりこれ
らリップを径方向に締付は挟持するようにしたことを特
徴とするところにある。

以下本考案を図面に示す車両のアンチスキッド制御のた
めのブレーキ液圧減圧装置についての実施例に基づいて
詳細に説明する。

図において、１は略円板上の本体を有するフロントシェ
ルであり、その中央部には軸方向に長いシリンダボディ
２が貫通固定されている。

そしてこのフロントシェル１の背面側には後記するりヤ
シエルが嵌合固定される若干小径の外周縁部３と、嵌合
するリヤシェルの端面が係合する突部４が設けられてい
る。

５は一端開放筒状をなすりヤシエルであり、その開放端
部が前記フロントシェル１の外縁周部に嵌合し、フロン
トシェル１に組付けられてその先端かりヤシエル５の底
部を掛止する数個のフック６をナツト７で締め付けるこ
とにより緊締固着される。

そしてこれらフロントシェル１及びリヤシェル５の組付
けにより形成された中空部８は、更にピストン９及びダ
イヤフラム１０によって高低２気室１１，１２に区分さ
れる。

即ちピストン９はガイド部材１３を介してシリンダボデ
ィ２により軸方向移動可能に支持され（通常はリターン
スプリング１４のバネ力で高圧気室１１側に偏倚されて
いる）、このピストン９と、前記両シェル１，５の嵌合
部との間に渡って架設されたダイヤフラム１０により、
中空部８内は、フロントシェル１、ピストン９及びダイ
ヤフラム１０で囲まれた高圧気室１１と、リヤシェル５
、ピストン９及びダイヤフラム１０で囲まれた低圧気室
１２に分けられ、本例の減圧装置では低圧気室１２はエ
ンジンのインテークマニホルド等の負圧源に連通され、
他方高圧気室１１は電磁弁の作動により大気及び同負圧
源に選択連通しうるように設けられている。

尚、前記ピストンにはシリンダ１４内のプランジャ１５
が当合することにより、このプランジャ１５を介してフ
ロントシェル１の前面側に配設したブレーキ液圧減圧制
御機構１６のブレーキ液圧が付加外力として作用するよ
うに設けられている。

以上の構成をなす減圧装置の作動は既知のものであり、
要するに高圧気室１１内の圧力増減によってピストン９
が摺動し、これに伴うプランジャの前・後進にてブレー
キ液圧を増減制御せしめるものである。

そして本例の特徴は高・低２気室１１，１２の気密性確
保のために、ダイヤフラム１０の外縁部に形成した膨大
部１０′を凹状に形成して、これをフロントシェル１の
周部３に形成した周溝３′に嵌合させるようにしたこと
にある。

即ち、気密漏れの上で問題となるのは高圧室１１から低
圧室１２へのものであり、従って図示するようにピスト
ン９に取着する内縁側部分は、膨大部１０″をピストン
９の周溝９′に押付ける方向となるから気密漏れの問題
を生じないが、他方外縁側は構造的に薄肉のりヤシエル
５でなくフロントシェル１に組付けることが多いこの種
の組付は構造においては、単に膨大部１０′の周溝への
弾性的嵌合のみでは気密漏れの虞れは大きくなる。

そこで本例では前記膨大部１０′を凹状に形成して撓み
変形の容易なリップを設け、これがリヤシェル５の内周
面に当接することによって良好な気密性を得られるよう
にしているのである。

以上のような構成によれば、フロントシェルとりヤシエ
ルの組付けに際しての締付は力によりダイヤプラムの気
密性が影響されることなく、安定した気密性を確保でき
、単にフロントシェルとりヤシエルの間にダイヤフラム
の端部を挟持させるような場合に比べて、挟持のための
部品も不要でその締付は挟持力の管理という問題もない
という利点がある。

以上述べた如く、本考案よりなる空圧作動装置は、比較
的簡単なる改良によって区分された２気室間の良好な気
密性が保たれ、その実用上の利益は極めて大なるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すブレーキ液圧減圧装置
の縦断面図、第２図はダイヤプラムの一部断面図である
。 １・・・・・・フロントシェル、２・・・・・・シリン
ダボディ、３・・・・・・周部、４・・・・・・突起、
５・・・・・・リヤシェル、６・・・・・・フック付ボ
ルト又はＪボルト、７・・・・・・ナツト、８・・・・
・・中空部、９・・・・・・ピストン、９′・・・・・
・周溝、１Ｇ・・・・・・ダイヤフラム、１０′１０″
・・・・・・膨大部、１１・・・・・・高圧室、１２・
・・・・・低圧室、１３・・・・・・リターンスプリン
グ、１４・・・・・・シリンダ、１５・・・・・・プラ
ンジャ、１６・・・・・・ブレーキ液圧減圧制御機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端開放筒状のリヤシェルと、該リヤシェルの開放
   端内周面が嵌挿固定される段付外周面を有するフロント
   シェルと、これら両シェルにより形成された中空室内に
   収容されたピストンと、内周縁部が前記ピストンに固着
   されかつ外周縁部が前記両シェルの嵌合部の間に挿入さ
   れて挟持固着されたダイヤプラムと備え、ダイヤフラム
   により２気室に区分された前記中空室の雨風室圧力差及
   びピストンへの付加外力のバランスにより該ピストンが
   摺動する方式の空圧作動装置において、前記両シェル嵌
   合部によるダイヤフラム外周縁部の固着構造は、フロン
   トシェルの前記段付外周面に周溝を設けると共に、ダイ
   ヤフラム外周縁部に該周溝に嵌合する膨大部を形成させ
   、更に、この膨大部には径方向の二重のリップを形成さ
   せて、前記両シェルの嵌合によりこれらリップを径方向
   に締付は挟持するようにしたことを特徴とする空圧作動
   装置。 ２ 能動的な２気室間の圧力差変化に伴うピストン摺動
   により、該ピストンへの付加外力となる車両ブレーキ液
   圧を受動的に増減させることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲１項に記載した空圧作動装置。