JPS6021189Y2

JPS6021189Y2 - マニプレ−タにおけるマスタ−の制動装置

Info

Publication number: JPS6021189Y2
Application number: JP11219480U
Authority: JP
Inventors: 裕士村瀬
Original assignee: 株式会社明電舎
Priority date: 1980-08-07
Filing date: 1980-08-07
Publication date: 1985-06-24
Also published as: JPS5734386U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はマニプレータにおけるマスターの制動装置に関
し、さらに詳細には、操縦者によって操縦されるマスタ
ーとこのマスターの動作に追従して作動するスレーブか
らなるマニプレータにおいて、回動関節や屈曲関節を介
して各構成部材を互いに連結したマスターの各関節部の
動きを規制する制動装置に関する。

一般に、原子力関連機器の遠隔操作あるいは遠隔保手、
点検作業に用いられるマニプレータのマスターは、人間
の上肢を模し肩部、上腕部、下腕部、手首部及び手指部
等から構成され、各部は良好にバランスされるとともに
、それぞれの連結部（関節部）は操縦者（オペレータ）
の動作に追従して軽快に動くように設けられている。

しかし、各関節部が円滑に動作し過ぎると、オペレータ
がマスターから離れた場合のわずかなアンバランスによ
りマスターの姿勢が保持できなかったり、あるいは誤っ
てマスターに接触した場合には、わずかな力であっても
マスターの関節部が動いてしまい、スレーブがそれに追
従して動作するおそれがある。

また、スレーブの操作に際しては、一部の関節部のみを
動作する場合があるが、各関節部が円滑に動作し過ぎる
と、不必要な関節部までも動作してしまい、逆に誤操作
を招来する等の問題がある。

本考案は上述した問題に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、マスターの各関節部の動作の制動を
、制動力の調節を行ないつつ容易に行なうようにしたマ
ニプレータにおけるマスターの制動装置を提供するにあ
る。

以下、図面を用いてこの考案の実施例を詳細に説明する
。

第１図、第２図はそれぞれ本考案に係る制動装置を備え
たマニプレータのマスター１の正面図オよび平面図で、
このマスター１は、建屋の天井等の固定部２に支持アー
ム３を介して支持された肩部４と、肩部４に基部を回動
自在に装着されるとともに先端を基部に対してその軸線
を回転軸として回動自在に設けた上腕部５と、上腕部５
の端部に基部を回動自在に装着した下腕部６と、下腕部
６の端部付近に平行に支持されかっ回動自在に設けられ
るとともにオペレータの手首等が挿通される手首部７と
、手首部７に開閉自在に装着した手指部８等により構成
されている。

すなわち、肩部４は、可動アーム９とこれと一体成形し
た軸受ブロック１０や後述するバランス調整機構用ブロ
ック等からなり、可動アーム９の上端が支持アーム３の
下端に回動自在に装着した上下方向の肩水平回転軸１１
を介して回動自在に支持されている。

軸受ブロック１０には、前後方向（第１図において左右
方向）へ水平に延伸した肩側面振り軸１２が回動自在に
取付けられており、肩側面振り軸１２の前端（第１図に
おいて左端）にはバランス調整機構用ブロック１３が固
着されている。

バランス調整機構用ブロック１３の前端には、二叉状の
上腕取付部１３ａが形成されており、この上腕取付部１
３ａには、左右方向（第２図において上下方向）へ水平
に延伸した上腕回動軸１４が回転自在に挿通されている
。

バランス調整機構用ブロック１３の後端に設けた二叉状
の軸受部１３ｂには、上腕回動軸１４と平行なウェイト
軸１５が回転自在に支承されており、このウェイト軸１
５には、第１バランスウエイト軸１６が固着されている
。

第１バランスウエイト軸１６は、上腕回動軸１４を中心
とするマスター１の前後方向の平衡を図るためのもので
あり、ブロック１３を回転自在に貫通した伝達軸１７、
伝達軸１７の両端に取付けたベベルギア１８．１９及び
それぞれのベベルギア１８．１９と噛合させて上腕回動
軸１４、ウェイト軸１５に取付けたベベルギア２０．２
１からなるバランス調整機構により上腕回動軸１４に後
述する如く装着される上腕部５と連動して上下動する。

前記固定側となる肩部４の上腕回動軸１４には、可動側
となる前記上腕部５の一部を構成する円筒状に形成され
た基部側部材２２の一端が固着されており、基部側部材
２２の他端面には、その内径より適宜小径のリング状に
形成されるとともに外周面に歯部を形成した出力ギア２
３がボルトの如き締結具（図示省略）を介して取付けら
れている。

なお、上腕部５の基部側部材２２の軸線と前記肩側面振
り軸１２の軸線とは同一垂直面内に位置するように設け
られているものである。

上腕部５の基部側部材２２には、第３図、第４図に示す
ように、この基部側部材２２とともに上腕部５を構成す
るほぼ円筒状に形成された端部側部材２４が、その一端
を介して嵌挿されるとともに、基部側部材２２の両端付
近に内装したベアリング２５（図においては一方のみ示
す。

）を介して回転自在に支承されている。

そして、端部側部材２４は、各ベアリング２５の間隔を
規制すべくその外周に嵌装したディスタンスカラー２６
及び出力ギア２３の内端面とベアリング２５との間にお
いてその外周に嵌装したカラー２７等により、その長手
方向への移動、すなわち基部側部材２２からの逸脱を防
止されている。

前記端部側部材２４の他端部付近には、左右方向へ突出
した取付部２４ａが一体成形されており、この取付部２
４ａには、前後方向へ貫通した矩形状のハウジング２８
が端部側部材２４及び出力ギア２３を囲繞するが如くし
て取付けられている。

ハウジング２８における内周面の中間部付近には、第３
図に示すように、内方へ突出したブラケット２８ａが一
体成形されており、このブラケット２８ａには、固定側
となる基部側部材２２に対する可動側となる端部側部材
２４の軸３０が端部側部材２４の軸線と平行となるよう
にしてナツト３１を介して固定されている。

そして、軸３０には、前記出力ギア２３と噛合する入力
ギア３２が止めねじ３３により固定されている。

前記端部側部材２４の前端にはほぼ円形状の連結部２４
ｂが一体成形されており、この連結部２４ｂの中心部に
は、端部側部材２４の長手方向と直交する左右方向へ水
平に貫通した軸孔４２が設けられている。

軸孔４２には、有底円筒状の軸部材４３が両端に形成し
た小径の軸受嵌合部４３ａ、４３ａをそれぞれ適宜に突
出して嵌装されるとともに、ボルトの如き締結具４４を
介して連結部２４ｂに固定されている。

軸部材４３の各軸受嵌合部４３ａには、ベアリング４５
がそれぞれ嵌合されており、各ベアリング４５には、前
記下腕部６がその基部に設けた二叉状の連結部６ａ、６
ａの孔４６を介して回動自在に連結されている。

そして、各連結部６ａの左右両側には、はぼ円板状に形
成された第２．第３バランスウエイト４７．４８が、そ
れぞれの取付部４７ａ、４８ａに突設したリング状のベ
アリング押え部４７ｂ、４８ｂを介して各連結部６ａの
孔４６に嵌合されるとともに、複数の締結具４９を介し
て固定されている。

なお、第２．第３バランスウエイト４７゜４８は、軸部
材４３を中心とする上腕部５と下腕部６等との前後方向
の平衡を保持するとともに、上腕部５、下腕部６の軸線
を中心とする左右方向の平衡を保持するためのもので、
第２バランスウエイト４７が第３バランスウエイト４８
より大きく設けられている（第４図参照）。

前記軸部材４３の底部中央には、第４図に示すように、
その軸線方向へ貫通した孔５０が設けられており、この
孔５０には、上腕部５に対する下腕部６の回動位置（屈
曲角度）を検出するためのポテンショメータ５１が配置
されている。

そして、ポテンショメータ５１の取付ねじ部は、複数の
締結具５２を介して軸受部４３の外底部に取付けた取付
プレート５３を貫通して突出されており、この取付ねじ
部に螺合したナツト５４によりポテンショメータ５１が
取付プレート５３に固定されている。

ポテンショメータ５１の入力軸５５は、軸部材４３の軸
線上を延伸しており、その端部は第３バランスウエイト
４８の取付部４８ａ又はバランスウェイト４８を取付け
ないときは下腕部６に固定されている。

また、軸部材４３の外底部には、後述する制動装置のブ
レーキライニング等を案内すべく孔５０を囲繞する円筒
状のガイド部４３ｂが一体成形されている。

前記軸部材４３の外底部と第３バランスウエイト４８の
取付部４８ａとの間には、本考案に係る制動装置５６が
設けられている。

制動装置５６は、固定側となる上腕部５の端部側部材２
４に対する下腕部６の回動を制動規制するためのもので
、軸部材４３のガイド部４３ｂに移動自在に案内されつ
つ外底面に摺接されるリング状のブレーキライニング５
７等から構成され、ブレーキライニング５７に接触され
る押え座金５８、波形座金の如き弾性部材５９が、ガイ
ド部４３ｂに順次嵌装されている。

弾性部材５９の外側におけるガイド部４３ｂには、第５
図に示すように、リング状にして、かつ外周部に係止部
６０ａを設けた押圧プレート６０が嵌装されており、そ
の係止部６０ａは、第３バランスウエイト４８の取付部
４８ａに設けた切欠部４８ｃに係合されている。

そして、押圧プレート６０には、第３バランスウエイト
４８の取付部４８ａに進退自在に螺入した埋込ねじの如
き少なくとも２本の調節ねじ６１の先端が当接自在に設
けられている。

したがって、調節ねじ６１を適宜方向へ回わすことによ
り押圧プレート６０が軸部材４３の外底面に対して進退
され、ブレーキライニング５７が弾性部材５９の作用と
相俟って軸部材４３の外底面に押圧されることによって
、上腕部５の端部側部材２４に対する下腕部６の回動が
制動されつつ規制される。

前記下腕部６の端部には、第１図、第２図に示すように
、入力ギア口２が回転自在に取付けられており、その軸
（図示省略）は、下腕部６の端部に内装した図示しない
ポテンショメータ等と連結されている。

また、下腕部６には、その長手方向と直交する方向へ延
伸した手首支持アーム６３が一体成形されており、手首
支持アーム６３には、下腕部６と軸線と平行な軸線を有
する円筒状の前記手首部７の一端が回転自在に装着され
ている。

そして、手首部７の他端には、前記下腕部６の入力ギア
口２と噛合する出力ギア口４が嵌装されている。

手首部７の他端には、その軸線と平行延伸した手摺部取
付部材６５が固着されており、手摺部取付部材６５には
、前記手指部８の一部を構成する筒体６６が適宜に取付
けられている。

筒体６６には、この筒体６６と協働して手首振曲げ軸を
構成する回転体（図示省略）が回転自在に嵌挿されてお
り、この回転体には、上下方向へ延伸した手指支持部材
６７の一端が固着されている。

手指支持部材６７の中間部付近には、オペレータＯｐ１
の第１指が挿入される第１指部６８が取付けられている
。

そして、手指支持部材６７の他端には、後述する第２指
部の第１指部６８に対する開閉角度を検出するポテンシ
ョメータ（図示省略）と連結した回転体６９等を内装し
た筒状のケーシング７０が筒体６６と同軸的に取付けら
れており、回転体６９には、オペレータＯｐ、の第２〜
第５指が挿入される第２指部７１が取付けられている。

以上説明した本考案によれば、有底筒状の軸部材内にポ
テンショメータを組み込むとともに、その軸部材にガイ
ド部を形威しその周囲にブレーキライニング等を当接せ
しめてこれを調節ねじで軸部材に押圧できるようにした
ので、関節部の屈曲作動の制動、規制を精確に行うこと
ができ、ひいては信頼性の高いマニプレータを得る。

しかも、屈曲作動の制動、規制を精確にする構成は関節
部にコンパクトに組込まれたので、マニプレータ等ロボ
ットのコンパクト化の要請にも十分沿い得るものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本考案に係る制動装置を備え
たマニプレータのマスターの正面図および平面図、第３
図、第４図はそれぞれ本考案の要部の正断面図および平
断面図、第５図は本考案に係る制動装置の押圧プレート
の平面図である。５・・・・・・上腕部、６・・・・・・下腕部、２２・
・・・・・基部側部材、２３・・・・・・出力ギア、２
４・・・・・・端部側部材、４３・・・・・・軸部材、
４３ｂ・・・・・・ガイド部、４７，４８・・・・・・
バランスウェイト、５１・・・・・・ポテンショメータ
、５７・・・・・・ブレーキライニング、５８・・・・
・・押え座金、５９・・・・・・弾性部材、６０・・・
・・・押圧プレート、６１・・・・・・調節ねじ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

バランスウェイトを有する下腕部と上腕部とを回動自在
に軸支連結する有底筒状の軸部材を備えた関節部を有す
るマニプレータ等において、前記軸部材内にその軸線に
沿いポテンショメータを固定し、その入力軸を下腕部又
はバランスウェイトに固定する一方、前記軸部材に前記
底部方向へ突出する筒状のガイド部を形威し、該ガイド
部の周囲にブレーキライニング、押え座金及び弾性部材
を介在して押圧プレートで前記軸部材に当接させ、かつ
、この押圧プレートを前記下腕部又はバランスウェイト
の外方から調節ねじて調整可能に押圧固定してなること
を特徴とするマニプレータにおけるマスターの制動装置
。