JPS6018592Y2 - 多気筒機関の過給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、吸入行程が連続し合う気筒を有する多気筒機
関の過給装置に関するものである。

吸入行程が連続し合う気筒を有する多気筒機関では、前
記気筒を吸入行程が連続し合わない気筒のみによる複数
のグループに分割し、各気筒グループごとにそれぞれ独
立した吸気系を構成するのが一般的である。

このように各気筒グループごとに吸気系を独立させた場
合は、同一吸気系に含まれる各気筒の吸入行程が実質的
に重なり合わないので、吸気の干渉を予防して吸気効率
を向上できる。

ところが、各吸気系に排気ターボチャージャを装着して
過給を行わせる場合は、すべての過給機の過給率が必ず
しも同一とならないので、各吸気系の吸気マニフオール
ド間等をバランスチューブ等で連通させて給気圧の平均
化を行う必要がある。

更に、前記のように独立した吸気系にそれぞれ排気ター
ボ過給機を設けた場合は、一つの排気ターボ過給機が作
動不良を起すと、この故障した過給機を含む吸気系に属
する気筒の吸入効率が極度に低下してしまうため、機関
全体としてのバランスが崩れて異常振動を起すと同時に
、出力及び運転性が著しく低下してしまう。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、各気筒グ
ループの吸気系を実質的に独立させながら、各気筒グル
ープに対応して設けた排気ターボ過給機をいずれの気筒
グループに対しても均等に作用させることにより、給気
効率の低下を伴うことなく過給機の故障時における性能
低下を最小限に抑えることができる簡潔構成の過給装置
を提供することを目的とする。

以下に本考案を図示された一実施例に基づいて詳細に説
明する。

実施例は、本考案を■型８気筒機関に適用したものであ
って、第１番目の気筒１から第４番目の気筒４までを含
む第１のシリンダブロック９と、第５番目の気筒５から
第８番目の気筒８までを含む第２のシリンダブロック１
０とをｖ型に結合している。

前記各気筒１〜８は、吸入行程が相互に連続し合う気筒
を同一グループ内に含まないように４気筒づつの２つの
グループに分割している。

実施例では、第１気筒１、第２気筒２、第５気筒５及び
第７気筒７を第１の気筒グループとすると共に、第３気
筒３、第４気筒４、第６気筒６及び第８気筒８を第２の
気筒グループとしている。

又、前記両シリンダブロック９，１０をツナクように配
設されたエアチャンバ１１内を仕切板１２で上室１３を
下室１４とに区画形威し、第１気筒グループに属する各
気筒と上室１３とをそれぞれ吸気マニフオールド１５．
１６を介して連通させている。

そして、第２気筒グループに属する各気筒とエアチャン
バ１１の下室１４とをそれぞれ吸気マニフオールド１７
．１８を介して連通させることにより、同一気筒グルー
プ内の気筒を吸気マニフオールド及びエアチャンバ１１
内の各室１３．１４を介して連通させている。

一方、前記各気筒グループに対応して２基の排気ターボ
過給機１９．２０を設ける。

これら各過給機１９．２０のうち、第１気筒グループに
対応する第１の過給機１９は、該気筒グループに属する
各気筒からの排気で駆動される。

尚、第２気筒グループに対応する第２の過給機２０も第
２気筒グループに属する各気筒からの排気で駆動される
。

上記のようにして各気筒グループに対応して設けた各排
気ターボ過給機１９．２０のブロア出口には、各気筒グ
ループに対応して区画形威されたエアチャンバ１１内の
上下室１３．１４をともに均等に接続することにより、
いずれの過給機１９．２０からも両室１３，１４に均等
に空気が送り込まれるようにしている。

尚、実施例では、両室１３．１４に共通の空気入口管２
１．２２を設け、この空気入口管２１．２２と各プロ゛
アの出口とを結合すると共に、前記仕切板１２を各入口
管２１．２２内まで延設することで一方の室内の気柱振
動が他方の室内に影響を及ぼさないようにしたものであ
るが、両室１３．１４に別々に空気供給管を設けてこれ
を各ブロアの出口で合流させても良い。

２３は燃料噴射ポンプである。上記のように構成した過
給装置において、機関が運転されると、各気筒グループ
に対応する排気ターボ過給機１９．２０がそれぞれ駆動
される。

各過給機１９．２０のブロアから吐出された空気は、そ
れぞれエアチャンバ１の上下室１３．１４内に送り込ま
れ、各吸気マニフオールドを介してそれぞれの気筒へと
分配される。

ここに、両気筒グループの吸気系は、エアチャンバ１１
の上流で合流されているが、各気筒の吸入行程にともな
って発生する気柱の振動はそれぞれの気筒グループに対
応する上室１３及び下室１４でダンピングされてしまう
。

従って、各気筒グループの吸気系が実質的に独立してい
るため、吸気に際して気柱振動が発生しようとも、吸気
行程が実質的に重なり合う他の気筒の吸気に悪影響が及
ぼされるおそれはない。

又、前記両排気ターボ過給機１９．２０による過給率は
必ずしも同一とならず、通常は機械的な抵抗のバラツキ
あるいは他の原因によって両過給機１９．２０による過
給率がアンバランスとなる。

ところが、両過給機１９．２０のブロア出口はそれぞれ
エアチャンバ１１の上下両室１３，１４を介して連通さ
れているので、前記のように過給率がアンバランスであ
ろうとも第１気筒グループに対応する上室１３内の空気
圧と第２気筒グループに対応する下室１４内の空気圧と
が必ず同一となる。

従って、従来のように吸気マニラオールド間をバランス
チューブ等で連通させることなくすべての気筒に対する
過給圧を均等にできるため、吸気系の構成が簡素化され
る。

又、一方の排気ターボ過給機が作動不良を起した場合に
も、正常に作動している他方の過給機でエアチャンバ１
１の上下両室１３，１４に均等に空気が送り込まれる。

このために、一方の過給機の作動不良時にも、すべての
気筒に均等に空気が圧送されて性能の低下が最小限に抑
えられる。

以上説明したように、本考案では吸入行程が実質的に重
なり合う気筒を同一グループ内に含まない複数の気筒グ
ループを設け、この各気筒グループの吸気系を気柱振動
的な立場でそれぞれ独立させながら、気柱振動に影響の
ない部分ですべての吸気系を合流させたものであるから
、排気ターボ過給機が正常に作動しているときはもちろ
んのこと、仮に一つの排気ターボ過給機が作動不良を起
した場合にも全気筒に空気を均一に送り込むことができ
るために、斯る作動不良時における性能低下を最小限に
抑えることができる。

又、従来のように、給気圧をバランスさせるために各吸
気マニフオールドをバランスチューブを介して連通させ
る必要がない。

従って、吸気系の構成を簡素化して部品点数を削減でき
ると共に、バランスチューブを介して他の気筒グループ
に気柱振動が伝達されないために、各気筒の吸気効率を
更に向上できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示す要部の平面図、第２図
は第１図の■−■断面図、第３図は第１図の■−■断面
図である。 １〜８・・・・・・気筒、９，１０・・・・・・シリン
ダブロック、１１・・・・・・エアチャンバ、−１２・
・・・・・仕切板、１３・・・・・・上室、１４・・・
・・・下室、１５〜１８・曲・吸気マニフオールド、１
９，２０・・・・・・排気ターボ過給機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸入行程が連続し合う気筒を有する多気筒機関において
   、前記複数個の気筒を吸入行程が相互に連続し合わない
   気筒のみによる複数のグループに分割し、エアチャンバ
   内を気筒グループ数と同数の複数室に区画形成して対応
   する気筒グループと各室とを吸気マニフオールドを介し
   て連通させると共に、前記各気筒グループに対応して設
   けた排気ターボ過給機のブロア出口を前記各室に均等に
   接続したことを特徴とする多気筒機関の過給装置。