JPS6018458Y2 - 組合せマツトの製造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガラスストランドを用いてカール状連続ストラ
ンドマットを形成すると同時に他のガラス繊維基材を結
合させ、組合せマットを連続的に製造する装置に関する
。

近年ガラス繊維強化プラスチック（以下ＦＲＰと称す）
成形法の進歩に伴い、各種プレス底形、フィラメントワ
インディング成形法、引抜成形法等において種々のガラ
ス構成を有する成形品が要求され、そのため成形工程に
おいて各種のガラス繊維成品が使用されるようになった
。

そこで短繊維を組合せ、マット状としたチョツプドスト
ランドマットを使用する方法が開発されたが短繊維であ
ること、構成繊維が直であるため繊維間のからまりが少
ないこと等の欠点のために使用するガラス繊維量に比し
て十分な強度が得られない欠点があった。

そこで取扱いの容易性、成形品の強度等の要求より長繊
維マットすなわち連続ストランドマットの需要が増大し
た。

特にガラス繊維をカールせしめたカール状連続ストラン
ドマットは繊維間のからみ合いにすぐれ全体として弾力
あるソフト感を有し嵩高であるため成形に際し型の隅々
までガラス繊維がいきわたり均等な品質の成形品を与え
る。

更に無方向にからみ合った繊維は従来のマットを使用し
た場合に比し少量のガラス繊維を用いていずれの方向に
も優れた強度のＦＲＰを与え又樹脂の浸透性にも優れる
。

更にカール状連続ストランドマットと他のガラス繊維基
材（ガラスロービング等の方向性を有するもの、又はガ
ラスクロス、ガラスロービングクロス、チョツプドスト
ランドマット等の方向性を有しないもの）と結合した組
合せマットはカール状連続ストランドマットの諸長所に
加えるに結合基材の強度が加わり、又種々の組合せが可
能であってＦＲＰ製品の多様化に追随しうるきわめてす
ぐれた組合せマットである。

従来、連続ストランドマットの製造法が種々提案されて
きたがいずれも大規模な装置を必要としている。

特にカール状ガラス繊維は熔融ガラスから繊維を製造す
る際にカールさせる方法によってのみ製造されていた。

このため厚さ、巾、カール度その他の点において均一化
され、ＦＲＰ製品の多様化に追随しえない欠点があった
。

例えば、特公昭４８−２７２２８号公報や特開昭４８−
５８０６３号公報或いは特公昭３２−８０号公報に開示
されたものは、ガラスストランドを不規則なカール状に
解繊させて相互に複雑に絡み合わせることが困難であり
、規則的にカールしたものを積み重ねているにすぎない
。

この結果、強度的に優れたＦＲＰ製品を効率良く生産す
ることができない。

本考案はかかる知見に基づき、ガラスストランドを不規
則なカール状に解繊させて相互に複雑に絡み合わせるこ
とが可能な組合せマットの製造装置を提供することを目
的とする。

この目的を達成する本考案の構成は、ガラスストランド
が貫通する貫通孔を有すると共に先端が左右に首振り可
能な管状の分離配交装置と、この分離配交装置に付設さ
れると共に空気噴流を前記貫通孔内に送り込んで前記ガ
ラスストランドを当該分離配交装置から噴出させる空気
送入管と、前記分離配交装置と対峙して前記ガラススト
ランドが吹き付けられると共にこのガラスストランドを
不規則なカール状に解繊させた状態で自然落下させる全
面網状の有孔板と、この有孔板の下方に配置されてガラ
ス繊維基材を搬送すると共にこのガラス繊維基村上に不
規則なカール状に解繊したガラスストランドを落下させ
るベルトコンベヤを有し、前記有孔板は平板状をなす基
板に対し前記分離配交装置に向けて凸形に湾曲した円弧
状に張設され、前記基板は前記ベルトコンベヤに対して
任意の傾斜角に調整自在に設けられたものである。

次に第１図ないし第３図を参照して本考案を詳細に説明
する。

第１図は本考案に係る装置の垂直断面説明図であり、第
２図はその平面説明図である。

第３図は分離配交装置の断面図である。１はロービング
、２はセラミック製のロービングガイド、４はガラスス
トランドである。

３は供給調節用ロールであって、一対のロールが第１図
に示す矢印方向に同一回転数で回転し、ガラスストラン
ドの一定量を供給する。

更に供給調節用ロール３の回転数は可変であって必要供
給量に応じて回転数を調節する。

又ガラスストランド４を損傷しないようゴムライニング
等の加工を施しである。

次にガラスストランド４は帯電防止器５ａにより静電気
を除去され、分離配交装置６に入る。

分離配交装置６は内部に貫通孔７を有するを管状構造を
有し、後方を外部より支柱８で支える。

支柱８の支点９を中心にして分離配交装置６は有孔板１
０に向けて左右に首振り可能である。

貫通孔７内には空気送入管１１が開口する。

供給調節用ロール３から送られるガラスストランド４を
貫通孔７内に貫通せしめる。

空気送入管から送られる空気噴流は貫通孔７内でガラス
ストランド４と合流し有孔板１０の表面に向けて噴射す
る。

１２はマット戊形器であり長方形基板１３を横長に用い
、分離配交装置６に対峙せしめ、縦断面円弧状に有孔板
１０を張り、基板１３の水平方向中心線を中心に分離配
交装置６に対する角度を調節できる機構とする。

有孔板１０の材質は通常テフロン等の特殊表面処理を施
した目の開き約１〜４姻の金網等のネット類を用いる。

空気噴流はガラスストランド４を常に強く前方に引いて
いるが供給調節用ロール３の供給量がこれに比し小さい
ため、ガラスストランド４は分離配交装置６と供給調節
用ロール３との間で緊張状態を保ちつつ供給される。

ガラスストランド４は貫通孔７内で空気噴流により適度
に解繊された状態で有孔板１０に向けて噴射される。

有孔板１０は噴射空気流のみを通過させるためガラスス
トランド４のみが有孔板面に激突し、適度に解繊された
状態のまま彎曲状にカールし、分離配交装置６の首振り
機能により有孔板１０上に展開され、同時にガラススト
ランド４の静電気は帯電防止器５ｂにより除去される。

有孔板１０上に展開されたガラスストランド４は調節さ
れたマット形威器１２の角度により空気流及び自重によ
ってベルトコンベヤ１６上に配列したガラスストランド
列上にカールして落下し、組合せマット２３となる。

この場合、ガラスストランドの噴射媒体である噴射空気
流は有孔板１０を通過し、ガラスストランドのみ有孔板
上に配列されるので、分離配交装置６を左右に揺動させ
ることによりガラスストランド自体を相互に蛇行配列さ
せ容易に絡み合せることができる。

更に有孔板１０を通過した噴射空気流は基板１３によっ
て遮蔽さレルのでベルトコンベヤ上のガラス繊維基材の
配列を乱すことがなく、しかも有孔板１０の背後におい
て適度な乱流を生じこれによりガラスストランド相互の
絡み付きを一層助勢する。

有孔板上に展開され相互に絡み合ってマット状にカール
されたガラスストランド４は調節されたマット形戒器１
２の角度により空気流及び自重によってベルトコンベヤ
１６上に配列したガラスストランド列上に落下される。

一方、ロービング１４はベルトコンベヤ１６後方に多数
配列され、各々から取り出されたガラスストランドがロ
ービングガイド１７を通過し等間隔−列に配列し、ベル
トコンベヤ１６で運ハれる。

コンベヤベルトがマット形戒器１２の下方を通過する際
、配列したガラスストランド上にカールしたガラススト
ランドが落下し、組合せマット２３となる。

１８はベルトコンベヤ上方に配置した不織布供給装置で
あってローラ１９と共働して組合せマット２３を覆う不
織布を供給する。

不織布は不飽和ポリエステル繊維等、プラスチック形成
材料に溶解する打者が望ましく、一般に形成材料と同質
のものが使用されている。

不織布の目的はガラスストランドを所望のマット状に単
に積み重ねたに過ぎない状態の組合せマット２３を覆う
ことにより型くずれを防止し、更に上からニードリング
マシン２１により多数の針を差し込み直ちに引き抜く操
作を受けることにより、不織布の繊維がガラスマット中
に埋め込まれ、ガラスストランドとからみ合い、組合せ
マット２３を一体化することにある。

したがって不織布は上記目的を遠戚する範囲において薄
いものが望ましい。

ローラ２０は不織布で覆われたガラスマット２３を所定
の厚さに圧縮する。

２１はニードリングマシンであって多数の針が下方に突
出し、上下運動を行う。

２２は巻取りロールである。本実施例においては組合せ
マットの結合工程として不織布によるニードリング加工
を採用したが、バインダー加工等のマット加工法であっ
てもよい。

又第１図に示す如く所望のマット巾が大きい場合、分離
配交装置を２ないし数台並列に配置することもできる。

マットの厚さは供給調節用ロールの速度、分離配交装置
の台数、ロービングの番手等により調節されるが特に厚
いものが必要なときは分離配交装置とマット形威器と巾
調節壁とよりなる組合せを２ないし数列順次設置するこ
とも可能である。

第４図に上記実施装置によって製造された組合せマット
の斜視図を示す。

第５図は他のガラス繊維基材としてガラスロービングク
ロスを用いた場合の組合せマットの斜視図である。

第６図はカール状連続ストランドマットの中間層に組合
せ基材を配したものでストランドをマット状に展開せし
める装置の組合せを複数配列し、その間に他のガラス繊
維基材を挿入することにより可能である。

かくの如く本装置によりカール状連続ストランドマット
と他のガラス繊維基材との組合せより、カール状連続ス
トランドマットの特長に他のガラス繊維基材の特長を加
えた所望の組合せマットを容易に製造することができる
。

又、全面網状の有孔板を分離配交装置に向けて凸形に湾
曲した円弧状に形成すると共にこの有孔板を支持する基
板をベルトコンベヤに対して任意の傾斜角に傾けれるよ
うにしたので、ガラスストランドを不規則なカール状に
解繊させて相互に複雑に絡み合せることが可能であり、
その絡み合いの程度も調整できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の垂直断面説明図、第２図は
その平面説明図、第３図は分離配交装置の断面図、第４
図ないし第６図は組合せマットの斜視図である。 図面中、１，１４はロービング、３は供給調節用ロール
、４はガラスストランド、６は分離配交装置、７は貫通
孔、１０は有孔板、１１は空気送入管、１２はマット戒
形器、１３は基板、１４はロービング、１５は巾調節壁
、１６はベルトコンベヤ、１８は不織布供給装置、２１
はニードリングマシン、２３は組合せマットである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラスストランドが貫通する貫通孔を有すると共に先端
   が左右に首振り可能な管状の分離配交装置と、この分離
   配交装置に付設されると共に空気噴流を前記貫通孔内に
   送り込んで前記ガラスストランドを当該分離配交装置か
   ら噴出させる空気送入管と、前記分離配交装置と対峙し
   て前記ガラスストランドが吹き付けられると共にこのガ
   ラスストランドを不規則なカール状に解繊させた状態で
   自然落下させる全面網状の有孔板と、この有孔板の下方
   に配置されてガラス繊維基材を搬送すると共にこのガラ
   ス繊維糸村上に不規則なカール状に解繊したガラススト
   ランドを落下させるベルトコンベヤとを有し、前記有孔
   板は平板状をなす基板に対し前記分離配交装置に向けて
   凸形に湾曲した円弧状に張設され、前記基板は前記ベル
   トコンベヤに対して任意の傾斜角に調整自在に設けられ
   たことを特徴とする組合せマットの製造装置。