JPS601532B2 - セラミツクグロ−プラグ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主としてディーゼルエンジンに装着され、始動
時においてシリンダー内又は副燃焼室内を子熱するため
に効果的なセラミックグローブラグにおける発熱体の構
造に関するものである。

第１図イ及び口に示す如く従来この種セラミックグロー
ブラグ１は、発熱体２としてその断面が口に示す如き長
方形に近い異形状のセラミック絶縁体２「 の中央部に
、コイル状発熱線２一２ を先端で折曲げＵ字状として
長辺方向に平行して配置し埋設したものが知られている
。ところで、この様に発熱体２の断面が長方形に近い異
形状のセラミックグローブラグ１を、第２図に示す様に
エンジンに螺着し燃焼室３に装着した場合、その取付状
態によって、同図口又はハに例示する如く発熱体２の断
面形状が変るため、ノズル４から噴射される燃料５と、
発熱体２の表面形状との関係角度位置が悪いと、燃料へ
の子熱が一定の最良条件で行われず特に低温時における
場合等においてエンジンの始動性に悪影響を与えるおそ
れがあった。

従ってグローブラグの発熱体としては第３図に示す如く
、図中点線で示した円形コイル形状の発熱線６を断面円
形のセラミック絶縁体７中に同心円状に埋設したものと
すれば、取付状態によって燃料への予熱効果が変化する
ことのない最適のものとすることができる。しかし乍ら
発熱体の成形時において、予め円形の成形されたコイル
状発熱線を成形型内におき、これに煉緒用セラミック粉
末を充填してホットプレスによってセラミック粉体を圧
縮嫌結せしめる際、一方向（第３図に於て上下方向）か
ら圧力が加えられることにより、圧縮成形後埋設された
発熱線コイル６′は実線で示す如き楕円形状となること
を免れず、このため発熱線コイル６′と、円形断面のセ
ラミック絶縁体７の外周との距離が一様でなくなるため
に通電時発熱体表面に温度差を生じること及びこのため
にセラミック絶縁体に割れを発生するおそれがある等か
ら発熱体の断面を円形にすることについては問題点があ
った。本発明は前記の如き状況に鑑みてなされたもので
あって、楕円コイル形状をもつ発熱線を先端で折曲げＵ
字状となし、さらには、この発熱線のコイル形状を特定
な寸法の楕円形状として、絶縁体中に一定の寸法構造を
もつように埋設して発熱体とすることによって、その表
面の発熱による温度差が最小で、セラミック割れ等を生
ずることがなく、また燃焼室への敬付状態によって燃料
への子熱効果が変化することのない優れた性能をもつセ
ラミックグローブラグを提供しようとするものである。
以下本発明につき図を用いて詳細に説明する。第４図イ
は本発明セラミックグローブラグの実施例を示す縦断面
図で、同図口は同図イのＸ−Ｘ線における発熱体の拡大
断面図である。図において発熱体８は、一定の楕円形状
をもつコイル状をなし、先端部において折曲げＵ字状と
されたタングステン（Ｗ）、モリブデン（Ｍｏ）の如き
抵抗発熱金属線材からなる発熱線９を、例えば窒素珪素
（ＳもＮ４）を主体とした断面形状のセラミック絶縁体
１０中に埋設してなるものであって、この発熱体８を構
成する発熱線９とセラミック絶縁体１０の関係寸法構造
は、前記Ｕ字状に折曲げられた発熱線９の平行部分にお
ける２条の楕円コイル９「及び９−２の外接円（同図口
に鎖線で示す）の径ａとセラミック絶縁体１０の外蓬ｂ
との比が３５：ｌｏｏ乃至７０：１００となるように設
定成形されてなるものとする。

なお、３５未満の場合は発熱特性が劣ると共に、発熱線
とセラミック絶縁体表面との温度差が大きく熱応力によ
ってセラミック割れが生じ易い、又７０を超える場合は
発熱特性が向上するが同様に温度差が大となり破損し易
くなる。さらに他の構造としては、前記同様の構成条件
で埋設されるコイル状発熱線９の楕円形状を、同図口に
示す如くその短径ｘと長径ｙとの比が５０：ｌｏｏ乃至
７０：１００となるように設定成形されてなるものとす
る。なお上記範囲に外れるものは、方向が異なるだけで
、同様に温度分布が不均一となりセラミックが破損し易
くなる。

Ｕ字状に折曲げられた発熱線９の平行部分９一，の端部
は、金属外筒１１に鑑付され、金属外筒１１は金具１２
に鍵付されて接地側電極となり、一方の発熱線の平行部
分９−２の端部は、セラミック絶縁体１０の基端部にお
いて金属キャップ１３に鍵付され、接続線１４を経て中
軸１５に接続される。

而してこの中軸１５は、金具１２の上端部において絶縁
固着体１６を介して加締められ、かつ絶縁板１７を鼓し
てナット１８で締結され十側電極となり通電路を形成し
、グローブラグが構成される。本発明セラミックグロー
ブラグの発熱体を形成するには、例えば｛ィ）線径０．
２肋のタングステン線を外径１．仇舷の円形コイル状に
巻き、更に平行部分におけるコイルの外側間隔が３．０
脚となるようにＵ字状に折曲げる。

｛〇）このＵ字状に折曲げられた２条の発熱線コイルの
両端部に、後工程において十側電極及び接地側電極に接
続するためのりード線（外径０．６柳）を接続する。

し一 前記発熱線コイルを、断面がほぼ長方形をなす成
形型内に配置し、窒化珪素（Ｓｉ３Ｎ４）を主成分とす
るセラミック粉体を充填し埋設して仮成形体を作る。

Ｑ この仮成形体の最辺の長さが１／２となるように、
ホットプレスにより加熱圧縮して断面がほぼ円形の暁結
成形体とくる。

‘村 前記焼結成形体を外径４．仇吻の円形に研削し仕
上げる。

という成形方法によって得られるもので、このようにし
て成形された発熱体及び発熱線コイルの関係寸法を第４
図口を参照し述べれば、発熱線コイルの短径ｘ＝０．８
側、長径ｙ＝１．３肋でその比は６２：１００となり、
発熱線コイルの外接円の怪ａ＝２．仇奴、セラミック絶
縁体の外径ｂ＝４．比肌でその比は５０：１００となる
ように形成される。

前記の如く構成された外怪ｂ＝４．仇吻の発熱体をもつ
本発明グローブラグと、第３図に示した如き構造をもち
、外蓬Ｄ＝４．０肋、発熱線コイルの長径ｄ＝２．物肌
こ形成された発熱体をもつグローブラグについて直流電
圧１０．５Ｖを印加し、６秒後における発熱体表面の温
度分布を第５図（第３図、第４図と同一部分は同一付号
で示す）に示す如く、発熱体断面に対し×，ｙ方向につ
き比較測定した結果、同図イの本発明グローブラグの場
合における発熱体表面温度は、ｘ方向が９２８℃、ｙ方
向が９２５ｑｏで、その温度差が３℃であったが、同図
口に示したタイプのグロ−プラグの場合は、ｘ方向が９
１６００、ｙ方向が９０３つ○で、その温度差はｌ３０
ｏを示した。この結果から本発明グローブラグは、明ら
かに発熱体表面の温度差が少ないことを実証し得た。以
上述べたことから理解されるように、本発明は、発熱体
を構成する発熱線と、セラミック絶縁体との関係寸法構
造を特定なものとし、さらには前記セラミック絶縁体を
埋設される発熱線のコイル形状を特定な寸法をもつ楕円
形状とした発熱体とすることによって、発熱体表面にお
ける発熱時における温度分布が極めて均一で、発熱時の
温度差にもとずくセラミック割れ等が生じることのない
、また燃料の噴射角度に対する、装着状態による子熱効
果の変化の極めて少ない従来の欠点及び問題点を改善し
た優れた性能をもつセラミックグｏ−プラグを提供でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来例セラミックグローブラグの一部を示す
縦断面図、同図口は、その発熱体のＡ−Ａ線における拡
大断面図、第２図イは従来例セラミックグローブラグの
燃焼室への取付状態を示す縦断面図、同図口及びハは取
付状態による発熱体の断面形状を示したもの、第３図は
発熱体構造の他の例を示した断面図、第４図イは本発明
セラミックグローブラグの一例を示す縦断面図、同図口
は同図イの発熱体の×−Ｘ線における拡大断面図、第５
図は発熱体表面の温度分布測定時における温度測定点を
示す発熱体断面図である。 ２，８・・・発熱体、２−．，７，１０・・・セラミッ
ク絶縁体、２−２，６，６′，９・・・発熱線。 第１図第２図第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 楕円コイル形状の発熱線が、断面円形のセラミツク
   絶縁体中に、その軸方向に沿い先端において楕円の長径
   が平行し対向するように折曲げられてＵ字状となるよう
   に埋設され、前記Ｕ字状に折曲げられた発熱線の平行部
   分における２条の楕円コイルの外接円の径と、セラミツ
   ク絶縁体の外径との比が、３５：１００乃至７０：１０
   ０となるように発熱体が構成されていることを特徴とす
   るセラミツクグロープラグ。 ２ 楕円コイル形状の発熱体の短径と長径の比が、５０
   ：１００乃至７０：１００である特許請求の範囲第１項
   記載のセラミツクグロープラグ。