JPS6014126Y2 - ガス燃焼機器の安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス燃焼機器に装着され、吹き消えなどによる
燃焼の停止（失火）時および／または酸素の欠乏による
不完全燃焼が発生した時にガスの供給を自動的に停止す
る安全装置に関する。

従来より安定化ジルコニア等の酸素イオン伝導性固体電
解質の燃焼体に多孔質電極を設けてなる酸素濃淡電池を
酸欠センサーおよび／または失火センサーとして用いる
とともにその主力により直接または増幅器を介してガス
供給路開閉用電磁弁を開閉作動させるガス燃焼機器の安
全装置が提案されている。

しかしながら、この安全装置は酸素濃淡電池の温度が６
００℃程度にならないと電磁弁を開状態に保つために必
要な起電力が生じない。

したがって安全装置をセットする際、酸素濃淡電池が昇
温し出力が増大するまで数十秒間手で安全装置のセット
装置を押すなどして電磁弁を開状態に保つ操作を必要と
し、非常にわずられしい欠点があった。

本考案は、酸素濃淡電池の昇温時間が半減でき、よって
安全装置のセットのわずられしさが少なくしかも風によ
り酸素不足で燃焼する燃焼炎が乱されることが防止でき
るガス燃焼機器の安全装置の提供を目的とする。

本考案は、断面が閉環状または開環状をした酸素イオン
伝導性固体電解質の焼結管状体に多孔質電極を設けて酸
素濃淡電池を構威し、この酸素濃淡電池の外側多孔質電
極は、正常燃焼時には酸素過剰であり室内が酸素欠乏の
状態となったときは酸素不足となる燃焼炎と接触し、内
側多孔質電極は常時酸素不足の燃焼炎に接触するよう配
置して酸欠センサーおよび／または失火センサーとして
使用するとともに該酸素濃淡電池の出力をガス供給路開
閉用電磁弁を開閉する電源としたことを骨子とするもの
であり、つぎに本考案を図に示す一実施例に基づき説明
する。

第１図は本考案の安全装置が装着されたガス燃焼機器を
示し、１はそのパネル状主火口、ＩＡはその燃焼炎、１
ａは予混合空気供給口であり、該供給口１ａから供給さ
れる空気により燃焼炎ＩＡは正常燃焼時は酸素過剰で燃
焼し、室内が酸素不足状態となったとぎ供給口１ａから
供給される空気中の酸素量が低減することにより酸素不
足の還元炎となる。

２は主火口１と対向して設けられ常時酸素不足の状態で
燃焼するバーナ、２Ａはその燃焼炎である。

上記バーナはここで（第１図）１次空気を含まないいわ
ゆる赤火バーナとして示されているが、１次空気を含ん
でいても電極面で余剰酸素のない状態の炎と接触するよ
うにされればよく、したがっていわゆるブンゼンバーナ
を用いてその内炎（還元炎）を電極に接触するようにし
てもよい。

３は酸欠センサーおよび失火センサーとして主火口１の
前面で且つバーナ２の上部に設けられた酸素濃淡電池で
あり、Ｃａｂ、 ＭｇＯ。

ＳｒＯ２、Ｙ２Ｏ３、Ｌａ２Ｏ３，５Ｃ２０３等で安定
化したＺｒＯ２、ＴｒＯ２、ＣｅＯ２等の酸素イオン伝
導性固体電解質の焼結管状体３１の外面および内面の所
定部分に白金、ロジウム、パラジウムまたはその合金を
一様な多孔質薄膜状に被着した触媒性の電極３１．３２
となし、外側電極３１は燃焼炎ＩＡと接触し、内側電極
３２は燃焼炎２Ａと接触するようにされている。

したがって酸素濃淡電池の外側の固体電解質、電極、ガ
スの三相全点には酸素を含む高温ガスが接触し、酸素濃
淡電池の内側の固体電解質、電極、ガスの三相全点には
電極の触媒作用により反応が十分に促進されて酸素をほ
とんど含まない。

４はガス供給路、５はガス供給路開閉用の電磁弁、５１
はその電磁石、５２はコイル、５３は下端に弁蓋５４が
固着された可動体、５５は弁口、５６は可動体５３を弁
口５５方向に付勢するバネ、６は可動体５３を電磁弁５
０に押し付け、安全装置をセットするためのセット杆、
６１はそのつまみである。

この安全装置のセットおよびガス燃焼機器の使用は、ま
ずつまみ６１を手で押し弁口５５を開くとともに可動体
５３を電磁弁に押し付け、これと同時に主火口１または
バーナ２に点火する。

これにより酸素濃淡電池３は内、外の両面から燃焼炎Ｉ
Ａおよび２Ａにより加熱されて急激に昇温するとともに
内、外の電極が接触する雰囲気の酸素濃度比が大きいの
で、周知のネルンストの式Ｅ＝（ＲＴ／４Ｆ ） Ｉｎ
（Ｐ２／ＰＩ） （ここでＥ：起電力、Ｒ：気体常数
、Ｔ：絶対温度、Ｆ：ファラデー常数、Ｐｌ：電池内側
の三相全点におけるガス中の酸素分圧でここではほとん
どゼロ、Ｐ２：電池外側の三相全点における酸素分圧）
で示される出力Ｅは極めて大きい値となり、０．８ボル
ト程度の起電力を生じ、出力インピーダンスが低下し電
磁石５１は可動体５３を吸引するので、つまみ６１から
手を離しても電磁弁５は開状態を保つ。

つぎに燃焼器の使用されている室内の酸素濃度が低下す
ると、燃焼炎ＩＡは酸欠の還元炎となるが、外側電極の
触媒作用により反応が促進されて酸素をほとんど含まな
い高温ガスが電池外側の固体電解質、電極、ガスの三相
全点に接触することになり、酸素濃淡電池３の両電極３
１および３２の接触雰囲気の酸素濃度比は微小となるの
で、起電力は低下し、よって電磁石５１の吸引力は弱ま
り、可動体５３はバネ５６の弾性力で弁蓋５４が弁口５
５を塞ぐよう移動し、安全装置として作動する。

また失火が生じた場合も酸素濃淡電池の両多孔質電極の
酸素濃度比が低下しその起電力は低下し電磁弁は閉じ安
全装置として作動する。

本考案の安全装置においては酸素濃淡電池３の外、内円
電極３１．３２は燃焼炎ＩＡ、２Ａに接触していること
が酸素濃淡電池の出力で電磁弁を開状態に保つために必
要である。

しかるにバーナ２は一般に小型であり且つ炎が長くなる
ため風などにより燃焼炎が乱され内側電極３２が大気と
接触しやすく、この場合には酸素濃淡電池３は起電力が
低下し、電磁弁は誤動作して閉じる。

かかる安全装置の誤動作を防止するには燃焼炎２Ａの乱
れをなくす必要があり、このためには酸素濃淡電池３を
断面が閉環状または開環状をした管状とし、その内部に
燃焼炎を位置せしめる方法が良い。

かかる管状の酸素濃淡電池は第３図ないし第６図に示す
如く断面が円、四角形、三角形その他で閉環状または一
部が切れた開環状の酸素イオン伝導性固体電解質焼結管
状体７の燃焼炎ＩＡと接触する部分のみ多孔質電極８，
９を被着する必要があり、同時に燃焼炎２Ａは内側多孔
質電極９に接触させる必要がある。

また内、外側電極の外面に外側電極保護のため多孔質セ
ラミック層１０を被着形成すると酸素濃淡電池の耐久性
が向上できる。

以上の如く本考案のガス燃焼機器の安全装置は主火口お
よびバーナの双方の燃焼炎で酸素濃淡電池を内外から加
熱しているので酸素濃淡電池の昇温か早く、安全装置の
セットが短時間でできる。

また酸素濃淡電池を管状としバーナの燃焼炎を囲んでい
るので安全装置の誤動作が防止できる。

また正常時出力発生型であるためフェイルセーフとなり
、また常時大出力を出力し異常発生時にはその出力は微
小となるので異常検知動作が確実となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるガス燃焼機器の安全装置および
ガス燃焼機器の概略図、第２図はその酸素濃淡電池部分
の拡大図、第３図、第４図、第５図、第６図は酸素濃淡
電池の平面図を示す。 図中 １・・・・・・主火口、２・・・・・・バーナ、
３・・・・・・酸素濃淡電池、５・・・・・・ガス供給
路開閉用電磁弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 断面が閉環状または開環状をした酸素イオン伝導性
   固体電解質の焼結管状体に触媒性の多孔質電極を設けて
   酸素濃淡電池を構成し、この酸素濃淡電池の外側多孔質
   電極は、正常燃焼時には酸素過剰であり室内が酸素欠乏
   の状態となったときは酸素不足となる燃焼炎またはその
   燃焼ガスと接触し、内側多孔質電極は常時酸素不足の燃
   焼炎に接触するよう配置して酸欠センサーおよび／また
   は失火センサーとして使用するとともに該酸素濃淡電池
   の出力をガス供給路開閉用電磁弁を開閉する電源ととし
   たことを特徴とするガス燃焼機器の安全装置。 ２ 酸素イオン伝導性固体電解質の焼結管状体の燃焼炎
   接触面にのみ多孔質電極層を設けたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のガス燃焼機器の安全
   装置。